CANapeバージョン11.0 - ベクター・ジャパン株式会社

CANapeバージョン11.0
ECUの測定、キャリブレーション、診断、フラッシングを1つのツールで実現
優位性の概要
> 規格に基づくオープンで柔軟なプラットフォーム
>
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>
>
>
測定データを多くのさまざまなソースから時間同期して取得可能
パラメーターのキャリブレーションと管理に有用
最高データレート30MByte/秒のECUへの高性能インターフェイス
高サンプリングレートのアナログ測定装置を容易に統合可能
Simulink/Stateflowモデルを簡単に可視化
ユーザー固有の表示エレメントやコントロールを容易に作成して統合
可能
> ASAP2 Editor、DBC Editorなどの強力なツールをあらかじめ搭載す
ることにより、完全なソリューションを提供
応用分野
CANapeはECUキャリブレーション用の万能ツールです。ECUキャリブレー
ションで必要なタスクは、すべてCANapeによって簡単かつ確実に実施する
ことができます。
> ソフトウェアの機能開発から、ラピッドプロトタイピングソリューション、
量産ECUに至る全工程
> 机上での作業やテストベンチ、テスト走行時
> データの記録、パラメーターのキャリブレーション、ECUおよび車両診断、
ドライバーアシスタンスシステムのオブジェクト認識アルゴリズムの検証
特徴/優位性
るのに対して、特性マップやカーブなどのパラメーター値は、テストベンチ
CANapeの主な応用分野は、電子制御装置のパラメーターの最適化 (キャリ
ブレーション) です。システム実行の間に、パラメーター値のキャリブレー
ションと同時に測定信号を収集します。CANapeとECU間の物理インターフェ
イスはCCPによるCANバス経由か、XCPによるFlexRayなどで可能です。さら
に、診断機能セットによってCANapeは診断データおよびサービスへのシン
やテスト運転での測定によってのみ決定し最適化することができます。ECU
ボル的アクセスが可能です。このため、測定、キャリブレーション、フラッ
開発における問題点を解決することは、多目的高性能ツールでのみ可能です。
シング、診断に関連する機能がすべて統合されています。CANapeは標準規
制御アルゴリズムのパラメーターは、実験段階では一定範囲でしか決定する
ことができません。機能のアルゴリズムがECUプログラムの恒久的固定であ
格に沿っているので、ECU開発におけるすべての段階に適した柔軟なオープ
©2011 Google
ンプラットフォームとなっています。
測定、表示、キャリブレーションの各Windowの他、
独立したビデオおよびGPS Windowを備えたサンプルコンフィギュレーション
機能
測定データ収集
CANapeの基本機能には次のものがあります。
> CCP/XCPによる内部ECU信号の他、CAN、LIN、FlexRay、MOSTの各バス、
CANapeは、CCP、XCP測定、キャリブレーションプロトコルによってECUプ
ロセスに同期した内部ECU測定パラメーターを収集します。ECUで測定した
データは、(シリアルバスシステム、GPS、オーディオ、ビデオ、その他の
測定装置からの) 他の測定データと時間同期を取った上で記録され、さまざ
ならびに外部測定装置からの信号の時間同期リアルタイム収集と可視化
> CCP/XCPおよびリアルタイムスティミュレーション経由のオンラインキャ
リブレーションとXCP経由のバイパス
> HEXファイルのオフラインキャリブレーション
> 統合スクリプト言語またはユーザー生成DLLによる、手動評価から自動
データ解析までの測定データオフライン評価
>「SILS」ソリューションのためのランタイム環境 - 後にECUで実行されるア
ルゴリズムをCANapeにシミュレーション実行可能
> バイナリーファイルおよびパラメーターセットの高速かつ安全なフラッシ
ング
> KWP2000およびUDS経由でシームレス統合された診断
> キャリブレーションデータの強力な管理、パラメーターセットの比較と
結合
> C-API、COM、ASAP3、ASAM MCD-3、iLinkRTによる測定およびキャリ
ブレーションのための、オートメーションインターフェイス
> ECU測定データに同期したビデオ、オーディオ、GPS、外部測定装置によ
る環境データ収集
まな方法で表示されます。マルチレコーダーコンセプトによって、各種測定
を同時に設定し、それぞれ独立した状態で始動/停止することができます。
各レコーダーでは、測定値を独立したファイルに保存します。
CANapeの測定データ収集および可視化機能には次のものがあります。
> グラフィック表現用のさまざまなWindowタイプとユーザーによるコン
フィギュレーションが可能なパネル
> ASAM測定データフォーマットMDF 4.0で測定ファイルを書き込むので、
時間を要していたソート用の後処理が不要。MDF 4.0では、サイズが4GB
を超える測定ファイルもサポート
> CANバスデータのログをBLFまたはMDF 4.0形式で記録
> DAQリストの詳細表示、測定設定での使用
> DAQリストの設定を最適化することにより、データタイプに関係なく最大
データ送信を実現
> トレースWindowでのバス通信解析
> ECUソースコードで定義された構造は測定オブジェクトとして使用可能
> 測定値および信号の処理、ならびに統合スクリプト言語を使用してのユー
ザー入力シーケンスの自動化
バージョン11.0の新機能
複雑な設定の容易な処理
> 複数の設定を並行して使用することにより、Window、測定シグナルな
どの追加と削除が容易
> 記述ファイルと測定ファイル内のオブジェクト名の変更は、名前の対応
付け (シソーラスの概念) を使用して類義語として処理可能
リアルタイムの機能バイパス
> リアルタイム動作を行うVN8900で実行する機能バイパスで、CANおよ
びアナログ/デジタルI/Oもサポート
> 複数のバイパスDLLを並行して設定して使用
> Simulinkでの自動バイパス化
ユーザーコントロールと表示機能の改良
> 標準化された、最新の2D/3D Windowを導入
匿名測定
> 開発のノウハウを保護:匿名シグナル名を使用する測定設定
A2Lファイルの処理
> データセットの管理で、A2LファイルとHEXファイルを容易にECUへ
マップ
キャリブレーションの確実な管理
> ASAP2 EditorでのSimplified EPKの処理
GPSマップのサポート
> GPS Windowで走行軌跡を設定可能 (データ検索の結果をイベントとし
て地図上に表示するなど)
> キャリブレーション状態レベル情報の管理、およびパラメーターの概要
プロトコルおよびハードウェアインターフェイス
とそれらの個々の状態の取得
> 基本的なパラメーター化のための、特性マップと特性カーブの数値補間
> ベクターハードウェア時間同期のサポート
> ベクターI/OインターフェイスをVN1600インターフェイスファミリー
およびVN8900システムへ統合
> VN1600インターフェイスデバイスでK-Line診断をサポート
> 内部スクリプト言語、またはMATLAB/Simulinkモデルによって各種ソー
ステータスモニター
スからの実変数を組み合わせることで、仮想信号のオンラインでの計算が
ステータスモニターでは、XCP、バス、I/Oといったさまざまな情報ソース
可能
から送られてくるシステムの状態や、状態遷移、イベントを解析すること
> プレトリガーおよびポストトリガー時間を含むトリガー (オーディオおよ
びビデオも可能)
> スカラー値および配列の時間同期取得
> 暗号化CANメッセージの復号化
> CANapeのスタンドアローンデータロガーとしての用途
> Seed&Keyの取り扱いなどの、CCPおよびXCP測定用ベクターのデータロ
ガーの設定
> 測定およびキャリブレーションハードウェアデータに使用するインター
フェイスによっては、ECUで最高データレート30MByte/秒が可能
> キーボード入力なしのオーディオおよびビデオレコーディングによる、運
転状況の信頼できる時間同期記録
測定データの自動評価に便利なデータ解析ユーザーインターフェイス
によって、システムのトラブルシューティングや機能のモニタリングをサ
ポートします。特に、多種多様なソフトウェアコンポーネントが含まれた
AUTOSAR ECUの解析に重点を置いています。ステータスモニターの構造は
ロジックアナライザーに似ていて、次の機能が備わっています。
> AUTOSARのランナブル状態をモニターし、ECUの使用状況を測定
> 測定/キャリブレーションハードウェアVX1000経由でランナブルの状態
を読み出し
> バイナリー信号やデジタルI/Oを容易に解析
> ECU内の優先順位の逆転を検出
測定データとデータ解析の評価
CANapeには、過去の測定で得たデータを簡単に処理し評価するための多く
のオプションがあります (手動または自動)。
> 測定ファイルのスクリプト駆動型で自動的な評価
> 統合されたスクリプト言語、独自のC/C++ベースの関数、またはMATLAB/
Simulinkモデルを使用する算術式評価
> 簡便な検索機能およびデータ解析ユーザーインターフェイスによる、大量
データの解析
> 検索条件を簡単にリンクできるので、複雑な解析の記述や実行が効率化
> 時間軸上またはXY表示にシグナルを表示
> ズーム (拡大縮小)、検索機能、測定カーソルにより、シグナル応答値を
手動で調べることが可能
>
>
>
>
オフライン解析に対するコメントの入力
カスタマイズ可能なプリントテンプレート
さまざまな測定ファイル形式のインポート/エクスポート
同期のビデオセグメントを持つ測定ファイルからのシーケンスのエクス
ポート
> 測定ファイルマネージャーによる測定ファイルのハンドリングが容易
キャリブレーション/パラメーター設定
パラメーター設定での表現は数字かグラフィックのどちらかになります。
ユーザーコンフィギュレーションが可能なパネルによりユーザーは、特性パ
ラメーターの表示およびキャリブレーション用のカスタマイズしたインター
フェイスを使用することができます。パラメーター設定では次の機能が使用
可能です。
> ECUのメモリーでのオンラインか、CANapeのキャッシュによるオフライ
ンのいずれかでのパラメーター値設定が可能。オフラインモードでは、
ECUに接続することなく、測定の前後でECUパラメーター処理が可能
> 測定データ取得と並行して実行されるパラメーターキャリブレーション
> ECUのパラメーターはすべて、パラメーターエクスプローラーという1つ
のWindowでキャリブレーションすることが可能
> パラメーターを伴う構造の全体をパラメーターエクスプローラーに表示
可能
> 測定ファイル内の特定の時間ポイントに基づいたパラメーターセットの
生成
> 新しいバージョンレベルを作成し、C、H、MATLABファイル経由でソフ
トウェア開発にデータをフィードバックするためのパラメーターセットの
マージ
> パラメーターセットファイルはCDMスタジオで管理
> パラメーターセットファイルはキャリブレーションWindowでローディン
グ、可視化、編集が可能。また、パラメーターセットファイルではバッチ
処理も可能
特性カーブと特性マップを簡単に変更できる数値Windowと
グラフィックキャリブレーションWindow
XCP on FlexRayによるキャリブレーション
XCP on FlexRay仕様は特にFlexRayに対して、XCPに使用可能な帯域幅の動
的割当を規定したものです。CANapeはランタイムで使用可能な帯域幅を決
ラピッドプロトタイピング
の両方を経由してサポートされています。CANapeに統合されたスクリプト
CANapeでは、コストのかかるラピッドプロトタイピングハードウェアの代
わりに標準的PCを使用することができます。機能開発はMATLAB/Simulink
によって実行されます。Simulink Coderやコンパイラー実行によるコード
生成後、SimulinkモデルをWIN32コンピューター上のCANapeでDLLとして
動作させることができます。Simulink Coderがない場合でも、付属のDLL生
成用C++プロジェクトを使用すれば既存コードの使用が可能です。次にXCP
を使ってすべての内部モデル測定変数およびパラメーター (統合バイナリー
コンポーネントも含む) にアクセスします。アルゴリズムのスティミュレー
エディターにより、ユーザー独自の診断ベースフラッシュジョブの開発が可
ションには、測定値と、記録しておいた測定ファイルの内容の両方が使用で
能になります。フラッシュジョブの実行、ODX-Fコンテナによる自動と、ユー
きます。
定し、通常のデータトラフィックに影響を及ぼすことなく測定データやキャ
リブレーションデータを転送するための最適な伝送速度を設定します。
フラッシュ
新しいプログラムバージョンのフラッシングは、CCP/XCPと診断プロトコル
ザー入力を考慮した半自動のいずれかにより実行することが可能です。関係
する診断通信のあらゆる側面についてのテストオプションおよび解析のおか
バイパス
げで、CANapeはフラッシュジョブの完璧な開発環境となりました。フラッ
XCPメカニズムのDAQ/STIMによりPCベースのバイパスを実装することが可
能です。これには、XCPによる関連ECU機能の入力変数測定が含まれます。
PCでは、Simulinkモデルは、XCPスティミュレーションによって時間同期
的にECUに送り返される出力変数の計算に使用されます。ラウンドトリッ
プ時間が短い場合、バイパスの計算は、ベクターのVN8900ネットワーク
シュプログラミングを最適化するため、CANapeでは、フラッシュデータの
圧縮の他、複数のECUの並行フラッシングもサポートしています。vFlashな
どのその他のフラッシュツールはCANapeから呼び出すことができます。
インターフェイスにて、内蔵リアルタイムプロセッサーが行います。また、
測定やスティミュレーションアクセスは、VX1000ハードウェアを使って実
行されます。
ランタイム環境としてのCANape
xPCランタイム環境としてのPC
標準に基づいたバイパス
Simulink/Stateflowモデルの可視化
Simulinkモデルエクスプローラーを使って、コードのランタイム環境とは
無関係に、直接CANapeでSimulink/Stateflowモデルを可視化することがで
きます。モデルとA2Lファイルとの間のリンクにより、モデル内を簡単に移
関数型スクリプト言語を搭載
動でき、パラメーターや測定値に直接アクセスすることが可能です。
診断専用の.Netスクリプトの開発も可能で、この.NetスクリプトはCANape
プログラムのCライクな関数型スクリプト言語を使えば、CANapeにてバー
チャル信号とフローシーケンスの両方を自動的に計算できます。内蔵エディ
ターには、スクリプトデバッガーなどの便利な開発環境が用意されています。
だけではなく、CANoeやIndigoでも使用することができます。
モデルベースソフトウェア開発のサポート
「Simulink XCPサーバー」オプションにより、CANapeでは、Simulinkでのモ
デルの測定、パラメーター化、可視化のユーザーインターフェイスを使用す
オートメーションインターフェイス
ることが可能になります。機能開発では、データは、XCP on Ethernetプロ
CANapeには、ASAM MCD-3 (MC) など、クライアントアプリケーションが
ECUデータにアクセスするための、パワフルなオートメーションインター
トコルにより、Simulinkのモデルランタイムで、CANapeに転送されます。
フェイスが複数用意されています。代表的な使用例としてはテストベンチ
そのため、Simulinkでのパラメーターへのアクセスは、SimulinkがECUで
や、自動パラメーターキャリブレーション用アプリケーションがあります。
実行されているかのように正確に行うことができます。シミュレーションサ
レーションWindowやCDMスタジオのようなパラメーター化機能を使って、
CANapeオプションMCD3とiLinkRT実装により、CANapeのテストベンチへ
の送信パフォーマンスが大幅に向上します。この場合、測定はASAP3イン
ターフェイスによって設定されますが、測定データはEthernetによってテ
CANapeで直接モデルパラメーターを変更することができます。その後、次
ストベンチコンピューターに転送されます。
イクルの後、CANapeでデータ解析を実行することができ、また、キャリブ
のシミュレーションサイクルが新しいパラメーター化によって実行されま
す。複雑さと処理能力によっては、モデルの実行は実際の時間よりも速くな
ることが多いため、短い開発サイクルを実現することができます。
SimulinkおよびStateflowモデル
表示用の統合Simulinkモデルエクスプローラー
データベースエディター
さまざまな記述ファイルをタイミングよく編集するため、CANapeでは、以
下を処理できるエディターを多数用意しています。
> ASAP2フォーマットによるECU記述ファイル
> DBCフォーマットによるCAN記述ファイル
その他以下のビューアー:
>
>
>
>
>
FIBEXフォーマットによるFlexRay記述ファイル
LDFフォーマットによるLIN記述ファイル
ODXフォーマットによる診断記述ファイル
CDDフォーマットによるCANdela診断記述ファイル
AUTOSARシステム記述フォーマットによるFlexRay/CAN記述ファイル
> 完成レベル、値履歴、作成者、日付、コメントなどの各パラメーター値に
関する補足メタ情報を保存することができる、XMLベースのPaCoフォー
マットおよびCDFフォーマットのサポート
> 内挿による、特性曲線や軸点の数が異なるマップのコピー機能
> パラメーターセットのビューを定義するための柔軟なフィルターメカニズ
ム
> 設定のエクスポートとインポート
vCDMによる、サーバーベースのキャリブレーションデータ管理
キャリブレーションの間に生成されるデータ (プログラムおよびデータ改訂
レベル、記述ファイル、各種記録) は、スタンドアローンのソフトウェアツー
ルvCDM (Vector Calibration Data Management) を使って、データベース
キャリブレーションデータ管理 (CDMスタジオ)
プロセスコンフォーマントで管理することができ、他のプロジェクトで再使
パラメーターセットには、ECU記述ファイルで指定されたパラメーター値が
用するために保存することができます。バリアント、バージョン、コンフィ
含まれています。統合CDMスタジオはこれらのパラメーターセットを管理
ギュレーションの管理により、高度に複雑なキャリブレーションに対応する
し、各種ファイルフォーマットをサポートします。CANapeには次のような
ことができます。
関連機能があります。
データベースからワークパケットをダウンロードして、完成したパラメー
> パラメーターセットは識別子によって、アドレスとは無関係のパラメー
ターセットファイルに保存。処理は、作成されたECUプログラムバージョ
ターセットファイルを元のデータベースシステムへ直接簡単に読み込むこと
ができます。
ンとは無関係に実行
> パラメーターセットのコンテンツの可視化および編集
> 複数のパラメーターセットを同時に開き、比較、結合、編集が可能
> パラメーターセットからフラッシュ可能なバイナリーファイル生成
CDMスタジオのトレース機能を使用するシンプルな手法により、
ECUのパラメーターセットの管理が可能
キャリブレーションコンセプト
> グラフィックWindowでのフォールトメモリー項目の可視化などによる、
キャリブレーションRAMに全パラメーターを同時に置く従来の方式に加え、
CANapeでは、ポインターベースのキャリブレーション方式も2種類サポー
トいたします。後者の方式では、全パラメーターを同時に格納する十分なス
測定、キャリブレーション、診断の各データに対する統合アクセス
> スクリプトによるODX制御フラッシュプログラミング
> トレースWindowでの診断通信の全特性解析:メッセージ、転送プロトコ
ペースがない場合は、キャリブレーションRAMを管理する役目を担います。
InCircuit2方式の場合、ポインターテーブルはフラッシュ内に、AUTOSAR方
式では、ポインターテーブルはRAM内に置かれます。
診断
個々のECUの診断処理に加えて、CANapeではファンクショナルアドレス
に よ っ て、 複 数 の ECUを 対 象 に し た 車 両 機 能 の 監 視 が 可 能 で す。CANと
FlexRay以外に、K-Lineも物理インターフェイスとしてサポートされていま
す。CANapeは、診断データおよびサービスへのシンボルアクセスにも使用
することができます。記述ファイルにはODXフォーマットか、ベクターCDD
フォーマットが使用可能です。特別な診断記述ファイルが存在しない場合、
UDSおよびKWP2000用に供給された一般ファイルにより、機能および生デー
ルデータ、プロトコルデータ、診断データ
>
>
>
>
診断機能による、A2L定義ECUデータへのアドレス指向アクセス
診断機能の時間順フローの可視化
診断シーケンス自動化のスクリプト
多くの新しい診断機能を提供し、ベクター診断ツール間のスクリプトの交
換を可能にするスクリプト言語としての.NETの活用
> 診断サービスを実行するための使いやすいオートメーションインターフェ
イス
> 複数のECU IDのクエリーで診断機能を使用するなどのファンクショナル
アドレス
> リクエストに応じて3Dサーバーをサポート
> OBD Windowの専用画面によるOBDデータへのアクセス
タへのシンボルアクセスが可能になります。
診断テスターとしてCANapeには以下の機能があります。
> 診断機能の選択、パラメーター化、実行ができる診断コンソール
> フォールトメモリー、DTCのシンボル表示、環境データの表示および処理
のためのWindow
サポート対象となっている診断機能の構造化表示。環境データを含むすべてのDTCを表示
ドライバーアシスタンスシステムの開発
マップ上での車両位置の可視化
CANapeは、車両データおよびビデオイメージの時間同期ロギングをサポー
車内測定では、CANapeはGPSデータを記録し、オプションGPSによって、
トしています。オプションドライバーアシスタンスによって、ドライバーア
保存されたマップに車両の現在の位置を可視化して、GPS表示Windowで表
シスタンスシステムの開発者は、ビデオWindowでセンサーデータを可視化
示します。オフライン評価では、車両位置は測定データと時間同期された上
することができます。これには、3D遠近図でセンサーデータをグラフィッ
で可視化されます。そのため、評価において地理的条件が考慮されることか
クオブジェクト (矩形や線など) としてビデオイメージの上にオーバーレイ
ら、記録された測定データの解釈が非常に簡単になります。データ評価中に
したり、側面図や俯瞰遠近図で可視化したりすることが含まれます。システ
インターネット接続が可能な場合は、Google Mapsの地図を使用できます。
ムがアダプティブクルーズコントロール (ACC)、車線検出システム、パーキ
Car2xアプリケーションの開発では、CANape GPS Windowにて、複数のオ
ング支援システムなどのレーダーシステムであるかどうかにかかわりなく、
ブジェクトをマップ上にビジュアル表示させることが可能です。
収集したデータを検証し、ビデオイメージに基づいてシステムの信頼性や操
作上の安全性を客観的に評価することができます。
DLLインターフェイス経由でイメージ処理用のアルゴリズムを統合するこ
とができます。この場合、アルゴリズムはビデオWindowのコンテンツに
アクセスします。XCPを介してアルゴリズムを最適化することができます。
Simulinkモデルからの生成を容易にするために、イメージプロセッシング
Tool Boxが用意されています。
GPS Windowでの評価中に地理的条件を考慮するこ
©2012 GeoBasis-DE/BKG (©2009), Google
とで、記録された測定データを効率的に解釈
サポート対象のバスインターフェイスとデータロガー
サポート対象の測定システム
> CAN、LIN、FlexRay、MOST、K-Line用のベクターのハードウェア
> ベクターのデータロガーおよびサードパーティーサプライヤーのロガー
> ベクターのI/Oソリューション
> CANバ ス に よ っ てPCに 接 続 さ れ た す べ て の 測 定 デ ー タ 取 得 デ バ イ ス
(Caetec社、CSM社、IMC社、Ipetronik社のデバイスなど)
> ETAS社測定モジュールシリーズ:ES400およびES600
> DAQmxシリーズなどNI社製のアナログおよびデジタル測定ハードウェア
> Solartron社製IMP熱測定モジュール
> Jäger Computergesteuerte Messtechnik社製ADwinシステム
> HBM社製QuantumX
> CANバスがオーバークロック状態のCSM 2Mbit帯域幅 (最高10kHzのサン
プリングレート)
ハードウェアインターフェイスとプロトコル (下記以外は別注)
CANapeは自動車産業で使用されているすべての標準的インターフェイ
スおよびプロトコルをサポートしています。
CAN、LIN、FlexRay、MOSTバスのサポート
CCP
XCP on CAN、FlexRay、Ethernet、USB、RS232、SPI、SCI
KWP2000 on K-Line
ISO 14230 (KWP2000 on CAN) および ISO 14229 (UDS)、ISO/TF2
およびVW-TP2.0トランスポートプロトコル
「 BMW 」トランス
> ISO トランスポートプロトコルおよび「 AUTOSAR 」
ポートプロトコルによる ISO 14229 (UDS) over FlexRay ( 個別に
対応 )
> SAE J1939およびGMLANのモニタリング
> VX1000ソ リ ュ ー シ ョ ン の 高 速 コ ン ト ロ ー ラ ー イ ン タ ー フ ェ イ ス
(Nexus、DAP、JTAG、AURORAなど)
>
>
>
>
>
他の測定システムの統合には、2つのオープンインターフェイスを使用で
きます。サンプリングレートが100kHzを超える高性能のアナログ測定ソ
リューションにはDAIOインターフェイスを、データ収集システムには汎用
XCP on DLLインターフェイスを用意しています。そのために必要なドライ
バーはユーザーが独自に作成できます。開発に際しては、ベクターからサン
プルプログラムやドライバージェネレーターのほか、その他サービスをご提
供いたします。
測定装置の多種多様なハードウェアインターフェイスや
相互接続に基づいた高度な柔軟性
トレーニング
トレーニングプログラムの一環として、ベクターでは、ベクターやお客
様の施設において、CANapeおよびXCPを対象とした、さまざまなトレー
ニングクラスおよびワークショップを実施しております。
個々のトレーニングイベントやスケジュールの詳細については、下記の
インターネットサイトをご覧ください。
www.vector-japan.co.jp/training
最大転送速度を備えた測定およびキャリブレーションハードウェア
VX1000シ ス テ ム は、 測 定 お よ び キ ャ リ ブ レ ー シ ョ ン タ ス ク 用 に 最 大
30MByte/秒のデータ処理能力を持つ、モジュール式ソリューションです。
車両やテストベンチ、実験室での使用が可能です。ECUの実行時間への影響
> バイパスオプションでは、XCP on EthernetまたはXCP on CANを使用し、
CANデータとI/Oを統合することにより、VN8900ハードウェアをバイパ
ス機能の実行プラットフォームとして使用できます。
> ルートプランニング機能を含む、(GPSサポートされた) マップ上にその
を最少化しつつ、最大のデータ処理能力を実現するため、データへのアクセ
時々の車両位置を表示するためのヨーロッパ、アメリカ、日本向けオプショ
スは、マイクロコントローラー固有データトレースインターフェイスとデ
ンGPS表示 (テストルートなど) を目的とした、マップに代わるビットマッ
バッグインターフェイスを介して行います。
プの統合。インターネットに接続できる場合は、Google Mapsのグローバ
CANapeへのインターフェイスの他に、標準化されたXCP on Ethernetプロ
トコルを使用することで、他の測定ツールやキャリブレーションツールへの
インターフェイスが可能になります。使用するコントローラーによっては、
ル地図を使用可能
> 測定およびキャリブレーション用ASAM MCD-3 V1.0オートメーションイ
ンターフェイスにより、CANapeを拡張するオプションMCD3
測定によるコントローラーへの影響が事実上ない場合もあります。
エンジニアリングサービス
システム要件
ベクターでは、プロジェクトの業務に適したノウハウやカスタムメイドのソ
> Windows XP SP3 (32bit):1GHz以上で、単純な測定タスク用に512MB
RAMを備えたPC
> Windows Vista (32bit) および Windows 7 (32bitおよび64bit)2.8GHz以
上、2GB RAM以上、グラフィックカード、128MB以上のRAMを備えたPC
リューションをご提供してお客様をバックアップいたしますので、お客様は
ECUの開発に専念できます。コンサルティング業務 (CANからFlexRayへの移
行など) をはじめ、インテグレーションのサポートやフィールドアプリケー
ションエンジニアの現地派遣に至るまで、幅広く対応いたします。
オプションによる機能拡張
> ドライバーアシスタンスシステムの開発時に、オブジェクト検出アルゴリ
ズムを確認するためのドライバーアシスタンスオプション
> CANapeでのランタイムで、Simulinkモデルからのパラメーターや信号を
簡単に測定しキャリブレーションするためのオプションSimulink XCPサー
バー
オプションドライバーアシスタンス:
ドライバーアシスタンスシステム用のオブジェク
ト検証とイメージ処理アルゴリズムの最適化
※記述されている内容は予告無く変更されることがあります。(発行日:2012年9月5日)
ベクター・ジャパン株式会社
(東京本社) TEL: 03-5769-6980 (名古屋支社) TEL: 052-238-5020
Email: [email protected] URL: http://www.vector-japan.co.jp/