『専門・認定看護師だより』Vol.24 - 九州大学病院看護部

九州大学病院
専門看護師・認定看護師一覧表
分野
専門・認定看護師だより
部署
坂本 節子
がん看護
総合外来(がんセンターがん相談支援室)
桃坂 真由美
慢性疾患看護
北棟 9 階病棟-2
桑田 睦子
救急看護
救命救急センター(CCU・ハイケア)
立花 由紀子
皮膚・排泄ケア
南棟 5 階病棟‐2
和田 美香
皮膚・排泄ケア
総合外来(褥瘡対策室)
原田 起代枝
皮膚・排泄ケア
総合外来(褥瘡対策室)
宮﨑 敬子
皮膚・排泄ケア
総合外来(褥瘡対策室)
鳥羽 好和
集中ケア
南棟 8 階病棟
井上 辰幸
集中ケア
救命救急センター(救命 ICU)
山川 文子
緩和ケア
総合外来 (がんセンター緩和ケアチーム)
佐藤 隼人
緩和ケア
別府病院 外科病棟
江藤 聖子
がん化学療法看護
総合外来 (がんセンター外来化学療法室)
土谷 美智子
がん性疼痛看護
総合外来 (がんセンター緩和ケアチーム)
安永 幸枝
感染管理
グローバル感染症センター
の在宅セミナーが開催され、県内より 200 名近くの在宅医療に携わる医師、看護師を始め、介護職、
森 日登美
感染管理
グローバル感染症センター
理学療法士など多職種が参加しました。
梶野 美保
糖尿病看護
北棟 9 階病棟-2
寺島 幸子
新生児集中ケア
南棟 7 階病棟-1
浦部 由紀
新生児集中ケア
北棟 6 階病棟-2
演習形式の実技指導を行いました。演習では、当院褥瘡ケア院内認定看護師 9 名が各グループに一人
松岡 美恵
手術看護
手術部
ずつファシリテーターとして配置され、皮膚の洗浄や保湿などのスキンケアのポイントや、オムツの
泊 直子
乳がん看護
南棟 9 階病棟
選択や使用方法などの排泄ケアでの工夫方法、軟膏や創傷被覆材使用時のポイントなどについて指導
吉村 久美子
摂食・嚥下障害看護
北棟 10 階病棟-1
荒田 弘樹
小児救急看護
南棟 5 階病棟‐2
田口 真由美
脳卒中リハビリテーション看護
救命救急センター(救命ICU)
音瀬 穂子
がん放射線療法看護
北棟 8 階病棟‐1
Kyushu University Hospital
Certified Nurse Specialist
Magazine
& Certified Nurse
Vo1.24
日本看護協会
専門看護師バッチ
Certified Nurse Specialist
第 6 回在宅褥瘡セミナー開催
2013.6
認定看護師バッチ
Certified Nurse
私たちができる在宅褥瘡ケア ―連携と実践―
平成 25 年 3 月 16 日(土)本院臨床大講堂およびスキルトレーニングセンターで、日本褥瘡学会主催
セミナーは午前・午後の 2 部制となっており、午前は当院皮膚科深川修司医師と福西会病院皮膚・
排泄ケア認定看護師 1 名による講演で構成されました。
午後は、当院の立花由紀子皮膚・排泄ケア認定看護師が、「明日から使える褥瘡ケア」と題して
が行われました。参加者からは、「知らなかったことを沢山知ることが出来た」
「講演と実技の構成で
分かりやすい」「ファシリテーターがいることで、分からないことがすぐに解決できた」などの意見
が聞かれたと同時に、「在宅の現場では使用できる材料が少ない」などの率直な意見も聞かれました。
院内認定看護師による細やかな指導は、院外の参加者にも大変満足度が高く、今後は院外の活躍の
場が広がるのではないかと期待されます。
会場には 22 社による企業展示も実施され、参加者の有意義な情報収集・交換の場となりました。
本セミナーの参加者が 1 つでも知識や技術を持ち帰り、在宅での褥瘡予防・ケアへの活動に繋がって
編集後記
今回は皮膚・排泄ケア認定看護師からトピックス報告、手術看護認定看護師から術前訪問に
いくことを期待しています。
ついて、がん看護専門看護師から内服抗がん剤による皮膚障害について情報提供をいたしまし
皮膚・排泄ケア認定看護師
た。皆さんにとって役立つ情報はございましたでしょうか?
手術看護認定看護師
松岡 美恵
原田起代枝
宮﨑敬子
和田美香
立花由紀子
手術室では、手術を受ける患者さんに術前訪問を実施しています。病棟看護師の方とは情報共有すること
がありますが、実際の術前訪問の内容は詳しく知らないのが現状ではないでしょうか?とくに新しいことを
表1.内服抗がん剤の分類
化学療法の種類
抗がん薬
分子標的薬
分子標的薬
マルチキナーゼ阻害薬
EGFR阻害薬
5FU
ソラフェニブ
セツキシマブ
で病棟看護師との連携をはかる(病棟看護師からの情報提供、術前訪問時に得た情報や術前に必要
TS-1
スニチニブ
パニツムマブ
なケアを患者や病棟看護師に提供)
、訪問の様子を看護記録に残すことで継続看護につなげるなど
ゼローダ
レゴラフェニブ
ゲフィチニブ
始めたわけではありませんが、今回は手術室看護師が行っている術前訪問について紹介します。
<術前訪問の目的>
術前の情報収集・患者の把握、患者との信頼関係の構築・手術患者の不安緩和、術前訪問を行うこと
主な薬剤
エルロチニブ
<術前訪問の実際>
現れる皮膚障害
1.手術前日に行う。
(月曜日手術の場合は前週の金曜日)
色素沈着
ざ瘡様皮疹
手足症候群
皮膚の乾燥
2.手術室看護師は術前訪問に行く前に電子カルテより情報収集し、患者の情報や IC の内容などを把握する。
指先の亀裂
3.病棟に電話連絡し、術前訪問に行く旨を伝え訪問していい状況であるか病棟看護師に確認をとる。
爪囲炎
4.病室を訪問し、パンフレットを用いて手術中に行う看護を説明し同意を得る。
対応(予防)
(写真やイラストを用いた
保湿
保湿+マイザー軟膏
保湿
パンフレットを使用して
近年、分子標的治療薬が使われるようになり、特有の皮膚症状がみられる患者さんが増えてき
います。)
ました。6 月に大腸がんに対してスチバーガ(レゴラフェニブ)という新薬が発売され、外来から
治療が開始されています。外来受診時にスキンケア方法の説明が必要になっています。
5.必要時、術前訪問中の患者さんの様子を病棟看護師に情報提供し、場合によっては医師に連絡をとる。
6.術前訪問の内容を看護記録に記載する。
<気になる患者さんは相談頂けると対策できます>
例えば・・・
・円背や麻痺・拘縮が強く体位の制限がある
・難聴などの理由によりコミュニケ―ションがとり
にくい患者さんが局所麻酔で手術を受ける場合
・麻酔などに対して不安が強いが言えずにいる
<実際に相談を受け病棟看護師と連携した例>
局所麻酔で手術を行う予定だが、円背が強く
仰臥位になれないため対策を考えてほしいと連絡
を受けた。主治医によると、体位がとれなければ
手術を行わないことも考えなければならないとの
ことであった。外来受診時に主治医と共に手術室に
来て頂き、手術室内の様々な道具で工夫を試みたが
<術前訪問用パンフレットより一部抜粋>
今後、もっと病棟看護師の方と連携がとれる
よう活動を行っていきたいと思っています。
患者さんの気になる情報があれば、
ご相談ください。
分子標的治療薬の副作用の1つとして、皮膚症状があります。皮膚症状は、色素沈着や乾燥、
皮疹、爪の周りの炎症(爪囲炎)など非常に多様ですが、薬の種類によって表1のように分類
できます。
皮膚症状の出現時期は投与開始1~3週間目、ざ瘡様皮疹が現れ、3 週目以降から指先のひび
割れ、乾燥、6~8週間後に爪囲炎が起こります。入院中の 2 週間ではほとんど皮膚障害はで
ません。退院後に皮膚障害が出現するため、入院中にスキンケア方法をしっかり指導し、予防が
大切であることを理解していただくことが必要です。セルフケアが退院後も継続できるように
看護師が主体となって患者さんの皮膚の状態に関心を持っていただきたいと思います。皮膚障害
を予防するには、保湿と日常的なスキンケアが大切です。
皮膚障害対策パスの中に処方薬剤、皮膚科受診、外来への連携を盛り込んでおり、現在 34 件
使用しています。外来でセルフケアチェックを行っていますが、患者さん自身が頑張ってケアし
てくれています。男性もかかとがピカピカしている人が多いです。下の写真のようになると痛みで
歩行困難になります。治療中止になり再開までに時間がかかります。
日頃の生活習慣、靴などを考えてセルフケアの指導をお願いします!
難しい状況であった。後日、病棟看護師とともに
靴のチェックを
再度、手術室に来て頂き、病棟で使用しているポジ
忘れずに!
ショニングクッションを用いて病棟看護師と一緒
スリッパの辺縁が
に体位の工夫を行った。このとき術者にも確認を
当たった部分に
とったところ手術可能との判断だったため、手術日
水泡形成。
が決定し無事に手術を終えることができた。
手術看護認定看護師
松岡美恵
がん看護専門看護師:
坂本節子