VOL.36 RTIに S-7 対 す るPIPC/AGs併 用療法 難 治 性 呼 吸 器 感 染 症 に 対 す るPiperacillinと ア ミ ノ配 糖 体 剤 の 併 用 療 法 の 検 討 副 島 林 造**・ 二 木 芳 人 ・渡 辺 正 俊 ・中 浜 川崎医科大学呼吸器内科* 鈴 55 力 ・日 野 二 郎 木 明 ・小 野 寺 次 民 札幌医科大学第三内科 武 部 和 夫 ・田 村 豊 一 ・遠 藤 勝 実 弘前大学医学部第三 内科及び関連施設 林 雅 人 平鹿総 合病院第二内科 田 村 昌 士 ・佐 藤 正 男 岩手医科大学第三内科 今 野 淳 ・大 泉 耕 太 郎**・ 渡 辺 東北大学抗酸菌病研究所 内科 彰 林 泉 ・大 沼 菊 夫 いわ き市立総合磐城共立病院呼吸器科 伊 藤 亜 司 竹田綜合病院呼吸器科 山 作 房 之 輔 ・鈴 木 康 稔 信 樹 水原郷病院内科 関 根 理 ・青 木 信楽園病院内科 大 木 行 夫 ・横 瀬 節 ・福 井 俊 夫 ・勝 国立霞 ケ浦病院内科 正 孝 可 部 順 三 郎 国立病院医療 セ ンター呼吸器内科 小 林 宏 行**・ 河 合 伸 ・押 谷 浩 ・三 浦 杏林大学医学部第一 内科 小 林 芳 夫***・ 藤 森 一 川崎市立川崎病院内科 平**** 大 久 保 隆 男 ・伊 藤 章 横浜市立大学医学部第一内科 小 田切 繁 樹 ・鈴 木 周 雄 ・室 橋 光 宇 高 橋 加 *〒701-01倉 敷 市 松 島577 宏 ・福 田 勉 ・芦 刈 靖 彦 神奈川県立長浜病院呼吸器科 藤 政 仁 ・武 内 俊 彦 名古屋市立大学医学部第一内科 洋 CHEMOTHERAPY 56 加 藤 DEC. 錠 一 愛知県立尾張病院内科 成 田 亘 啓 ・澤 木 政 好 ・三 笠 桂 一 奈良県立医科大学第二 内科 中 島 重 徳 近畿大学医学部第四内科 福 山 興 一 ・辻 順 子 ・奥 本 毅 ・木 村 亮 ・今 中 俊 爾 ・螺 良 英 郎 国立療養所刀根山病院内科 多 田 慎 也 ・木 村 郁 岡山大学医学部第二内科 郎 松 島 敏 春 ・池 田 博 胤 ・田 野 吉 彦 川崎医科大学附属川崎病院 第二内科 佐 々木孝 夫 ・松 本 行 雄 ・杉 本 勇 二 鳥取大学医学部第三内科 栗 村 統 ・佐 々木 英 夫 ・福 原 弘 文 ・岡 田真 理 子 国立呉病院内科 西 村 一 孝 愛媛大学医学部第二 内科 吉 田 稔 ・有 冨 貴 道 福岡大学医学部第二 内科 山 田 穂 積 ・加 藤 収 佐 賀医科大学内科 原 耕 平**・広 田 正 毅.山 笹 山 一 夫 ・堤 口 恵 三 ・河 野 茂 ・林 敏 明 ・安 岡 恒 雄 ・河 野 浩 太 ・植 田 保 子 ・藤 田 紀 代 長崎大学医学 部第二内科及び関連施設 松 本 慶 蔵** 長崎大学熱帯 医学研究所内科 那 須 勝 ・後 藤 斉 藤 純 ・後 藤 陽 一 郎 ・重 野 秀 明 ・田 代 隆 良 大分医科大学第二内科 菅 守 隆 ・安 藤 正 幸 ・荒 木 淑 郎 熊本大学医学部第一内科 志 摩 済 ・岳 中 耐 夫 ・福 田浩 一 郎 熊本市立熊本市民病院 厚 ・重 野 芳 輝 ・森 賢 治 ・伊 良部 勇 栄 琉球大学医学 部第一内科 (**:小 委 員 会 メ ン パ ー) (***:現 (****:現 慶 応 義 塾 大 学 中 央 臨 床 検 査 部) 大 口 東 総 合 病 院 内 科) 彰 1988 VOL.36 RTIに S-7 対す るPIPC/AGs併 難 治 性 呼 吸 器 感 染 症 に 対 す るpiperacillin(PIPC)の のtobramycin(TOB)ま controlled 1.小 用 群71.7%の 症 群,慢 用 時 の 臨 床 効 果 な ら び に 副 作 用 に つ い て,well よ り比 較 検 討 し た 。 委 員 会 判 定 に よ る 臨 床 効 果 は,全 NTL併 57 単 独 投 与 時 と ア ミ ノ 配 糖 体 系 抗 生 剤(AGs) た はnetilmicin(NTL)併 studyに 用療法 症 例 で はPIPC単 有 効 率 で あ り,薬 独 投 与 群66.0%,TOB併 用 群73.3%, 剤 群 間 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ た 。 ま た,肺 炎 ・肺 化 膿 性 気 道 感 染 症 群 に 層 別 し て も 薬 剤 群 間 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ た 。 2.起 炎 菌 別 細 菌 学 的 効 果 は,Streptococcus PIPC単 独 投 与 群,AGs併 で はPIPC単 独 投 与 群 の 消 失 率 が20.0%で 有 意 の 傾 向 でAGs併 よ びHaemophilus influenzaeを あ る の に 対 し て,AGs併 よ aeruginosa 用 群 の 消 失 率 は56.0%で, 用 群 の消 失 率 が 高 か った。 3.副 作 用,臨 4.小 委 員 会 判 定 に よ る有 用 性 は,有 68.9%,NTL併 pneumoniaeお 用 群 の い ず れ に お い て も 全 株 消 失 した 。 しか しPseudomonas 床 検 査 値 異 常 の 発 現 率 で は 薬 剤 群 間 に 有 意 差 は 認 め られ な か っ た 。 用 群 で は66.0%で 用 性 あ りがPIPC単 あ り,薬 独 投 与 群 で55.1%,TOB併 用群で 剤 群 間 に 有 意 の 差 は 認 め ら れ な か っ た が,AGs併 用 群 の有 用性 が高 か った 。 以 上 よ り,難 治 性 呼 吸 器 感 染 症 に 対 す るPIPCとAGsの 併 用 療 法 は 特 にP.aeruginosaを 起 炎 菌 と す る感 染 症 に 有 用 で あ ろ う と考 え ら れ た 。 Key words:併 用 療 法,Piperacillin,Aminoglycosides,難 治性 呼吸 器 感 染 症 I.試 細 菌 感染 症 に 対 す る一 般 的 な 抗 菌薬 相 互 の併 用 目的 と して は,1)抗 菌 スベ ク トルの 拡 大,2)相 抗 菌 力 の増 強,3)耐 乗 作 用 に よる 性 菌 の 出現 防 止,4)副 作 用 の軽 減 な どを あ げ る こ とが 出来 る1)。通 常 ベ ニ シ リ ン系 や セ フ ェ ム系 抗 生 物質 と ア ミ ノ配糖 体 系 抗 生 物 質 な ど殺 菌 的 作 用 を 有 す る薬 剤 の 併用 で は 相 乗 効 果 が 期 待 さ れ る2,3)。 験 本 臨 床 試験 はTable1に 方 法 示 す 全 国33施 協 力施 設 の共 同研 究 に よ り1985年8月 設 お よび そ の か ら1987年1 月 ま で実 施 され た 。 1.対 象 疾患 な らび に 対 象症 例 反 復 す る慢 性 気 道 感 染症 で入 院 患 老 を 対象 と した。 性 しか し併 用 時 の臨 床的 評 価 や 併 用 の 適 応 に つ い ては 必 ず 別 は不 問 と したが,肺 癌 に合 併 す る慢 性 気道 感 染 症 は除 し も満 足 す べ き検 討 が行 わ れ て い な い の が 現状 で あ り, 外 す る こ と と し,そ の 他下 記 の いず れ か に該 当す る症 例 今 後 検 討 す べ き重 要 な課 題 で あ る と考 え られ る。 は原 則 と して,あ 1985年8月 上田 泰(東 京 慈 恵 会 医科 大学)を 総 世 らか じめ 対 象 か ら 除 外 す る こ と と し た。 話 人 と して 各 科 領 域 に お け る ピベ ラ シ リン研 究 会 が 結 1)年 齢 が16歳 成 され た が,そ の 機 会 に 著者 らは 難 治 性 呼 吸器 感 染 症 を 2)事 前 にPIPCの 対 象 と して,piperacillin(PIPC)とaminoglycosides (AGs)の 本 邦 で 開発 さ れ,1976年 第23回 皮 内反 応 試 験 を 実 施 して 陽 性 の 症 例。 併 用 療 法 の 臨床 的 検 討 を 行 うこ と と した。 PIPCは 未 満 の症 例。 日本化 学 3)ペ ニ シ リン系,セ フ ェム系,ア ミノ配 糖 体 系 薬剤 お よびパ シ トラ シ ンに ア レル ギ ー の既 往 の あ る症 例。 療 法 学 会 東 日本 支 部総 会 新 薬 シ ン ポ ジ ウ ムに お い て検 討 4)初 診 時 きわ め て重 篤 で予 後 不 良 と思わ れ る症 例。 され4),1980年2月 5)妊 婦 お よび妊 娠 の疑 われ る症 例。 現 時 点 で は 我 が 国 は もち ろ ん海 外 で も 最 も優 れ た β-ラ 6)重 篤 な 腎 ・肝 障 害 を 有す る症 例。 ク タ ム系 注 射 剤 の一 つ と して評 価 され 広 く繁 用 され てい 7)伝 染 性 単核 症 の症 例。 る。 しか も我 が 国 に お け るPIPC投 与 症 例 の 約 半数 が 8)そ の他,主 治 医 が不 適 当 と判 断 した症 例 。 何 らか の 他 の 抗 菌 剤 と併 用 され て い る と推 定 され る こ と 2.投 与薬剤 か ら,併 用 療 法 の 臨 床的 検 討 に は 最 も適 した 薬剤 の 一つ 投 与 薬 剤 な らび に1日 投 与量 は 次 の とお り と した。 よ り一 般 臨 床 使 用 に 供 され て い る0 と考 え られ た。 併 用薬 剤 はPIPCと 効果 が 報 告 され,ま 基 礎 的 検 討 で 併用 た臨 床 的 に も繁 用 され て い るAGs の うちtobramycin(TOB)とnetilmicin(NTL)を 選 択 した 。 独 投 与 群,B群:PIPC+TOB併 controlled studyに よ り実施 した 。 用 群 の3群 と しB群,C群 用 で は原 則 と して 同 時投 与 す る こ と と した 。 A群:PIPC2g×2回/日 併 用 療 法 の 臨 床 効 果 と安 全 性 を よ り客 観 的 に比 較 検 討 す るた めwell A群:PIPC単 群,C群:PIPC+NTL併 1回2gを 。 約1時 間 か け て 点滴 静 注 。 B群:PIPC2g×2回/日,TOB60mg×2回/日 。 CHEMOTHERAPY 58 Table Department 1. Collaborating of Internal Medicine Section 3, Sapporo Third Department of Internal The Second Department Medicine, Hirosaki of Internal of Internal Medicine, The Research Institute Department of Respiratory Medicine, Iwate Medical University, Disease, Iwaki Kyoritsu Division of Respiratory Diseases, Takeda Department of Internal Medicine, Suibarago Department of Internal Medicine, Shinrakuen Department of Internal Medicine, Kasumigaura Department of Respiratory of Internal Hospital Medicine, Kawasaki of Respiratory Fourth Department Municipal Disease, Kanagawa of Internal Medicine, Toneyama of Internal of Internal The Third Department City University, School of Medicine Medical University School of Medicine Hospital University Medical of Medicine, Kawasaki Medicine, Kawasaki School Medical School Medical School, Kawasaki Hospital of Internal Medicine, School of Medicine, Tottori University of Internal Medicine, Kure National The Second Department of Internal The Second Department of Internal Hospital Medicine, Ehime University School of Medicine Medicine, School of Medicine, Fukuoka University of Internal Medicine, Saga Medical School The Second Department of Internal Medicine, Nagasaki of Internal Medicine, Institute Second Department First Department of Internal of Internal of Internal The First Department TOB1回60mgを Hospital Hospital National Medicine, Okayama School of Medicine Nagahama of Internal Medicine, Kinki University Diseases, Department Department Hospital Prefectural Medicine, Nara The Second Department Department Hospital City University, Medicine, Nagoya Division of Respiratory Department National Medical Center Hospital Medicine, Owari Prefectural of Internal Second Department Department Hospital Medicine, Yokohama of Internal of Internal The Second Department Department General Hospital General Hospital Organs, National of Internal The First Department Department School of Medicine for Chest Diseases and Cancer, Tohoku Medicine, Kyorin University First Department Department School of Medicine Medicine, Hiraga General Hospital Department University Department for Tropical Medicine, Kumamoto of Internal University Municipal Medicine, Faculty 筋 肉 内注 射。 NTL1回100mgを University, School of Medicine Medicine, Nagasaki University Medicine, Medical Collage of Oita Medicine, Kumamoto C群:PIPC29×2回/日,NTL100mg×2回/日 3. Medical College of Internal Internal 1988 clinics University The Third Department First DEC. Medical School Hospital of Medicine, University of The Ryukyus 管,開 封 後 の デ ー タ ーの不 変 性 な らび に デ ー タ ー解 析 の 。 筋 肉内 注射 。 公 平 性 の保 証 が コ ン トロー ラー に よ りな され た。 投 与 期 間 は通 常7日 以 上 と した が主 治医 の判 断 で 適宜 投 与 期 間 投 与 方 法 お よび投 与 期 間 を決 定 す る こ と と した 。 薬剤 は封 筒 法 に よ り薬 剤 番 号 に従 っ て,受 診 順 に投 与 4. TOB,NTL以 外 の併 用 薬 剤 す る こ と と した 。 コ ン トロー ラー は愛 媛 大 学 医 学 部 小川 併 用 禁 止薬 剤 お よび 認 め る薬剤 は下 記 の とお りと した 暢 也 教 授 に依 頼 し,薬 剤 の無 作 為 割付 け,調 査 表切 り取 が,併 用 薬 剤 を使 用 した場 合 な らび に補 液,強 心 剤 な ど り部 分(薬 剤 割 付 け番 号 お よ び 主 治医 効 果 判 定)の の投 与 お よび基 礎 疾 患 に 対 す る 治療 な どを 行 った場 合 に 保 VOL. 36 RTIに S-7 対 す るPIPC/AGs併 用療法 59 は,必 ず 調査 表 に併 用 理 由 と合 わ せ てそ の 旨記 載 す る こ アチ ニ ン,尿 蛋 白,尿 と と した。 投 与 開 始7日 後,14日 1)併 用禁 止薬 剤 沈 査 は 原則 と し て 薬 剤 投 与前, 後 に検 査 す る こ とと した。な お 白 血 球 数 は 投 与 開始3日 後 も 原則 と し て 検査 す る こ と と し,胸 部 レ線撮 影 は可 能 な 限 り実 施 す る こ と と した。 動 (1)他 の抗 菌 剤 (2)副 腎皮 質 ス テ ロ イ ド(但 し,本 治 療 開 始10日 上 前 か らス テ ロイ ドが 投 与 さ れ て い て,本 以 治療 開 始 後 脈 血 ガ ス(PaO2,PaCO2,pH),ク ー ム ス試 験(直 接), 総 ビ リル ビ ン,オ ー ジ オ グ ラ ムにつ いて は可 能 な限 り実 10日 以 上 にわ た っ て ス テ ロ イ ド投 与 に よ る と 考 え られ 施す る こ と と し,寒 冷 凝 集反 応,マ る症 状 の変 化 が 認 め ら れ ず,か (CF,IHA抗 量,あ つ本 治 療 終 了後 ま で同 るい は それ 以 下 の ス テ ロ イ ドが継 続 投 与 さ れ る場 と と した 。 さ らに前 記 項 目以 外 に気 管 支 造 影 な ど,患 者 の症 状 把 握 に有 力 な資 料 が あ れ ば提 出す る こ と と した。 合 は 上 し支 え な い も の と した)。 3)起 (3)フ ロセ ミ ド等 の利 尿 剤 2)原 則 と して併 用 を禁 止 す るが,止 む を得 な い場 合 炎菌検索 各 研 究機 関 に お い て,起 炎菌 を把 握 す る よ うに努 め, 調 査 表 に は分 離 菌 をす べ て列 記 して,そ の うち起 炎 菌 と の使 用 を 認 め る薬 剤 (1)非 イ コプ ラズマ抗 体 体)は 原 則 と して投 与 前 ・後 に 検査 す るこ 推 定 した も の には ○印 を付 す よ うに した 。 また,推 定起 ステ ロイ ド性 消 炎 剤 (2)消 炎 酵 素剤 炎 菌 は 東京 総 合 臨 床 検査 セ ンタ ー研 究部 へ 送 付 し,日 本 (3)解 熱 剤 化 学 療 法学 会 標 準 法 に従 って,PIPC,TOBお 3)併 に対 す る感受 性 を測 定 した。 用 を 認 め る薬剤 (1)去 痰 剤 (2)鎮 咳 剤 6.重 症 度 な らび に 効果 判 定 1)主 治 医 判定 よびNTL 主 治医 が 症 例 毎 に対 象 感染 症 な らび に合 併 症 ・基礎 疾 (3)気 管 支 拡 張 剤 (4)消 炎 効 果 を有 さな い 喀痰 融 解 剤 患 の重 症 度 を重症,中 等 症,軽 症 の3段 階 で判 定 す るこ (5)基 礎 疾 患 に対 す る一 般 治療 薬 とと した。 5.症 状 ・所 見 の観 察 お よび 臨 床 検査 1)観 察項 目 臨 床 効果 につ い て は,著 効,有 効,や や 有効,無 効, 判 定 不 能 の5段 階 で判 定 した 。 観 察 項 目は下 記 の とお り と し,原 則 と して毎 日観 察 記 録 す る こ と と した。 毎 日記 録 で きな い場 合 で も,少 な く とも投 与 前,投 与開 始3日 後,7日 後,14日 後 は必 ず 測定,解 熱 後 は1日2∼3回 で も差 し 咳嗽:睡 眠 が 障 害 され る程 度(廾),と し(-)と 喀 痰 量:50ml/日 (廾),10m1未 くに 障 害 の な した 。 以 上(帯),50ml未 満/日(+),な 喀 痰 性 状:膿 性(P),粘 レ線像 の読 影,重 症 度 お よび臨 床 効果 の判 定 を 行 った 。 し(-)と 膿 性(PM),粘 慢 性 気 道 感 染症 を対 象 と した が,明 らか に肺 炎 と考 え られ る症 例 に つ い ては,胸 部 レ線 フ ィル ム の番 号,患 者 満 ∼10ml/日 氏 名,撮 影 年 月 日を 伏 せ,全 した。 後,1枚 毎 に病 巣 の拡 が りと陰 影 の性状 か ら最 も重 い も 性(M)に 分 のを10点,正 フ ィル ムを 順 不 同 と した 常 を0点 とす る11段 階 に分 け て採 点 し た 。 さ らに,全 フ ィル ムの 採 点終 了 後,こ れ らを 各症 例 類 した。 呼 吸 困 難:起 坐 呼 吸が あ る場 合(廾),起 い も の(+),な し(-)と 坐呼吸の な した 。 慢 性 気道 感 染 症 例 につ い て は,胸 部 レ線像 の採 点 は 行 胸 部 ラ音:主 治 医 の判 断 に よ り(廾),(+),(-)の 胸 痛,チ わ ず,各 症 例 毎 に フ ィル ムを 並べ,重 症 度 お よび 臨 床 効 ア ノ ーゼ,脱 な し(-)の2段 毎 に 撮影 日時 の 順 に整 理 し再読 影 を行 い,読 影 の客観 性 を期 した。 3段 階 と した。 2)臨 定 の記 載 部分 を切 り取 った 調 査 表 に よ り,小 委 員会 に お (1)胸 部 レ線像 の読 影 支 え な い こ と と した。 い程 度(+),な 委 員会 判 定 全 例 の調査 表 を回 収後,薬 剤 割付 番 号 と主 治医 効 果 判 い て解 析 対 象例 と して の適 否 を検 討す る と と もに,胸 部 記 録 す る こ と と した。 体 温:1日4回 2)小 水症 状:そ れ ぞ れ あ り(+), 果 判 定 の参 考 と した。 (2)重 症 度 お よび 臨床 効 果 階 と した。 床 検査 項 目お よび 実 施 時期 小 委 員会 で の胸 部 レ線 像 の読 影 と同時 に薬 剤投 与 前 の 胸 部 レ線 撮影,赤 血 球 数,ヘ モ グ ロ ビ ン量,ヘ マ トク 症 状,所 見 に基 づ い て,解 析 対 象 と して適 して い るか 否 リ ッ ト値,血 小板 数,白 血 球 数 とそ の分 類,赤 沈(1時 か を検 討後,採 用 症 例 につ い ては 対 象 感染 症 の重 症度 を 間 値),CRP,S-GOT,S-GPT,Al-P,BUN,血 重 症,中 等症,軽 症 の3段 階 で判 定 した。 清 クレ CHEMOTHERAPY 6。 臨 床効 果 は臨 床症 状,検 査所 見 の改 善 程 度 お よび経 過 DEC.1988 と した。 を指 標 と して,著 効,有 効,や や有 効,無 効 の4段 階 で 8.有 判 定 した。 主 治 医 は 個 々の症 例 につ いて臨 床 効 果 と副 作用,臨 床 用性判定 (3)細 菌 学 的効 果 の判 定 検 査 値 異 常 の有 無 を勘 案 して,極 め て有 用,有 用,や や 治療 前 後 の起 炎 菌 を追 跡 し得 た 症 例 につ い て,起 炎 菌 有 用,有 用 性 な し,判 定不 能 の5段 階 で 判定 す る こ と と の消 長 お よび 投与 後 出現 菌 の有 無 に よ り,消 失,減 少, 不 変,菌 交 代 の4段 階 で 細菌 学 的 効果 を判 定 した。 7.副 作用 ・臨 床 検 査 値 異常 した 。 また,小 委 員 会 に お い て は,主 治 医 判 定 とは別 に小 委 員 会 有用 性 判 定 基 準(Table2)に 副作 用 出 現時 には,主 治医 が 症 状,程 度,発 現 日,消 II.試 失 日,投 与継 続 の可 否,処 置,投 与薬 剤 との因果 関係, 経過 な どを で き る限 り詳 細 に調 査 表 に 記載 す る こ と と し,臨 床 検査 値 につ い て も異 常 値 出 現 の際 には,投 与 薬 剤 との因果 関 係 や 処 置 な ど を記載 す る こ と と した。 小 委 員会 にお い て も調 査 表 の記 載 事 項 よ り,薬 剤 投 与 に伴 う副作 用,臨 床 検査 値 異 常 の有 無 につ い て検 討 し, 1.解 験 成 本試 験 で投 与 され た症 例 は,PIPC単 TOB併 用群53例,NTL併 この うち小 委 員 会 に お い て,解 し,20例(PIPC単 NTL併 用 群3例)が の計165例 であ 析 対 象 の 適 否 を検 討 独投 与 群9例,TOB併 用 群8例, 臨床 効果 の判 定 よ り除 外 され た 。 状,所 見 の回 復 して い な い もの を重 度,投 与 を 中止 あ る これ ら症 例 の除 外理 由 をTable3に いは 何 らか の処 置 を必 要 と して も投 与 中 止後 速 や か に正 副 作 用 の 検 討症 例 はTable3の 示 した 。 症 例 の うち,副 作 用 に て投 薬 を途 中 で中 止 し た も の を2例(PIPC単 Table 2. Criteria of usefulness judged by committee +:useful,±:slightly 独 投 与 群56例, 用 群56例 った。 あわ せ て副 作 用 重 症度 の判 定 を行 った 。 重 症度 は患 者 の 常 に復 した もの を 中等 度,投 与 を継 続 し得 た も の を軽 度 績 析対 象 お よび 除 外 例 生 命 に かか わ る 重 篤 な も の,あ る いは 投 与 中止 後 も 症 従 って,有 用 性 あ り, や や 有用 性 あ り,有 用 性 な しの3段 階 で判 定 した 。 useful,-:useless,?:unevaluable Table 3. Reasons for exclusion from evaluation of efficacy (judged by committee) 独投与 VOL.36 群),感 染 症状 不 明確 な も の3例(PIPC単 例,NTL併 OB併 RTIに S-7 用 群1例),胸 用 群)の6例 群51例,TOB併 対 す るPIPC/AGs併 用 群46例,NTL併 管 支 炎 お よび 気 管支 拡 張 症 な どが主 た る もの で あ り,以 症 例 の うち,副 作 用 に 独 投 与 群 の2例 独 投 与 群49例,TOB併 の計147例 を加 炎 群(肺 化 膿 症2例 を含 む)と 慢 性 気 道 感 染症 群 とに 層 別 して行 った 。 2)各 用 群45例, 種 背 景 因子 Table6に を 検 討 対 象症 例 と した 示 す よ うに,性,年 齢,体 重,感 染 症 重 症 度,基 礎 疾 患.合 併 症,前 投 与 抗菌 剤 の有 無,併 用 薬 の (Table4)。 2.患 示 す とお り多 岐 にわ た って い るが 慢 性 気管 支 炎,び ま ん性 汎 細気 独投与 用 群54例)を て投 薬 を途 中 で 中 止 したPIPC単 用 群53例 染 症 診 断名 下 の解 析 にあ た って は全 例 を一 括 して扱 う と ともに,肺 有 用 性 の 検 討 症 例 はTable3の NTL併 61 小 委 員 会 で 判定 され た 診 断名 はTable5に 部 レ線 撮影 未実 施 の1例(T を 加 え た計151例(PIPC単 検 討 対 象 症 例 と した。 えた,PIPC単 1)感 独 投 与 群2 用療法 有無 者背景因子 Table 4. Case distribution according 投 与 日数 に つ い て比 較 した が各 薬 剤 群 間 に有 意 な to judgement of committee Table 5. Classification by diagnosis (cases accepted by committee) CHEMOTHERAPY 62 DEC.1988 偏 りは認 め られ な か った 。 な お,基 礎 疾 患 ・合 併症 の有 認 め られ なか った(Table8)。 無 お よび そ の種 類 をA群(呼 PIPC,TOBお これ ら の起 炎 菌 の うち, よびNTLに 対 す る感 受 性 を 測定 で きた 及 ぼ す 影響 が 大 きい と考 え られ る悪 性 腫 瘍,心 不 全,膠 ものは 各 々11株,12株,12株 で あ った。 これ ら の菌 原 病,慢 に対 す るPIPCの 吸 器感 染 症 の 経過.予 後 に 性 呼 吸 器疾 患 な ど)とB群(そ の 他 の 基礎疾 られ なか った 。 患 ・合併 症)と に大 別 した。 3)試 験 薬剤 投 与 前 の 症状,所 見,検 査 成 績 Table7に 呼 吸困 難 示 す よ うに,体 温,咳 漱,喀 痰 量.性 状, 胸 痛,胸 部 ラ音,脱 水 症 状,チ ア ノ ーゼ,白 血 球 数,ESR,お 3.臨 床 効 果(小 委 員 会 判 定) 1)全 症例 Table9に 示 す よ う に,PIPC単 つ いて 比較 した が,い ず れ は,著 効2例,有 に お いて も薬 剤 群 間 に有 意 の偏 りは 認 め られ なか った。 で有 効 率 は47例 4)起 よびCRPに 炎菌 小 委 員会 にて 起 炎 菌 と 判 定 された 菌 はPIPC単 独投 中71例72.4%で 3例,有 Table 6. Criteria Table 7. Standard criteria for background 用群 の う ち,TOB併 効30例,や findings 効 あ った。 用 群 で は45例 や有 効8例,無 signs and laboratory 用群 や 有 効16例,無 factors of patients of scores for symptoms, で 効6例 あ り,AGs併 11例 で有 効 率 は98例 あ り,起 炎 菌 の種 類 につ い て も薬 剤 群 間 に有 意 な偏 りは 用 群30株 独 投 与 群47例 や有 効10例,無 効63例,や AGs併 用 群36株,NTL併 効29例,や 中31例66.0%で 98例 で は著 効8例,有 で 与 群33株,TOB併 感受 性 も薬 剤 群 間 に 有意 な偏 りは 認 め 中著 効 効4例 で 有 効 率 VOL.36 73.3%で 効33例,や RTIに S-7 あ り,NTL併 用 群 では53例 や 有効8例,無 あ った 。PIPC単 対 す るPIPC/AGs併 中 著 効5例,有 63 た結 果 で も薬剤 群 間 に有 意差 は認 め られ なか った。 2)肺 効7例 で有 効 率71.7%で 独 投与 群 とAGs併 用療 法 炎 ・肺 化 膿 症 用 群 の間 に 有意 の Table10に 示す よ うに,PIPC単 差 は認 め られ なか った 。 さ らに重 症 度 別 に層 別 し比較 し は9例 中6例66.7%で Table 8. Frequency of causative pathogens (cases accepted by committee) Tadle 9. Clinical efficacy (cases accepted and evaluated by committee) ―Totalcases― 独投 与 群 で の有 効 率 あ り,AGs併 用群 で は17例 CHEMOTHERAPY 64 中13例76.5%で 71.4%,NTLで あ った 。 併 用 群 の う ちTOBで は80.0%の DEC.1988 %の 有 効 率 を 示 した 。AGs併 は 38例 有 効 率 で あ った 。ま た,こ では73.4%,NTL併 用群 の うちTOB併 用 群43例 用群 では69.8%の れ を重症 度 別 に層 別 して 比較 して も薬 剤群 間 に有 意 の 差 効 率 を示 し,AG3併 は認 め られ な か った。 群 に比 し高 か った が,薬 剤 群 間 に有 意 差 は 認 め られ ず, 3)慢 示 す よ うに,PIPC単 中25例65.8%,AGs併 独投 与 重 症 度 別 に 層 別 して も有 意 の 差 は認 め られ な か った。 性 気 道 感 染症 Table11に 用 群 で の有 効 率 がPIPC単 有 4.臨 独 投 与群 で は38例 用 群 では81例 小委 員 会 採 用 例145例 中58例71.6 Table 10. Clinical efficacy ―Pneumonia 床 効 果(主 治医 判 定) (cases accepted and evaluated and pulmonary の 主 治 医 に よる 臨 床 効 果判 定 by committee) suppuration― Table 11. Clinical efficacy (cases accepted and evaluated by committee) ―Chronic RTI― VOL.36 RTIに S-7 をTable12に 対 す るPIPC/AGs併 示 した 。主 治 医 に よる判 定 に つ い て も小 用療法 65 P.aeruginosaはPIPC単 独投 与 群 で は12株 委 員会 判 定 と同様 に 薬剤 群 間 に有 意 の差 は認 め られ なか され,消 失1株,減 った 。 明2株 で あ った の に対 し,AGs併 5.起 炎 菌 別 細 菌 学 的 効果 され,消 起 炎 菌 別 細 菌 学 的 効果 をTable13に Staphylococcus aureusはPIPC単 が分 離 され1株 は 消失,1株 示 した 。 独 投 与群 で は2株 が 消 失,1株 群 で10株 群 で は56.0%で 用 独 投 与 群 で10株,AGs併 用群で 15株 分 離 され て い るが いず れ も消失 した 。 Table 12. Clinical 変10株,菌 が分離 交 代2 独 投 与 群 で20.0%,AGs併 用 あ り,両 薬剤 群 間 に 有意 の 傾 向(P< 認 め られ た。 そ の他 の グ ラム陰 性 菌 を 含 め た総 起 炎 菌株 数 はPIPC 独投 与 群 で3株,AGs併 が分 離 され た が い ず れ も 消 失 し,H.influ- enzaeはPIPC単 交 代1株,不 用 群 では26株 少1株,不 わ せ た消 失 率 はPIPC単 0.1)が が不 変,2 株 は菌 の消 長 が不 明 で あ った 。 S.pneumoniaeはPIPC単 失12株,減 変6株,菌 株,不 明1株 であ った。 不 明 を除 い た消 失 と菌 交 代 を あ は 不 変 で あ った 。AGs併 用 群 で は5株 が 分 離 され,2株 少2株,不 が分 離 efficacy Table 13. Bacteriological evaluated 単 独 投 与 群33株,AGs併 用 群66株 各 々62.1%,79.4%7で,両 薬 剤群 間 に有 意 の傾 向(P< 0.1)を 認 め た。 6.君aeru8imosaが by doctors in charge response classified by causative で あ り,消 失 率 は for organisms cases 起 炎菌 の症 例 accepted by committee (cases accepted by committee) CHEMOTHERAPY 66 P.aeruginosaが PIPC単 AGs併 は14例 起 炎 菌 と し て 分 離 さ れ た症 例 は, 独 投 与群12例,AGs併 用 群 の うちTOB併 用 群26例 で あ り, 用 例 は12例,NTL併 用例 で あ った。 そ の臨 床 効 果 お よび細 菌 学 的 効果 を Table14に 示 した。 臨 床 効果 は,PIPC単 で57.7%の 7.副 作用 ・臨 床 検 査 値 異常 小 委 員会 判 定 に よ る 自他覚 的 な副 作 用 はTable15に 示 した。 発 現 した副 作 用 はPIPC単 例,発 疹2例,悪 熱1例,発 独 投 与群 で41.7%,AGs併 有 効 率 を示 した 。AGs併 併 用 では58.3%,NTL併 った。AGs併 DEC.1988 用 では57.1%の 用 群 の方 がPIPC単 用群 用群 の うちTOB 有効率であ 独 投与 群 よ り高 い有 独 投 与 群 で は発 熱3 心 ・嘔 吐 が1例,TOB併 疹2例,NTL併 用 群 で は発 用 群 では 発 熱4例,悪 6.5%,11.1%で 薬 剤 群 間 に 有意 差 は 認 め られ な か っ た。 臨 床 検査 値 異 常 はTable16に 示 した。 認 め られ た異 効 率 を示 した が 薬 剤 群 問 に 有 意 の 差 は 認 め られ な か っ 常 はGOT,GPT,Al-Pの た。 減 少,BUNの 細菌 学 的 効果 につ いて は,TOB併 用 の場 合50.0%, NTL併 用 で61.5%の 消 失 率 を示 し,前 述 の とお り も薬 剤 群 間 に有 意 の差 は 認 め られ なか った 。 AGs併 用 群 の消 失 率 は有 意 の傾 向 でPIPC単 よ り高 く,ま たNTL併 用 群 の消 失 率 もPIPC単 群 よ り有 意 の 傾 向(P<0.1)で 高 か った 。 独 投 与群 独投与 8.有 上 昇,好 酸 球 増 多,白 血 球 の 上 昇,尿 沈 査 の異 常 であ った が,い ずれ 用性 小 委 員 会有 用 性 判 定 基 準(Table2)に され た 有 用 性 の成 績 をTable17に と判 定 され た もの は,PIPC単 Table 14. Clinical and bacteriological efficacy against respiratory tract infections with Pseudomonas aeruginosa (cases accepted and evaluated by committee Clinical efficacy Bacteriological 心1 例,悪 心 ・嘔 吐1例 で あ り,発 現 率 は そ れ ぞれ11.8%, response Table 15. Side effects (cases accepted by committee) 基 づ い て 判定 示 した 。有 用 性 あ り 独 投 与群49例 中27例 VOL.36 RTIに S-7 Table 16. Abnormal 対 す るPIPC/AGs併 laboratory Tah1P 17_Usefuiness (55.1%),AGs併 り,AGs併 用 群98例 (68.9%),NTL併 あ った 。AGs併 用 群 では45例 用 群 で は53例 (cases accepted あ 中31例 中35例(66.0%)で 用群 で 有 用 性 あ りの 率 が高 か った が 薬 III.考 and evaluated 今 回,著 by committee) 者 ら は 難 治 性 呼 吸 器 感染 症 を 対 象 と し て PIPCとAGsの 併 用 療 法 の有 効 性 と安 全 性 を客 観 的 に 評 価 す る 目的 でwell controlled studyに よ る比較 試 験 を試 み た 。 小 委 員 会判 定 に よ る臨床 効 果 は,全 症 例 お よび 肺 炎 ・ 剤 群 間 に有 意 の 差 は認 め られ な か った。 肺 化膿 症,慢 性 気道 感 染 症 に 層別 した 場 合 の いず れ に お 按 ヴ レイ ド型 ペ ニ シ リ ンで あ るPIPCの 67 findings (cases accepted by committee) 中66例(67.3%)で 用 群 の うちTOB併 用療法 特徴 の一 つ は 緑 膿菌 を 含む グ ラ ム陰 性菌 に対 して強 い 抗菌 力 を有 して い る こ とで あ り4∼6),そ の臨 床的 有 用 性 は 高 く評 価 され い て も統 計 学 的有 意 の差 は 認 め られ な か った が,PIPC 単 独投 与 群 に比 しAGs併 AGs併 て い る。 しか し,慢 性 閉塞 性 肺 疾 患 患 者 や,肺 癌 な ど悪 性腫 瘍 や 投 与 群 よ り高 く,その 臨床 効 果 もPIPC単 %の 有 効 率 に対 しAGs併 hostに 発 症 した 難 治 性 呼 吸 器感 染 症 に対 して は,PIPC %,NTL併 注射剤 と 対 して 用 群 の 消失 率 が 有 意 の傾 向 を も ってPIPC単 膠 原 病 な どの基 礎 疾 患 を も っ たimmunocompromised を含 め 新 しく開発 され た 第 三 世 代 のcephem系 用 群 の有 効 率 が高 か った。 しか し細 菌 学 的 効 果 で はP.aeruginosaに 用群57.1%の られ ない もの のPIPC単 用 群 ではTOB併 独 独投 与 群41.7 用 群58.3 有 効 率 を示 し,有 意 差 は 認 め 独 投 与 群 よ り10数%高 い有 効 い え ど も必 ず しも充 分 とは言 え な い の が 現状 で あ る。 そ 率 を示 した。 こ の成 績 はP,aeruginosaに の た めか か る症 例 に対 して は複 数 の 抗菌 剤 に よる併 用 療 染症 に対 す るPIPCとAGsの 法 が 行 わ れ て お り,特 に 緑 膿菌 に よる感 染 症 に対 しては す るも の と言 え よ う。 しか し,Spneumoniae,H.influ- ア ミノ糖 系 抗 生剤 との併 用 が 一 般 に よ く行 わ れ て い る。 enzaeに PIPCと 他 の抗菌 剤 に よるin vitroで の併 用 効 果 は才 PIPCの 膿 菌 に対 して もNTL8,9)を られ た 。 は じ め そ の他 のAGsと 併 用 効 果 を認 め る報 告 が され てい る10-12)。しか しinvitroの 報 告 に比 し併 用 療 法 に関 す る臨 床 検 討 成 績 は 少 な く13,14),併用 療 法 の有 効 性 と安 全 性 に つ い て は 今 後 に 残 され た 検 討 課 題 で あ る。 併用 療 法 の 有効 性 を示 唆 独 投与 群 で も全株 が 消 失 して お り,こ れ らの菌 が 起 炎 菌 の 感 染 症 に 対 しては 川 ら7)の 報 告 をは じめ と して数 多 く報 告 され てお り,緑 PIPCの よ る感染 症 ではPIPC単 よ る呼吸 器 感 単 独投 与 で充 分 有 効性 が 期 待 出来 る もの と考 え 副 作 用,臨 床 検 査 値 異 常 につ いて は 単独 投 与群,AGs 併用 群 間 に差 は な く,安 全 性 につ いて も今 回 の検 討 で は 問題 が な い も の と考 え られ た。 有 用性 に つ い て も統 計 学 的 な 差 は認 め られ な い もの CHEMOTHERAPY 68 の,AGs併 DEC. 用 群 の有用 性 が 高 か った。 こ の こ とは今 回 の 検討 症 例 がP.aeruginosaを Serratia 約10年 化学 療 法 学 会 に おけ る最初 の検 討 か らす で に 8) が経 過 した が,そ の間 呼 吸 器 感 染症 を対 象 と し た比 較 試験 が3回 実 施 され てい る。 す なわ ちampicillin (ABPC)を 対 照 と して1976年10月 asPoxicillin(ASPC)を 対 照 と し て1982年10月 と して1984年11月 ∼1985年8月 に実 施 され た17)。こ versus Microbiol, ARPI FFENS あ り,患 者 背 景 が 多 少 異 な る racillin 65.8%,78.3%,71.7%で もの の今 回 の成 績 の66.0%と 比 較 す る とPIPCの もの と考 え られ る。 また,抗 菌 力 の 変 動 につ い て は 出 A, 13) が 必 要 で あ る。 D, COBBS PEDERSEN GREHN G vitro : In and M activity 以上,呼 吸 器 感染 症 特 にP.aeruginosaに よる難 治 性 併 用 は 臨 床 的 に有 用 性 Antimicrob 大 泉 耕 太 郎, 渡辺 文 ppl. 2) 2) 献 1910∼1913, 中 沢 昭 三, 1987 小 山 哲 夫, 小 林 章 男: T-1220の 25 西 野 武 志, 5( su- 16) 中 尾 雅 文: 緑膿 設 及 び 関 連 施 設): 青 沼 清 一, 大 沼 菊 夫, 渡辺 今野 抗 生 物質 の併 用 に 関す る研 彰, 30 佐 々 木 昌 子, (2): 第23回 T-1220(Piperacillin), 6) 上 田 松 本 文 夫: tibiotics 36 Neu C: ƒÀ-lactam H relationships (4): 新薬 東 京, Piperacillin。Jap. 653∼677, 19) in vitro properties. (S-3): S 237•`S 保 田 259, 才川 勇, 久 嗣, 中 川 三 千 子: 隆, J. An- Rev 田井 他 出 口 浩 一: 高 畑 正 裕, 1978 設 及 び 関 連 施 設): 呼 吸器 感 1985 (49施 設 及 び 関 連 施 設): 呼吸器感 and Dis macol 8 津 田 aeruginosa, (4): 345∼ 臨 床 分 離 株 に 対 す るpiperacillinの PICKERING 20) LOU SHARIFI 賢, 1985 呼 吸器 感 1986 L K, mycin normal RUTHERFORD and time I: upon 抗 by Exp A, LEE R: 217 M, Effect pharmacokinetics renal of function. mecil- piperacillin. J. : 345•`349, FLASCHA of co- and carbenicillin, and Ther of netilmicin azlocillin, mezlocillin Effect inactivation gentamicin, linam, activity Infect 123∼166, (45施 164∼198, 副 島 林 造, amikacin : Structual 1986 Pseudamonas 設 及 び 関 連 施 設): (2): 他 tobramycin, 1983 antibiotics affecting pharmacologic 7) 26 玲, ncentration 泰, (41施 636∼653, 菌 力, 経 年 的 変 動 に 関 す る 検 討 。Chemotherapy 36 (S-7): 4∼16, 1988 1976 5) 斉藤 377, 18) 149∼153, 日 本 化 学 療 法 学 会 東 日本 支 部 総 会, シ ソ ポ ジ ウ ムI: 他剤 と の併 33 (7): の 薬 効 比 較 試 験 成 績 。 感 染 症 誌60 大 1982 4) 他 緑膿 菌 性 慢 染 症 に 対 す るMK-0787/MK-0791とpiperacillin 泉 耕 太 郎, 究 (I)。Chemotherapy 中 川 圭 一, (2): 17) 質 の 併 用 に 関 す る 細 菌 学 的 研 究 。Chemotherapy 23 (10): 3201∼3209, 1975 淳: 988∼ 染 症 を 対 象 と す るaspoxicillinとpiperacillin の 二 重 盲 検 法 に よ る 薬 効 比 較 試 験 。 感 染 症 誌59 菌 に 対 す る 合 成 ペ ニ シ リ ン と ア ミノ 配 糖 体 抗 生 物 3) 基礎 (5): 1977 耕 平, 他 (9施 motherapy Med. 1985 大 槻 雅 子, 青 沼 清 一, 染 症 に 対 す るT-1220 (piperacillin) とampicillinの 二 重 盲 検 法 に よ る 薬 効 比 較 試 験 成 績 。Che- 更 に 検討 を重 ね る必 要 が あ る もの と考 え る。 併 用 療 法 の 意 義 。Prog. Agents 彰, 用 療 法 。Chemotherapy 副 島 林 造: and 1986 とに よ り各 薬 剤 の 体 内動 態 が単 独 投 与 時 と変 動す る こ と 1) G against 性 気 道 感 染 症 に 対 す るcefsulodinと も報 告 され てお り19∼21),腎 毒 性 等 の安 全 性 も含 め て今 後 piperacilalone が 高 い治 療 法 で あ る と考 え られ る。 しか し,併 用 す る こ 15) CLOUD of 呼 吸 器 感 染 症 。 化 学 療 法 の 領 域3: 成 田 光 陽, 原 S, mezlocillin 25•`30, 665∼671, 992, 14) noChe- aminoglycosides 的 ・臨 床 的 検 討 。Chemotherapy 感 染症 に対 す るPIPCとAGsの pipe- on SAAG aeruginosa. 淳: STE- of bacteria. R, with 佐 々 木 昌 子, M, effect 1981 K 30: 1986 aminoglycosides SMITH C culture 68•`74, H, F: piperacil- blood 32: 39•`43, J H of : Combination ticarcillin 今野 り抗菌 力 が 大 幅 に低 下 して い る成 績 が 得 られ てお り注意 E, synergism against four Chemother 12) P the M Pseudomonas 外 は 大 きな変 Compara- Eur LANGMAACK 27: に よる と緑膿 菌 をは じめ とす る呼 吸 器感 染 症 の主 要起 炎 I: 1982 gram-negative M lin, 動 は 認 め られ な か った 。S.aureusに 対 して はmethicilin resistant Staphylococcus aureus(MRSA)の 出現に よ F, JUST with combination 抗 菌 力 はS.aureus以 of netilmicin A, LYON (5): netilmicin-pipera- 238•`242, Chemotherapy motherapy 11) 25 BRAVENY of J O RGENSEN and 口 ら18,が本 比 較 試験 の菌 株 も含 め て報 告 して い る。 そ れ 菌 に対 す るPIPCの 1: nfermentative 呼吸 器感 染 症 に対 す る有 効 性 は それ 程 大 き く変 化 して い な い W, activity studies DASCHNER 単 独 投 与 に お け る有 効 率 は そ れ ぞれ るT-1220と gentamicin-piperacillin. M, vitro isolates. 10) BAIERL Clin lin 対照 K, synergistic cillin In ∼ 1983年7月16),imipenem/cilastatin(IPM/CS)を の際 のPIPC49/日 9) ∼1977年6月15), す 1977 MACHKA tive 対 併 用 効 果 。Chemotherapy 797∼800, た ため と考 え られ る。 PIPCは marcescensに gentamicinの 起 炎 菌 とす る症 例が 多 か っ 1988 S, PRASAD piperacillin in Phar- 1981 on patients Antimicrob R, tobrawith Agents VOL.36 RTIに S-7 Chemother24: 21) 533∼537, 戸 塚 恭 一, 辺 泰 雄, 大 井 聖 至, 林 敏 雄: 対 す るPIPC/AGs併 用療 法 1983 熊 田 徹 平, 69 (第1報)。Chemotherapy34 清 水 喜 八 郎, (4): 1986 渡 抗菌薬の併用 に 関す る 研究 COMBINATION THERAPY OF PIPERACILLIN AMINOGLYCOSIDES RESPIRATORY WITH IN INTRACTABLE TRACT INFECTIONS RINZO SOEJIMA*, YOSHIHITO NIKI, MASATOSHIWATANABE CHIKARA NAKAHAMA, JIRO HINO Division of Respiratory Diseases, Department of Medicine Kawasaki 577 Matsushima Kurashiki 701-01, Japan Medical School AKIRA SUZUKI, TUGUTAMI ONODERA Department of Internal Medicine Section 3, Sapporo Medical College KAZUO TAKEBE, TOYOICHI TAMURA, KATSUMI ENDO Third Department of Internal Medicine, Hirosaki University of Medicine and Related Hospitals School MASATO HAYASHI The Second Department of Internal Medicine, Hiraga General Hospital MASASHI TAMURA, MASUO SATO he Third Department of Internal Medicine, T Iwate Medical University, School of Medicine KIYOSHI KONNO, KOTARO OIZUMI*, AKIRA WATANABE Department of Internal Medicine, The Research Institute for Chest Diseases and Cancer, Tohoku University IZUMI HAYASHI, KIKUO OHNUMA Department of Respiratoty Disease, Iwaki Kyoritsu General Hospital TUGUSHI ITOH Department of Internal Medicine, Tr keda General Hospital FUSANOSUKEYAMASAKU, YASUTOSHI SUZUKI Department of Internal Medicine, Suibarago Hospital OSAMU SEKINE, NOBUKI AOKI Department of Internal Medicine, Shinrakuen Hospital YUKIO OKI, TAKASHI YOKOSE, TOSHIO FUKUI, MASATAKAKATSU Department Department of Internal of Respiratory Medicine, Kasumigaura JUNZABUROKABE Organs, National National Hospital Medical Center Hospital HIROYUKI KOBAYASHI*, SHIN KAWAI, HIROSHI OSHITANI, HIROSHI MIURA First Department of Internal Medicine, Kyorin University YOSHIO KOBAYASHI**, IPPEI FUJIMORI*** Department of Internal Medicine, Kawasaki Municipal Hospital 286∼293, CHEMOTHERAPY 70 DEC. TAKAO OHKUBO, AKIRA ITO The first Department of Internal Medicine, Yokohama School of Medicine City University, SHIGEKI ODAGIRI, KANEO SUZUKI, KOU MUROHASHI HIROSHI TAKAHASHI, TSUTOMU FUKUDA, YASUHIKO ASHIKARI Department of Respiratoty Disease, Kanagawa Prefectural Nagahama Hospital MASAHITO KATO, TOSHIHIKO TAKEUCHI The First Department Department of Internal Medicine, Nagoya City University, School of Medicine JOICHI KATO Medicine, Owari Prefectural of Internal Hospital NOBUHIRONARITA, MASAYOSHISAWAKI, KEII'CHI MIKASA The Second Department of Internal Medicine, Nara Medical University SHIGENORINAKAJIMA Fourth Department of Internal Medicine, Kinki University School of Medicine KOICHI FUKUYAMA, YORIKO TSUJI, TSUYOSHI OKUMOTO RYO KIMURA, SYUNJI IMANAKA, EIRO TSUBURA Department of Internal Medicine, Toneyama National Hospital SHINYA TADA, IKURO KIMURA Second Department of Internal Medicine, Okayama University Medical School TOSHIHARU MATSUSHIMA, HIROTANE IKEDA, YOSHIHIKOTANO The Second Department of Internal Medicine, Kawasaki Medical School, Kawasaki Hospital TAKAO SASAKI, YUKIO MATSUMOTO, YUJI SUGIMOTO The Third Department of Internal Medicine, Tottori University School of Medicine, OSAMU KURIMURA, HIDEO SASAKI, HIROFUMI FUKUHARA, MARIKO OKADA Department of Internal Medicine, Kure National Hospital KAZUTAKANISHIMURA The Second Department of Internal Medicine, School of Medicine. Ehime University MINORU YOSHIDA, TAKAMICHIARITOMI The Second Department of Internal Medicine, Fukuoka University School of Medicine, HOZUMI YAMADA, OSAMU KATO Department of Internal Medicine, Saga Medical School KOHEI HARA*, MASAKI HIROTA, KEIZO YAMAGUCHI, SHIGERU KOUNO TOSHIAKI HAYASHI, AKIRA YASUOKA, KAZUO SASAYAMA,TUNEO TUTUMI KOUTA KOUNO, YASUKO UEDA, KIYO FUJITA The Second Department of Internal Medicine, Nagasaki School of Medicine_ and Related Hospitals University, 1988 VOL. 36 RTIに S-7 対 す るPIPC/AGs併 用療法 71 KEIZO MATSUMOTO* Department of Internal Medicine, Nagasaki Institute University for Tropical Medicine, MASARU NASU, JUN GOTO, YOUICHIROUGOTO HIDEAKI SHIGENO, TAKAYOSHI TASHIRO Second Department of Internal Medicine, Medical College of Oita MORITAKA SUGA, MASAYUKIANDO, SHUKURO ARAKI First Department of Internal Medicine, Kumamoto University Medical School KIYOSHI SHIMA, SHINOBU TAKENAKA, KOICHIRO FUKUDA Department of Internal Medicine, Kumamoto Municipal Hospital ATSUSHI SAITO, YOSHITERU SHIGENO, KENJI MORI, YUEI IRABU The First Department of Internal Medicine, Faculty University of The Ryukyus * Committee ** Present: *** Present: of Medicine, members Department Department of Clinical of Internal Laboratory, School of Medicine, Keio University Medicine , Oguchi Higashi General Hospital Since combined use of piperacillin (PIPC) and aminoglycosides (AGs) shows a synergistic effect in vitro, a clinical examination of this combination therapy was carried out from August 1985 to January 1987 by a well controlled study. Drugs were administered at 4 g daily of PIPC alone, 120 mg of tobramycin (TOB) combined with 4 g of PIPC, or 200 mg netilmicin (NTL) combined with 4 g of PIPC. 1. The clinical efficacy rates in all cases evaluated by the attending committee members were 66.0 in PIPC alone, 73.3% in PIPC combined with TOB, and 71.7% in PIPC combined with NTL, respectively. No significant difference was observed between PIPC alone and PIPC combined with AGs. There was also no significant difference in clinical effect between PIPC alone and PIPC combined with AGs evaluated by the committee members, in patients with pneumonia or pulmonary suppuration, and with chronic respiratory tract infection. 2. Bacteriological respose against causative organisms in all cases tends to be significantly superior in PIPC combined with AGs than in single use of PIPC. Particularly in infections due to Pseudomonas aeruginosa, the eradication rate was much superior. 20% in PIPC alone but 56% in PIPC combined with AGs. 3. There was no significant difference between PIPC alone and combined PIPC with regard to side effects or abnormality in laboratory findings. 4. There was no significant difference in usefulness between single use of PIPC and combined PIPC as evaluated by the committee members. In conclusion, we consider that combination therapy of PIPC with AGs was more effective than PIPC alone, particularly in treating chronic respiratory tract infections due to P. aeruginosa, and was just as safe.
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