コンパクト差分を用いた平行平板間非圧縮性乱流のLES

第 23 回数値流体力学シンポジウム
E5-2
コンパクト差分を用いた平行平板間非圧縮性乱流の LES
Large eddy simulation of incompressible turbulent channel flow with compact finite difference
八巻 真人,名工大院, 〒 466-8555 名古屋市昭和区御器所町, E-mail:[email protected]
森西 洋平,名工大院, 〒 466-8555 名古屋市昭和区御器所町, E-mail:[email protected]
Masato YAMAKI, Nagoya Institute of Technology, Gokiso-cho,Showa-ku,Nagoya,Aichi 466-8555,Japan
Yohei MORINISHI, Nagoya Institute of Technology, Gokiso-cho,Showa-ku,Nagoya,Aichi 466-8555,Japan
In the large eddy simulation (LES) of turbulent flows, the discretized equations of the grid-scale (GS) flow field are
solved with the aid of a sub-grid scale (SGS) model.Thus, the reliability of the numerical result of LES depends
strongly on both the reliability of the SGS model and the accuracy of the numerical method. In this study,
the numerical methods with the compact finite difference on staggered and collocated grids are constructed. To
examine the effect of the grid resolution and the order of accuracy for high-order compact finite difference, the
plane channel simulations of incompressible flow are performed with and without SGS models.
2.
計算結果
コンパクト差分を用いて平行平板間チャネル乱流の数
値計算を実行し,数値計算結果より差分の高次精度化の
効果を考察する.コンパクト差分の精度,格子解像度及
び格子配置の関係を考察するために,まず SGS モデルを
使用しない検証計算 (No SGS model) を行う.
計算領域の大きさは主流方向 (x1 方向) を 2πh,壁方
向 (x2 方向) を 2h,スパン方向 (x3 方向) を 2πh/3 とす
る.h はチャネル半幅である.また,主流方向の格子数
を N1 = 32,壁方向の格子数を N2 = 64,スパン方向の
格子数を N3 = 32 とする.チャネル半幅 h と壁面摩擦速
度 uτ によるレイノルズ数 Reτ = uτ h/ν は 395 に設定す
る.使用した差分スキームの精度はスタガード格子に対
して 4 次精度,6 次精度及び 8 次精度 SCn(n=4,6,8),コ
ロケート格子に対して 4 次精度,6 次精度及び 8 次精度
CCn(n=4,6,8) である.
Fig.1 に主流方向の乱流強度の分布を示す.添え字 + は
摩擦速度 uτ と長さスケール ν/uτ による無次元化を示す.
Fig.1 より,SCn(n = 4, 6, 8) の主流方向の乱流強度 u+
1
は,いずれの精度でもスペクトル法の値に近く,さらに
精度が上がるとスペクトル法の値に漸近する.また,通
常差分の 4 次精度の結果に比べると SC4 の主流方向乱流
強度分布のピーク値は格段に改善されており,SC8 にお
いてはスペクトル法のピーク値にほぼ一致していること
が確認できる.また,CCn(n=4,6,8) は SCn より概ね 2
次精度低い結果と一致している.以上より,乱流強度分
布 ui に対して,コンパクト差分による高次精度化の効果
が得られた.
No SGS model
3
: DNS, Moser et al.(1999)
: 4th S FDM
: 4th S compact FDM
: 6th C compact FDM
: 8th S compact FDM
: Spectral
+
緒言
乱流のラージ・エディ・シュミレーション (LES) では,
格子で捕えられる (GS) 流れ場は,フィルター化された運
動方程式を離散化して数値的に解くことで表現され,そ
の際に格子以下のスケール (SGS) 流れ場から GS 流れ場
への寄与については SGS モデルが導入される.これより,
LES の計算結果の信頼性は SGS モデルの信頼性に加え
て基礎方程式の離散化手法にも大きく依存すると考えら
れる.
格子数が与えられた場合に最も高精度な計算手法とし
てスペクトル法が知られている.しかし,スペクトル法
が適用できるのは非常に単純な形状の流れ場に限られて
しまう.従って,より複雑な形状の流れ場に対する LES
の空間離散化手法として高次精度の差分法に期待が寄せ
られる.そのような差分法としてコンパクト差分が知ら
れている [1] . コンパクト差分は同じステンシル幅で通常
差分よりも高次精度の差分近似式を構成することができ,
圧縮性流れの数値計算にしばしば用いられてきたが,非
圧縮性流れへの適用はこれまでほとんど見られない.こ
れは,圧力ベース解法による非圧縮性流れの数値計算に
おいて圧力のポアソン方程式を解く必要があるが,コン
パクト差分が陰的な差分であるため,従来の伝統的な行
列解法で圧力のポアソン方程式を解くことが困難となる
のが要因の一つと考えられる.また,コンパクト差分で
は,数値粘性やローパスフィルターを導入することなく
高レイノルズ数での非線形不安定性を抑制する手法が確
立されていなかった.これらの問題は圧力の離散ポアソ
ン方程式に対するクリロフ部分空間反復法の導入及び混
合型に基づく安定な移流項の差分スキームの導入で解決
されることが示されている [5] .
本研究は,コンパクト差分の精度と格子解像度が壁乱
流の LES の計算結果に及ぼす影響を調べることを目的と
している.そのため,まず SGS モデルを使用しない平行
平板間チャネル乱流の数値計算を実行し,それらが計算
結果に及ぼす影響を調べる.さらに,差分精度を変化さ
せた LES を実行し計算結果を検討する.
u1’
1.
2
0
100
+
x2
Fig. 1: Streamwise turblence intensity
謝辞本研究の研究費の一部は科学研究費補助金 (基盤
研究 (B),課題番号 21360081) によっている.記して謝
意を表す.
参考文献
1. Lele,S.K., Compact Finite Difference Schemes with
Spectral - like Resolution,J.Comput.Phys.,Vol.103
(1992), pp16-42.
2. 森西洋平,コンパクト差分による非圧縮性流れの計算
スキームについて,第 21 回数値流体力学シンポジウ
ム講演論文集,(2007),p.184.
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