【平成26年度の診療報酬改定を受けまして、緊急アンケート】

【平成26年度の診療報酬改定を受けまして、緊急アンケート】
【患者様・ご家族の方へ】
平成26年度の診療報酬改定を受けて、今後の医療に関する意向調査を実
施したいと思います。順次3つの質問をしますので、率直なご意見・ご意向
を忌憚なくお聞かせください。ご協力よろしくお願いいたします。
「認知症初期集中支援チーム」に対する評価として、精神科重症患者早期
集中支援管理料(1800点、月1回)なる診療報酬が新設されました。高度の
認知症患者さんに対して、できる限り地域で支え、必要なときには然るべき
医療機関できちんと対応しようという構想が具体化されてきたわけです。き
ちんと制度を整えようとした努力は評価されます。
さて、重度の認知症患者さんに対応する医療機関の条件としては、「常勤精
神保健指定医、常勤看護師又は常勤保健師、常勤精神保健福祉士及び常勤作
業療法士の4名から構成される専任のチームが設置」「24時間往診及び看護師
又は保健師による訪問介護が可能な体制を確保」などの基準があり、残念な
がら榊原白鳳病院はその条件をクリアすることができませんでした。力及ば
す申し訳ございません。
そこで、患者様の希望に沿う医療を実現するために、今後の意向などを一
度きちんと確認しておきたいと思います。
以下のアンケートにお答えください。
質問1
今後あなたが受けられる医療において希望事項をお聞かせください。
□ これまで通り榊原白鳳病院での診療を受けたい。
□ これからは、「認知症初期集中支援チーム」を担う病院および診療所で
の診療を受けたい。
□ 今後はかかりつけの診療所での診療を受けたい。
□ わからない
□ その他
質問2
嚥下障害が出現し口から食べられなくなったときにどのような医療を希望
しますか?
□ 自然な最期を希望する
□ 末梢からの点滴を希望する
□ 経鼻経管栄養を希望する
□ 胃ろうからの経腸栄養を希望する
□ 高カロリー輸液を希望する
□ 医師に任せる
質問3
-1-
外来において点滴実施を試みたものの、不穏などにより点滴の実施が困難
な状況であった場合にどうされますか?
□ 入院医療も含めて医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい
(3-1)
□ 点滴は諦め、自宅での安らかな最期を希望します(3-2)
□ PEG(胃瘻造設)を承諾します(3-3)
□ その他
【選択肢別の私からの「説明」】
以上お聞きしましたアンケート結果をもとにして、今後想定される状況を
考え、単刀直入に今後の治療方針についてご説明したいと思います。
3-1(医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい)を選択された方へ
今後起こりうる事態を想定しますと、「認知症初期集中支援チーム」を担う
機能が充実しております医療機関での診療が望ましいと判断されますので紹
介状を記載いたします。
3-2(点滴は諦め、自宅で看取ります)を選択された方へ
最期は「在宅での看取り」を希望されております状況ですので、早い段階
から「かかりつけ医」による診療を受けられた方が望ましいと思われますの
で紹介状を記載いたします。
3-3(PEG[胃瘻造設]を承諾します)を選択された方へ
然るべき状況になった際には、支援病院の一つであります国立三重中央医
療センターに依頼しPEGをお願いします。数日以内に「退院」になると思われ
ます。退院後は榊原白鳳病院にて、言語聴覚士(ST)などによるリハビリテ
ーションを実施し、経口摂取に向けての訓練を実施していきたいと思います。
http://apital.asahi.com/article/kasama/2014022600008.html
※アンケートの対象者
アンケートの対象者:榊原白鳳病院に通院する変性性認知症
変性性認知症患者
アンケートの対象者
変性性認知症
アンケート実施時期:平成26年2月28日(金曜)~4月19日(土曜)
アンケート実施時期
第33認知症学会学術集会における発表用抄録作成のため、いったん集計は
4月19日で締め切りましたが、患者さんの自己決定をできる限り尊重する
という大きな意義を持った取り組みであるため、その後も継続的に意向調査
は続けております。
-2-
アンケートの集計結果(速報)
A)HDS-R:21点以上(嚥下障害が切実ではないグループ)
~2014年4月19日現在の総数: 14名
質問1
今後あなたが受けられる医療において希望事項をお聞かせください。
□ これまで通り榊原白鳳病院での診療を受けたい。
11名
□ これからは、「認知症初期集中支援チーム」を担う病院および診療所で
の診療を受けたい。
1名
□ 今後はかかりつけの診療所での診療を受けたい。
名
□ わからない
名
□ その他
2名
①榊原白鳳病院まで通うのは遠いので、「認知症初期集中支援チーム」
を担う病院および診療所が居住地の近くにあればそちらに通いたい。
②基本はかかりつけ医、何か困ったら榊原白鳳病院に受診します。
質問2
嚥下障害が出現し口から食べられなくなったときにどのような医療を希望
しますか?
□ 自然な最期を希望する(※)
4名
□ 末梢からの点滴を希望する
6名
□ 経鼻経管栄養を希望する
名
□ 胃ろうからの経腸栄養を希望する
名
□ 高カロリー輸液(TPN)を希望する
名
□ 医師に任せる(※)
1名
□ その他
3名
①10年後なら点滴だけ、でも今は、PEGは嫌なのでTPNかな…:1名
②考えたことがないので分からない(※)。なるべく自然に…と思う。
実兄がPEGを受ける姿を見ていたので「管」は嫌です。
:1名
③本人:「今まで考えたことがない。(※)」 妻:「点滴かな…。」:1名
質問3(設問2で※を選択した方は、設問3には進んでおりません)
外来において点滴実施を試みたものの、不穏などにより点滴の実施が困難
な状況であった場合にどうされますか?
□ 入院医療も含めて医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい
(3-1)
2名
□ 点滴は諦め、自宅での安らかな最期を希望します(3-2)
名
□ PEG(胃瘻造設)を承諾します(3-3)
1名
□ その他
4名
「その他」の具体的な内容:その時にならないと分からない 3名
医師に委ねます
1名
-3-
B)HDS-R:20点以下(嚥下障害が身近な問題であるグループ)
~2014年4月19日現在の総数: 14名
質問1
今後あなたが受けられる医療において希望事項をお聞かせください。
□ これまで通り榊原白鳳病院での診療を受けたい。
12名
□ これからは、「認知症初期集中支援チーム」を担う病院および診療所で
の診療を受けたい。
名
□ 今後はかかりつけの診療所での診療を受けたい。
名
□ わからない
名
□ その他
2名
「その他」の具体的な内容:
平素はかかりつけ医で診察を受け、症状に変化があれば笠間医師に受診し相談したい。
母の状態による。現状なら笠間先生に診て欲しいが悪くなれば…。
質問2
嚥下障害が出現し口から食べられなくなったときにどのような医療を希望
しますか?
□ 自然な最期を希望する(※)
1名
□ 末梢からの点滴を希望する
6名
□ 経鼻経管栄養を希望する
名
□ 胃ろうからの経腸栄養を希望する
2名
□ 高カロリー輸液(TPN)を希望する
名
□ 医師に任せる(※)
1名
□ その他
4名
①3名:「分からない」
3名
②1名:「家族の意向に委ねる」
1名
質問3(設問2で※を選択した方は、設問3には進んでおりません)
外来において点滴実施を試みたものの、不穏などにより点滴の実施が困難
な状況であった場合にどうされますか?
□ 入院医療も含めて医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい
(3-1)
3名
□ 点滴は諦め、自宅での安らかな最期を希望します(3-2)
1名
□ PEG(胃瘻造設)を承諾します(3-3)
1名
□ その他
1名
「その他」の具体的な内容:「胃瘻は考えていないものの、点滴をし
ないで看ていくかどうかまでは考えておらず返事に迷います。」
-4-
アンケート対象:
2014年4月19日までに28名の患者が回答している。対象患者の内訳は、
アルツハイマー病(AD)22名、レビー小体型認知症(DLB)5名、前頭側頭
型認知症(FTD)1名である。軽度認知障害はアンケートの対象としていない。
A)HDS-R:21点以上
AD(50歳代:1名、60歳代:3名、70歳代:5名、80歳代:4名):13名
DLB(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:名)
:1名
FTD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:名、80歳代:名)
:
B)HDS-R:20点以下
AD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:3名、80歳代:6名)
:9名
DLB(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:3名) :4名
FTD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:名)
:1名
【アンケートを終えての感想】
※アピタルのシリーズ第424回のコメント欄
http://apital.asahi.com/article/kasama/2014022700014.html
=50代の若年性アルツハイマー病の方は、「外来において点滴実施を試みた
ものの、不穏などにより点滴の実施が困難な状況であった場合にどうされま
すか?」という質問に対して、「その時にならないと分からない」と回答され
ました。
実に率直なご意見をお話されました。
※2014年3月15日に回答(調査No.17)されました78歳女性(HDS-R:7/30)
は、現実に軽い「嚥下障害」が出現しつつある状況下でのアンケート調査と
なりました。
ご本人は「分からない」と回答されました。ご本人に代わってアンケート
に回答されましたお嫁さんは、「点滴だけでは可哀想に思います。長く生きら
れるのなら胃瘻を考えたい。」とお話されました。
この患者さんは、ひょっとして認知症Part1のシリーズ第178回「認知症を
生きるということ(2) 物盗られ妄想の治療例」(http://www.inetmie.or.
jp/~kasamie/hyottoshite178.pdf)にてご紹介した方ですよ。
「物盗られ妄想」への対応で苦慮した“歴史”が介護者であるお嫁さんに
は大きくのしかかっていると私は思っておりましたので、「可哀想なので長生
きできるなら胃瘻を…」というお話を聞くとは想像だにしておりませんでし
た。人間の“情”って想像を超えるものなんですね。
※2014年4月16日に回答(調査No.28)されました70歳男性(HDS-R:21/30
←2年前の春のHDS-R:25/30)は、
「意識なく生きているだけだと価値はない。
でも点滴くらいは…」「点滴が困難な場合は医師に委ねます。」とお返事され
ました。
-5-
第33回・日本認知症学会学術集会―演題応募
http://jsdr33.umin.jp/index.html
タイトル
変性性認知症患者に対する告知および終末期意向調査の結果
【はじめに】
アルツハイマー病などの変性性認知症に対して、病名告知に積極的に取り
組む医師は少ないのが現状である。ましてや比較的初期の段階において、予
後について説明したうえで終末期医療に対する意向を確認している医療機関
は極めて例外的な存在である。繁田は、告知の折に終末期(看取り)に関し
て説明を受けたのは11.5%(「少し説明があった」を含めても19.8%)に過ぎ
ないと報告している(繁田雅弘編著:実践・認知症診療─認知症の人と家族
・介護者を支える説明 pp39-48, 医薬ジャーナル, 2013)。
【方法】
2014年2月28日~4月19日の約2か月間、榊原白鳳病院もの忘れ外来にお
いて、変性性認知症患者全例を対象として(軽度認知障害はアンケート対象
外)、マイルドな告知に基づく終末期医療に対する意向調査を実施した。
【結果】
回答した患者28例の原因疾患は、アルツハイマー病(AD)22例、レビー小
体型認知症(DLB)5例、前頭側頭型認知症(FTD)1例である。患者の年齢
層は、50歳代1例、60歳代3例、70歳代11例、80歳代13例である。
HDS-R21点以上が14例、20点以下が14例であった。なお、HDS-R20点以下の1
4例中6例は言語障害などのため本人の意向を確認することが困難であったた
め、家族に対して終末期医療に関する意向調査を実施した。
「嚥下障害が出現し経口摂取が困難となった時にどのような医療を希望し
ますか?」という設問に対する回答は、自然な最期を希望する5例、末梢点
滴12例、経鼻経管栄養0例、胃瘻2例、高カロリー輸液(TPN)0例、医師に
任せる2例、その他7例という結果であった。
末梢点滴を希望するものの、自己抜去などで実施困難な場合には胃瘻を承
諾するとの回答が2例あった。調査結果の詳細はウェブサイト(http://www.
inetmie.or.jp/~kasamie/SinryouHousyuuH26enquete.pdf)において閲覧可能
である。
【考察】
事前にきちんと種々の選択肢の長所・短所について説明すると、経腸栄養
を希望する患者は少ないことが分かった。
今後は、意向調査結果を治療方針に反映させ、本人が望む終末期医療の実
現に向けて取り組みを進めるとともに、今後も「マイルドな告知」に基づく
本人からの意向の聞き取りを実践し、本人と家族が終末期について話し合う
ためのきっかけづくりに取り組んでいきたいと考えている。
-6-
アンケートの集計結果(更新中)
A)HDS-R:21点以上(嚥下障害が切実ではないグループ)
2014年4月22日現在の総数: 15名
質問1
今後あなたが受けられる医療において希望事項をお聞かせください。
□ これまで通り榊原白鳳病院での診療を受けたい。
12名
□ これからは、「認知症初期集中支援チーム」を担う病院および診療所で
の診療を受けたい。
1名
□ 今後はかかりつけの診療所での診療を受けたい。
名
□ わからない
名
□ その他
2名
①榊原白鳳病院まで通うのは遠いので、「認知症初期集中支援チーム」
を担う病院および診療所が居住地の近くにあればそちらに通いたい。
②基本はかかりつけ医、何か困ったら榊原白鳳病院に受診します。
質問2
嚥下障害が出現し口から食べられなくなったときにどのような医療を希望
しますか?
□ 自然な最期を希望する(※)
5名
□ 末梢からの点滴を希望する
6名
□ 経鼻経管栄養を希望する
名
□ 胃ろうからの経腸栄養を希望する
名
□ 高カロリー輸液(TPN)を希望する
名
□ 医師に任せる(※)
1名
□ その他
3名
①10年後なら点滴だけ、でも今は、PEGは嫌なのでTPNかな…:1名
②考えたことがないので分からない(※)。なるべく自然に…と思う。
実兄がPEGを受ける姿を見ていたので「管」は嫌です。
:1名
③本人:「今まで考えたことがない。(※)」 妻:「点滴かな…。」:1名
質問3(設問2で※を選択した方は、設問3には進んでおりません)
外来において点滴実施を試みたものの、不穏などにより点滴の実施が困難
な状況であった場合にどうされますか?
□ 入院医療も含めて医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい
(3-1)
2名
□ 点滴は諦め、自宅での安らかな最期を希望します(3-2)
名
□ PEG(胃瘻造設)を承諾します(3-3)
1名
□ その他
4名
「その他」の具体的な内容:その時にならないと分からない 3名
医師に委ねます
1名
-7-
B)HDS-R:20点以下(嚥下障害が身近な問題であるグループ)
2014年4月22日現在の総数: 14名
質問1
今後あなたが受けられる医療において希望事項をお聞かせください。
□ これまで通り榊原白鳳病院での診療を受けたい。
12名
□ これからは、「認知症初期集中支援チーム」を担う病院および診療所で
の診療を受けたい。
名
□ 今後はかかりつけの診療所での診療を受けたい。
名
□ わからない
名
□ その他
2名
「その他」の具体的な内容:
平素はかかりつけ医で診察を受け、症状に変化があれば笠間医師に受診し相談したい。
母の状態による。現状なら笠間先生に診て欲しいが悪くなれば…。
質問2
嚥下障害が出現し口から食べられなくなったときにどのような医療を希望
しますか?
□ 自然な最期を希望する(※)
1名
□ 末梢からの点滴を希望する
6名
□ 経鼻経管栄養を希望する
名
□ 胃ろうからの経腸栄養を希望する
2名
□ 高カロリー輸液(TPN)を希望する
名
□ 医師に任せる(※)
1名
□ その他
4名
①3名:「分からない」
3名
②1名:「家族の意向に委ねる」
1名
質問3(設問2で※を選択した方は、設問3には進んでおりません)
外来において点滴実施を試みたものの、不穏などにより点滴の実施が困難
な状況であった場合にどうされますか?
□ 入院医療も含めて医療機関の努力で何とか点滴だけは実施してほしい
(3-1)
3名
□ 点滴は諦め、自宅での安らかな最期を希望します(3-2)
1名
□ PEG(胃瘻造設)を承諾します(3-3)
1名
□ その他
1名
「その他」の具体的な内容:「胃瘻は考えていないものの、点滴をし
ないで看ていくかどうかまでは考えておらず返事に迷います。」
-8-
アンケート対象:
2014年4月22日までに29名の患者が回答している。対象患者の内訳は、
アルツハイマー病(AD)23名、レビー小体型認知症(DLB)5名、前頭側頭
型認知症(FTD)1名である。軽度認知障害はアンケートの対象としていない。
A)HDS-R:21点以上
AD(50歳代:1名、60歳代:3名、70歳代:5名、80歳代:5名):14名
DLB(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:名)
:1名
FTD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:名、80歳代:名)
:
B)HDS-R:20点以下
AD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:3名、80歳代:6名)
:9名
DLB(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:3名) :4名
FTD(50歳代:名、60歳代:名、70歳代:1名、80歳代:名)
:1名
【アンケートを終えての感想】
※2014年4月22日に回答(調査No.29)されました85歳女性(HDS-R:21/30)
は、「自然な最期を希望する(点滴も希望しない)」と回答されました。この
意向はアルツハイマー病になるずっと以前からご本人が明言していた意向だ
そうです。
この日は、春に連れて行ってもらった四国旅行の話、ご家族が「徘徊」を
心配されいろいろと相談を致しました。
※
※
-9-