Products CD - Maxim

Volume Thirty-Four
アーティクル
アプリケーションに最適なバッファ/ADCの組み合わせを選択する方法
デザイン・ショーケース 消費電流が10µA以下に低減されたロジック出力付きの小型光センサ
10
5V電源シーケンスを保証し、-12Vを-5Vにステップダウンする400mAレギュレータ
インダクタを必要としない安定化LCDバイアス発生器
±40Vの過電圧保護性能を備えた冗長性トランシーバRS-232通信リンク
ニュープロダクト
3
11
12
13
データコンバータ
• 8ピンµMAXパッケージに収められた10ビット及び
12ビットシリアル入力ADC
• 10ピンµMAXパッケージに収められた8ビット、2チャネル、
シリアル入力ADC
• 僅か4サイクルのレーテンシを特長とした16ビット、1Msps、
セルフキャリブレーションADC
• 0.0015%のINLを保証する18ビットのシグマ・デルタADC
• 10ppm/℃以下の電圧リファレンスを内蔵した12ビット及び13ビットDAC
(MAX144/145、
MAX157/159)
15
(MAX1108/1109)
15
(MAX1200)
(MAX1400/1402)
(MAX5120/5130)
16
15
16
(MAX4174/4175)
16
(MAX6190/91/92/
94/95/98)
17
(MAX4550/4570)
(MAX4571~74)
17
18
(MAX4578/4579)
(MAX4580/90、4600)
(MAX4598)
(MAX4601/4602/4603)
18
17
18
18
(MAX3510)
(MAX3693)
19
19
(MAX1612/1613)
21
(MAX1677)
(MAX1687/1688)
(MAX1692)
20
19
20
(MAX1711)
(MAX1729)
21
20
(MAX6332~37)
22
(MAX6816/6817)
21
(MAX3130/3131)
22
(MAX3291/3292)
22
(MAX2470/2471)
(MAX2640/2641)
23
23
オペアンプ
• SOT23パッケージの固定利得、レイルトゥレイルオペアンプ
電圧リファレンス
• 低ドロップアウト電圧の高精度マイクロパワー電圧リファレンス
スイッチ/マルチプレクサ
• クリックレス動作モード機能を備えた
オーディオ/ビデオクロスポイントスイッチ
• クリックレス動作を提供するシリアル制御のアナログスイッチ
• ±20Vまで動作するシングル8チャネル/
デュアル4チャネルキャリブレーション・マルチプレクサ
• オン抵抗1.25ΩのSPST、CMOSデュアルアナログスイッチ
• 複数の動作モードを備えた8チャネルマルチプレクサ
• オン抵抗2.5ΩのクワッドSPSTアナログスイッチ
光ファイバ通信IC
• 利得のプログラム設定が可能なアップストリームCATVアンプ
• クロック合成回路とLVDS入力を備えた622Mbps、4:1 データシリアライザ
電源管理IC
• ノートブックCPUのブリッジバッテリを充電するバックアップコントローラ
• メイン電源と28VのLCDバイアス電源を生成する
超小型のDC-DCコンバータ
• 1/6の低バッテリ消費電流で2AのGSM送信バーストを駆動するIC
• LDOレギュレータよりも優れた低電圧ロジック電源用超小型スイッチャ
• ディジタル制御を備えたノートブックCPU用の
ステップダウンコントローラ
• 低価格カラーECB LCDの使用を可能にする高精度バイアス電源
µP監視回路
• 最低1.6Vまでのトリップスレッショルドを監視するµPリセットIC
• 外付部品なしで±15kVのESD保護を提供する
環境耐性の優れたスイッチデバウンサ
インタフェースIC
• 携帯型機器でスペースと電力を節減する集積化IrDA/RS-232トランシーバ
• RS-485/RS-422通信の伝送性能を改善する
プリエンファシス回路内蔵のトランシーバ
ワイヤレスIC
• 15個のディスクリート部品を置換えるモノリシックバッファアンプ
• 2.5GHzまでの広帯域動作が可能な3V駆動、超低ノイズSiGeアンプ
• 400MHzから2.5GHzまでの周波数帯域で動作する
広帯域SiGeダウンコンバータミキサ
(MAX2680/2681/2682) 23
アプリケーションに
最適なバッファ/
ADCの組み合わせ
入力電流ノイズ密度
iN = 0.5¦A/√Hz, @ ¦ = 1kHz.
単極フィルタの実効ノイズ帯域幅は-3dBコーナ周波数
の1.57倍なので、MAX4256のノイズ帯域幅は
GBW/1.57AVとなります。このICの電圧ノイズ及び電流
ノイズソースに加えて、回路に使用している各抵抗が
起因して電圧ノイズが追加されます。従って、入力換算
等価ノイズのトータル値は以下の数式で求められます。
特定のアナログディジタルコンバータ(ADC)の前段に
最適なドライブアンプ(又はバッファ)を選択する際には、
インピーダンスのマッチング、チャージインジェクション、
ノイズの低減、そして出力精度に注意を払うことが必要
です。ADCメーカでは特定のコンバータに対して特定の
アンプを使用することを推奨する場合がありますが、
その場合にこの組合せ回路がターゲットシステムに適合
していることが要求されます。総合特性だけでなく、
ADCの入力構造及びバッファに及ぼすその影響に関して
も配慮することが必要です。
e t = e N 2 + [i N ( R1 / R 2)] + (e r )
2
2
即ち、トータルノイズ=
(
æ ( volt. noise)2 + cur. noise × R
eq
è
)2 + (res.
noise)2 ö
ø
計算を簡略化するために、1Hz帯域幅で1kΩ抵抗に
よって発生するノイズは4nV RMS であることを覚えて
おいてください。この数値を利用すると、公式は下記の
ような簡単な数式に変形されます。
高速化と高分解能化、スイッチドキャパシタ入力構造
及び単一電源動作などのようにADCの技術開発が進展す
る状況の中で、システム回路設計者はADCのドライブ
アンプの評価に細心の注意を払わなければならないこと
を余儀なくされています。ドライブアンプ又はバッファ
は低いソースインピーダンスを維持し、ADCの入力駆動
に十分な出力電流を供給する能力を備えていることが必
要であり、過度の変換誤差発生を回避するためにその
高周波出力インピーダンスは十分に低いことが要求されま
す。数多くのサンプリングADCの場合には、極度に低
レベルの信号を増幅する能力もバッファに要求されます。
(
e r = 4 nV / Hz
) (BW ×
R eq / 1kW
)
ここで、R eq(BW)は規定帯域幅における等価抵抗値で
す。この標準的なオーディオ周波数アプリケーションの
帯域幅を20kHzと仮定し、MAX195のサンプリング
レート(85ksps)を念頭に置けば、計算結果は
eN=8.7nV/√Hzになります。MAX4256の入力電流ノイ
ズ値0.5¦A/√Hzは比較的無視できるレベルである点に注
意してください。オペアンプ回路の帯域幅を基準にした
トータル出力ノイズは下記のように求められます。
ノイズが性能に対して及ぼす影響
理想的には、オペアンプの信号ソースが起因してADC
の誤差範囲を超えた誤差が発生しないことが必要です。
システム内の過度のノイズ発生を回避する最小限の条件
として、信号ソースの信号/ノイズ比(SNR)がADCの
理論上の制限値よりも優れていることが要求されます。
有難いことですが、新世代オペアンプのノイズ性能は
全て12ビットよりも大幅に優れており、良好な16ビット
ノイズ性能を備えたオペアンプも容易に入手できます。
しかし、アンプとADCのノイズパワーは累積される点に
注意することが重要です。
ET = et
(
[BW(1 / b)]
= 8.7nV / Hz
)
20 kHz(1.57)(11)
= 17mVRMS
+5V
VDD
50k
2
16ビット逐次比較型ADC(MAX195)とその入力ドラ
イブアンプ(MAX4256)間の低ノイズ、低歪みインタ
フェースの優れた回路例を図1に示します。この例では、
MAX4256データシートに記載されている情報を利用し
て、バッファに起因して発生するトータルRMSノイズを
以下のように計算します。
MAX195
7
6
3
VIN
MAX4256
4
5k
8
AIN
(16-BIT ADC)
DOUT
SCLK
SHDN
SERIAL
INTERFACE
CS
VSS
-5V
REF
4.096V
SHDN
入力電圧ノイズ密度
eN = 7.9nV/√Hz, @ ¦ = 30kHz
図1. ドライブアンプと16ビットADC間を接続するこのインタフェース
回路は低ノイズ及び低歪み性能を提供します。
3
しかもMAX4256のSINADは-115dBと非常に優れてい
ます。この高性能によって、非反転構成及び単一電源動
作のオペアンプ(MAX4256)を使用することが可能です。
ADC/オペアンプ組み合わせ回路のトータルノイズ
パワーを求めるには、最初にADCの信号ノイズ及び歪み
比(SINAD)の値をデシベルから電圧に換算します。次に、
二乗和の平方根値を計算した後で、その値を再び元の
デシベル値に換算します。この場合に、MAX195の最小
保証SINAD値である87dBを使用します。これを電圧
(44.7µV)に換算し、ET=17µVと結合すると、トータル
ノイズパワーは86.4dBという結果になり、ADCのSNR
が僅か0.6LSBだけ劣化したに過ぎません。このような
一連の計算によって、特定のドライブアンプが性能全体
に及ぼす影響を立証することができます。
オペアンプをドライブアンプとして評価するもう1つ別
の方法は、電圧を単位とするADCの最下位ビット(LSB)の
重み(ステップサイズ)とオペアンプの数値仕様を比較する
方法です。例えば、ユニポーラ入力電圧範囲が5.000Vの
16ビットADCのLSBは76µVです。アンプが起因して発生
する誤差の概算値を求めるには、その数値をアンプの入力
オフセット電圧、ドリフト及びノイズと比較し、その全て
をアンプの閉ループ利得で乗算します。例えば、+11V/V
の閉ループ利得と70µVのオフセット(MAX4256の代表値)
によって、770µVの誤差が発生します。この誤差は、16
ビットアプリケーションでは10LSBにも相当します。DC
精度を重要視する場合には、バッファのオフセットをADC
の最大オフセット(MAX195では±3LSB)よりも大幅に小さ
くするか、あるいはハードウェア又はソフトウェアによっ
てバッファのオフセットを調整することが必要です。
歪み
歪みの影響によってもダイナミック性能が劣化します
が、コンバータの全高調波歪み(THD)よりも大幅に低い歪
み性能を備えたアンプを選択すれば、この影響を最小限に
抑えることが可能です。ここで再び上述のインタフェース
回路について説明しますが、図2の回路は非常に効果的で
す。即ち、MAX195のTHDは僅か-97dB(0.0014%)で、
MAX410ファミリのオペアンプは、MAX195の動作
電源である±5V電源を使用しても良好に動作します。
MAX410は±3.5Vの同相入力電圧範囲を備え、これと
同様の出力電圧スイングが可能なので、3.5Vまでの
リファレンス電圧でコンバータを動作させることができ
ます。MAX410のオフセット電圧(250µV)は約2LSBに
相当します。そのドリフト(1µV/℃)、ユニティゲイン
帯域幅(28MHz)及び低電圧ノイズ(2.4nV/√Hz)は全て
16ビット性能に適合しています(図3)。
20
VOUT = 4Vp-p
fO = 1kHz
0
AMPLITUDE (dBc)
-20
VIN
-40
MAX4249 TOC22
MAX4249/MAX4255/MAX4256/MAX4257
FFT OF DISTORTION AND NOISE
VO
10k
fO
-60
100k
11k
-80
HD2
-100
帯域幅とセトリング時間
HD3
-120
ドライブアンプの速度仕様を決定するときには、その
セトリング時間をADCのアクイジション時間にマッチング
させます。つまり、アンプの最悪時セトリング時間より
も長いサイクル期間でADCが入力信号をサンプリングす
れば、変換結果は正確です。セトリング時間は、入力電圧
-140
10
5k
10k
15k
20k
FREQUENCY (Hz)
図2. MAX4256は115dBの非常に優れたスプリアスフリーダイナミック
レンジ(SFDR)性能を備えています。
VOLTAGE-NOISE DENSITY
vs. FREQUENCY
CURRENT-NOISE DENSITY
vs. FREQUENCY
10
VS = ±5V
TA = +25°C
VS = ±5V
TA = +25°C
CURRENT-NOISE DENSITY (pA/Ö Hz)
VOLTAGE-NOISE DENSITY (nV/Ö Hz)
100
10
f CORNER = 90Hz
f CORNER = 220Hz
1
1
1
10
100
1k
1
10k
FREQUENCY (Hz)
10
100
FREQUENCY (Hz)
図3. 特定のADCを使用して達成可能な精度を計算する際に役立つ電圧及び電流ノイズ密度グラフ(MAX410の場合)
4
1k
10k
するかというトレードオフの問題が伴ないます。殆どの
オペアンプメーカは16ビット性能(0.001%)に相当する
レベルでセトリング時間仕様をテストしていないので、
セトリング時間によって問題が起こることになります。
ステップを印加してから出力信号がその定常状態の出力
レベルを中心とする一定の誤差範囲内に達して確実に保持
される時点までの所用時間として定義しています(図4)。
大きな入力ステップの場合には、アンプのスルーレート
制限によってその出力変動に対応する速度が制約を受け
ます。その結果として、入力振幅がある一定のレベルの
場合及びスルーレートが一定のアンプの場合、忠実に再生
可能な周波数がアンプの最大周波数になり、この値は下記
の数式から求められます。
図1に示すドライブアンプの帯域幅とセトリング時間に
ついて考察してみましょう。2.1V/µsの標準スルーレート
の場合、入力振幅が2Vp-pのときにこのバッファが扱うこ
との可能な最大周波数は¦MAX=SR/2π2Vp=167kHzです。
同様にセトリング時間については、tSに16ビットセトリン
グ時間(0.001%で1.6µs)を代入した後で、数式[2]から
¦ -3dBを求めます。全くの概算値ですが、その計算結果は
1.17MHzという驚異的な値になります。高分解能セトリング
時間に対する帯域幅仕様は期待値よりも大幅に高くなる可
能性があり、回路設計者は利得精度の保持に必要な帯域幅
を過小評価する場合があります。入力信号帯域幅において
利得設定が不十分であると、1LSBを超える誤差が容易に
導入されてしまいます。しかし幸いなことに、MAX4256
は22MHzの-3dBコーナ周波数性能を備えています。
¦MAX = SR/2πVp
ここで、Vpはピーク出力電圧です。
以下の条件が適用されると、最初の目安としてセト
リング時間(tS)の概算値を求めることができます。
· 入力信号が原因となって、アンプの出力がスルーレー
ト制限状態に入っていない。
· アンプの-3dBコーナ周波数が既知である。
· ¦-3dBよりも高い少なくとも1ディケードの周波数に対
して出力振幅が20dB/ディケードでロールオフする。
高速アプリケーション
下記の数式[1]が成り立ちます。
tS = -1/2π¦-3dB[ln(VO/VS - 1)]
高度なビデオ及びその他の高速アプリケーション用とし
て、マキシム社ではADCドライバとしても適している各種
のビデオオペアンプ製品を豊富に揃えています。その中で
も、新しい製品ファミリの低ノイズ、低歪みの880MHz
ビデオオペアンプはドライブアンプとして下記のように
卓越した性能を備えています(表1及び図5を参照)。
[1]
Nビット分解能において1/2LSB以下に対するtSを計算
する際には、VO /VSを数式(2N - 1/2)/2Nに置換えます。
ここで、Nはビット数です。数式[1]は下記のように変形
されます。
tS = 0.11(1 + N)/¦-3dB
· 880MHzの-3dB帯域幅(MAX4104)
[2]
· 100MHzまでの0.1dB利得平坦性
ユーザのアプリケーション仕様に正確に合致したアンプ
を見つけることが困難な場合があります。12ビットADC
に使用して非常に良好に動作するオペアンプは数多くあ
りますが、500kHzを超える14ビット及び16ビットADC
の駆動に適したオペアンプは僅かしかありません。オペ
アンプの選択に際しては、ノイズ、歪み及びセトリング
時間の各パラメータのうちどれを優先してどれを犠牲に
(MAX4104/MAX4105)
· 1400V/µsのスルーレート(MAX4105/MAX4305)
· -88dBcのスプリアスフリーダイナミックレンジ
(SFDR)(5MHz、RL=100Ω)(MAX4104/MAX4304)
· 高出力電流駆動:±70mA
· 低入力オフセット電圧:±1mV
FINAL ENTRY INTO
OVERSHOOT
ERROR BAND
FINAL VALUE
MAX4106/MAX4107オペアンプも同様にドライブアンプ
として抜群の性能を備えており、高速性と0.75nV/√Hzの
超低ノイズレベルを兼ね備えています。MAX4106は
+5V/V又はそれ以上の閉ループ利得、そしてMAX4107
ERROR
BAND
AMPLITUDE
+FS
表1. ADCドライバアプリケーション用の
オペアンプ製品ファミリ
INPUT
STEP
AT
t=0
SLEW-RATE
LIMITING
0
SETTLING
TIME
品名
最小
安定利得
(V/V)
帯域幅
(MHz)
ピンパッケージ
MAX4104
1
880
5ピンSOT23、8ピンSOP
MAX4304
2
730
5ピンSOT23、8ピンSOP
MAX4105
5
430
5ピンSOT23、8ピンSOP
MAX4305
10
350
5ピンSOT23、8ピンSOP
TIME
図4. 出力セトリング時間は、最終セトリング値を中心とした許容誤差
範囲内を基準に定義されています。
5
+5V
INPUT
MAX4304
0.1µF
8- to 16-BIT
HIGH-SPEED
ADC
1000pF
INPUT
8- to 16-BIT
HIGH-SPEED
ADC
MAX4107
330W
330W
0.1µF
1000pF
-5V
ADC BUFFER WITH GAIN (AVCL = +2V/V)
RG
27W
図5. このオペアンプは、非反転利得が+2V/VのADCバッファとして構成
しています。
RF
240W
Ÿ
ADC BUFFER WITH GAIN (AVCL = +10V/V)
は+10V/V又はそれ以上の閉ループ利得に対してそれぞ
れ内部補償されています。低歪み構造によって、5MHz
時で63dBのSFDR性能を提供します。更にこれらの高
速オペアンプは幅広い出力電圧スイング性能(±5V電源
動作時で±3.2V)及び80mAの非常に高い電流駆動能力を
備えています(図6)。
図6. +10V/Vの非反転利得で動作するこのADCバッファは、高周波数
アプリケーションに最適です。
300W
300W
最後に、MAX4108/MAX4109/MAX4308/MAX4309
オペアンプファミリは、超高速性と超低歪み性能を兼ね
備えています。5MHz、VOUT=2Vp-p及びRL=100Ωの条
件下で、MAX4108は-93dBcの非常に卓越したSFDR性
能を達成しています。これらのオペアンプは高速性、高
スルーレート、低(あるいは超低)ノイズ及び低い安定化歪
みレベル性能を備えているので、高速ADCアプリケー
ションで使用するバッファアンプとして最適です(図7)。
53.6W*
10W
MAX4109
12-BIT ADC
300W
60W *
300W
* USED TO MATCH A 50W
SOURCE IMPEDANCE
ADCの入力構造にも依存するバッファ性能
バッファ(ドライブアンプ)の選択に際しては上述の留
意事項に加えて、ADCの入力構造に注意を払うことも重
要です。例えば、フラッシュ型コンバータは非線形入力
容量が大きいので、その駆動が最も困難なADCタイプの
1つです。より新しいスイッチドキャパシタ構造が採用さ
れたADCに関しても、細心の注意を払う必要があります。
DIFFERENCE AMPLIFIER/ADC PREAMPLIFIER
図7. この高速ADCアプリケーション用バッファは、差分アンプ/プリアンプ
として動作します。
いADCには、このような広帯域幅のサンプル/ホールド回
路が内蔵されています)。幸いにも、殆どのオペアンプ
は入力ステップからのセトリング時間よりも大幅に高速
に負荷トランジェントからセトリングするので、外部
バッファによってこの必要条件は容易に満足されます。
2番目の方式では、ADCの入力容量よりも大幅に大きな
容量のコンデンサを使用したRCフィルタを入力に追加
します。この容量の大きなコンデンサによってサンプ
リングコンデンサが充電されるので、これによりトラン
ジェントが除去されます(図8)。トランジェントグリッチ
を吸収するために、場合によってはADC入力とグランド
間に容量が1000pF以上のコンデンサを使用することを
マキシム社では推奨します。
スイッチドキャパシタADCの場合には、次のサンプル
収集のために内部サンプリングコンデンサが入力にスイッチ
バックする各変換サイクルの終了時に微小な入力電流
トランジェントが引き起こされることをユーザが認識し
ていれば、その駆動に関する設計負担は軽減されます。
誤差の発生を回避するためには、バッファ回路がこの
トランジェントから高速復帰し、次の変換サイクルが
開始される前にセトリングすることが必要です。下記に
説明する2つの方式のうちどちらかを利用して、これを
実行することが可能です。
最初の方式では、負荷トランジェントからのセトリング
時間がADCのアクイジション時間よりも短いオペアンプ
を使用してADCを駆動することが必要です(数多くの新し
6
510W
+5V
2
100
0.1mF
7
6
AIN
MAX410
IN
80
22W
3
60
AVOb
A
AVO
Ab
0.01mF
4
40
AV (dB)
0.1mF
-5V
20
0
図8. 22Ω/0.1µF出力フィルタはADCからのトランジェントを吸収し、
アンプの安定性維持に効果的です。
1
b
-20
100 101 102 103 104 105 106
FREQUENCY (Hz)
b
-40
RCフィルタの追加によって、容量性負荷の駆動時に
アンプの安定性が損なわれる問題の発生する可能性も
少なくなります。1本の小さな値の抵抗をコンデンサに
直列に接続すれば、リンギングと発振の防止に役立ちま
す。容量性負荷がもっと高いときには、負荷容量と絶縁
抵抗の相互作用によってAC性能が制御されます。
図9. 出力インピーダンスは一般的に、周波数の増加に対応して上昇します。
の開ループ利得対周波数の特性を示しています。周波数が
非常に低いときに、DC開ループ利得(AVO)は100dBに近づ
きます。帰還減衰係数の対数は信号振幅の減衰を表わすの
で、この値が負になっている点にも注目してください。
もう1つ別の留意事項として、対象となる全ての入力
周波数範囲でアンプが低出力インピーダンスを維持するこ
とを確実に保証することが重要です。出力インピーダンス
の高いオペアンプは、ADCの入力容量変動に対して迅速
に応答することができません。更に、ADCによって発生
するトランジェント電流を扱うことも不可能です。次の
変換動作が開始される前にオペアンプがセトリングしない
と、非直線性が発生する結果になります。
この図ではループ利得を開ループ利得と帰還減衰係数
の和(非常に低い周波数時で+100dB + (-40dB) = 60dB)
あるいは開ループ利得とノイズ利得の差、即ち1 /β
[+100dB - (+40dB) = 60dB]として表わしています。
βがある一定の値の場合に、周波数の増加に応じてループ
利得Aβが減少することを観察してください。高周波数
時に大きなループ利得レベルを確保するには、アンプの
開ループ利得を大きくするか又は帰還減衰係数βを大き
くします(つまり、ノイズ利得を小さくします)。
低い出力インピーダンスを維持するためには、数式
ROUT =RO /(1+AVOβ)に基づいて、高いループ利得が必要な
点に留意してください。この数式でROは開ループ出力イン
ピーダンス、そしてAVOβはループ利得です。オペアンプ
のユニティ利得クロスオーバ周波数に近づくとA VOβの
値が減少し、その結果として出力インピーダンスが増加し
ます(図9)。出力インピーダンスが高くなると、ADCからの
電流スパイクを処理するアンプ動作が困難になります。
このような観察に基づいて、帰還システムに重要な数
式が導かれます。ユニティ利得の非反転アンプに関して、
下記の数式が成り立ちます。
ACL = VOUT/VIN = 1/(1 + 1/Ab).
従って、低インピーダンスを維持する条件として広帯
域幅特性が必要になります。帯域幅の高いオペアンプは
そのループ利得が高いので、周波数の増加に伴ってその
出力インピーダンスは低く維持されることになり、
50Msps ADCの前段に500MHzオペアンプを使用する
ことは意味がある適切な方法です。帯域幅の高いオペ
アンプは、ADCによって発生する電流トランジェントを
帯域幅の低いオペアンプよりも効果的に吸収します。
[3]
この数式は、閉ループ利得(A CL)が開ループ利得と帰
還減衰係数の両方に依存していることを示しています。
この開ループ利得と帰還減衰係数はともに周波数の関数
として変動するので、ループ利得も同様に周波数の関数
になります。動作周波数におけるループ利得量は、アン
プの回路構成がどの程度理想に近づいているかを判断す
る上で重要な目安になります。
利得精度全体に及ぼす開ループ利得の影響を理解する
ために、数式[3]に基づいた実際例について考察するこ
とにします。動作周波数における開ループ利得が40dB
のオペアンプを仮定すると、その閉ループ利得には1%
の誤差があります。この誤差は利得が6 0 d Bのときに
0.1%に低下し、利得が80dBのときには0.01%に低下
します。従って、ユニティ閉ループ利得を維持すると同
時に、12ビットADCを正しく駆動する上での開ループ
利得精度全体に影響を及ぼす制限された
ループ利得誤差
非反転回路に関する図9のボーデ特性図には、周波数
の関数としての開ループ利得(A)、帰還減衰係数(β)、
ノイズ利得(1/β)及びループ利得(DC時でAβ又はAVOβ)
間の関係を示しています。図9には、標準的なオペアンプ
7
利得の最小許容値が80dBとなります。より高い閉ルー
プ利得に対処するには、数式[3]を以下のように変更し
ます。
100
[4]
10
RESISTANCE (W)
ACL = VOUT/VIN = (1/(1 + 1/Ab))(RF + RI)/RI
MAX4100
OUTPUT RESISTANCE vs. FREQUENCY
ここで、R F とR I はそれぞれ帰還抵抗と入力抵抗です。
必要とされる閉ループ利得のレベルに応じて、要求精度
の維持にもっと更に高い開ループ利得が必要になる場合
があります。
1.0
0.1
出力インピーダンス 対 周波数
0.01
10k
100k
1M
10M
100M
1G
FREQUENCY (Hz)
MAX4100などのビデオアンプは低いインピーダンス対
周波数特性を備えているので、医療用超音波アプリケー
ションのADCドライバとして非常に一般的に使用されてい
ます(図10)。超音波システム(50MHz)で使用される最新の
10ビットADCの標準サンプリング周波数時で、MAX4100
は0.2Ω以下の出力抵抗値を示します。MAX4100は電圧帰
還型の高速、ユニティ利得安定動作のアンプで、500MHz
のユニティ利得帯域幅、250V/µsのスルーレート及び
35ns(0.01%に対して)又は18ns(0.1%に対して)のセト
リング時間を含む優れたAC性能を備えています。
図10. MAX4100は50MHz時で0.2Ω以下の出力抵抗値を示します。
にお答えしています。このような問題は一般的にADCの
性能が劣っていることが原因で起こると考えられていま
すが、ドライブアンプの不適切な選択が原因で問題が起
こる場合もあります。表2及び3にADCドライブアンプの
概要を記載しています。この表を利用して、単一電源
(最低で+2.7Vまでの電源電圧)タイプとデュアル電源
タイプの比較や最高速タイプと最高精度タイプの比較な
どを通して最適なドライブアンプを選択することができ
ます。
新しいADC構造やその他の改善された技術を利用する
ことが可能な状況の中で、マキシム社を代表とするメーカ
ではミスコードや直線性劣化などの基本的な数多くの質問
表2. ADCドライブアンプの選択、シングルオペアンプ、単一電源(+2.7V~+5.5V)
スルー
レート
(V/µs)
0.01%に
対する
セトリング
時間(µs)
THD
(%)
2.0
0.2
12.0
0.003
3.0
1.5
4.0
0.003
0.600
3.0
1.5
4.0
0.003
0.0005
0.750
0.3
6.7
0.3
0.0004
7.9
0.0005
0.750
0.3
6.7
0.3
0.0004
22
0.4
1.000
2.0
2.0
2.0
0.003
5
22
0.4
0.600
2.0
2.0
2.0
0.003
1
5
22
0.4
2.000
2.0
2.0
1.3
0.003
MAX4323
1
5
22
0.4
2.500
2.0
2.0
1.3
0.003
MAX4165
1
5
26
0.4
1.000
3.0
2.0
2.1
0.003
MAX4166
1
5
26
0.4
1.000
3.0
2.0
2.1
0.003
MAX4130
1
10
22
0.4
1.000
2.0
4.0
2.0
0.003
MAX4131
1
10
22
0.4
0.600
2.0
4.0
2.0
0.003
MAX4255
10
22
7.9
0.0005
0.750
0.3
1.6
2.1
0.0012
MAX4256
10
22
7.9
0.0005
0.750
0.3
1.6
2.1
0.0012
MAX4124
10
25
22
0.4
1.000
2.0
10.0
1.3
0.003
MAX4125
10
25
22
0.4
0.600
2.0
10.0
1.3
0.003
MAX4012
1
200
10
6.0
20.000
8.0
600.0
0.045*
-75dB
MAX4212
1
300
10
6.0
12.000
8.0
600.0
0.045*
-75dB
MAX4213
1
300
10
6.0
9.000
8.0
600.0
0.045*
-75dB
利得
安定性
GBW
(MHz)
電圧ノイズ
密度
Hz)
(nV/√H
電流ノイズ
密度
Hz)
(pA/√H
MAX495
1
0.5
25
0.1
0.500
MAX4330
1
3
28
0.4
1.500
MAX4331
1
3
28
0.4
MAX4250
1
3
7.9
MAX4251
1
3
MAX4122
1
5
MAX4123
1
MAX4322
デバイス
* 0.1%に対して
8
最大
オフセット
オフセット 温度係数
(±mV)
(µV/℃)
表3. ADCドライブアンプの選択、シングルオペアンプ、デュアル電源(±5V)
スルー
レート
(V/µs)
0.01%に
対する
セトリング
時間(µs)
THD
(dB)
0.3
0.3
N/A
N/A
1.0
4.5
1.3
-98
8.000
5.0
350
0.03
-76
0.8
8.000
15.0
250
0.035
-65
6
2
8.000
13.0
1200
0.012
-83
220
6
2
8.000
13.0
1200
0.012
-83
2
225
6
2
8.000
13.0
1200
0.012
-90
MAX4180
1
240
2
4
7.000
12.0
450
0.02*
-73
MAX4102
1
250
7
1
8.000
5.0
400
0.03
-78
MAX4113
2
270
2.2
13
8.000
10.0
1800
0.035
-62
MAX4181
2
270
2
4
7.000
12.0
450
0.02*
-73
MAX4107
10
300
0.75
2.5
3.000
1.0
500
0.018
-63
MAX4106
5
350
0.75
2.5
3.000
1.0
275
0.018
-63
MAX4305
10
350
2.1
3.1
6.000
2.5
0.025
1400
-67
MAX4108
1
400
6
2
8.000
13.0
1200
0.012
-93
MAX4112
1
400
2.2
13
8.000
10.0
1200
0.035
-68
MAX4105
5
430
2.1
3.1
6.000
2.5
1400
0.025
-74
MAX4100
1
500
8
0.8
8.000
15.0
250
0.035
-70
MAX4224
2
600
2
3
6.000
2.0
1100
0.005*
-68
MAX4304
2
730
2.1
3.1
6.000
2.5
0.025
1000
-88
MAX4104
1
880
2.1
3.1
6.000
2.5
400
0.025
-88
MAX4223
1
1000
2
3
6.000
2.0
1100
0.008*
-65
電圧ノイズ
密度
Hz)
(nV/√H
電流ノイズ
密度
Hz)
(pA/√H
0.6
11
0.17
0.015
28
2.4
1.2
0.250
2
180
5
1
MAX4101
2
200
6
MAX4309
10
200
MAX4308
5
MAX4109
利得
安定性
GBW
(MHz)
MAX400
1
MAX410
1
MAX4103
デバイス
最大
オフセット
オフセット 温度係数
(±mV)
(µV/℃)
* 0.1%に対して
参考文献
1. マキシム社、フルラインデータカタログ
CD-ROM版、1998年度版、バージョン2.0
3. Linear Technology Corp.、アプリケーション
ノート71、1997年7月発行
2. Crystal Semiconductor、アプリケーション
ノートAN06、1995年1月発行
4. Burr-Brown Corp.、アプリケーションブリテン
AB-098、1995年4月発行
9
DESIGN SHOWCASE
消費電流が10µA以下に低減された
ロジック出力付きの小型光センサ
IC1回路の消費電流を示す最も低い特性曲線は信号
範囲内における変動量がほんの僅かであり、7µAを
決して超えません。外部光センサとバイアス抵抗が
+5V電源動作時で最大3µAの電流を消費するので、
この回路のトータル消費電流は光レベルとは無関係
に10µA以下に低減されます。他の方式とは異なり、
この回路では光レベル(R1上の電圧によって表わされ
る)を厳しく規定されていないロジックスイッチング
スレッショルドと比較するのではなく、固定出力の
リファレンス電圧と比較します。
消費電力量がほんの僅かな光センシング回路を携
帯型機器の自動バックライトセンサとして使用する
ことが可能です。この機能はロジックゲート又は
シュミットトリガインバータを使用して容易に実行
できますが、この方式では大量の電源電流を消費す
ることになります。回路IC1(図1)はこの方式とは
異なる、より優れた解決法を提供します。
消費電流対電源電圧の対数グラフ(図2)には、各種
デバイスの特性比較を示しています。74HCイン
バータと74HC14シュミットトリガインバータは
CMOSデバイスとして期待されている通りに、その
入力が電源電圧に近づくときの消費電流は非常に低
く抑えられています(<1µA)。しかしミッドスケール
に近づくと、74HC04は5V時で10mAを超える電流
を消費します。74HC14の電流消費特性はそれより
も改善されていますが、それでもミッドスケール時
で0.5mAを超える電流を消費します。光センシング回
路のミッドスケール状態は長期間持続される可能性が
あるので、このような高い消費電流によって問題が発
生します。
電源電圧を+2.5Vから+11Vまでの範囲とすること
が可能で、+11V時の消費電流測定値は僅か数µAに
過ぎません。このIC1回路はオープンドレインバー
ジョン(MAX836)にも内蔵されており、その出力(プル
アップ抵抗に接続)はミックスド電圧システムの電源
電圧よりも高くすることが可能です。サイズの小型
化よりも消費電力を最小限に抑えることが重要な場
合には、MAX931コンパレータ/電圧リファレンスIC
を選択してください。このデバイスは(SOTパッケー
ジのMAX837に対して)µMAXと呼ぶ8ピンSSOPパッ
ケージに収められていますが、その最大消費電流は
僅か3µAです。MAX837にはヒステリシスが組み込
まれているので、ヒステリシス抵抗を外付けする必
要が全くありません。
+3V電源を使用すると、消費電流は約3倍低減され
ますが、依然として消費電流は高いレベルに維持され
ます。ヒステリシスの追加も効果的ですが、スイッ
チングスレッショルドよりも僅かに高いか又は低い
ポイントでこれらのCMOSデバイスは過度のA級電源
電流を消費する問題が残ります。
VCC
SUPPLY CURRENT vs. VIN
2
V+
VCC
100,000
IC1
LDR1
VT931
(VACTEC)
HC04, 5V
10,000
HC14, 3V
SUPPLY CURRENT (mA)
MAX837
3 IN
R1
2.2M
OUT 4
1.2V
REF
OUTPUT
HC14, 5V
1000
100
HC04, 3V
10
1
MAX837, 3.6V
GND
0.1
1
0
1
2
3
4
5
VIN (V)
図2. この特性曲線では、図1に示すIC1回路の消費電流(MAX837,
3.6Vと表示した最も低い曲線)とその他の代替デバイスの消費
電流を比較しています。
図1. この光センサは、R1の値によって決定された光レベルでロー
からハイへの出力遷移を提供します。
10
DESIGN SHOWCASE
5V電源シーケンスを保証し、
-12Vを-5Vにステップダウンする400mAレギュレータ
ダウンレギュレータ構成の場合には、同様の高電流
部品を使用して-5V出力時に400mAの出力電流を供給
します。
図1に示す回路は、-12Vの定格電源を-5Vの安定
化電源にステップダウンします。この回路では別個
に安定化された+5V電源が供給された後で初めて
-5V電源の供給が可能になり、+5V電源が失われたと
きには、-5V電源の供給を自動的にシャットダウンし
ます。この回路は、ラッチアップの防止にこのよう
な電源シーケンスが必要とされるA/D及びD/Aコン
バータ用の±5V電源で役立ちます。
負荷電流に対する変換効率の測定値は100mA時で
85%、250mA時で89%、そして400mA時で90%で
す。リップルのp-p測定値は、全ての負荷に対して
25mV以下に抑えられています。出力電圧精度は、IC1
内部の2%精度電圧リファレンスそして帰還経路抵抗
R1、R3、R8及びR9の許容誤差に応じて変化します。
IC1は従来型のブーストレギュレータですが、その
回路全体が負のステップダウンレギュレータを構成
しています。ブーストレギュレータトポロジは正確
にスイッチング制御動作を実行しますが、コンバー
タの正電源を基準にした出力電圧をモニタし、コン
バータの負電源を基準にしたリファレンス電圧とこ
の出力電圧を比較するレギュレータの帰還信号にレ
ベルシフトが必要です。Vbe- のミスマッチング誤差
を最小限に抑えるためにエミッタ抵抗R8及びR9が挿
入されたQ3/Q4の各電流ミラーがこのレベルシフト
を実行します。
トランジスタQ3及びQ4のVbeに少しでも差がある
と、これは誤差となって現れます。実際に使用した
トランジスタのVbe測定値は約550mVで、Q1-Q4の各
トランジスタについて測定したVbeの最大電圧差は9mV
でした。Q3-Q4のベース電圧(-1.24V)を基準にすると、
この9mVの電圧差が起因して出力電圧に0.75%の誤差
が追加されることになります。Vbeの降下を1mV以内に
マッチングし、抵抗R6-R9を省略したいときには、代
わりにローム社のUMT1N(6ピンSOT23パッケージで
提供)などのデュアルトランジスタを使用します。
IC1には、LBIとLBOの各ピンを通したバッテリ電圧
低下検出に通常使用されるコンパレータと1.5V電圧
リファレンスが内蔵されており、次に説明する設定で
+5V電源をモニタします。Q2によってミラーされるQ1
の電流はR4を流れて、+5V電源に比例した電圧を生成
します。この電源が+4.2Vの定格電圧よりも低下する
と、LBO出力がR5を負の電源電位に引込みます。その
接続によって、ダイオード接続のQ4電流が増加します。
Q3によってミラーされ、R3を流れるこの電流によって、
レギュレータに帰還する電圧が増加します。
+5V
R6
47k 1%
R7
47k 1%
R8
15k 1%
Q2
BC858B
Q1
BC858B
R2
47k 1%
上述のような帰還動作によって、レギュレータに追加
出力エネルギーが全く要求されないので、内部パルス
周波数変調(PFM)により全ての電源変換サイクルがサス
ペンド状態に設定されるシャットダウン動作にレギュ
レータが適合することになります。最小値が10kΩの
抵抗負荷を接続すると、この状態が維持されている期間
中にD1を通過するリーク電流によって出力コンデンサ
(C2)が完全な充電状態になる事態の発生が防止されま
す。IC1が+5V入力で(その設計目的に従って)ブースト
コンバータとして動作するときに、+12V出力から約
150mAの出力電流を供給します。これに対してステップ
4.2V SEQUENCING
THRESHOLD
R5
15k
1
2
4
C2
220mF/10V
OS-CON
10SA220M
Q4
BC858B
Q3
BC858B
3
R4
39k 1%
R9
15k 1%
OUTPUT
-5V,
400mA
R1
82k 1%
LBO
IC1
V+ 8
7
LBI MAX761CSA LX
FB
GND
SHDN
REF
R3
33k 1%
C3
100nF
6
L1
33mH
COILTRONICS
UNI-PAC
UP2-330
D1
ES1B
5
C1
68mF/20V
OS-CON
20SA681
-8V TO -16.5V
図1. この負電圧ステップダウンレギュレータは-12Vの定格電源から-5V
電源を生成し、パワーアップ及びパワーダウン時に別個に安定化さ
れた正しい+5V電源シーケンスで-5V電源を供給します。
11
DESIGN SHOWCASE
インダクタが全く不要な
安定化LCDバイアス発生器
IC1回路の帰還経路にディスクリート構成の外部
チャージポンプ(C3、C4及びショットキダイオード
で構成)を挿入すれば、下記の数式に従って帰還抵抗
R1とR2の比によってその安定化出力レベルが設定さ
れる「インバータ・クワドラプラ」回路が形成され
ます。
情報携帯端末(PDA)やパームトップコンピュータ
用のPCボードはその高さサイズが厳しく制限されて
いるので、スイッチモード電源に高さの低い高価な
インダクタを使用する必要性に迫られています。し
かしその置換え用として、ある特定のスイッチモード
電源回路の代わりにチャージポンプを基本とした回
路(図1)を使用することが可能です。例として示すこ
の回路は、LCDのバイアシングに最適な安定化され
た負電圧を生成します。
VOUT = -VIN(R1/R2)
回路を図のように構成すると、V OUT =-18V時で
15mAまでの電流が供給され、76%の変換効率と60mV
の出力電圧リップルが維持されます。VOUTを小さく
すると、出力電流は更に高くなり、VOUT =-15Vの
ときに20mAそしてV OUT =-12Vのときに30mAの
出力電流がそれぞれ供給されます。
IC1回路には-2VINの非常に高い出力電圧を生成す
る安定化された反転チャージポンプが内蔵されてお
り、その電源電圧を+1.8Vから+5.5Vまでの電圧範
囲とすることができます。このICは最大周波数が
450kHzのパルス周波数変調(PFM)によってVOUTを
安定化します。このICの消費電流は低いので(30µA)、
全負荷能力を損なうことなく優れた軽負荷効率性を
提供します。
INPUT
5V
R2
100k
9
7
SHDN
8
C2
0.22mF
6
C2+
10
IN
FB
C1+
IC1
C1OUT
PGND
4
C3
0.1mF
OUTPUT
-18V AT 15mA
5
C1
0.1mF
MAX868
C2-
R1
360k
IC2*
CMPSH-3S
3
C5
1mF
2
C4
1mF
GND
1
*IC2: CENTRAL SEMICONDUCTOR CMPSH-3S
図1. IC1回路の帰還経路に僅かな数の低価格部品を追加すると、約-4VINの非常に高い安定化出力電圧を生成することが可能です。
12
DESIGN SHOWCASE
±40Vの過電圧保護性能を備えた
冗長性トランシーバRS-232通信リンク
RS-232規格は主に、1つのトランスミッタと1つ
のレシーバ間におけるポイントトゥポイント通信を
目的として規定されていますが、状況によっては複
数個のトランシーバをリンクに接続することが必要
な場合があります。例えば、このような場合に冗長
性を備えた複数個のトランシーバを使用すれば、安
全性が重要視されるアプリケーションにおいて信頼
性が更に改善されます。
状態になります。トランシーバに内蔵されている
チャージポンプによってラインプロテクタに電源が
供給されるので、電源を供給するトランシーバの
パワーがオフになったりシャットダウン状態になる
と、該当するどちらかのラインプロテクタの電源が
失われてしまいます。従って、非アクティブ状態の
トランシーバのライン接続は自動的に断たれます。
トランシーバの | ±5V | トランスミッタ出力仕様に
適合する上で十分な電源ヘッドルームをラインプ
ロテクタが確実に備えることを保証するには、ダイ
オードとコンデンサで構成するチャージポンプを外付
けし、トランシーバのV-出力をもっと大きな負電位
レベルまでブーストします。トランシーバがシャット
ダウン又はターンオフ状態のときに、100kΩ抵抗に
よってこの負電源が放電されます。システムの各種
ステートの要約を表1にまとめています。
しかし、複数個のトランシーバはデータバスを
ロードします。例えば、2個の個別のMAX211トラン
シーバに内蔵されている各2個のトランスミッタをそ
れ ぞ れ (同 一 リ ン ク に )パ ラ レ ル 接 続 す る 場 合 に 、
データバスのロードによって未使用デバイス(シャット
ダウン又はパワーオフの状態)がアクティブ状態の
デバイスに悪影響を及ぼします。図1に示す回路はこ
のような問題発生を回避すると同時に、トランシー
バとラインプロテクタ間の過電圧保護性能(±40V)を
改善します。
表1. システムのステート
パラレル接続の各RS-232トランシーバ(IC1及び
IC2)はそれぞれ、2端子のマルチチャネルラインプロ
テクタ(IC3及びIC4)によってバッファされます。こ
のラインプロテクタの各入力-出力ペア間抵抗は通常
約60Ωの値になりますが、パワーをオフにしたとき
又はどちらかの端子電圧が電源電圧の+1.5V以内ま
で増加したときに、その抵抗値はハイインピーダンス
Txの状態
Tx
(V+)
Tx
(V-)
ライン
プロテクタ
(V-)
アクティブ
~2VCC
~-2VCC
~-3VCC
シャットダウン
VCC
グランド
グランド
パワーオフ
グランド
グランド
グランド
(次ページに続く)
13
+5V
+5V
IC2
MAX211
IC1
MAX211
VCC
C1+
-5V TO +10V V+
VOLTAGE DOUBLER
C1-
IC4
MAX367
+5V
-5V TO +10V V+
VOLTAGE DOUBLER
C1-
T1OUT
IN1
IC3
MAX367
+5V
V+
400k
T1
VCC
C1+
V+
400k
OUT1
+5V
T1
T1OUT
IN1
OUT1
T2OUT
IN2
OUT2
+5V
400k
400k
T2OUT
T2
IN2
OUT2
+5V
T2
+5V
400k
IN3
OUT3
R1OUT
T3OUT
T3
+5V
400k
T4
+5V
MAX207
400k
T3OUT
T3
+5V
IC5
OUT3
IN3
VCC
C1+
-5V TO +10V
VOLTAGE DOUBLER
C1-
V+
400k
T4OUT
R1
T4OUT
T4
IN4
OUT4
R1OUT
R1
OUT4
IN4
+5V
5k
R2OUT
R2
5k
IN5
OUT5
R2OUT
R2
IN5
OUT5
T1OUT
400k
T1
+5V
5k
5k
400k
T2OUT
R3OUT
R3
IN6
OUT6
R3OUT
5k
R4OUT
R4
IN7
OUT7
R4OUT
EN
SHDN
R5
OUT8
V-
5k
C2+
R5OUT
EN
SHDN
400k
IN7
R4
400k
R5
IN8
T4
V-
5k
+5V
OUT8
400k
T5OUT
R1
+10V TO -10V VVOLTAGE INVERTER
C2- GND
T3
+5V
OUT7
T4OUT
C2+
+10V TO -10V VVOLTAGE INVERTER
+5V
T3OUT
5k
IN8
T2
OUT6
5k
5k
R5OUT
IN6
R3
R1OUT
5k
C2- GND
R2OUT
R2
SYSTEM 2
T5
SYSTEM 1
5k
100k
100k
R3OUT
R3
5k
C2+
+10V TO -10V
VOLTAGE INVERTER
GND C2-
V-
MONITOR
図1. ラインプロテクタIC3及びIC4は、2個のパラレル接続トランシーバ(IC1及びIC2)のどちらか一方が非アクティブ状態(シャットダウン又は
ターンオフ)の期間中にデータバスをロードする事態の発生の防止します。
14
NEW PRODUCTS
8ピンµMAX
パッケージに収められた
10ビット及び12ビット
シリアル入力ADC
10ビットA/Dコンバータ(ADC)のMAX157/
MAX159は、+2.7Vから+5.25Vまでの電
圧範囲の単一電源で動作します。この2つの
デバイスはそれぞれ6.4µs変換時間の逐次比
較型ADC、自動パワーダウン及び高速ウェ
イクアップ(2.5µs)機能、クロック、そして
高速3 線シリアルインタフェースを8 ピン
DIP又はµMAXパッケージに内蔵していま
す。MAX144/MAX145は、MAX157/
MAX159とピンコンパチブルの1 2ビット
アップグレード製品です。この2つのデバイ
スは、10ビットバージョンの全ての機能を
備えた5µs変換時間の逐次比較型ADCです。
これらのコンバータ製品は低電力動作、優れ
たダイナミック性能、使いやすさ及び小型
サイズのパッケージを特長としているので、
バッテリ電源動作のデータ収集やその他の
アプリケーションに最適です。
10ピンµMAX
パッケージに収められた
8ビット、2チャネル
シリアル入力ADC
MAX1108/MAX1109 ADCは内部トラック/
ホールド、電圧リファレンス、クロック、
シリアルインタフェース、そしてユニポーラ/
バイポーラ動作及びシングルエンド/差動の
各動作をソフトウェアで設定可能なアナログ
入力を備えたバッテリモニタ機能を内蔵して
います。この2つのコンバータ製品は低電力
動作、優れたダイナミック性能、使いやすさ
及び小型サイズのパッケージを特長としてい
るので、バッテリ電源動作のデータ収集や
その他のアプリケーションに最適です。
MAX1108は+2.7Vから+3.6Vまでの電圧
範囲の単一電源で動作するように仕様が規定
されており、その消費電流は1 0 5µAです。
MAX1109は+4.5Vから+5.5Vまでの電源電
圧範囲で仕様が規定されており、その消費電流
VDD=+3.6Vでの最大サンプリングレート
(108ksps)動作時における消費電力は僅か
3.2mWです。これよりも低いスループット
レ ー ト 動 作 時 に は 、 消 費 電 流 を 0 . 2 µA に
低減するシャットダウン動作モード(各変換
サイクルの終了期間)を使用して消費電力を
更に抑えることが可能です。MAX144/
MAX157は2つのシングルエンド入力を
備えています。MAX145/MAX159は1つの
疑似差動入力を備えています。この全ての
デバイスは0 からVREFまでの電圧範囲の
入力を受け付けます。外部クロックの供給に
よって、SPITM、QSPITM及びMICROWIRE TM
標準規格とコンパチブルな3線シリアルインタ
フェースを通して出力データにアクセスで
きます。
これらのデバイスは全て8 ピンDIP及び
µMAXパッケージで提供されています。価格
については、1,000個以上購入時の単価で
10ビッ ADC¥350(MAX157/MAX159)、
そして12ビットADCが¥520(MAX144/
MAX145)からとなっています。
SPI及びQSPIはMotorola, Inc.の商標です。
MICROWIREはNational Semiconductor Corp.
の商標です。
は130µAです。フルスケールアナログ入力
電圧範囲は+2.048V (MAX1108)又は
+4.096V (MAX1109)の内部リファレンス
電圧、あるいは+1VからV DD までの範囲の
外部供給リファレンス電圧によって決定さ
れます。この両方のADCは、デバイスが使
用されていないときに消費電流を0.5µAに
低減するソフトウェアパワーダウン動作
モードを特長としています。
0.0015%のINLを
保証する18ビットの
シグマ・デルタADC
MAX1400/MAX1402は、480spsまで
16ビット性能(0.0015% INL)が保証され
たマルチチャネルの18ビットADCです。こ
の2つのデバイスは4800spsまでの高い変
換レート動作の場合に、他の同等デバイス
よりも10倍高速に粗調整測定を実行すると
同時に、12ビット性能(0.024% INL)を維
持します。これらのデバイスはその高い精
度によって、工業用プロセス制御及び圧力
トランスデューサなどの広いダイナミック
レンジが必要とされるアプリケーションに
最適です。
これらのデバイスは+5Vのアナログ電源、
そして+3V又は+5Vのディジタル電源で動作
します。消費電力は1.5mWと非常に低く、
シャットダウン動作モード時には更に50µW
以下まで低減されます。MAX1402はセンサ
励起用としてマッチングされた200µAの電流
ソースを供給します。MAX1400では、ADC
入力に直接アクセスして信号調節回路を追加
挿入することができます。
これらのコンバータには、ロジックを外付け
する必要なくSPI、QSPI及びMICROWIREデバ
イスと直接的に接続される4線シリアルイン
タフェースが備わっています。各デバイス
は、内部クロック又は外部シリアルインタ
フェースクロックどちらかの使用時で
50kbpsまでのデータレートをサポートする
能力を備えています。
これらのADCではスイッチングネットワー
ク、プログラマブルゲインアンプ(PGA)、2つ
のバッファ、システムオフセット補正用DAC、
内部発振器、ディジタルフィルタ、変調器そ
して双方向シリアルインタフェースが1個の
28ピンSSOPパッケージに全て集積化されて
いるので、回路基板面積と設計時間が大幅に
節減されます。システムオフセット(選択した
フルスケール範囲の117%まで)は、内蔵のオ
フセット補正用DACによって補正されます。
アナログ入力を5つの完全差動入力チャネルと
して構成するか、あるいは5つの疑似差動入力
チャネル及び2つの差動入力チャネルとして構
成することが可能です。その他の特長として
ユーザ設定が可能な自動チャネルスキャニング
機能、連続データ出力モード及びコンバート
オンコマンドモードが挙げられます。
MAX1108/MAX1109の各ADCは10ピン
µMAXパッケージで提供され、価格について
は¥190(1,000個以上購入時の単価)から
となっています。
MAX1400/MAX1402は2 8ピンSSOP
パッケージで提供され、価格については
¥1,100(1,000個以上購入時の単価)から
となっています。
SWITCHING
NETWORK
BEST INTEGRATION
REFERENCE
M
U
X
x1
PGA
MODULATOR
x1
T/H
8-BIT ADC
POWERDOWN
OFFSET
CORRECTION DAC
400
X1
MA
CLK
SPI™/MICROWIRE™COMPATIBLE
SERIAL INTERFACE
MAX1108
4-WIRE SERIAL INTERFACE
15
FILTER
NEW PRODUCTS
10ppm/℃以下の
電圧リファレンスを
内蔵した12ビット及び
13ビットDAC
MAX5120/MAX5130ファミリデバイス
はシリアル入力、電圧出力、そしてレイル
トゥレイル®出力アンプと高精度バンドギャッ
プ電圧リファレンスを内蔵した12ビット及び
13ビットのディジタルアナログコンバータ
(DAC)です。これらのデバイスは他の電圧リ
ファレンスを内蔵したデバイスとは異なり、
拡張工業用温度範囲( - 4 0℃~ + 8 5℃)で
10ppm/℃よりも低い電圧リファレンス温度
係数が保証されています。+5Vの単一電源で
動作するこれらのコンバータでは更に
±1 / 2 L S B の 積 分 非 直 線 性 と 単 調 増 加 性
(±1LSBの最大微分非直線性)も保証されてい
ます。
これらの低電力DACファミリを構成する
4 つのデバイスは+ 3 V単一電源で動作し、
他の4つのデバイスは+5V単一電源で動作し
ます。この各デバイスの消費電流は僅か
500µAです(パワーダウン動作モード時には
僅か3µAに低減されます)。更にパワーアップ
リセット機能が用意されているので、パワー
アップ時にゼロスケール又はミッドスケール
どちらかの初期出力状態をユーザ選択する
ことが可能で、これにより出力グリッチが
最小限に抑えられます。内部アンプの出力
及び反転入力にアクセスすることが可能な
ので、ユーザは幅広いフォース-センスアプ
リケーションで特定の利得設定、リモート
センシング及び高い出力駆動の機能性を
備えた回路を構成することができます。
バッファ出力は、5 kΩ/ 1 0 0 p F負荷又は
4~20mA電流ループを駆動する能力を備え
ています。
電圧出力デバイスは12ビットの
MAX5120/MAX5121及び1 3ビットの
MAX5130/MAX5131です。フォース-セン
スバージョンは1 2ビットのMAX5122/
MAX5123及び1 3ビットのMAX5132/
MAX5133です。これらのDACは省スペース
の1 6ピンQSOPパッケージで提供され、
価格については¥470 (1,000個以上購入時
の単価)からとなっています。
僅か4サイクルの
レーテンシを特長とした
16ビット、1Msps、
セルフキャリブレー
ションADC
MAX1200は16ビット、1Mspsのセルフ
キャリブレーションADCです。このCMOS IC
は計測、通信及び画像処理の各アプリケー
ション用に開発されており、セルフキャリブ
レーション機能を備えたパイプライン構造の
採用によって、最高の1Mspsサンプルレート
時で16ビットの直線性が確保されています。
シグマ・デルタ及び積分タイプなどの他の高
分解能コンバータと異なり、MAX1200は
±0.5LSBの微分非直線性(DNL)を維持し、し
かもレーテンシ間隔が僅か4クロックサイクル
に低減されています。この短いレーテンシ時
間は、サンプルの一致及びシステムスルー
プットを維持すると同時に異なる入力チャネル
を多重化することが必要なデータ収集システ
ムで重要視される要素になります。
SOT23パッケージの
固定利得、
レイルトゥレイル
オペアンプ
MAX4174/MAX4175ゲインアンプ(GainAmpTM)ファミリ(利得設定及び内部VCC/2バイ
アス用の抵抗を内蔵したオペアンプ )は、その
生産時点でトリミング済みの内部抵抗を備え
ているので、0.1%の優れた利得精度が提供
されると同時に、回路レイアウトのサイズと
コストが最小限に抑えられます。
この各ゲインアンプは単一電源(+2.5V~
+5.5V)で動作し、-0.25V/Vから-100V/ Vま
での範囲内の反転利得設定あるいは
+1.25V/Vから+101V/Vまでの範囲内の非反
転利得設定が可能で、合計27の異なる利得設
定を行なうことができます。この2つのデバ
イスは23MHzの非常に高い利得帯域幅積を達
成し、しかも入力高電圧フォルト保護回路が
用意されているので、各入力電圧が±17Vま
通信アプリケーションの場合、MAX1200
は100kHzのアナログ入力周波数時で91dBの
SFDR、87dBのSNR及び87dBのTHD性能を
提供します。±VREFの入力スイングを受け付け
る完全差動入力の内蔵トラック/ホールドに
よって、ナイキストAC性能が保証されていま
す。MAX1200にはパラレル、スリーステート、
CMOSコンパチブルの2の補数データフォー
マット出力が使用されています。+5V(又は
+3Vディジタル)の単一電源動作時に消費電力
は僅か273mW(typ)に低減されています。
MAX1200ACMHは1LSB(最大値)のDNLと
ノーミスコードが保証されており、価格につ
いては¥3,110(1,000個以上購入時の単価)
からとなっています。MAX1200BCMHはAC
アプリケーションのみに仕様が規定されてお
り、価格は¥2,330(1,000個以上購入時の単
価)からとなっています。これらのデバイスは
44ピンMQFPパッケージで提供されています。
設計時間の節減に有効な評価用キット(価格:
¥11,690)を用意しています。
で高くなっても過度の電流消費を引き起こさ
ない動作が可能です。
この各ゲインアンプには固定利得の
MAX4174、そして固定利得に加えて非反転
入 力 の 内 部 V CC / 2 バ イ ア ス 設 定 が 可 能 な
MAX4175の2つのバージョンが用意されて
います。選択可能な標準利得値のリストは、
マキシム社の「製品選択ガイド」に記載されて
います。高利得バージョンでは、周波数補償
が最適化されています。
これらのゲインアンプの出力スイングは
レイルトゥレイルで、優れたDC精度を維持す
ると同時に、1kΩの抵抗性負荷駆動能力を備
えています。この各アンプは470pFまでの容
量性負荷に対して安定性を維持します。この
ゲインアンプファミリは5ピンSOT23、8ピン
SOP及び8ピンµMAXの各種パッケージが用意
されています。価格については、¥9 0
(1,000個以上購入時の単価)からとなってい
ます。
Gain-Ampはマキシム社の商標です。
+2.5V TO +5.5V
OUT
レイルトゥレイルは日本モトローラ社の登録商標
です。
VCC
MAX4175
GND
IN+
16
IN-
NEW PRODUCTS
マキシム社の新しい低ドロップアウト、
高精度電圧リファレンスファミリ・デバイス
(MAX6190/MAX6191/MAX6192及び
MAX6194/MAX6195/MAX6198)はそれ
ぞれ1.250V、2.048V、2.500V、
4.500V、5.000V及び4.096Vの出力電圧
を供給します。この各デバイスには、出力
温度係数(5ppm/℃、10ppm/℃又は
25ppm/℃)そして初期精度(±2mV、±5mV
及び±10mV)の異なる3つのグレードがそれ
ぞれ用意されています。3.000V出力バー
ジョンは近日発売予定です。
これらのデバイスは自己消費電流が低く
(35µA(max))、実質的に入力電圧変動の
影響を受けないので、バッテリ駆動の計測
機器に理想的な直列モードのバンドギャッ
プ電圧リファレンスとなっています。この
各電圧リファレンス独自に採用されている
内部曲率補正回路とレーザトリミングが施
された高精度薄膜抵抗によって、5ppm/℃
(max)の非常に低い温度係数が提供されてい
ます。
ラインレギュレーションは8µV/ Vで、負荷
レギュレーション(0.12µV/ V)は500µAまで
のソース及びシンク電流に対して保証されて
います。これらのデバイスは内部補償が行な
われており、2.2nFまでの容量性負荷に対し
て安定動作を維持します。ドロップアウト
電圧は500µAの負荷電流時で僅か100mVで
す。これらのリファレンス製品は8ピンSOP
パッケージで提供され、価格については
¥310(1,000個以上購入時の単価)からと
なっています。
1.25V OUTPUT
ONLY
2.5V
MAX6190
8-PIN SO
クリックレス動作
モード機能を備えた
オーディオ/ビデオ
クロスポイントスイッチ
MAX4550/MAX4570アナログクロスポイン
トスイッチは、オーディオ/ビデオのマルチ
メディアアプリケーションに最適です。これ
らのプログラマブルデバイスは、4入力及び2
出力そしてオフアイソレーションを改善する
ためのシャントととして使用することが可能
な2つの追加クロスポイント入力(SA及びSB)
で構成される2個の全く同じクロスポイント
スイッチアレイをそれぞれ内蔵しています。
クリックレス又は通常のモード動作用に各
出力をプログラム設定することが可能です。
MAX4550にはI2CTMシリアルインタフェース
規格にコンパチブルな高速2線シリアルインタ
フェースが用意され、MAX4570にはSPI、
QSPI及びMICROWIRE規格にコンパチブルな
3線シリアルインタフェースが用意されてい
ます。オン抵抗(43Ω)マッチングは5Ω以下、
そして平坦性は4Ω以下にそれぞれ抑えられ
ています。
この各デバイスは0.014%の全高調波歪み
(THD)を特長としています。オフアイソレー
ションの測定値はオーディオ周波数範囲にお
いて少なくとも-110dB、そして4.2MHz時で
-78dBです。クロストークはオーディオ周波
数範囲において-95dB、そして4.2MHz時で
-54dBです。ACカップリングアプリケーション
用として一組の抵抗分圧器が内蔵されており、
これにより各出力をDCバイアスすることがで
きます。
MAX4550/MAX4570は28ピンSSOPパッ
ケージで提供され、価格については¥3 9 0
(1,000個以上購入時の単価)からとなってい
ます。
I2CはPhilips Corp.の商標です。
17
オン抵抗1.25Ωの
SPST、CMOSデュアル
アナログスイッチ
MAX4580/MAX4590/MAX4600デュアル
SPSTアナログスイッチは僅か0.9Ωの低い
オン抵抗(1.25Ω(max))、(IC内部で維持さ
れる)0.5Ω(max)以下のオン抵抗マッ
チング、そして(規定信号範囲内で)0.5Ω
(max)以下に抑えられたオン抵抗平坦性を特
長としています。この各スイッチは全てレ
イルトゥレイルアナログ信号を扱います。
MAX4580には2個のノーマリクローズ
(NC)スイッチ、MAX4590には2個のノーマリ
オープン(NO)スイッチ、そしてMAX4600に
はNCスイッチとNOスイッチが1個ずつ備
わっています。これらのスイッチは回路基板
スペースを節減し、低電力動作に加えて、
機構部品のリレーよりも高い信頼性が保証さ
れているので、機械式動作リレーよりも優れ
た代替製品としてこれらのスイッチを電流
スイッチングアプリケーション及び自動テス
ト装置に使用することができます。この各
スイッチは、低歪み性能が要求されるアプリ
ケーションにも最適です。
MAX4580/MAX4590/MAX4600は
+4.5Vから+36Vまでの電圧範囲の単一電
源、あるいは±4.5Vから±20Vまでの電圧範
囲のデュアル電源で動作します。+12V
単一電源又は±15Vデュアル電源動作時に、
全ディジタル入力の0.8V/2.4Vロジック
スレッショルド設定によって、TTL/CMOS
ロジックコンパチビリティが保証されてい
ます。ESD保護は3015.7法に準拠して2kV
以上です。
これらのデバイスは省スペースの16ピン
SSOP、DIP及びナローSOPパッケージで提
供され、価格については¥360(1,000個以
上購入時の単価)からとなっています。
ON-RESISTANCE vs. VCOM
5
V+ = +15V
V- = -15V
4
MAX4604
RON (W)
低ドロップ
アウト電圧の
高精度マイクロパワー
電圧リファレンス
3
2
MAX4607
1
MAX4580
0
-15 -14 -13 -12 -10 -8 -6 -4 -2
0
2
VCOM (V)
4
6
8 10 12 13 14 15
NEW PRODUCTS
クリックレス動作を
提供するシリアル制御の
アナログスイッチ
MAX4571~MAX4574はプログラマブル
スイッチアレイで、コントローラのI/Oポート
割当て数を最小限に抑えると同時に、パッ
ケージ当たりのスイッチ数を最大限に維持し
ます。これらのデバイスに内蔵されている
スイッチをクリックレスオーディオ動作が可
能なソフトスイッチングモード動作又は標準
のオーディオ/ビデオ動作用に、シリアルイン
タフェースを通してそれぞれ個別にプログラ
ミング設定することができます。MAX4571/
MAX4573の各デバイスには11個の単極/
単投(SPST)スイッチが内蔵されており、
MAX4572/MAX4574の各デバイスには6個
の単極/双投(SPDT)スイッチと2個のSPST
スイッチが内蔵されています。
MAX4571/MAX4572の各デバイスは2線
のI2Cコンパチブルシリアルインタフェースを
特長とし、MAX4573/MAX4574の各デバイ
スは3線のSPI TM /QSPI TM コンパチブルシリ
アルインタフェースを特長としています。こ
の4つのデバイスは全て+2.7Vから+5.5Vま
での電圧範囲の単一電源で動作します。
これらのデバイスは25Ω(typ)のオン抵抗、そ
して-90dB(typ)のクロストーク及び
オフアイソレーション性能を備えています。
アプリケーションとしてオーディオ、ビデオ、
マルチメディア及び工業用システムにおける
複数信号の分配が挙げられます。
MAX4571∼MAX4574の各スイッチは
2 8ピンQSOP、SSOP及びワイドSOP
パッケージで提供されています。価格につ
いては、¥500(1,000個以上購入時の単
価)からとなっています。
オン抵抗2.5Ωの
クワッドSPST
アナログスイッチ
MAX4601/MAX4602/MAX4603は、2.5Ω
(max)の低いオン抵抗、0.5Ω(max)以下のオン
抵抗マッチング、そして規定信号範囲内で0.5Ω
(max)以下に抑えられた平坦性を特長とした
クワッドSPSTアナログスイッチです。
これらのCMOSスイッチは低電力動作、小型
サイズを特長とし、機構部品のリレーよりも高
い信頼性が保証されているので、低歪みアプリ
ケーションに理想的です。機械式動作リレーよ
りも優れた代替製品として、これらのスイッチ
を電流スイッチングアプリケーション及び自動
テスト装置に使用することができます。
±20Vまで動作する
シングル8チャネル
デュアル4チャネル
キャリブレーション・
マルチプレクサ
MAX4578(8チャネル)及びMAX4579
(デュアル4チャネル)キャリブレーション・
マルチプレクサは高精度な電圧レベル出力を
供給する高精密抵抗ネットワークを内蔵し、
外部システム又はADCのモニタ及びキャリ
ブレーションを実行することが可能です。こ
の2つのデバイスは±4.5Vから±20Vまでの電
圧範囲のデュアル電源で動作します。
CALピンとENピンを同時にアサートする
と、3本のアドレスピン(A0、A1、A2)を
使用して各種のキャリブレーション及びシス
テムモニタ機能を選択することができます。
この各マルチプレクサは15Ω(max)以下に
マッチングされた400Ωのオン抵抗、そして
非常に低いオフ及びオンチャネル時のリーク電
流(+25℃時で50pA以下)性能を備えていま
す。各スイッチはレイルトゥレイルのアナロ
グ信号を扱うことができます。全てのディジ
タル入力はTTL/CMOSコンパチブルで
(0.8V/2.4Vのロジックスレッショルド付)、
3015.7法に準拠した2kVを超えるESD電圧
保護が保証されています。
MAX4578/MAX4579は小型サイズの20
ピンSSOP、SOP及びプラスチックDIPパッ
ケージで提供されています。価格については、
¥350(1,000個以上購入時の単価)からと
なっています。
MAX4601には4個のノーマリクローズ
(NC)スイッチ、MAX4602には4個のノーマ
リオープン(NO)スイッチ、そしてMAX4603
にはNCスイッチとNOスイッチが2個ずつ
備わっています。この各スイッチはレイル
トゥレイルのアナログ信号を扱うことが可能
で、オフリーク電流は+85℃時で僅か
2.5nA(max)です。これらのデバイスは+4.5V
から+36Vまでの電圧範囲の単一電源、ある
いは±4.5Vから±20Vまでの電圧範囲のデュ
アル電源で動作します。+12V単一電源又は
±15Vデュアル電源動作時に、ディジタル入力
の0.8V/2.4Vスイッチングスレッショルド設定
によって、TTL/CMOSロジックとのコンパチ
ビリティが保証されています。ESD保護は
3015.7法に準拠して2kV以上です。
18
複数の動作モードを
備えた8チャネル
マルチプレクサ
MAX4598低電圧CMOSアナログマルチ
プレクサ(mux)は、8チャネルのシングル
エンド入力又は4チャネルの差動入力として
構成することが可能です。全ての入力チャ
ネルはレイルトゥレイルのアナログ信号を
扱うことができます。このデバイスは、V+
及びGNDを出力に接続する追加内部スイッチ
の動作を通して(その入力チャネルだけでな
く)その電源電圧もモニタすることが可能で
す。更に内部アドレスラッチによって、標
準マルチプレクサ又は「ラッチ付き」マルチ
プレクサとして動作させることもできます。
M A X 4 5 9 8は±6 V の デ ュ ア ル 電 源 又 は
+2.7Vから+12Vまでの電圧範囲の単一電源
で動作します。このデバイスは低いオン抵
抗(75Ω max)と低いチャージインジェク
ション(2pC typ)性能を備え、+5V又は±5V
電源動作時にそのディジタル入力はTTLコン
パチブルです。オフリーク電流は+25℃時
で僅か0.1nA、そして+85℃時で2nAです。
ESD保護は3015.7法に準拠して2kV以上
です。
M A X 4 5 9 8 は2 0 ピンD I P、S S OP及び
SOPパッケージで提供され、価格について
は¥350(1,000個以上購入時の単価)から
となっています。
MAX4601/MAX4602/MAX4603の各ス
イッチは1 6ピンDIP、ワイドSOP及び
SSOPパッケージで提供され、価格について
は¥330(1,000個以上購入時の単価)から
となっています。
NEW PRODUCTS
利得のプログラム
設定が可能な
アップストリーム
CATVアンプ
クロック合成回路と
LVDS入力を備えた
622Mbps、
4:1 データシリアライザ
MAX3510プログラマブルパワーアンプ
は、CAT Vアップストリームアプリケーション
用に設計されています。このデバイスは
電圧比が2:1のトランスを通して動作し、
64dBmVの非常に高い連続波形信号を出力
します。その可変利得は、3線シリアルインタ
フェースのディジタルデータバスを通して
1dBステップで制御されます。動作周波数
は5MHzから65MHzまでの範囲です。
TDMAシステムの性能を改善する目的で
MAX3510には、各データバースト間に出力
段の動作をシャットダウンすることによって
出力ノイズを最小限に抑える送信ディセーブル
モードが用意されています。このモードによ
ってデバイスが高い絶縁状態に設定されると
同時に、消費電流が25mAに低減されます。
送信ディセーブルモードに入るとき又は終了
するときの出力トランジェントが25mVを
超えることはありません。
2つのパワーダウン動作モードが用意され
ています。ソフトウェアシャットダウン動作
モードは全てのアナログ回路をパワーダウン
状態に設定しますが、利得のプログラム設定
は維持されます。完全なシャットダウン動作
モードに設定すると、全ての回路動作がディ
セーブルされて、消費電流が1 0µA以下に
低減されます。MAX3510は20ピンQSOP
パッケージで提供されています。
POWER-UP/DOWN TRANSIENTS
vs. OUTPUT LEVEL
TRANSIENT LEVEL (mVp-p)
100
MCNS SPEC
10
MAXIM DESIGN
MARGIN
1
0.4
0.1
0
10
MAX3510
PERFORMANCE
20
30
40
OUTPUT LEVEL (dBmV)
50
60
MAX3693 4:1データシリアライザは主に
SDH/SONET及びATM/SONETアプリケー
ション用に設計されており、4ビット幅の
155Mbpsパラレルデータを622Mbpsのシリ
アルデータに変換します。その他のアプリ
ケーションとして、アッド/ドロップマルチプレ
クサとディジタルクロス接続が挙げられます。
1/6の低バッテリ
消費電流で2Aの
GSM送信バーストを
駆動するIC
MAX1687/MAX1688は、GSM式電話及
びワイヤレスLANの送信サイクル期間中に
バッテリグリッチの発生を防止し、バッテ
リのピーク電流を最小限に抑えるステップ
アップDC-DCコンバータです。
標準的な携帯電話に使用されているR F
パワーアンプ(PA)を駆動するには、+3.6V
バッテリ(3個のNiCd電池又は1個のリチウ
ムイオン電池)を+5Vにブーストすることが
必要です。MAX1687/MAX1688デバイス
ではGSM式電話の送信バーストなどのパル
ス負荷電流に対応するために(1:8のデュー
ティサイクル)、送信オフ時間に平滑用コン
デンサを再充電し、バッテリからの消費電
流を低減する独自の制御方式(特許申請中)が
採用されています。送信パルスのサイクル
期間中、これらのDC-DCコンバータがターン
オフし、この動作設定によってバッテリが負
荷トランジェントから絶縁され、PAにおい
て発生するノイズが除去されます。
従来型のDC-DCコンバータの場合には、
送信動作の間に標準的な+5V駆動PAによっ
て要求される2Aの電流を供給するために、
バッテリから殆ど3Aに近い電流を消費しま
す。即ち、2A x [5V/(3.6V及び変換効率の
損 失 )] と な り ま す 。 こ れ と は 対 照 的 に 、
MAX1687/MAX1688は送信バーストの期
間中に消費電流をゼロに低減し、送信オフ
時間に消費電流を0.5A以下に低減すると同
時に(6倍の改善)、平滑用コンデンサの再充
電を行ないます。MAX1687を使用すると、
19
MAX3693は+3.3V電源で動作し、消費
電力は215mWです。このデバイスは低電圧の
差動信号クロック及びデータ入力を受け付け
て、高速ディジタル回路とのインタフェース
用に+3.3VのPECLシリアルデータを出力しま
す。このデバイスに完全に集積化された位相
ロックループ回路によって、155.52MHz、
77.76MHz、51.84MHz又は38.88MHzの外
部基準周波数信号から622Mbpsのシリアル
クロック信号が内部で合成されます。
MAX3693は32ピンTQFPパッケージで
提供されています。
最大のバッテリ電流を設定することができ
ます。MAX1688は出力電圧ドループを
サンプリングし、インダクタのピーク電流
を自動的に調整することでバッテリの消費
を最小限に抑えると同時に、GSMのタイ
ミングサイクル内で出力コンデンサを充電
します。
MAX1687/MAX1688にはFETを外付け
する必要がなく、しかも同期整流器が内蔵さ
れているので、外部ショットキダイオードを
使用する必要なしに90%を超えるブースト
効率が達成されます。パッケージは、標準
の8ピンSOP及び小型サイズの1 6ピン
TSSOPパッケージ(高さが1.1mm以下)が用意
されています。ユーザの開発設計時間の
短縮化を目的として、推奨の外付け部品が
実装されたアセンブリ済みの評価用キット
(MAX1688EVKIT)を用意しています。価格
については、¥270(1,000個以上購入時の
単価)からとなっています。
PULSED LOAD CURRENT
GSM TRANSMIT BURSTS EXAMPLE
2A
4.6ms
1A
0
577µs
BATTERY CURRENT
CONVENTIONAL SOLUTION
TIME
3A
2A
LARGE 3A PEAKS!
1A
0
BATTERY CURRENT
USING MAX1688
6x LOWER
TIME
NO DC-DC NOISE
IN TRANSMIT
1A
0.5A
0
TIME
NEW PRODUCTS
低価格カラー
ECB LCDの使用を
可能にする
高精度バイアス電源
MAX1729ステップアップDC-DCコン
バータは、電気制御複屈折(ECB)性能を備え
たタイプのカラーLCDの駆動用として設計
されています。ECB LCDは携帯電話、PDA
及びその他の小型携帯機器用にバッテリ消
費を最小限に抑える低価格のカラーディス
プレイとして使用されています。ECBディ
スプレイには、温度補償付きの高精度バイ
アス電圧も必要とされます。
MAX1729は高精度なバイアス電圧(±1%
以内)を供給し、しかも高精度な温度モニタ
回路をチップ上に集積化しているので、温
度及び入力電圧の変動に対して常に一定の
ディスプレイカラーとコントラストが保証
されます。このデバイスには消費電流が僅
か60µAの低電力ブーストコンバータ、その
後段に配置されてノイズ及びリップルを最
小限に抑える低ドロップアウト電圧
リニアレギュレータ、高精度な可変出力電
圧、そしてディスプレイコントローラに
よるディスプレイのカラー及び温度特性の
マッチング動作を可能にする温度センサが
それぞれ内蔵されています。
ユーザの開発設計時間の短縮化を目的と
して、推奨の外付け部品が実装された
アセンブリ済みボードの評価用キット
(MAX1729EVKIT)を用意しています。
MAX1729は、回路基板の占有面積が標
準の8ピンSOPパッケージの1/2で、しかも
高さが僅か1.09mmの超小型10ピンµMAX
パッケージに収められています。価格につ
いては、¥300(1,000個以上購入時の単
価)からとなっています。
MAX1729
ECB COLOR vs. VOLTAGE
WHITE
TRANSMITTANCE
GREEN
RED
BLUE
BIAS VOLTAGE
CONSISTENT
COLOR
REQUIRES
AN ACCURATE
BIAS VOLTAGE
LDOレギュレータより
優れた低電圧ロジック
電源用超小型スイッチャ
す。これと同じ条件下でMAX1692は90%の
変換効率を達成し、消費電力も僅か90mWな
ので、LDOレギュレータと比較すると10倍の
改善が実現されます。
MAX1692は、コアロジック電源電圧が
例えば+3.3Vから+2.5V及び+1.8Vに低電
圧化される技術トレンドの中でそのニーズ
に対応する目的で設計されたステップダウン
DC-DCコンバータです。この技術トレンド
により、携帯型機器の消費電力低減とバッ
テリ寿命期間の拡張が可能になってきます
が、実際にはこの目的に低ドロップアウト
電圧(LDO)レギュレータが頻繁に使用され
ています。この方法では、LDOレギュレータ
内部の熱及び電力消費によってエネルギーが
浪費されてしまいます。超小型で高効率の
MAX1692はこの電力損失を回避すると同時
に、+1.25Vの非常に低い安定化出力電圧か
ら600mAまでの出力電流を供給します。
MAX1692はFETを外付けする必要がな
く、しかも回路基板の占有面積が標準の
8ピンSOPパッケージの1/2で、高さが僅か
1.09mmの超小型10ピンµMAXパッケージ
に収められています。このデバイスは同期
整流器を内蔵しているので、ショットキ
ダイオードを外付けする必要がなく、95%
の非常に高い変換効率を達成しています。
高いスイッチング周波数(750kHz)によって
非常に小さなインダクタの使用が可能にな
り、ノイズを最小限に抑える固定周波数
PWMモードあるいは無負荷時消費電流を僅
か85µAに低減するIdle ModeTM方式どちら
かの動作が可能です。ロジックレベルシャッ
トダウンで消費電流を0.1µAまで低減します。
リチウムイオンバッテリ(+3.6Vの定格電
圧)を500mAで+1.8Vの携帯電話ベースバン
ドのコアロジック電圧にステップダウンする
場合、完全な性能を備えたLDOレギュレータ
でもその最大変換効率は出力電圧対入力電圧
比、即ち50%に過ぎません。900mWの出力
パワーを供給するためには、LDOレギュレー
タは900mWの熱消費を行なうことになりま
ユーザの開発設計時間の短縮化を目的
として、推奨の外付け部品が実装された
アセンブリ済みボードの評価用キット
(MAX1692EVKIT)を用意しています。価格
については、¥300(1,000個以上購入時の
単価)からとなっています。
メイン電源と28Vの
LCDバイアス電源を
生成する超小型
DC-DCコンバータ
MAX1677は、メイン出力(+3.3V、ある
いは+2.5Vから+5.5Vまでの範囲内の可変
電圧)から350mAまでの出力電流を供給する
と同時に、1セル又は2セルのバッテリ入力
からLCDバイアス電源(+28Vまでの正又は
負極性電圧)として使用される可変の補助電
圧出力を供給するデュアル出力のステップ
アップDC-DCコンバータです。MAX1677
を使用して構成される電源システムは小型
サイズで、しかも高集積化され、PDA及び
GPSレシーバなどのバッテリ駆動の携帯型機
器に最適となります。
MAX1677は外部FETが全く不要で、しかも
同期整流器を内蔵しているので、ショットキ
ダイオードを外付けする必要がなく、95%の
非常に高い変換効率を達成しています。この
デバイスには、ワイヤレスアプリケーション
でノイズを最小限に抑える300kHzの固定周波
数PWMモード、そして低い消費電流(30µA)の
維持によってバッテリの有効寿命期間を拡張
20
Idle Modeはマキシム社の商標です。
する低電流PWMモードの2つの動作モードが
用意されています。更にロジックレベルの
シャットダウン機能も用意されているので、
メイン電源と無関係にLCDレギュレータの動
作をシャットダウンさせることが可能です。
両方のレギュレータがオフのときに、消費
電流は1µA以下まで低減されます。
ユーザは極性制御入力を使用して、28Vま
での正又は負極性出力を供給するようにLCD
レギュレータを構成することができます。
この出力は、LCDバイアス又はバラクタ調整
などの高電圧、低電流仕様が要求される
アプリケーションに有効です。高精度の
電圧リファレンスと汎用コンパレータも
内蔵されており、これらはバッテリ電圧
低下検出器又はリセットとして役立ちます。
ユーザの開発設計時間の短縮化を目的と
して、推奨の外付け部品が実装された
アセンブリ済みボードの評価用キット
(MAX1677EVKIT)を用意しています。
MAX1677は、回路基板の占有面積が
標準の8ピンSOPパッケージよりも小さな
16ピンQSOPパッケージに収められていま
す。価格については、¥400(1,000個以上
購入時の単価)からとなっています。
NEW PRODUCTS
ディジタル制御を備えた
ノートブックCPU用の
ステップダウン
コントローラ
MAX1711ステップダウンコントローラは
ノートブックコンピュータのコアCPU駆動
用DC-DCコンバータとして設計されており、
最先端のCPU電源に要求される超高速トラン
ジェント応答性、高DC精度及び高効率特性
を兼ね備えています。マキシム社独自の高速
応答、コンスタントオンタイム制御方式
(QUICK-PWMTM)は広範囲の入力/出力電圧比
に容易に対応し、比較的一定のスイッチング
周波数を維持すると同時に、負荷トランジェン
トに対して100nsの「インスタント・オン」
応答特性を提供します。
電源レイル及びグランドバスで発生する電
圧降下を補償する2線のリモートセンシング
方式によって、DC精度が保証されています。
Mobile Pentium II ® CPU規格に適合した
出力電圧が内蔵の5ビットDACによって設定
されます。出力電圧調整範囲は+0.925Vか
ら+2Vまでとなっており、リファレンス電圧
出力は+2V ±1%です。
+5V INP
UT
D/A
INPUTS
MAX1711は、従来型の電流モードPWM
で使用されていた電流センス抵抗を取り除
くことにより、低コストで高効率を達成し
ています。シュートスルー防止回路を備え
たパワフルなゲートドライバの内蔵によっ
て可能になった非常に大型の同期整流器
MOSFETを駆動する能力によって、効率は
更に改善されます。
高いバッテリ電圧を直接的にステップ
ダウンするMAX1711のシングル段ステップ
ダウン変換方式によって、可能な限り最高
の変換効率が提供されます。これとは別の
動作方式として、より高いスイッチング周
波数を使用し、バッテリ電源ではなく+5V
システム電源をステップダウンする2段構成
の変換方式を利用すると、物理サイズを最
小限に抑えることが可能です。内部スイッ
チング周波数をピン接続の変更によって
550kHzまでプログラム設定できるので、
小型で薄型レジスタとコンデンサを使用す
ることができます。MAX1711は小型24ピン
QSOPパッケージで提供され、価格につい
ては¥480(1,000個以上購入時の単価)か
らとなっています。
QUICK-PWMはマキシム社の商標です。
Mobile Pentium IIはIntel Corp.の登録商標です。
BATTER
Y
4.5V TO
28V
VCC OV
P*VDD
SHDN
V+
FBS
ILIM
BST
GNDS
DH
MAX1710
MAX1711
REF
CC
LX
D0
DL
D1
PGND
D2
D3
FB
D4**
GND SKIP
0.925V
OUTPUT
TO 2V (M
MAX6816/MAX6817シングル/デュアル
スイッチデバウンサは、メカニカルスイッチ
とディジタルシステム間にクリーンなイン
タフェースを提供します。この2つのデバイ
MAX1612/MAX1613コントローラは、
ノートブックコンピュータ又はその他の携帯
型システムのブリッジバッテリ(ホットスワッ
プ又は補助バッテリとも呼ぶ)を充電します。
内部のステップアップDC-DCコンバータが
2セル又は3セルのブリッジバッテリ電圧を
メインバッテリと同じ電圧レベルにブースト
します。これはダイオードORブリッジ方式と
異なり、必要なセル数を低減する回路方式に
なっています。この各ICデバイスは+4Vから
+ 2 8 Vまでの範囲の電源電圧を受け付け、
その消費電流は僅か18µAです。
この2つのデバイスの相違点は事前に設定
済みのリニアに安定化された出力電圧のみで、
MAX1612は5.0V、そしてMAX1613は3.3V
に出力電圧が設定されています。この両方の
デバイスには、一定充電が原因となって起こ
るバッテリの損傷を最小限に抑える
トリクル充電タイマが内蔵されています。
ブリッジバッテリの充電が完全に終了した時
点で、このタイマの動作によってメインバッ
テリからのトリクル充電電流の消費が排除さ
れます。これらのデバイスには高精度のバッ
テリ電圧低下検出用コンパレータ、そして
RTC/CMOSバックアップ及びマイクロコント
ローラの電源供給に役立つマイクロパワーの
リニアレギュレータも内蔵されています。
MAX1612/MAX1613は1 6ピンQSOP
パッケージに収められており、価格につい
ては¥360(1,000個以上購入時の単価)か
らとなっています。
AX1711
)
MAIN BATTERY
OR
WALL
ADAPTER
DC-DC
OUTPUT
LRI
BATT
AUXILIARY
BRIDGE
BATTERY
*MAX17
10 ONL
Y
** MAX
1711 ON
LY
外付部品なしで
±15kVのESD保護を
提供する環境耐性の
優れたスイッチ
デバウンサ
ノートブックCPUの
ブリッジバッテリを
充電するバックアップ
コントローラ
V+
MAX1612
MAX1613
MAX1630
APPLICATION
CIRCUIT
DC-DC
CONVERTER
+3.3V
+5V
スはバウンシング入力とディジタル出力間
に事前に設定済みの短い遅延時間を設ける
ことによって、スイッチオープンとスイッ
チクローズ両方のバウンスを排除します。
されているので、携帯型機器のアプリケー
ションにおいてµPをノイズの多いメカニカル
及び薄膜スイッチにインタフェース接続す
る回路応用に適しています。
環境耐性の優れたスイッチング信号入力
は±25Vまでの電圧レベルを扱うことがで
き、しかも±15kVまでのESD保護が保証さ
れているので、厳しい工業及び自動車環境
での使用に最適です。この両方のデバイス
は+2.7Vから+5.5Vまでの電圧範囲の単一
電源で動作し、その消費電流も6µAに低減
MAX6816は4ピンSOT143パッケージ、
MAX6817は6ピンSOT23パッケージで提
供されています。価格については、
MAX6816が¥1 3 0そしてMAX6817が
¥190からとなっています(いずれの価格も
2,500個以上購入時の単価)。
21
NEW PRODUCTS
最低1.6Vまでの
トリップスレッショルド
を監視する
µPリセットIC
MAX6332~MAX6337 µP監視回路は、
µP 及 び デ ィ ジ タ ル シ ス テ ム の 1 . 8 V か ら
3.3Vまでの電源電圧を監視するように設計
されています。これらのデバイスは外付部品
と外部調整が一切不要なので、設計コストが
節減されるとともに、回路の信頼性が向上
します。MAX6335/MAX6336/MAX6337
にはデバウンスされたマニュアルリセット
入力も用意されています。これらのデバイス
の消費電流は僅か3.0µAです。
MAX6332~MAX6337の各デバイスは、
VCCが事前に設定しておいたスレッショルド
電圧よりも低くなると常にリセット信号をア
サートし、VCCがスレッショルド電圧よりも高
いレベルに復帰すると、その後少なくとも事
前に設定した期間中(又はマニュアルリセット
のアサートが解除されるまで)信号のリセット
状態を維持します。この各デバイスの相違点
は出力構成のみです。即ち、プッシュ/プル
(MAX6333/MAX6336)及びオープンドレイン
(MAX6334/MAX6337)デバイスはアクティブ
ローのRESET出力を備え、プッシュ/プル
(MAX6332/MAX6335)デバイスはアクティブ
ハイのRESET出力を備えています。(1ms、
20ms及び100msのパルス幅でパワーオンリ
セットが可能です。) MAX6332/MAX6333及
びMAX6335/MAX6336は、VCCが0.7Vまで
低下しても全ての出力の有効性が保証されて
おり、MAX6334/MAX6337では1.0Vまでの
VCCに対して全ての出力の有効性が保証されて
います。
各デバイスに内蔵されているリセットコン
パレータは、VCC上で高速トランジェントが発
生してもこれを無視するように設計されてい
ます。この各デバイスのリセットスレッショ
ルド電圧は出荷前に約100mVのインクリメン
ト単位で1.6Vから2.5Vまでの電圧範囲内に既
に調整済みなので、合計で30種類の標準バー
ジョン製品ファミリが用意されていることに
なります(最小の発注数量は2,500個です)。標
準外のバージョン(最小発注数量が10,000個)
については、弊社までお問い合わせください。
MAX6332/MAX6333/MAX6334は3ピン
SOT23パッケージに収められており、そして
MAX6335/MAX6336/MAX6337は4ピン
SOT143パッケージに収められています。価
格につい て は 、 MAX633 2 / M A X 6 3 3 3 /
MAX6334が¥120、MAX6335/MAX6336/
MAX6337が¥130からとなっています(いず
れも2,500個以上購入時の単価)。
携帯型機器で
スペースと電力を
節減する集積化
IrDA/RS-232
トランシーバ
MAX3130/MAX3131トランシーバは、携
帯型機器及び低電力アプリケーション用にIrDA
及びRS-232インタフェースを集積化していま
す。この2つのデバイスは赤外線(IR)トラン
シーバ、IRエンコーダ/デコーダ(ENDEC)、
チャージポンプ及びRS-232インタフェースを
それぞれ1個の表面実装パッケージに集積化し
ているので、貴重な回路基板スペースを節約で
きます。赤外線トランシーバはIrDA 1.2規格に
適合し、2.4kbpsから115kbpsまでのデータ
レートをサポートします。RS-232インタ
フェースには、120kbpsまでのデータレート
をサポートする2個のドライバと2個のレシーバ
が内蔵されています。
この各デバイスの通常の動作時における消
費電流は370µAですが、シャットダウン動
作モード時(RS-232レシーバはアクティブ
状態に維持される)の消費電流は僅か1µAに
RS-485/RS-422通信の
伝送性能を改善する
プリエンファシス回路
内蔵のトランシーバ
MAX3291/MAX3292データトランシー
バは、長いケーブルが原因で発生するシン
ボル間干渉を低減することにより高信頼性
通信の伝送距離を最大限に拡張するドライ
バプリエンファシス回路を内蔵しています。
MAX3291は10Mbpsのデータレート動作
用として性能が最適化されており、
MAX3292の場合には1本の抵抗を外付けす
ることでプリエンファシス間隔をプログラム
設定することによってデータレートを
38.4kbpsから10Mbpsまでの範囲内で任意
に設定することが可能です。
COMPETITION
’75180 Transceiver (no preemphasis) Driving
1000-foot Cable at 5Mbps
22
低減されます。低ドロップアウト電圧トラン
スミッタと独自の高効率、デュアルチャージ
ポンプ電源の組み合わせ回路によって、
+3.0Vから+5.5Vまでの単一電源から真の
RS-232及びIrDA性能が提供されます。IR
トランスミッタには200mAの電流を出力す
る能力を備えたハイパワーLEDドライバが内
蔵され、またIRレシーバには200µAの周囲
DC電流を除去する高利得、低ノイズのPIN
ダイオードアンプが内蔵されています。IR
トランシーバとUART間を通過する信号の伸
長と圧縮を実行するENDECが内蔵されてい
るので、IrDA仕様に適合しないUARTとの通
信が可能です。
MAX3130のIRトランスミッタ入力とレ
シーバ出力は1つのRS-232トランスミッタ入
力及びレシーバ出力と多重化されており、IR
及びRS-232両方の通信に1つのUARTを使用
するアプリケーション用に性能が最適化され
ています。MAX3131のIR及びRS-232トラン
シーバには、入力と出力用にデータラインが
それぞれ個別に用意されています。この両方
のデバイスは28ピンSSOPパッケージで提供
され、価格については¥560(1,000個以上購
入時の単価)からとなっています。
この両方のトランシーバはフルデュープ
レックスデバイスです。これらは+5V単一
電源で動作し、消費電流を100nAに低減す
るシャットダウン動作モードを特長として
います。その他の特長としてドライバ出力
の短絡電流制限、そして入力がオープン回
路状態のときにロジックハイ出力を保証す
るフェイルセーフ・レシーバ入力が挙げら
れます。この各トランシーバのレシーバ
入力インピーダンス(1/4ユニット負荷)に
よって、シングルバス上に最大128個までの
トランシーバを接続することができます。
MAX3291/MAX3292は14ピンDIP及び
SOPパッケージで提供され、価格について
は¥340(1,000個以上購入時の単価)から
となっています。
MAXIM
MAX3291/MAX3292 (featuring preemphasis)
Driving 1000-foot Cable at 5Mbps
NEW PRODUCTS
15個のディスクリート
部品を置換える
モノリシック
バッファアンプ
MAX2470/MAX2471モノリシックバッ
ファアンプは高い絶縁性能、低価格及び使
いやすさという特長を備えています。これ
ら6ピンSOTパッケージのデバイスは同等性
能のディスクリート部品回路との置換えを
目的として設計されており、同等性能を備
えたディスクリート設計回路で使用される
15個の部品との置換えが可能です。
これらのデバイスは15dBの利得、64dB
の絶縁性能及び-5dBmの差動出力で-29dBc
の高調波除去性能を備えているので、一般的
に起こる負荷インピーダンス変動という問題
からディスクリート及びモジュールベース両
方のVCOを保護するニーズに最適です。こ
れらのバッファアンプを能動バルンとして使
用すれば、サイズの大きな受動トランスを使
用する必要が全くありません。
2.5GHzまでの
広帯域動作が可能な
3V駆動、超低ノイズ
SiGeアンプ
MAX2640/MAX2641はセルラ、PCS、
GPS及び2.4GHzのISM周波数帯域の通信アプ
リケーション用に設計された広帯域幅の低
ノイズアンプです。この各デバイスは+2.7Vか
ら+5.5Vまでの電圧範囲の単一電源で動作し、
400MHzから2500MHzまでの周波数範囲で動
作し、その消費電流は僅か3.4mAに低減され
ています。そのアプリケーションとして携帯/
PCS及びコードレス電話、GPSレシーバ、
そしてワイヤレスLANが挙げられます。
MAX2640は400MHzから1500MHzまで
の周波数帯域アプリケーション用に性能が最
適化されており、900MHzの動作時で
15.1dBの標準利得と僅か0.9dBのノイズ指
MAX2470はシングルエンド入力を備え
ており、10MHz~200MHz(3.6mA)又は
10MHz~500MHz(5.5mA)の動作周波数範
囲のどちらかをユーザが選択して消費電流
を低減することができます。MAX2471は
差動入力を備えており、その動作周波数範
囲は10MHz∼500MHzに固定されていま
す。この両方のデバイスは1つの100Ω差動
負荷又は2つの50Ωシングルエンド負荷を
駆動する能力を備えた差動の50Ω出力を特
長としているので、PLLとミキサ又は送信ミ
キサと受信ミキサなどの2つの回路を同時に
駆動するための発振器を必要とするアプリ
ケーションに最適です。
MAX2470は+2.7Vから+5.5Vまでの
電圧範囲の単一電源で動作し、消費電流は
高周波数範囲の動作時で僅か5.5mA、そし
て低周波数範囲の動作時で3.6mAです。
MAX2471も同じ電源電圧範囲で動作し、
消費電流は5.5mAです。この両方のデバイス
は超小型の6ピンSOT23プラスチックパッ
ケージで提供されています。価格について
は、¥100(1,000個以上購入時の単価)か
らとなっています。
数性能を備えています。MAX2641は
1400MHzから2500MHzまでの周波数帯域
アプリケーション用に性能が最適化されてお
り、1900MHzの動作時で14.4dBの標準利得
と1.3dBのノイズ指数性能を備えています。
1575MHzのGPSアプリケーションの場合に、
MAX2641は15.7dBの利得と1.2dBのノイズ
指数性能を提供します。2450MHzの
802.11 WLANアプリケーションの場合には、
MAX2641は13.5dBの利得と1.5dBのノイズ
指数性能を提供します。
これらのアンプには内部バイアスが用意され
ているので、外部バイアス抵抗が必要ありませ
ん。標準的なアプリケーションで必要な外付部
品は入力及び出力ブロッキング用のコンデンサ
とVCCバイパス用コンデンサだけです。
MAX2640/MAX2641は超小型の6ピン
SOT23パッケージで提供され、価格につい
ては¥100(1,000個以上購入時の単価)か
らとなっています。
LNA PERFORMANCE TUNED AT 900MHz
16
13
GAIN (dB)
NF (dB)
NF (dB)
2
1
1
900
FREQUENCY (MHz)
VCC
2.7V to 5.5V
BIAS
SHUTDOWN
MAX2680
IF OUT
10 to 500MHz
RF IN
400 to 2500MHz
SOT23-6
14
GAIN (dB)
13
0
800
MAX2680/MAX2681/MAX2682は最新
の高周波、低ノイズのシリコンゲルマニウム
プロセスで設計されています。これらのデバ
イスは6ピンSOT23パッケージで提供され、
価格については¥120(1,000個以上購入時
の単価)からとなっています。
MAX2641
15
2
これらのミキサには+2.7Vから+5.5Vま
での電圧範囲の単一電源が必要で、これに
よって1個のリチウムセル又は3セルのNiCd
バッテリ電源からの直接的な動作が可能にな
ります。消費電流は規定の電源電圧範囲で
一定のレベルに維持され、しかも各デバイス
には消費電流を1µA以下に低減する低電力
シャットダウン動作モードが用意されていま
す。レシーバのダイナミックレンジを最適化
する目的で、これらのミキサ製品には消費電
流、変換利得及び入力IP3を各種組み合せて
構成された複数のバージョンがそれぞれ用意
されています(マキシム社の「製品選択ガイド」
を参照ください)。
LO IN
SOT23-6
MAX2640
15
14
MAX2680/MAX2681/MAX2682低価格、
小型ダウンコンバータミキサは低電圧動作用
に設計されています。この各デバイスは低い
ノイズ指数と高い入力3 次インターセプト
ポイント(IIP3)を特長としているので、携帯型
通信装置での使用に最適です。これらの製品
にはダブルバランス方式のミキサが採用され
ており、400MHz~2.5GHz範囲のRF周波数
を10MHz~500MHz範囲のIF周波数にダウン
コンバートします。
LNA PERFORMANCE TUNED AT 1900MHz
16
SOT23-6
400MHzから
2.5GHzまでの
周波数帯域で動作する
広帯域SiGeダウン
コンバータミキサ
1000
0
1800
1900
FREQUENCY (MHz)
23
2000