NSC 講習 - ケンテックシステムズ

NSC 講習
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NSC(
NSC(Non Scaffolding Construction method)
method)
(有)ケンテックシステムズ
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目次
NSC 講習 ....................................................................... 1
NSC 技術講習 座学 ............................................................ 5
〈1〉NSC 講習の基礎知識 ........................................................ 5
1.NSC の定義 ................................................................. 5
2.講習の対象者 ............................................................... 5
3.必要性 ..................................................................... 5
4.危険性 ..................................................................... 5
5.学ぶ利点 ................................................................... 6
6. SRT 及びロープアクセスと NSC の相違点 ...................................... 6
〈2〉法律上の見解 .............................................................. 7
〈3〉資格制度 .................................................................. 7
〈4〉リスク低減対策 ............................................................ 8
1.墜落・転落 ................................................................. 8
2.資材や工具の落下 .......................................................... 10
3.その他 .................................................................... 10
〈5〉機材に関する注意事項 ..................................................... 11
1.使用機材すべてに関しての共通注意事項 ...................................... 11
2. 使用機材すべてに関しての保管・管理方法 ................................... 11
3.ロープ・ハーネス・スリングなどの繊維製品 .................................. 11
注意・禁止事項 ............................................................ 11
メンテナンス .............................................................. 12
4.カラビナ・アッセンダーなど金属製機材 ...................................... 12
注意・禁止事項 ............................................................ 12
メンテナンス .............................................................. 12
注意・禁止事項 ............................................................ 13
メンテナンス .............................................................. 13
6.服装 ...................................................................... 13
注意・禁止事項 ............................................................ 13
〈6〉保険 ..................................................................... 14
〈7〉機材の種類と用途及び SRT の基礎 ........................................... 14
1.機材の種類と用途 .......................................................... 14
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3.SRT の基礎 ................................................................ 15
4.NSC の補足事項 ............................................................ 16
NSC 技術講習 実技 ........................................................... 17
1.機材の製作・使用方法(1 日目) ............................................ 17
2.下降・登高 ................................................................ 17
3.高度な下降・登高(2 日目) ................................................ 18
4.セルフレスキュー .......................................................... 18
5.ビルでの講習(3 日目)
:東上パールビル(3 ヶ所のゲレンデを使用) ............ 19
参考資料及び参考文献 ........................................................ 21
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NSC 技術講習 座学
〈1〉NSC 講習の基礎知識
1.NSC の定義
・NSC とは、ビルや工場などの外壁(通常は足場が必要な高所)で、足場の代わりにロープ
やワイヤーを使用して設備工事を行うための特殊な技術です。
2.講習の対象者
・各種設備会社の技術者の方、NSC の技術を業務に生かすことに興味のある方です。
3.必要性
・最近の設備業界の現状として仕事が減った事による競合他社の増加、ネットでの価格競
争、相見積もりによる値引き合戦など、果てのない体力勝負が続いており、他社と違う
ことを行わなければ、今後生き抜いていくことはできません。そんな状況の中で、設備
工事における足場仮設費の費用を無くすことができれば、価格競争や値引き合戦に巻き
込まれたとしても足場架設費の必要がない分、利益を得ながら受注することができます。
実際の足場仮設費ですが、小さな足場でも最低 10 万円、大きな足場になると数千万円
も掛かります。それを NSC で工事を行うことにより、足場仮設費が浮く分の何分の一か
のロープ仮設費を計上することにより、それはそのまま会社の利益となり、会社の利益
率向上に貢献する事ができます。
4.危険性
・NSC は足場上での作業と違い、とても危険を伴う作業方法です。万が一メインロープとバ
ックアップロープの両方が切断されれば、墜落し死亡や重度の後遺症障害を負う可能性
があります。
・考えられる危険
① 支点 : 支点の設定ミス・支点の破壊
② ノット : ロープの結び間違い・ノットの使用方法間違い
③ ロープ・スリング : ロープの擦れ・ロープの劣化・ロープの配置ミス
④ 機材 : 機材の劣化・機材の故障・機材の操作間違い・機材の取り付け間違い
⑤ 設備工事 : 溶接の炎によりロープが切断・刃物や電動工具によりでロープが切断。
⑥ その他 : 不注意・体調・うっかりミス・見落とし
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⑦ 天候 : 突風・雷・豪雨・地震
⑧ 予測不可能な危険 : 見ず知らずの人のいたずらによるロープの切断
5.学ぶ利点
・NSC を学ぶ事により、足場仮設費が不要になるので工事費全体を低く抑える事ができます。
・NSC を学ぶ事により、足場仮設費の負担ができずに工事を諦めてしまった現場や、敷地な
どの問題から足場を掛けることが困難で、工事を諦めてしまった現場を受注する事がで
きます。
・NSC を学ぶ事により、足場の組立及び撤去時間が必要なくなるため、工期を短縮する事が
できます。
・NSC を学ぶ事により、ビルやマンションに足場を掛ける事でベランダや窓から侵入され
盗難されるなど、最近ニュースにも取り上げられているセキュリティの問題も、当工法
で工事を行うことによりセキュリティ上の問題から開放されます。
6. SRT 及びロープアクセスと NSC の相違点
・NSC の元となる、SRT(シングルロープテクニック)や、ロープアクセス技術を講習され
ている会社は多々ありますが、前述の講習では、超高度な技術で構造物はもとより大自
然を相手にする SRT 技術や、主に壁面や橋梁などの調査を行うロープアクセス技術を学
ぶことはできますが、ロープ上で設備工事、特に刃物や刃物のついた電動工具の取り扱
い方、炎が 3000℃以上になる溶接機の取り扱い方を学ぶことはできません。
当社が SRT の講習を受けた京都の株式会社きぃすとん(SRT で日本全国の岩壁、法面、
橋梁など構造物の調査を行う SRT の先駆的かつ代表的な会社)では、ロープに対する絶
大の信頼性、個々の天才的な技術及び危険回避能力から、シングルロープ(ロープを 1
本のみ使用)での作業及び講習を行っております。
しかし、前述のとおりシングルロープでの設備工事はかなりの危険を伴います。そこ
で当社が独自に現場で学び培ってきた、ロープ上で安全に「危険な設備工事」を行う NSC
技術を設備工事会社の皆様に学んで頂くため、当講習の開催を決定しました。
NSC 講習では、ロープテクニックに加えセルフレスキュー、バックアップロープやモバ
イルフォールアレスターの使用方法、低所でのモバイルフォールアレスターの解除方法、
工具の落下防止対策(落下ストップ・シリコンバンド・電工ドライバー)
、塩ビ管を使用
したさや管工法、アルミ材で制作するコーナープロテクター、鉄骨で制作するワイヤー
ガードや折板屋根用の支点、防炎シートとアルミド繊維で制作する最強のロープガード、
ウインチ、資材落下防止用モッコの使用方法など設備工事に特化した技術を学ぶことが
できます。
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〈2〉法律上の見解
・NSC の元であるロープアクセス技術は、法律的に問題がないとの見解が一般的です。具体
的には、
「労働安全衛生法第五百十八条 事業者は、高さが二メートル以上の箇所(作業
床の端、開口部等を除く。
)で作業を行なう場合において墜落により労働者に危険を及ぼ
すおそれのあるときは、足場を組み立てる等の方法により作業床を設けなければならな
い。2.事業者は、前項の規定により作業床を設けることが困難なときは、防網を張り、
労働者に安全帯を使用させる等墜落による労働者の危険を防止するための措置を講じな
ければならない。」とあり、「安全帯を使用させる等」にロープアクセス技術で使用する
ハーネスなどが相当するとの労働基準局見解です。
〈3〉資格制度
・当講習の修了者には、NSC 技術者(ノンスキャフォールディング協会)の資格を付与する
と共に、講習時の写真が入った修了証を交付します。
・当講習の修了者には、格安にて思い出し講習及びレスキュー講習を提供いたします。
・思い出し講習:1 回目 半日 2,500 円(保険料込み)
、2 回目以降 半日 16,200 円(税・
保険料込み)
・レスキュー講習 全日 29,700 円(税・保険料込み)
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〈4〉リスク低減対策
1.墜落・転落
・作業は 2 名以上で行い、万が一のレスキュー体制を確保する。
・夜間の作業は原則作業禁止とし、溶接やバーナーなど火気を伴わず、手元のみならず周
囲の明かりを確保することができれば作業は可能とする。
・悪天候時及び天候の悪化が予測される場合も原則作業禁止とし、資材や機材の確実な落
下防止対策を取ることができる場合のみ作業は可能とする。
・機材は常に点検を行い、特に使用前は入念に点検し、損傷や劣化の可能性が否定できな
い機材は即廃棄する。
・全ての機材は 22KN 以上の耐荷重があるものを使用する。
・ロッククライミングの技術や装備は安全性よりもスピードと軽さを追求したものがある
ので、安易に流用することは禁止する。
・作業前にロープの支点に全体重と動きを加えた動荷重を掛け、支点が動荷重に耐えられ
るか確認し、動荷重に耐えられた 2 点以上の支点のみを使用する。
(支点選定の際、丸環
を信用しすぎないこと)
・支点位置の確実な選定を行う。
(支点選定の際、丸環を信用しすぎないこと)
・支点はできるだけ高い位置からとる。
(笠木など、接触するエッジの角度の問題)
・90A 以上の強固に固定された鉄管は支点として使用できる場合があるが、ラッキングなど
でカバーされた管類は塩ビや銅管の可能性があるので支点として使用しない。
・折板屋根が張り出した外壁との接点で支点の確保が難しい場合は、無理にアクセスしよ
うとせず、専用の鉄骨製支店を制作する。
・支点は 2 点以上からとり、更にメインロープとバックアップロープの支点は別々に取る。
・支点への接続は、必ずベルトスリングを使用する。
(切断加重は実際の耐荷重のは 3 倍以
上ある)
・ビルや工場のピッチヘッド 1m以内へ入る時は、必ずセルフビレイを取る。
・ロープは結び目(ノット)から切断するため、結び目(ノット)を良く確認する。
・結束作業中には話しかけない。
・結束後の指差し確認を行う。
・作業前にロープの最終チェックを行い、損傷や劣化が無いことを確認する。
・ウェビングフットループを使用しての動荷重テスト時、支点が抜け落下しないように、
セルフビレイを取る。
(セルフビレイも 2 箇所とる。
)
・ロープエンドにエイトノットを結び、ロープバックに順に繰り入れてから使用する。
・万が一のメインロープ損傷や切断に備え、バックアップ用のロープ及びモバイルフォー
ルアレスターを使用して自己確保を行う。
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・ローププロテクターはできるだけパイプに対して垂直になるローラー式のものを使用し、
現場に合わない場合は制作する。
・ビルや工場の屋根では、ロープ切断の原因となるエッジ(笠木、折板屋根の縁、手摺、
パラペット、コンクリートの躯体など)との接触が必ずあるため、開放型のローププロ
テクター(アルミ製・帆布・木材・ローラー付きなど)でロープを保護する。
(コーナー
プロテクターなどロープの折れ角が少なく抵抗の少ないものが望ましい。筒製のロープ
プロテクターはエッジに対して使用しない。
)
・エッジに対して筒製のローププロテクターを使用するしか方法がなければ、筒製のプロ
テクターはロープの伸び縮みにより必ずずれるので、ハイリスクの回避方法であること
を理解する。
・筒製のローププロテクターを使用する際は、プロテクターはメインロープから独立させ
て固定し、ロープがプロテクター内部を自由に動けるようにしておく。
・筒製のローププロテクターを使用し、プロテクターをメインロープから独立させて固定
できないときは、
(メインロープに固定するしかなければ)決してメインロープのテンシ
ョンを抜かない。
(窓枠やビル設備などに足を掛けるなどして)
・万が一、筒製のローププロテクターをメインロープに固定しテンションを抜いてしまっ
たときは、登高せずに直ぐに下降する。
・ロープエンドにおいてロープジョイントで 2 本のロープを結束する際は、トリプルのエ
イトノットを使用し、両方のロープの末端をダブルフィッシャーマンズノットで結束し
ておく。
・ディビエーション時のメインロープの開き角が 120°より小さくなると、各アンカーにか
かる荷重が作業員の体重を超えることを覚えておく。
・ピッチヘッドの近場に支点が無く遠方からロープを張る時は、支点の追加(リビレイ)
や、ロープが途中の構造物などに擦れないように処理(ディビエーション)を行う。
・下降開始時、登高終了時のセルフビレイを確実にとる。
・下降開始時、壁面に取り付くまではアブミを使用する。
・下降中以外は必ず 2 点以上からビレイを取る。
(ハンドアッセンダー、チェストアッセン
ダー、ディッセンダー、ショートカウズテイル、ロングカウズテイルの内 2 点。基本的
にモバイルフォールアレスターはビレイとして考えない。ロックできる機構を持ったモ
バイルフォールアレスターを上部でロックできる場合はビレイとして考える事も可)
・下降時、ロープの摩擦熱による劣化・切断を避けるため、1m降下するのに 2 秒以上掛け
る。
・下降しながらの一時ストップによる簡易作業時は、ディッセンダーを確実にロックし、
モバイルフォールアレスターを上部でロックするなどして、2 点以上のビレイを取る。
・ロープ上での全ての作業時は、必ず当社製のロープガードをメインロープに使用する。
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・メインロープは 10.5mm 以上のスタティックロープ(ユニコアタイプ)を使用する。
・バックアップロープは、10.5mm 以上のダイナミックロープを使用する。
・バックアップロープにはロープバックをぶら下げるなどして、登高の際に弛まないよう
に常にテンションを掛けておく。
・登高時、バックアップロープが弛み、モバイルフォールアレスターから上部のロープが
垂れ下がっていないか常に確認する。
・セルフレスキューを考慮し、ピッチヘッドから地盤面まで届く長さのサブロープを 1 本
用意しておく。
2.資材や工具の落下
・資材や工具は原則として、全てワイヤーでつなぐ。
・材料及び工具類は作業バックに入れ、使用するたびに作業バック内で手首に通した落下
防止リングとつなぎ、落下防止措置を施したものだけを作業バック外へ出し使用する。
・万が一資材や工具を落下させた時、人命に関わるような現場の場合は、資材の落下防止
対策として、布モッコと電動ウインチを使用する。
・作業中に落下しそうなタイル、コンクリ片、配管類及び看板などを見かけたら、即お客
様に連絡し対策を施す。落下防止対策が施せない場合は作業を中止する。
・上下作業は禁止。
・作業中は支点周辺や下部作業範囲をカラーコーン及びコーンバーで囲い作業区画を設置
し、監視員を配置する。
3.その他
・社内レスキュー訓練もしくは社外レスキュー講習を受け、常に作業員のレスキュー技術
向上に努める。
・安全に関する最終判断は各個人が決める。自分の技術では困難と判断したら作業を中止
する。
・虫の知らせや嫌な予感など、第六感に訴えてくるものがあれば作業を中止する。
・体調の管理に気を付けると共に、二日酔い(酒酔い)状態での作業は死を意味すること
を肝に命じておく。
・チームでの作業時は、リーダーが上記すべての要因を踏まえ、現場作業の中止判断を行
う。
・通常から五感を研ぎ澄まし、作業前は集中しリラックスすること。
・最悪な状況を想定し、最高の準備を行い、楽観的に対応すること。
・常日頃から、安全意識や危機管理能力を磨くこと。
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〈5〉機材に関する注意事項
1.使用機材すべてに関しての共通注意事項
・機材購入時、機材一覧表を作成し、機材名称、メーカー名、ロットナンバー、価格、機
材を購入した店舗名、購入した年月日(その機材が製作された年月日)を記入し、保管し
ておく。(個別番号の例:10271AF0721,-10:製造年,-271:製造日,-AF:検査担当,
-0721:識別番号)
・「ペツル 個人保護用具点検マニュアル」に則って、機材の点検・調整・修理・廃棄を行
う。
・自分の使用している機材メーカーのホームページを確認し、使用方法の変更やリーコー
ルが出ていないか常に確認する。
・ロープ、スリング、ディッセンダー、アッセンダー、ハーネス、カラビナ及びヘルメッ
トなどの機材は、欧州規格(CE、EN)に適合したものを使用する。
(破断強度は 22kN 以
上のものを使用する)
・ロープは破断強度 26kN(キロニュートン)以上のエーデルワイス社(フランス)製、プロマック
ス・ユニコア(11.0mm×50M)スタティックロープを使用する。
(通常のスタティックロ
ープと比較して切れにくく、従来のロープのトラブルの最大の原因である芯と外皮のズ
レを完全に接着することで解決した驚異のロープ)
・ロープ購入の際は、メインロープとバックアップロープの色を分ける。
(例:メインロー
プは白系、バックアップロープは赤系など)
・機材は高所作業用及びレスキュー用に開発されたものを使用すること。(メーカー例
PETZL 社製)
・見た目が完全にコピーされている偽物(中国製)が出回っているので、機材は正規代理
店から購入し、オークションや個人からのネット購入は禁止する。
2. 使用機材すべてに関しての保管・管理方法
・個人の装備は個人が責任をもって保管・管理する。
・機材は直射日光の当たらない室内で保管・管理するものとし、できることなら都度自宅
へ持ち帰り点検清掃を行うものとする。
・2m 以上の高さから落下させた機材は廃棄する。
3.ロープ・ハーネス・スリングなどの繊維製品
注意・禁止事項
・踏んではいけない!損傷することはもちろん、自分の命を預けるロープです。
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・
【酸】厳禁!バッテリーや電池の液漏れに注意!バッテリーと同梱しての運搬禁止。
・
【熱】厳禁!溶接の炎が触れれば、ロープは一瞬で切断されます。溶接時は専用のロープ
ガードもしくは、ワイヤーランヤードを使用する。
・
【熱】厳禁!くわえタバコは論外。下降時、速く降りすぎるとディッセンダーとの摩擦で
ロープが溶ける。1m降下するのに 2 秒以上掛けること。
・
【熱】厳禁!ビルや工場の外壁及び屋上にある高熱の煙突や排気口に触れると、ロープが
溶ける。現場調査時に確認すること。
・
【紫外線】注意!紫外線が当たるところでの保管禁止。
・経年変化に注意。最長 3 年で全廃棄処分すること。無使用でも製造から 3 年で強度は半
減する。使用頻度が高いものは早めに廃棄、傷んだものは即廃棄。
・泥、砂・コンクリート汚れに注意。特にアンカー打設後のコンクリート粉が付着したも
のは即洗浄を行う。泥や砂なども繊維を痛め寿命を縮めるので即洗浄を行う。
・溶剤に注意。フラックス、塩ビ糊、シンナー類、スプレー類、コーキング類など多彩な
溶剤を使用するので、ロープガードを適切に使用しながら作業を行う。
メンテナンス
・中性洗剤を薄めて使用し、たらいや浴槽で優しく揉み洗いを行う。
・洗濯機の使用及び体温以上のお湯は不可。
・洗剤の泡が消えるまで、何度か水を入れ替えながら良くすすぎ、分量を守って柔軟剤に
浸す。
・乾燥は陰干しし、風通しの良い冷暗所に保管する。
4.カラビナ・アッセンダーなど金属製機材
注意・禁止事項
・2m 以上の高さから落とした機材は即廃棄。命の値段を考えれば安いもの。
・消耗度合いを見ながら早めに買い換える。機材同士やロープとの摩擦で機材は徐々に摩
耗し、本来の機能を果たさなくなる。
・借りる・もらうは禁止。オークションで購入などは論外。その機材は高所から落下させ
たものかも…
・
【酸】厳禁!バッテリーや電池の液漏れに注意!バッテリーと同梱しての運搬禁止。
・泥、砂・コンクリート汚れに注意。特にアンカー打設後のコンクリート粉が付着したも
のは即洗浄を行う。泥や砂なども機材の摩耗を早めるので、即洗浄を行う。
・ディッセンダーに関して、オートストップ機構(手を離せば止まる構造)が装備されて
いるものを使用する。
(例 PETZL 製 STOP や RIG)
・ロープにキンク(よじれ)が生じるもの(エイト環等)は使用禁止。
メンテナンス
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NSC 講習
・お湯につけて、歯ブラシ・爪楊枝などで細部の汚れを落とす。汚れの酷いものは洗浄機
を使用する。
・ブロアーやエアーガンで水気をきり、日陰で乾燥させる。
・可動部に WD-40 などの化繊を劣化させないタイプの潤滑剤をさす。CRC5-56 は禁止。
5.ヘルメット
注意・禁止事項
・欧州規格(CE、EN)に適合したものを購入する。
・耐用年数が短いものがあるので要注意。
・現場の状況に合わせて、開口部の無いもしくは少ないものを使用する。
・建築現場用のヘルメットはそもそも規格外であり、ロープ上での作業を考慮して作られ
ていないので使用禁止。
メンテナンス
・お湯につけて、中性洗剤を薄めて丁寧に洗う。
・ブロアーやエアーガンで水気をきり、日陰で乾燥させる。
6.服装
注意・禁止事項
・長袖・長ズボンを着用する。
(ベルトの無いつなぎがベスト)
・体温は、アンダーウエアの枚数で調節する事が望ましい。ジャンパーなど厚手で作業性
の悪いものはできるだけ避ける。
・冬場はウインドブレーカーなど風を通さない薄手のものが望ましい。
・雨天時は原則作業禁止だが、溶接作業が無い場合のみ、カッパ上下を着用し作業可。
・グローブは、革製の綺麗なものを使用し、作業中に汚れたらこまめに交換する。溶剤や
油の付いた手袋は使用しない。
・長い髪の毛はディッセンダーに巻き込まれる危険があり、万が一巻き込まれた場合は髪
を切るしかなくなる。束ねるなどヘルメットから出ないように固定する。
・綺麗な作業靴を着用するか、作業靴の底を雑巾で拭くなどして壁面を汚さないようにす
る。
(汚した壁面は清掃する。
)
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〈6〉保険
過失の所在により 2 種類の保険に加入済み (講習自体を受講者から請け負っている形)
(1) 当社に過失があり受講者を含め第三者が怪我を負った場合
・保険会社:東京海上日動火災保険株式会社
・内容:超ビジネス保険 支払限度額:5000 万円(講習中の業務遂行中に与えた損害に
対してのみ補償)
(2) 受講者の過失により受講者が怪我を負った場合
・保険会社:東京海上日動火災保険株式会社
・内容:死亡・後遺症:500 万円、入院日額 3,000 円、通院日額 1,000 円
〈7〉機材の種類と用途及び SRT の基礎
1.機材の種類と用途
標準装備(機材表を確認)
フルハーネス・チェストアッセンダー・カウズテイル・ディッセンダー・ハンドアッセ
ンダー・マイロンゴー・カラビナ・パワーロープ(8mm)・フットテープ・ナイフ・プー
リー・タイブロック・プルージック用 6mm ロープ・デイジーチェーン・カラビナ・モバ
イルフォールアレスター(バックアップ)
・クイックドロースリング・ルベルソキューブ・
シャント
・ カラビナの種類と用途 (P20)
・ ハーネスの種類と用途 (P25)
・ カウズテイルの説明と反転防止用キャプティブの説明 (P29)
・ ディッセンダーの種類と用途 (P30)
・ アッセンダーの種類と用途
(P36)
・ プーリーの種類と用途 (P39)
・ タックルバックへのロープへの収納方法 (P39)
・ ロープの種類と用途
(P80)
・ スリングの種類と用途 (P86)
・ ロープガードの種類と用途
(P141)
▪2.ノットの説明(P107)
①.エイトノット(基本・ダブル下降時のロープジョイントに使用)
②.ダブルフィギュアエイトノット(アンカーへの接続、ロープエンドに使用)
③.ラビットノット(シェアードアンカーへの接続に使用)
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④.ブーリン、もやい結び(アンカーへの接続に使用)
⑤.インクノット・マストノット・クローブヒッチ(仮固定に使用)
⑥.ブーリンオンアバイト(シェアードアンカーへの接続に使用)
⑦.アルパインバタフライ(バタフライ・クラシカルYビレイのセカンド以降のアンカーへ
の接続に使用・ミッテルマンノットとの違い、ミッテルマンノットはイングリッシュマ
ンズ・ノットに変化する可能性がある。
)
⑧.ダブルフィッシャーマンズノット(ロープスリングの作成、ロープジョイント時のバッ
クアップノットに使用)
⑨.プルージック(プルージックとフレンチプルージック・緊急時のアッセンダーの代用、
プロテクターのメインロープへの接続、ATC 下降時の自己確保に使用)
⑩.テープベント・ウォーターノット(テープスリングの作成に使用)
(ノット部分がエッ
ジに引っかかったまま荷重すると簡単に解けてしまう要注意ノット)
⑪.イタリアンヒッチ・半マストノット・ハーフクローブヒッチ(緊急時のディッセンダー
の代用、解除可能支点の作成に使用)
⑫.フォロースルーエイトノット(トリプル)とダブルフィッシャーマンズノットによるロ
ープジョイント(ジョイント部にビレイポイントを作るために使用)
3.SRT の基礎
・下降動作についての説明 (P47)
・ピッチヘッドへのアプローチについての説明 (P49)
・登高動作についての説明 (P55)
(下降時以外の 2 点確保)
・アンカーの種類と打設方法(P92)
・ハンガーの種類と用途
(P93)
・動荷重テストの説明
(P117)
・支点系(アンカーシステム)の構築について (P119)
・Y ビレイの開き角と荷重の関係(ロープとアンカーに掛かる荷重について)(P120)
・複数支点確保の必要性
(P123)
・アンカーへの結束方法
(P124)
・中間セット(リビレイ、ディビエーション、ロープジョイント)の必要性と通過方法 (P134)
・ロープガード(プロテクター)の説明と設置方法 (P141)
・セルフレスキューの方法 (P151)
・リビレイのスラックの適正量の見積もりについて
・ディビエーションの開き角と荷重の関係
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4.NSC の補足事項
・立入禁止処置の必要性と方法(下に 1 名、上に 1 名)
・構造物の支点及び支点の取れない現場やオーバーハングでの支点の作成方法(ビームク
ランプ、ビームローリー、フローティングアンカー、車両、カウンターウエイト、リギ
ング、パラペットクランプ、オーバーハングライダーなど)
・アンカーの打設と使用方法(支点が無い場合)
・冷媒配管の仕上材を兼ねた、カラー塩ビ配管及びラッキングを使用したサヤ管工法
・クレーンとの共同作業(ダクトなどの重量物をクレーンで吊り込み、NSC によりダクトを
取り付ける方法)
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NSC 講習
NSC 技術講習 実技
1.機材の製作・使用方法(1 日目)
・特殊ロープガードの制作方法と使用方法
・コーナープロテクターの制作方法と使用方法
・落下防止用布モッコの制作方法と使用方法
・トンネル養生の制作方法と使用方法
・鉄骨製支点の制作方法と使用方法(鉄骨を溶接し作成)
・ワイヤーロープガードの制作方法と使用方法(鉄骨を溶接し作成)
・重量物に関する電動ウインチの使用方法
2.下降・登高
(1)下準備
・ノットの確認
・実際に装備を装着して、各機材の配置を説明
・ロープの構造、収納方法、損傷部分の検証方法
・ロープの最終検査とロープエンドにエイトノットを結びロープバックに収納
・作業終了時のロープの仕舞い方
(2)地上に水平に張ったロープでの練習
・ディッセンダーの使用方法 RIG(リグ)
・アッセンダーの使用方法 アセンション(ハンド)
・クロール(チェエスト)
・フットテー
プ
・カウズテイルの使用方法 スペルジカ(ロング)
・地上での登高及び下降器の組み換え練習(100 回)
・支点の選定方法
・支点へのロープの結束方法
(3)小型移動式クレーン車を使用した練習(垂直なロープでの練習)
・バックアップロープ(ダイナミックロープ)とモバイルフォールアレスター(アサップ・
アサップソーバー)の使用方法(落下係数を考慮し、常にモバイルフォールアレスター
を高い位置に保持しロープの弛みを取る)
・バックアップロープのテンションの掛け方(長さを測り、ロープバックをぶら下げる)
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NSC 講習
・6m 以下の低所(ロープの伸びを 2m と換算)でのショックアブソーバーの解除方法(モバ
イルフォールアレスターは 4m 以下から落下した場合、ショックアブソーバーの伸びで地
面に激突するため、クイックドローを用いてショックアブソーバーを解除する)
・下降中に発生しうる巻き込みトラブルと対処法について
・支点の動荷重テスト
・アッセンダー取り付け、動作試験、登高
・ディッセンダー取り付け、動作試験、アッセンダー取り外し、懸垂下降
・ハツカネズミ ロープにテンションが掛かっている状態と掛かっていない状態の比較
3.高度な下降・登高(2 日目)
・その他のディッセンダーの種類と使用方法: STOP・ルベルソキューブ+プルージックロ
ープ・ルベルソキューブ+シャント・エイト環+シャント・イタリアンヒッチ+カラビ
ナ
・その他のアッセンダーの種類と使用方法: タイブロック・パンタン・プルージックロー
プ・シャント・ロープにインクノット
・ハンドアッセンダーとチェストアッセンダーを用いた下降
・クレーン途中からスリングを伸ばしディビエーションの通過(下降・登高)
・メインロープとバックアップの掛け替え(下降・登高)
・クレーンにもう一箇所支点を作成し、リビレイの通過(下降・登高)
・ロープをジョイントしながら、ロープジョイントを通過(下降・登高)
・ローププロテクターの使用方法
・トラック荷台をピッチヘッドと想定しての下降と昇降
・溶接時の特殊ロープガードの使用方法
・工具の落下防止対策(落下ストップ・シリコンバンド・電工ドライバー)
・機材の紛失(落下)
、破損時の緊急脱出の説明
・ダブルロープを用いた下降(エイト環+シャント・ルベルソキューブ+シャント・ルベ
ルソキューブ+プルージックロープ)
・アッセンダーやプルージックコードとの組み合わせによるホーリングシステム
・パニック時にディッセンダーを全握りすることによる落下体験(下降スピード調整用ロ
ープ(右利きは右手)を放した状態でのリグ・ストップの全握り状態での落下体験)
4.セルフレスキュー
(1)落下体験
・クレーントップにメインロープとビレイ用のロープ、プーリー及びカラビナを装着し、
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NSC 講習
受講者自身が自分のメインロープを切断する(ビレイヤーは NSC 技術者)
(2)自身に対するセルフレスキュー
自身のメインロープが切断し、バックアップロープにぶら下がっていると仮定
・背面吊りからの脱出方法(各、登高、下降)
・腹面吊りからの脱出方法(各、登高、下降)
・ディッセンダーが故障した際の下降の方法(ルベルソキューブ+プルージックロープの
使用方法)
・アッセンダーが故障した際の登高の方法(タイブロック+プルージックロープの使用方
法)
(3)チーム内でのセルフレスキュー
1.要救助者が落下物などに当たり意識がなく、メイン及びバックアップロープにぶら
下がっていると仮定
・十分な長さのサブロープがあり、そのまま要救助者のみを下まで降ろして救助しても大
丈夫な場合(自分は降りずに要救助者のみが下降)
・十分な長さのサブロープがあり、サブロープを利用して自分が降りて救助に行く場合(自
分と要救助者で一緒に下降)
・十分な長さのサブロープがなく、メインロープもしくはバックアップロープを利用して
自分が降りて救助に行く場合(自分と要救助者で一緒に下降)
・ホーリングシステムによる、要救助者の引き上げ方法。
・マオシステムとスパニッシュペンダリウム(参考)
要救助者を伴っての登高はとても高度な技術となるため、今回の技術講習では登高に関
する訓練は行いません(学びたい方は、別途、レスキュー講習を受講して頂きます)
5.ビルでの講習(3 日目)
:東上パールビル(3 ヶ所のゲレンデを使用)
・支点へのスリング使用方法(鉄カラビナ)
・支点の動荷重テスト
・ピッチヘッドでのセルフビレイの確保(スリングを使用、2 ヶ所)
・メインロープとバックアップロープのセット
・ローププロテクターの使用方法
・メインロープへのディッセンダー取り付け、動作試験
・セルフビレイの掛け替え
・ピッチヘッドの乗り越え (ラダーを使用)
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・ディッセンダーの動作試験
・ディッセンダーロック後のセルフビレイの解除
・下降(コール)と登高
・ピッチヘッドへの乗り上がり (ラダーを使用)
・セルフビレイ確保(2 ヶ所)後のアッセンダーの取り外し
・リビレイの通過
・ディビエーションの通過
・ロープジョイントやノットの通過
・作業時の体の固定方法 (バキュームリフター、アンカー、カミングデバイス)
・V-RIG を用いた壁面の横移動、登高及び下降
・水平に連続する支点に体重を掛け替えて水平移動するボルトトラバース
・サブロープを使ったピッチヘッドからのロワーダウンレスキュー(長いロープが必要)
・ピッチヘッドでのホーリング(レスキュー)
・オンロープでの溶接
以上
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NSC 講習
参考資料及び参考文献
株式会社きぃすとん 「ロープアクセス技術指針」
「SRT in きぃすとん」
「SRT 座学講習項目」
「SRT 講習 確認書」
「SRT 装備リスト」
「クライミング調査心得」
「ディビエーション荷重」
「等角 Y ビレイの開き角と荷重」
「独立分散 Y ビレイの分散角度と分散荷重の関係」
「RESCUE! RESCUE!!RESCUE!!!」
Japan SRT Project 1995 年 8 月 25 日発行「 Single Rope Techniques in Japan 2」
NSC 講習 2014 年 7 月 7 日 改訂
8 月 18 日 改訂
9 月 11 日 改訂
9 月 25 日 改訂
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