Vol.104 Dec. 15, 2008 SEAMDURA SEAMDURAの使用経験流山

Vol.104
Dec.15th 2008
本年4月1日の販売開始以来、SEAMDURA®は髄膜腫など硬膜欠損が生じる症例におい
て高い評価を頂いております。一方、様々な理由により自家硬膜を寄せきれない症例への
ご使用頻度も増えてきました。今回は流山中央病院の金澤隆三郎先生に、自家硬膜を寄せ
きれない症例での使用経験について、
ご寄稿頂きました。
自家硬膜を寄せきれない症例での
SEAMDURA®の使用経験
流山中央病院 脳神経外科 金澤 隆三郎 先生
流山中央病院 脳神経外科 金澤 隆三郎 先生
SEAMDURA®は半透明が特徴的な人工硬膜である。開頭手術において、閉頭時の硬膜縫合
は毎回行われる手技だが、硬膜は切開後に縮むため、閉頭時に無理に硬膜のみで縫合を行うと
硬膜の断裂を生じたり、硬膜外のスペースが大きくなり硬膜外血腫の原因となったりする。従って
硬膜形成はしばしば行われる手技で、骨膜や人工硬膜がそこで用いられる。SEAMDURA®は従
来の人工硬膜に比較すると、
しなやかさや密着性に優れている印象があり、
また、針穴からの髄液
漏も少ない印象がある。再手術時には、従来のものよりも生体組織との癒着に優れているため、感
染に対しても優れている可能性がある。写真は硬膜形成時のものであるが、最も良い点は、透過
性であることにより、硬膜縫合時に万が一硬膜下で出血があっても、一目瞭然であることである。
針を通した際に硬膜から出血をしたり、脳表の静脈を誤って損傷してしまうことは脳神経外科医
ならば誰でも経験のあるところだが、硬膜下での出血が否定できない場合、今までは縫合部を再
度開いてみなければならなかったが、SEAMDURA®だと硬膜下がintactであるかどうかが見える
ため、
そのような手間がなくなった。
症例は70歳女性。
くも膜下出血で入院、脳底動脈先端部動脈瘤に対し開頭によるクリッピング
を施行した。
その2週間前にも前交通動脈瘤に対してクリッピングを受けており、開頭は2度目である
ため、骨膜が取れず、硬膜形成をSEAMDURA®で行った。図のように、透過性であるため、
トリミン
グがし易いことも利点である
(裏返して見る必要がない)。
やや硬膜に厚め
(深め)
に針を通しておく
と、髄液漏防止に効果的である。
このように、縫合後も脳表が見えるため、骨弁を戻す直前まで後
5種類のサイズバリエーション
出血の有無を確認できる。
これは極めて優れた特徴と思われる。
今回の硬膜形成にSEAMDURA®を使用した感想としては、硬膜形成時のトリミングがし易い、
2cm
SD-0210(2×10cm)
10cm
5cm
りも良好な印象のあることである。密に縫合すると、肉眼的には髄液漏がほとんど見られず、
フィブリ
SD-0505
(5×5cm)
硬膜下での出血の有無が直ちに判ると思われること。硬膜縫合部の密着性が従来の人工硬膜よ
湾 曲タイプ
5cm
5cm
SD-0510C(5×10cm)
ングルーのような血液製剤を使用しなくとも済む可能性がある。
この製品の遅発性アレルギーや慢
湾 曲タイプ
10cm
性期の吸収性に関しては今後の知見が必要になると思われるが、非常に扱い易い製品である。
SD-0515C(5×15cm)
5cm
今後、
頭部外傷など、
広範な硬膜形成の必要な症例のために大きなサイズの製品化が望まれる。
15cm
9cm
SD-0909C(9×9cm)
湾 曲タイプ
9cm
1枚入り/1箱
(滅菌済2重パック入り)
矢守順亮
(コッドマン営業部2課)
販売名:シームデュラ
承認番号:21900BZZ00040000
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