腸骨動脈瘤の静脈穿孔の2例 - MT Pro

異なる下肢症状にて来院した腹部大動脈瘤,
腸骨動脈瘤の静脈穿孔の2例
四方 達郎1 藤原 靖之2 箱島 明2
阿久津博美2 伊藤 茂樹1
要 旨:われわれは腹部大動脈一腸骨動脈領域における,破裂性動脈瘤の静脈穿孔によ
る動静脈瘻を2例経験したので報告する.症例日ま80歳の女性で左下肢の虚血と呼吸苦に
て来院.精査にて左腸骨動脈瘤の腸骨静脈穿孔による動静脈痩および心不全と診断された.
緊急手術にて腸骨動脈瘤切除,瘻孔閉鎖,人工血管バイパス術施行した.症例2は56歳男
性で陰嚢,両下肢の腫脹にて来院.6年前の交通事故が原因と思われる腹部大動脈瘤の下大
静脈穿孔による大動脈―下大静脈瘻が考えられ,腹部大動脈Y字グラフト人工血管置換,
瘻孔閉鎖を行った.2例とも腹部の動脈瘤の静脈内穿孔による動静脈謬を発症したが,一方
は下肢虚血症状を呈し,他方は骨盤・下肢の静脈うっ滞症状を呈しており,心不全の発症
の有無や,病状の経過時間にも差がみられた.この違いを比較検討し,若干の文献的考察
を加えた.(日血外会誌5
: 95-99, 1996)
索引用語:腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤,腹部大動脈下大静脈棲,動静脈接,破裂性大動脈
瘤
(ASO),SMON病にて通院加療中であった.平成4年
はじめに
10月19日頃より咳楸,喘鳴出現し同月24日頃より左
破裂性の腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤のなかでも静脈
下肢の疼痛,色調変化を認め同26日近医受診しASO
穿孔は比較的まれな合併症である.今回われわれは下
急性増悪の診断で当院紹介受診となる.
肢の疼痛で来院し精査にて腹部の動脈瘤の静脈穿孔に
既往歴:昭和37年胃潰瘍にて胃切除術.昭和53年
よる動静脈痙と診断した2例を経験したので報告する.
腸閉塞にて手術.術後の内服薬によるSMON病と診
断される.
症 例
入院時現症:身長150
cm. 体重32 kg と痩せ型で栄
症例1 80歳女性.
養状態不良.血圧170/90,脈拍114/分,意識清明.頻
主 訴:左下肢痛,冷感,チアノーゼ.
呼吸で呼吸苦を訴えた.左下肢の冷感,疼痛を訴え,
現病歴:近医にて高血圧,閉塞性動脈硬化症
同側全体の斑紋状チアノーゼ(一部紫斑状),第I,
II趾
先端壊死を認めた. Pulsationは左側は大腿動脈以下触
l 東京医科大学第2外科(Tel:03-3342-6111)
〒160 新宿区西新宿6-7-1
知せず,右側は足背動脈,後脛骨動脈で触知が弱かっ
2 東京医科大学霞ケ浦病院循環器外科(Tel:0298-87-1161)
た.また聴診にて心尖部僧帽弁領域に収縮期逆流性雑
〒300-03 茨城県稲敷郡阿見町中央3-20-1
音Levine 3 度,胸骨右縁大動脈弁領域に収縮期駆出性
受付:1994年12月14日
雑音Levine 2 度,下腹部に血管雑音を聴取したが,拍
受理:1996年1月16口
95
日血外会誌 5巻1号
96
図1 術前lA-DSA
動脈の著明な屈曲蛇行,壁の不整を認め,左総腸骨動脈の瘤
化と,同部位での静脈との交通を認めた.
動性腫瘤は触知しなかった.
胸部X線:CTR
75%と著明な心拡大,および肺血
図2 術前IV-DSA
管陰影の増強を示した.
動脈瘤の描出後,骨盤から下肢の静脈相が造影され,瘤より
血液一般,血液生化学検査:血色素12.0
なし. GOT
182, GPT
121, LDH
g/d/ と貧血
1,616, CPK
中枢側の下大静脈は,
delayの後,側副血行路を介して描出
されてくる.
6,385
と筋由来の逸脱酵素を認めた.
尿検査:潜血反応(十)であった.
を認めた.瘤直下に瘤と癒着しthrillを伴った腸骨動
心電図:洞調律,左室肥大所見を呈した.
脈を認めた.腸骨動静脈をテーピング,遮断し瘤を切
TA-DSA
開した.動脈壁は粥状硬化が強く,末梢側の動脈硬化
:腹部大動脈の屈曲蛇行および,左腸骨動
脈瘤を認めた.動脈瘤の造影と同時に左腸骨静脈が造
所見を認めた.壁在血栓を摘出した.
影され,左総腸骨動脈瘤破裂―左総腸骨静脈穿破によ
裂した動静脈交通部を確認した.動静脈交通部をプレ
る動静脈痩と診断された.またdelayの後に造影され
ジェット付き3-Oナイロンにて縫合閉鎖した.内腸骨
る左浅大腿動脈に狭窄を認め,右浅大腿動脈閉塞も認
動脈は血栓閉塞していることを確認後,動脈壁を縫縮
めた(図1).
した.総腸骨および外腸骨動脈を切断後,径10
指尖容積脈波:左は全趾flat,右趾はcollateral wave
Sauvage velour knittedDacron にて両側端端吻合を行
を呈した.
った.術後経過は順調で心胸郭比58%と低下し心不全
心臓超音波:AS,
MR,
II度, TR II度,心嚢液貯
3 cmにわたる縦
mm,
も軽快し,リハビリ施行後退院した.
瘤,左室肥大, EF 88%であった.
症例1 56歳男性.
以上より総腸骨動脈瘤―腸骨静脈痩の診断にて同日
主 訴:両下肢腫脹,疼痛.
入院緊急手術施行となった.
現病歴:平成1年11月頃より両下肢の急激な腫脹,
手術所見:左側腹部から大腿部にかけて約20
cm 縦
疼痛出現し,近医にて内服薬を投与されるも症状改善
切開し腹直筋外縁より後腹膜に到達.動脈瘤は5×6
せず同年12月5日当科に紹介された.
cm.総腸骨動脈から内外腸骨動脈分岐部にかけて瘤化
既往歴:昭和58年バイクに乗車中,左側より来た乗
96
1996年2月
四方ほか:腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤の静脈穿孔の2例
97
用車に追突され,頭部打撲す.腹部に関しては特に症
交通部を閉鎖した.動脈瘤壁の一部を切除,縫縮し手
状はなかった.昭和59年11月および平成1年6月右
術を終了した.
鼠径部皮下膿瘍にてドレナージ術を受けた.
病理学的所見では切除された動脈瘤壁に弾性線維や
入院時現症:身長158
cm,
体重70
kg. 血圧158/
平滑筋細胞の存在がみられず,仮性動脈瘤と診断され
110,脈拍72,整.心雑音聴取せず.呼吸音正常.下腹
た.術後経過は順調で術後のIV-DSAで動脈瘤は描出
部に6×6cm大の拍動性腫瘤を触知し,同部位に血管
されず,下大静脈痩も閉鎖されたことを確認した.下
雑音を聴取した.また陰嚢を含め両側下腿部の著明な
大静脈閉塞部周囲の側副血行路の発達も良好であり,
腫脹を認めた.下肢周囲径は右大腿部で55.5
両下肢の腫脹も軽減した.
下腿部で38.5
51.5 cm,
cm, 同側足関節部で24
同側下腿部で38.0
cm.
cm. 同側
cm, 左大腿部で
考 察
同側足関節部で25.5
cmであった.
腹部大動脈腸骨動脈領域の動静脈痩の形成原因は,
胸部X線:心胸郭比55%,肺野に異常陰影を認めな
動脈硬化性大動脈瘤の静脈内穿孔によるもの,外傷性
かった.
のもの,医原性のものに分類されるが1),症例Iのよう
血液一般,血液生化学検査:異常を認めなかった.
な動脈硬化性のものから自然発生する場合の頻度は諸
尿検査:潜血反応(十十)であった.
家の報告で,全動脈瘤の0.2∼2.2%,破裂性動脈瘤の
心電図:洞性調律であった.
4∼6%である2・3).症例2のような外傷性の大動脈一
IV-DSA
下大静脈疾の発生頻度は全体の10∼20%とされる4).
: 腹部大動脈の腸骨動脈分岐部直上に,右
方に突出する動脈瘤を認めた.動脈瘤の描出と同時に
痩の発生部位では下大静脈が最も多く腸骨静脈,腎静
静脈相が描出されたが,下大静脈は大動脈瘤の部位に
脈と続く1-3)
て閉塞しており,動脈瘤より末梢側の下大静脈および
臨床的には多彩な症状を示し,
腸骨静脈相と,中枢側に向かう側副血行路が描出され
腹痛,背部痛,腹部大動脈瘤触知,連続性雑音の聴取
た.以上より腹部大動脈瘤―下大静脈痩と診断した
が80∼90%,高心拍出状態,脈圧増大が50∼60%,心
(図2).
Recklessらによれば
不全が37%,下肢浮腫56%,血尿17%,直腸出血5%
腹部CT:腎臓下極以下の腹部大動脈に径6×5
cm
である5).血尿は特徴的症状とされ,その原因は動静脈
大の大動脈瘤を認め,下大静脈を一部巻き込んでいた.
痩を介した血流によるpelvic
以上より破裂性腹部大動脈瘤一下大静脈癈の診断に
ため膀胱粘膜の静脈が拡張,破綻するとされる1).痩閉
て手術を施行した.
鎖後に血尿は速やかに消失し,腎機能も正常化する.
手術所見:腹部正中切開にて開腹し後腹膜切開し腹
今回提示した症例につき臨床症状の違いを考察する
部大動脈に到達.動脈瘤は総腸骨動脈分岐部より中枢
と,症例1は高齢者で動脈硬化より自然発症した,左
側に存在.径5.5×6cm大,動脈壁右側より右側に嚢状
総腸骨動脈と同側の総腸骨静脈との疾であり,症例2
に突出し,下大静脈および腸骨静脈に癒着していた.
は比較的若年者で,交通外傷より6年経過後に発症し
下大静脈の中枢側は動脈瘤の圧迫により癒着閉塞して
たと思われる外傷性の大動脈一下大静脈痩である.両
いた.癒着部を剥離するにあたり右総腸骨静脈は癒着
者とも腹部に血管雑音を聴取した.しかし症例1では
が激しく剥離困難であったため右大腿静脈より
下肢は蒼白,冷感,チアノーゼ,虚血斑といった急性
baloon
動脈閉塞に類似した症状を呈したのに対し,症例2で
occluderを挿入し,右総腸骨静脈を遮断した.
venous hypertensionの
腹部大動脈,左総腸骨静脈を遮断し動脈瘤壁を切開し
は陰嚢を含む両下肢の腫脹,熱感と,深部静脈塞栓症
た.動脈壁には粥状硬化,石灰化などの動脈硬化所見
に類似した症状を呈した.これは瘤孔を通る血流へ及
は認めなかった.大動脈の右側に20×10mmの裂口と
ぼされる物理的な力の違いによると考えられる.動静
同部より発生した動脈瘤,および下大静脈との癒着部
脈痩がいったん形成されると,瘤の大きさ,泰孔を通
に15×10
る血流量,痩を形成した動静脈の各径の差,解剖上の
mm
の交通部を認めた.穿破孔より逆行性に
左総腸骨静脈内にもbaloon
occluder を挿入後,大動脈
位置,合併する心疾患の有無,の各因子が痩を通る血
壁の裂口をダクロンパッチにて縫合し,下大静脈との
流に対し影響を及ぼす4)とされる.動静脈痩が形成さ
97
98
日血外会誌 5巻1号
れた部位より末梢の組織では循環血液量が減少し,こ
今回提示した両症例とも術前に確定診断が得られた.
れを感知した中小動脈が収縮し,虚血が進行する.こ
当然のことながら術前に確定診断が得られた方が,予
れには交感神経系の関与も考えられている6).症例1
期せぬ出血や肺塞栓などを回避でき,
の場合には末梢の動脈硬化があるため下肢の虚血はさ
含めた手術の成功率も高くなる.動脈瘤一静脈蔡の
らに増悪し,血管抵抗の高い動脈には流れずに,抵抗
triadとしてMcAuleyは1)突然に発症する高拍出性
の低い静脈に流入し,血流に沿って右房に流入したと
心不全,
考えられる.これに対し,症例2では動静脈痩の中枢
3)下肢の症状(虚血,腫脹など)をあげている12).動
側で静脈が癒着閉塞していたため血流は右房に直接流
脈瘤の診断に際しこれらの症状がみられたときには動
入できずに側副血行路を介して濯流したため,右房へ
静脈痩の可能性を念頭に置いて治療にあたる必要があ
の静脈濯流量は正常時よりも一時的に低下し,陰嚢,
ると思われる.
limb
salvageを
2) thrill,血管雑音を伴う腹部の拍動性腫瘤,
下肢の腫脹といった下半身の静脈圧上昇をきたしたも
文 献
のと考えられる.
また腹部大動脈−下大静脈痩において,穿破孔径が
1)
15 mm
et al.:Aortocaval and iliac arteriovenous
を越えるものは致死的経過をたどるとされる7)
Brewster, D. C・, Cambria,
R. P・,Moncure,
treatment.
fistulas: Recognition and
が,症例1では30mm(縦裂)で心不全をきたしてい
J.
A. C.
Vase.
Surg・,13 : 253-265, 1991.
るのに対し,症例2では15×10mmで心不全には至っ
2) Hickey, N. C・,Downing,
ていない.この違いは痕孔径の大きさによる通過血流
R・,Hamer,
J.D. et al.:
Abdominal aortic aneurysm complicated by
量の過多のみではなく,動脈壁の違いも考えられる.
spontaneous iliocaval or duodenal fistulae. J.
心不全の発症頻度は外傷性の動静脈痩よりも動脈硬化
Cardiovasc.
による自然発生的なものの方が多い8).これは動脈硬
3) Baker,
化性のものの方が高齢者に多く,心臓に基礎疾患があ
L.:Aortocaval fistula
るなど心予備力が低下している場合が多いことに加え,
abdominal aortic
動脈硬化性のものでは動脈壁組織が脆弱なため,痩孔
1972.
Surg・, 32 : 181-185,
W. H., Shartzer,
4) Alexander,
部が次第に拡張し静脈濯流量が急速に増える傾向にあ
vena
るためと思われる.
5)
以上のような理由で症例1では急性な経過で心不全
L. A.
and
Ehrenhaft,
aneurysm. Surgery,
fistula. Surgery,
A. L.:Aorta-
105 (1):1-12,
Reckless, J.P,D・,McColl,
caval fistula : An
72 : 933,
1. and
uncommon
complication
of abdominal
をとり,心不全には至らなかったのであろう.また,
461, 1972.
症例2では特に心疾患の合併がなかったのに対し,症
6)富恵 博,大原正己,善甫宣哉他:左内腸骨動静
例1では高齢, AS, MR,
脈疲を伴った反射性交感神経性萎縮症の1例.日
aortic aneurysms.
の低下が心不全の増悪に関与していたものと思われる.
心外会誌,
治療は手術による痩孔閉鎖と動脈瘤の人工血管置換が
7) Holman,
E. : Fundamental
the
of traumatic
原則である.閉鎖の際,近接の癒着静脈の破裂を防ぐ
21 (6):570-574,
care
Angiology,
必要があり,静脈を無理に剥離せず,動脈側から痩孔
Br. J. Surg・, 59 :
1992.
principles
arteriovenous
5: 145-166,
1989.
Taylor, G. 砥/,:
をきたしたのに対し,症例2では比較的亜急性の経過
TRの合併といった心予備力
J,
as a complication of
J. J. and Imbembo,
cava
Aorto
1991.
governing
aneurysms.
1954.
8)浅野 浩,加藤正一,島田説男他:総腸骨静脈へ
の閉鎖を行うべきとする意見がある.また,動脈をク
破裂した左総腸骨動脈瘤の1例.心臓,
ランプした後の静脈出血のコントロールおよび瘤内血
299-303,
11
1979.
栓の浮遊による肺塞栓の防止が重要になる.静脈出血
9)伊藤茂樹,箱島 明,藤原靖之他:外傷性腹部仮
のコントロールに対しbaloon
性大動脈瘤の下大静脈破裂の1例.日臨外医会
occluderの有用性が報
告がなされているが9),出血のコントロールが不能の
誌,
ときは下大静脈の結紫も考慮する必要がある4).
10)
腹部大動脈下大静脈痩の手術死亡率は欧米では
20∼55%であるが1・2・10)本邦では14%である11).
98
Mohr,
(3):
52 (8):1798-1803,
L. L.
and
1991.
Smith,
L. L.:Arteriovenous
fistula from
rupture
rysm.
Sure・, 110 : 806, 191 S.
Arch.
of abdominal
aortic aneu・
1996年2月
四方ほか:腹部大動脈瘤,腸骨動脈瘤の静脈穿孔の2例
99
11)杉本貴樹,小川恭∼,麻田達郎他:慢性心不全で 12)
McAuley・
発症した腹部大動脈瘤下大静脈穿破の治療経験.
drome
日外会誌,
Surgery, 99 (3):373-377,
92 (10):1520-1523,
1991.
C.E・ and
Peitzman・ A.Bヽ:The syn-
of spontaneous iliac arteriovenous fistula.
1986.
Two Cases of ArterialAnuerysms, Perforating Adjacent Vein
and Presenting DifferentLeg Symptoms
Tatsuro
Yomo1,
Yasuyuki
Hiromi
1
Second
Department
2
Department
Key words : Abdominal
arotic aneurysm,
Ruptured
We
report
two
dyspnea
the left common
leg ischemia,
Hakoshima2,
and Shigeki Ito1
Medical
Surgery, Tokyo
College
Medical
Iliac arterial aneurysm,
cases of abdominal
and left leg ischemic
emergency
aortic aneurysm
arterio-venous
pain. IA-DSA
iliac vein and forming
closed, and 10 mm
Akira
College Kasumigaura
Aorto-caval
Hospital
fistula,Arterio-venous
fistula,
aortic aneurysm
perforating adjacent veins and causing
from
Akutsu2
of Surgery, Tokyo
of Cardiovascular
Fujiwara2,
straight dacron
the left external iliac artery. Case
1 was an 80-year-old
common
ruptured,
female suffering
iliac artery aneurysm
rupturing into
was incised, the 3 cm longitudinal
graft was inserted between
2 was a 56-year-old
which
fistula.This caused high output heart falure and left
operations. The iliac artery aneurysm
in diameter
iliac artery aneurysm
fistula.Case
showed
arterio-venous
and
the left common
fistulawas
iliac artery and
male, suffering from vascular engorgement
in both
legs and the scrotum.
His
abdominal
aortic aneurysm,
which
formed
in aorto-caval
previous trafficaccident. Fistulas closure and aneurysmorrhaphy
was satisfactory in both cases. (Jpn. J. Vase. Surg., 5: 95-99,
99
fistula, was
were performed.
1996)
probably
caused
by a
The postoperative course