0001:Switch from wet-to-dry process at Podilsky Cement, Ukraine

JI-0004-BL
0004:Methane Emissions Avoidance in Kostroma Gas Distirubtion Network
「Kostroma 地域ガス配給網におけるメタン排出回避」
ベースライン設定の詳細
本プロジェクトには、ECON カーボンが開発した Kursk 地域における同様のプロジェクト(Kursk 地域ガス
配給網におけるメタン排出回避プロジェクト)の PDD に基づいた新方法論を適用する。本 JI プロジェクト
活動は、Kostromaoblgas ガス配給網の調整ステーション及び降圧ステーションでのバルブ・フランジ部分
からのメタン漏洩の検知、計測、補修を行うものである。プロジェクト開発者は、本プロジェクトの準備とし
て調整・降圧ステーションにおける漏洩調査を行うロシア人専門家の資格付与を行う国際コンサルタント
を雇い、現地の状況に応じた設備試験を行う。
漏洩調査の一環として、触媒酸化検知器・熱伝導性検知器を用いた漏洩検知を行った。漏洩が確認さ
れた箇所において、高流量検出器を用いた漏洩率の計測が行われた。この高流量検出器は、漏洩する
ガスを完全に捕捉するために、空気の高流量率を用いるものである。その後、高流量システムの大気流
濃度サンプルを計測するために、触媒酸化センサー・熱伝導性センサーを用いる。高流量検出器は、物
理的封入の代わりに、検出器が誘導する流動レジームを用いた封入計測を行うのに、必須のものである。
2006 年 7~8 月に、Kostroma 地域において、この調査が実施された。この調査期間中に、211 ヶ所のバ
ルブと 691 ヶ所のフランジが漏洩検査されたが、フランジ部分からの漏洩は検知されなかったものの、検
査されたバルブの 31.8%の箇所から平均毎分 5.34 リットルの漏洩が検知された。
検査
バルブ
フラン
ジ
漏洩計測
検査箇所
数
漏洩検知箇所
数
漏洩箇所の割
合
毎分漏洩
量
211
67
31.8%
691
0
0.0%
漏洩率(ℓ/分)
年間漏洩総
量
1,126.3
全箇
所
5.34
漏洩検知箇
所
16.81
591,983.3
0.0
0.0
0.0
0.0
m3/年
Kostromaoblgas社のガス配給システムでは、中低圧の加圧パイプを通して、1961 年以降年間約 36 億
m3のガスを供給している。Kostromaoblgas社のパイプ全長は 2,302kmで、うち市内域に 1,113km、市外に
は 1,189kmが存在し、調整ステーション(規模比較的大)87 ヶ所、降圧ステーション(規模比較的小)548 ヶ
所があり、2,481 個のバルブと 7,500 個のフランジが設置されている。漏洩の原因となるのは、パイプとステ
ーション機器類における損傷とひび割れが主で、特にバルブ端パッキンに関するものである。損傷やひ
び割れは不規則に生じるため、2,302kmに及ぶパイプの計測器すべてを調査するのは、費用がかかりす
ぎる。モニタリング対象のバルブ・フランジの系統的調査を行うことによって、メタンガスの漏出を削減する
ことが唯一の方法と考えられる。
ベースラインシナリオは、Kostromaoblgas 社がこれまでに行っている漏洩検知・管理計画の継続とする。
市内域の全バルブ・フランジ調査は、Kostromaoblgas 社の日常管理業務の一環で行われてきたが、その
頻度は市内域で月 1 回、市外では半年に 1 回とする産業界基準が設けられてはいるものの、実際にはこ
の基準を満たす頻度では行われていない。このため、市外でのバルブ・フランジでの漏洩量は市内域より
も大きいことが予想されるものの、上述の漏洩検査以前には、漏洩率に関する信頼できる推計は実施さ
れていなかった。
バルブに用いられているのは、油・黒鉛・アスベストを染み込ませた亜麻布を円形にねじった紐でパイプ
パッキンである。この素材は、変圧や気象条件によって内容物を喪失する。この紐は染み込ませた油の
おかげで伸縮性があり、ロッドとバルブ壁の間の穴を埋めることができるが、1~2 ヶ月後には乾燥してしま
う。それでも耐水性は残るが、変圧によりロッドが調整されると、このパッキンを置換しなければ漏洩が起こ
る。
ベースライン排出量は、漏洩修繕作業実施前に計測された毎分漏洩量にクレジット期間の分数を乗じ
て算出する。この前提として、クレジット期間終了時(2012 年末)までの期間ベースライン漏洩率が変化し
ないこととする。プロジェクト排出量は、漏洩修繕作業実施後に計測された毎分漏洩量を用いて計算する。
修繕作業後であるため、漏洩量は 0 のはずであるが、もしも漏洩が新たに検出された場合には、直近の
検査・修繕日以降の計測レベルで漏洩率を考慮するものとする。
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JI-0004-BL
プロジェクトバウンダリー
Kostromaoblgas 社の 87 ヶ所の調整ステーションと 461 ヶ所の降圧ステーションには、2,481 個のバ
ルブと 7,500 個のフランジがある。漏洩率の影響を受けないすべてのバルブと、漏洩しているフラン
ジとが、プロジェクトバウンダリーに含まれる。ガスを漏洩しているバルブとフランジは、計測作業終了
後に特定される。プロジェクトバウンダリー内のバルブ・フランジは、中圧(0.3MPa)・低圧(0.003MPa)
で加圧されたパイプに接続されているものである。サイト内のメタン排出削減のみがプロジェクトに含
まれる。プロジェクトバウンダリー外の温室効果ガス排出量へのプロジェクトによる影響(すなわりリー
ケージ)は無いと想定している。
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