2001年 環境報告書 - 塩野義製薬

2001年 環境報告書
Shionogi environmental report
塩野義製薬株式会社
Contents
基本事項
01
02
報告書の範囲・事業概要
ごあいさつ
経営理念・シオノギ環境基本方針
03
04
シオノギ基本方針・行動憲章
シオノギ環境基本方針
マネジメントシステム
05
07
09
環境管理体制
環境行動目標
教育・訓練・監査・環境情報の公開・
グリーン購入など
活動実績
11
13
15
17
18
廃棄物対策
地球温暖化防止対策
化学物質管理
連結グループ会社の環境保全活動
環境会計
おわりに
19
20
21
環境管理のあゆみ
おわりに
会社概要・環境月間写真優秀作品
■報告書の範囲
この環境報告書は、シオノギの事業所と主な連結グループ会社の、2000年度環境保全活動について記載しています。
●シオノギ事業所
●主な事業所内連結グループ会社
シオノギエンジニアリングサービス株式会社
金ヶ崎工場
〒029-4503 岩手県胆沢郡金ケ崎町西根森山7番地
摂津工場
〒566-0022 大阪府摂津市三島2丁目5番1号
杭瀬工場
〒660-0813 兵庫県尼崎市杭瀬寺島2丁目1番3号
赤穂工場
〒678-0239 兵庫県赤穂市加里屋1125番地
油日ラボラトリーズ
〒520-3423 滋賀県甲賀郡甲賀町大字五反田1405番地
中央研究所
〒553-0002 大阪市福島区鷺洲5丁目12番4号
新薬研究所
〒561-0825 大阪府豊中市二葉町3丁目1番1号
Shionogi
Qualicaps, Inc.
東京ラボラトリー
〒143-0015 東京都大田区大森西1丁目8番3号
Shionogi
Calle de la Granja, 49, 28108 Alcobendas,
Qualicaps, S.A. Madrid, Spain
本社
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
Taiwan Shionogi Transworld Commercial Center 4F, No.2, Sec. 2,
& Co., Ltd.
Nanking E. Road 10408, Taipei, Taiwan, R.O.C.
シオノギ物流サービス株式会社
シオノギメディカルサービス株式会社
●主な連結グループ会社
武州製薬株式会社 〒350-0801 埼玉県川越市大字竹野1番
日亜薬品工業株式会社 〒771-0132 徳島市川内町平石夷野224番地20
シオノギ
〒639-1032 奈良県大和郡山市池沢町321番地5号
クオリカプス株式会社
シオノギクリニカル
ラボラトリーズ株式会社 〒220-0002 神奈川県横浜市西区南軽井沢1-1
6505 Franz Warner Parkway, Whitsett,
NC 27377-9215, U.S.A.
■事業概要
売上高全体の80%以上を占めている医療用医薬品を始め一般用医薬品、診断薬、動物用医薬品、植物用薬品および工業薬品など
の製造・販売並びに臨床検査
01 Shionogi
ごあいさつ
■
近年、世界各地から異常気象のニュースが続いています。異常寒波
(チベット)
や大洪水
(インド
やポーランド)
、熱波襲来
(オーストラリア)
などなどです。地球温暖化に伴う気温上昇の危険性
が指摘されていますが、確かに地球環境は変調を来たしていると実感させられる今日この頃
です。その一因を私達の日々の企業活動による地球環境への負荷が作り出している事実は重く
受け止めるべきと考えます。
各国の経済活動が及ぼす地球環境への負荷量は、地球の自浄能力の限界に迫りつつあると
広く認識され、1992年にリオ・デ・ジャネイロの地球サミット
(国連環境開発会議)
で、
「持続可能
な開発」の理念が国際的な合意となりました。そして世界各国においては、この考え方が政策
の基本に据えられるようになり、わが国でも、2000年を「循環型社会元年」と位置付けて、
これまでの生産と消費のパターンを見直し、エネルギーや資源を効率よく利用する資源循環型
の経済システムへの転換に向けて大きく一歩を踏み出しました。
シオノギは、医薬品およびその関連事業を通じて、
「常に人々の健康を守る」ことを企業理念
の根幹に据えています。したがって、すべての生命の源である地球環境の保全には、当然の
こととして積極的に取り組んでまいります。
シオノギは、1994年からシオノギ環境基本方針と廃棄物・エネルギー等の削減目標を掲げた第一
次環境行動目標を定めて、企業活動による地球環境への負荷低減に努めてまいりましたが、
「循
環型社会形成」の理念を活動に組み込むため、シオノギ環境基本方針を改定し、第二次環境
行動目標を新たに策定して、より環境負荷の少ない企業活動の展開を行うことを決意しました。
さらに、この地球環境保全活動を継続的に推進するため、生産・研究拠点である7事業所一括で
環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001の認証取得を進めています。
「循環型社会形成」推進のためには、国、地方自治体、民間団体、事業者、国民等の社会を
構成するすべての主体が参加し協力し理解しあうことが大切で、相互理解と協力には情報の公開
が必須であると考えます。シオノギは、より多くの方々とのコミュニケーションを目的に
「2001年シオノギ環境報告書」を発行します。この環境報告書が「常に人々の健康を守る」こと
を目的に、
「存在感のあるシオノギ」の実現に向けて活動している弊社の姿勢をご理解頂くうえ
でお役にたてば幸甚に存じます。
代表取締役社長
Shionogi 02
●経営理念
シオノギは、1957年に策定した『シオノギの基本方針』で「常に人々の健康
を守る」を私達の活動の原点とし、以後常にこの原点を確認しつつ企業活動を
行ってまいりました。
シオノギの基本方針
(抜粋)
■シオノギの目的
シオノギは、常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供
する。
(1957年制定)
昨今のめまぐるしい社会・経済情勢の変化を受けて、21世紀の市民社会に相
応しい製薬企業行動を求めて、より高い企業倫理と企業市民の責務を定めた
「シオノギ行動憲章」を策定しました。
シオノギ行動憲章
(環境項目抜粋)
シオノギは、世界中の人々の健康の維持増進と快適な生活に貢献す
る企業として、日々のあらゆる業務の結果が、全ての顧客・患者さん
や株主はもとより、広く社会全体に役立ち、また従業員一人ひとりの
人間的向上につながることを願って、この憲章を制定した。
全ての役員、全ての社員がこの憲章の精神を具体的行動として実行
することを誓約する。
1.企業市民としての行動
④あらゆる業務において環境への負荷を軽減することを心掛け、地球
環境の維持改善に貢献する。
(1998年制定)
03 Shionogi
●シオノギ環境基本方針
シオノギは1994年に「シオノギ環境基本方針」を制定し、省エネルギー、廃棄物削減、化
学物質使用量削減等を積極的に推進してまいりました。
また、1998年に制定したシオノギ行動憲章でも「あらゆる業務において環境への負荷を軽
減することを心掛け、地球環境の維持改善に貢献する」と定めて、シオノギの活動が環境保
全を指向するよう徹底しました。
近年、資源循環型社会に向けた動きが急速に広がりつつあります。このような社会情勢に
伴って、企業が取り組むべき環境保全活動も、資源消費の少ない企業活動の推進や環境情報
の公開など新しい課題が次々に提示されております。
シオノギは、これらの多様な課題に積極的に取り組むため、「シオノギ環境基本方針」と
「環境行動目標」を改定して、その内容を社内外へ公表しました。
シオノギ環境基本方針
シオノギは、「常に人々の健康を守るために必要な最もよい薬を提供する」という
基本方針のもとに、企業も社会の一員であることを深く認識し、医薬品等に係わる
事業活動を通じて、地球環境の保全、汚染の予防と人々の安全に配慮し、豊かな社
会の実現に貢献します。
1.環境管理体制
環境担当役員を任命し、環境管理の組織の責任と権限を明確にして、質の高い
環境保全活動を推進します。
2.法規制の遵守
国や地方自治体等の環境規制を遵守するとともに、自主管理基準を定めて、環境
保全に努めます。
3.環境負荷の低減
研究開発、生産、流通、販売等の事業活動において、省エネルギーや省資源、
廃棄物の削減、化学物質管理の強化などの目標設定と定期的見直しをおこない、
継続的な改善に努めます。
4. 教育訓練
環境教育・訓練の実施と環境情報の提供により、環境保全に向けた全従業員の
意識高揚を図ります。
5.社会との共生
企業市民の立場から、地域社会の環境保全活動に協力します。また、環境情報を
開示して社会との相互理解に努めます。
6.環境基本方針の公開
このシオノギ環境基本方針は、社内外に公開します。
2001年9月1日改定
塩野義製薬株式会社
代表取締役社長 塩野 元三
Shionogi 04
Environmental Management Systems
マネジメントシステム
■環境管理体制
社 長
統括環境
責任者
常務会
(環境担当役員)
統括環境
管理責任者
(環境管理室長)
中央環境
委員会
環境管理
責任者会議
【事業所・連結グループ会社】
環境責任者
環境管理
責任者
部署環境
責任者
05 Shionogi
環境委員会
シオノギではISO14001(国際標準化機構の環境マネジメントシステム)を赤穂工場
が1999年に認証取得しています。他の研究・生産に携わる7事業所は一括して、主な連
結グループ会社は個別に、2001年度中の認証取得を予定しています。シオノギグループ
全体でISO14001を運用することで、研究開発から生産活動のあらゆる段階で、環境
負荷の継続的改善に取り組んでいます。
認証取得予定事業所
認証取得予定連結グループ会社
金ヶ崎工場 摂津工場 杭瀬工場
武州製薬株式会社
中央研究所 新薬研究所
日亜薬品工業株式会社
油日ラボラトリーズ
シオノギクオリカプス株式会社
東京ラボラトリー
外部環境監査
(赤穂工場)
Shionogi 06
Environmental Management Systems
マネジメントシステム
環境行動目標
第一次環境行動目標
(1996年度∼2000年度)
2000年度で区切りとする第一次環境行動目標を1995年に定め
て、環境負荷の低減に努めてまいりましたがその数値目標はす
べて達成しました。右表に1996年度から2000年度までの実績を
示します。
第二次環境行動目標
(2000年度∼2004年度)
2000年度からは、新たに策定した第二次環境行動目標に基づ
き、環境負荷の少ない企業活動に努めています。
07 Shionogi
目 的
目 標
実 績
廃棄物処理量削減
1993年度の15%(912トン)削減
66.7%
(4,052トン)
削減
廃棄物外部委託量削減
1993年度の20%(610トン)削減
58.5%
(1,782トン)
削減
省エネルギー
1993年度の10%削減
(累積値)
環境マネジメントシステムの構築
電気:12,443MWh
電気:12.9%(15,991MWh)削減
燃料: 2,104kl
燃料:14.7%( 3,099kl)削減
ISO14001の認証取得
赤穂工場が認証取得
7事業所が一括認証取得を目指し
て活動中
排水管理
No
自主管理値の設定と遵守
目 的
設定(1999年)
目 標
1
廃棄物対策を強化する
・廃棄物発生量を抑制する
・廃棄物リサイクル量を200%増加する
・廃棄物埋立て量を90%削減する
・事業所ごとにゼロエミッション
(埋立て廃棄物ゼロ)を目指す
2
地球温暖化防止を推進する
・二酸化炭素の排出量を1990年レベルに抑制する
・省エネルギー対策を推進する
3
化学物質管理を強化する
・有害化学物質の使用量・排出量・移動量を把握
し、削減する
・特定フロン保有量を50%削減、2010年度には全
廃する
・大気・排水・土壌・地下水の自主管理値を定め
管理する
4
化学プロセスの安全性評価システムを
充実する
5
環境影響評価を拡大する
6
ISO14001認証取得を推進する
7
製品ライフサイクルアセスメントを推
進する
8
環境会計を推進する
9
グリーン購入を拡大する
10
社会貢献を図る
11
環境情報を開示する
研究、製造施設のある7事業所が2001年度中に一
括取得
Shionogi 08
Environmental Management Systems
マネジメントシステム
教育・訓練
環境保全活動を実効あるものにするには、従業員の一人ひと
りが豊富で適切な知識を持った上で取り組む必要があると考
え、次のような環境教育を実施しています。
①新入社員教育(環境教育)
定期採用者の新入社員教育で、環境の研修を実施しています。
②環境だより
(社内報)
年4回発刊している社内報に環境問題を取り上げて、シオノ
ギの取り組みを紹介しています。
③環境報告書
全従業員に配布して、シオノギの環境への取り組みについて
周知を図っています。
④環境管理室ホームページ
(イントラネット)
社内イントラネットに環境管理室のホームページを設けて、
社内の環境保全活動の状況や環境情報の解説などを提供して
います。
⑤内部監査員養成教育
外部から講師を招きISO14001の環境監査員を養成してい
ます。
監 査
環境監査基準に基づいて定期的に監査し、環境管理が適正に
実施されていることを確認しています。この監査結果は社長と
環境担当役員に報告されます。
環境情報の公開
「環境報告書」と「環境ホームページ」でステイクホルダー
(企業活動に関わる関係者)の皆様に当社の環境情報を公開して
います。
環境報告書
初版を2000年6月に発行しました。2001年以降は毎年の発行を
予定しています。
環境ホームページ
当社のインターネットホームページ(http://www.shionogi.co.jp/)
内に環境ホームページ「環境への取り組み」を開設して、環境
報告書の要旨を掲載しています。
09 Shionogi
容器包装対策
(ライフサイクルアセスメント)
製造本部を中心に次のような取り組みを行っています。
①ポリ塩化ビニル(PVC)は焼却するとダイオキシンが発生すると言われ
ていますので、錠剤のプレススルーパッケージ(PTP)包装にPVCを
使用している商品は、PTP包装の材質を、ポリプロピレン(PP)へ変
更を進めています。
②アンプル注射製剤・点眼剤のプラスチック製のケースやトレーを紙製に
変更を進めています。
③大入り箱を廃止して結束バンドに変更する等の対策をして、容器包装資
材の使用量削減に努めています。
④ステープル(金属ホッチキス)の使用を止めて、廃棄しやすい包装形態に
なるように工夫しています。
法令遵守・環境苦情
①関係官庁へ必要な報告・届出を確実に行い、関係法規を遵守しています。
②工事騒音、電波障害、植栽(落葉)などが原因の苦情を近隣から5件頂き
ました。いずれも迅速に対応して解決しています。
表彰
油日ラボラトリーズは、社団法人 滋賀県環境保全協会から地域環境保全
優良事業所として表彰されました。
社会貢献
①世界自然保護基金
(WWF)
加盟
シオノギは世界的な自然保護団体であるWWFに加入しています。
②地球環境国際議員連盟世界総会開催に協賛しました。
③シオノギ社会貢献支援会は、発展途上国へ事務職ユニフォームの寄贈を
行いました。また、毎年各種社会貢献活動団体へ資金拠出も行っています。
④地域との交流
工場見学の受入や、地域活動に参加して地域との交流を図っています。
岩手県環境保全連絡協議会
で活動(金ヶ崎工場)
摂津市緑化推進連絡会議で
活動
(摂津工場)
近隣地区美化運動「10万人
わがまちクリーン運動」に
参加
(杭瀬工場)
赤穂市内主要企業環境保全
協議会活動に協力
(赤穂工場)
工場周辺の清掃活動
グリーン購入
①無洗米購入
社員食堂のある全事業所と主な連結グループ会社に、洗米に全く水を使
わない環境に優しい無洗米を採用しました。また、社員にもこの無洗米
の購入を薦めています。
②エコ事務用品
購買部が一括購入する事務用品は、環境配慮型の事務用品(エコ事務用
品)購入を行っています。
Shionogi 10
Environmental Performance
活動実績
廃棄物対策
シオノギは、2000年度を達成年度として、廃棄物処理量の15%削減
(93年度比)
と廃棄物外部委託量の20%削減
(93年度比)
を目標に掲げて、
廃棄物の再資源化と省資源に取り組んでまいりました。
■主な取り組み
①「副生燐酸ソ−ダの再資源化」(金ヶ崎工場)
副産物である燐酸ソ−ダの再資源化を実現しました。
②廃ガラスを建材タイルやブロックに再資源化しています(杭瀬工
場・摂津工場)。
③廃棄パーソナルコンピューターの再資源化(情報システム部)
廃棄物となるパーソナルコンピューターは、リサイクル専門業者に
その処分を依頼して再資源化に協力しています。
④コンポスト化(金ヶ崎工場・新薬研究所・東京ラボラトリー)
社員食堂の食品残さを肥料に転換しています。
上記の取り組みを始めとするさまざまな工夫で焼却量を減らし、廃
棄物の再資源化比率を大きく向上させました。
廃棄物処理・処分の構成比
%
1999年度
100
2000年度
75
50
25
0
焼却量
11 Shionogi
埋め立て量
再資源化量
年度
Shionogi
environmental
report
目 標
実 績
廃棄物処理量:
1993年度の15%
66.7%
(912トン)削減
(4,052トン)
削減
廃棄物外部委託量:
1993年度の20%
58.5%
(610トン)削減
(1,782トン)
削減
廃棄物の分別収集
廃棄物量の推移
トン
処理量
7,500
外部委託量
再資源化
埋め立て
5,000
2,500
0
'93
'94
'95
'96
'97
'98
'99
'00
目標 年度
参考
■日本製薬工業協会目標
1)外部埋め立て量を2000年度に1990年度比70%削減する。
シオノギは、1990年度比の85%削減を達成しています。
2)リサイクル(再資源化)量を2000年度に1990年度比60%向上する。
シオノギの再資源化量は、1990年度比の285%に向上しています。
Shionogi 12
Environmental Performance
活動実績
地球温暖化
防止対策
地球温暖化の大きな原因であるエネルギー(化石燃料)使用量の削減
を第一次行動目標に掲げて取り組みを行い、削減目標値を達成しまし
た。今年度から始まる第二次行動目標では「二酸化炭素の排出量を
1990年レベルに抑制する」との目標を新たに設けて、コージェネレー
ション設備を始めとする省エネルギー設備の導入や生産効率の改善な
どの活動を推進しています。
■主な取り組み
【金ヶ崎工場】
空調動力の運転方法の変更、未使用時の停止、非生産時の粉塵除去
装置の停止、圧空設備のラインの見直しによる運転合理化などの工夫
を行いました。
【摂津工場】
天然ガスを利用したエネルギー効率の良いコージェネ設備を2001年
に導入する計画を進めています。
【杭瀬工場・赤穂工場】
大型ボイラーを小型ボイラー(複数機)に更新して、必要台数のみ運
転することで無駄なエネルギー消費を省きました。
【中央研究所】
冷・温水ポンプをインバータ化しました。
13 Shionogi
Shionogi
environmental
report
第一次環境行動目標
目 標
累積削減実績
1993年度実績値の10%削減(累積値)
電気:10%削減
12.9%
燃料:10%削減
14.7%
二酸化炭素排出量の推移
小型高効率ボイラー
(杭瀬工場)
トン-CO 2
二酸化炭素排出量
160,000
90年度排出量
120,000
80,000
40,000
0
'93
'94
'95
'96
'97
'98
'99
'00
年度
この2000年度は特に省エネルギーに対する取り組みが活発で、総計
138件もの事例報告がされました。その結果、日本製薬工業協会の自主
管理目標である「2010年度に二酸化炭素排出量を1990年度以下に抑制
夏季は省エネルック
(摂津工場)
する」の水準に既に到達しました。これからも、この水準の維持ある
いは更なる削減に努めてまいります。
参考
■日本製薬工業協会
日本製薬工業協会は、新薬の開発によって社会への貢献をめざす、
研究開発指向の製薬会社が加盟している任意団体です。会員各社が緊
密な連絡を保ち、製薬企業に共通する問題について、社会のご理解を
得つつ、その解決をはかり、医薬品産業の健全な発展を目指すことを
目的としています。
Shionogi 14
Environmental Performance
活動実績
化学物質管理
今迄に人類が作り出し、生産し、消費している膨大な量の化学物質
が環境中に排出・蓄積され、環境ホルモン等のようなかたちで深刻な
影響を及ぼし始めています。化学物質の適正な管理と、環境への排出
抑制を目的に、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の
改善の促進に関する法律」(PRTR法)に基づき、第1種化学物質の
環境排出量の届出が平成13年4月から発効しました。シオノギは「化
学物質の適正管理」がこれからの環境保全活動の重要な課題であると
考えています。
1.有害化学物質排出量抑制
大気汚染防止法の改正(1996年)に伴い環境庁(当時)と通産省(当時)
は、自主管理指針を策定し、関係業界団体に対し指針に基づく自主管
理計画の作成と実施を要請いたしました。日本製薬工業協会は、1997
年度からジクロロメタン、1998年度からクロロホルム、1,2−ジクロロ
エタンの2物質を追加して、自主管理計画に基づき取り組みを推進し
ています。
シオノギは、この自主管理計画に基づきジクロロメタンとクロロホ
ルムについて取り組み、設備対応を積極的に行い大気への排出量抑制
に成果を挙げています。
2.ダイオキシン対策
事業所内に産業廃棄物中間処理用焼却施設を持つ事業所では、焼却
炉の適正な運転を行うとともに、ダイオキシン排出量を定期的に測定
しています。
3.フロン対策
シオノギは、オゾン層破壊物質と言われる特定フロンの使用を、代
替フロンに変換する事を環境行動目標に掲げ、計画に基づき着実に切
り替えを実行しています。
■化学物質管理の強化
①PRTR対応
日本製薬工業協会、日本化学工業協会が調査を始めた1995年から調
査に協力して、化学物質の環境への排出量の把握とその削減に努め
てまいりました。
②化学物質安全管理
ケミカルハザード物質取扱ガイドラインを策定して、化学物質の安
全な取り扱いを徹底しています。
③環境分析
法規制よりも厳しい自主規制を設けて、排水の規制物質の測定を自
社で実施しています。
15 Shionogi
Shionogi
environmental
report
日本製薬工業協会自主管理目標
シオノギの削減率(2000年度)
ジクロロメタン:1995年度大気排出量の60%削減
43%
(最終年度:2001年)
クロロホルム:1995年度大気排出量の30%削減
97%
(最終年度:2000年)
日本製薬工業協会の大気汚染物質排出抑制自主管理計画に参加して削
減努力を継続しています。
クロロホルムは目標値を達成いたしました。
ジクロロメタンも、今年から新規回収設備が稼動開始となりますので、
増設したジクロロメタン吸着・回収設備
(金ケ崎工場)
目標年度
(2001年度)
迄には削減可能な見込みです。
ジクロロメタン、クロロホルムの大気排出量
%
ジクロロメタン
150
クロロホルム
100
50
0
'95
'96
'97
'98
'99
'00
目標
年度
(1995年度を基準とする比率)
参考
■PRTR(Pollutant Release and Transfer Register)
環境汚染物質排出・移動登録と言います。
「環境汚染のおそれのある化学物質の環境中への排出量又は廃棄物と
しての移動量を登録し公表する仕組み」で、一般に、事業者の報告な
どに基づき、行政が化学物質の排出量又は廃棄物としての移動量のデ
ータを収集し、収集したデータを目録などの形に整理し、これを広く
公表する形をとったものです。
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関
する法律」が2000年から施行されました。
Shionogi 16
Environmental Performance
活動実績
グループ会社の
環境保全活動
主な連結グループ会社の環境保全活動
シオノギは、シオノギ環境基本方針を改定して、海外も含めた主な
連結グループ会社とともに環境保全活動を進めています。
廃棄物
トン
200
発生量
再資源化量
埋め立て量
150
100
50
0
武州製薬
日亜薬品
シオノギクオリカプス
廃棄物発生量の3社合計は413トンでシオノギの約5%に相当します。
廃棄物削減・再資源化に、以下の取り組みを行っています。
①原料資材の包装をファイバードラムから紙袋に変更して、廃棄物の
減量化を図りました。(シオノギクオリカプス株式会社)
②廃プラスチック
(PTPシート)
を分別回収して再資源化しています。
(武州製薬株式会社)
③循環資源(紙・木屑・瓶・金属類)を分別回収して再資源化していま
す。(日亜薬品工業株式会社)
④感染性廃棄物は、発生元処理の原則に基づき、ラボ内で乾熱滅菌・
破砕処理して無害化した後、産業廃棄物として委託処理しています。
(シオノギクリニカルラボラトリーズ株式会社)
二酸化炭素排出量
トン-CO2
二酸化炭素
9,000
6,000
3,000
0
武州製薬
日亜薬品
シオノギクオリカプス
表中3社の二酸化炭素排出量の合計は、シオノギの15%に相当します。
各社とも、生産の合理化などで省エネルギーに努めています。
海外会社の環境への取り組み
①毎年基隆市当局へ環境保全状況を報告し、当局の定期的な監査も受
けていて「政府法令を良く遵守している優良工場」との評価を頂い
ています。
(Taiwan Shionogi & Co., Ltd.:台湾)
②毎年、州当局へ報告している環境レポートの規制項目はいずれも基
準を満たしています。(Shionogi Qualicaps, Inc.:米国)
③認定試験機関による測定で排水、ボイラー排気、廃棄物などのすべ
て の 規 制 項 目 で 法 規 制 に 適 合 し て い る 事 が 確 認 さ れ て い ま す。
(Shionogi Qualicaps, S.A.:スペイン)
17 Shionogi
Shionogi
environmental
report
環境庁(当時)が公表した「環境会計ガイドブック」の公表用A─1表に従い環
環境会計
境対策費用を分類しました。
環境保全コストの総額は15億2千万円で、そのうち3億3千万円を、省エネル
ギー機器の導入や有害大気汚染物質の吸着設備の設置などの環境投資に使ってい
ます。
環境保全コスト
(公表用A━1表)
集計範囲:塩野義製薬株式会社
集計期間:2000年4月1日∼2001年3月31日
単位:(千)円
分 類
主な取り組みの内容およびその効果
投資額
費用額
334,042
862,221
0
317,248
334,042
142,929
廃棄物処理費、再商品化委託費等
0
402,044
容器包装の再商品化委託契約等
0
19,921
人件費、環境測定費等
0
182,296
0
0
0
110,525
0
0
0
13,245
334,042
1,188,208
(1)生産・サービス活動により事業エリア内で生じる環境負荷を抑制する
ための環境保全コスト(事業エリア内コスト)
①公害防止コスト
内
訳
②地球環境保全コスト
③資源循環コスト
排水処理場運転費
下水道料金等
ジクロロメタン対策費、特定フロン対策費、
焼却炉運転費、省エネ対策費等
(2)生産・サービス活動に伴って上流
又は下流で生じる環境負荷を抑制
する為のコスト(上・下流コスト)
(3)管理活動における環境保全コスト
(管理活動コスト)
(4)研究開発活動における環境保全コ
スト(研究開発コスト)
(5)社会活動における環境保全コスト
(社会活動コスト)
緑化費用、関連団体協賛費等
(6)地球損傷に対応するコスト
(環境損傷コスト)
(7)その他
(1)
∼(6)
に該当しないもの
業務委託費等
小計
合計 1,522,250
Shionogi 18
おわりに
環境管理のあゆみ
シオノギの環境管理
国内動向
1967 ―――― 公害対策基本法制定
1968 ―――――――― 大気汚染防止法制定
1970 ―――― 公害国会
●
摂津工場の排水処理施設完成
――――
――――
――
――
――
――
―――
―
●
●
●
●
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律制定
・水質汚濁防止法制定
排出物処理方針の制定 ―――――――――――――――――――――――――――
1971 ―――― 環境庁設置
●
●
・排出者責任による公害防止
1975
1979 ―――― エネルギーの使用の合理化に関する法律制定
―
―
―
―
―
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―
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―
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―
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金ケ崎工場 竣工
1983
製造部 環境防災課設置
―――
――
――
―――
――――
――
――
――
――
―――
―
●
●
●
接触酸化排水処理設備・液体焼却炉設置
1988 ―――― 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に
●
関する法律制定
1991
―
―
―― 経団連地球環境憲章
●
環境基本法制定
シオノギ環境基本方針の制定
―――
――
―――
――
――
――
――
―――
―
1993
1994
―
―
―― 環境庁「地球にやさしい企業行動憲章」
●
●
環境担当役員任命
環境管理室発足
第一次環境行動目標
――――――
――
――
―――
――――
――
――
――
――
―――
―
1995 ―――― 容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進
●
●
等に関する法律制定
・全社横断の環境管理組織
・全社の行動目標
1996 ―――― 国際環境規格ISO14001
1997 ―――― 廃棄物の処理及び清掃に関する法律改正
●
●
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び
管理の改善の促進に関する法律制定
1998
1999
シオノギ環境基本方針の改定 ―――――――――――――――――――― 2000 ―――― 循環型社会形成推進基本法と関連法規制定
―
―
―― 地球温暖化対策の推進に関する法律制定
●
ISO1
4001認証取得
(赤穂工場)
―――
――
――
――
――
―――
―
●
●
第二次環境行動目標
環境報告書発行
7事業所のISO1
4001一括認証取得に向けた
活動を開始
シオノギグループ会社(海外含)の環境管理
活動開始
19 Shionogi
●
おわりに
専務取締役
(環境担当役員)
前田 孝
シオノギは1995年に廃棄物の削減や省エネルギーを主な課題とする第一次環境行動目標を定
めて、全社規模で環境保全活動を展開してまいりました。その結果最終となる2000年度で、目
標に掲げた数値はすべて達成する事が出来ました。
この2000年は「循環型社会元年」とも呼ばれ、その枠組みに必要なさまざまな法規や指針な
どの幾つかの措置が取られました。私達はシオノギ環境基本方針を「循環型社会形成」の理念
を盛り込んだ内容に改定し、さらに具体的な計画を定めた第二次環境行動目標を新たに策定し
て、より環境負荷の少ない事業活動を推進するため次の課題を重点的に取り組む所存でござい
ます。
①廃棄物対策の強化
廃棄物対策は「循環型社会形成」のかなめです。
廃棄物発生量抑制、廃棄物の再資源化推進、事業所ごとのゼロエミッション、などに取り組
みます。また、私どもの製品についても、廃棄物発生を少なくする、あるいは分別廃棄を容
易にする、等の工夫を行います。
②地球温暖化防止対策
地球温暖化の主な原因とされている二酸化炭素の排出量を、2004年までに1990年の水準に抑
制するように努めます。
③化学物質対策
人類が創った自然界にはない化学物質による環境汚染が世界的規模で問題になっています。
「環境汚染物質排出・移動登録制度」に対応するのは当然として、有害化学物質の使用量抑制、
環境排出抑制対策の徹底、取り扱い従事者の安全対策などを推進いたします。
④コミュニケーション
地域住民の皆様を始めとするさまざまな関係者に当社の環境保全活動に関する情報開示を
行っていきます。その媒体はこの「環境報告書」の他にホームページにも同様の記事を掲載
しております。一方、皆様からのご意見やご質問にお応えする体制を整えて、双方向のコミュニ
ケーションが出来るように努めてまいります。
Shionogi 20
おわりに
会社概要・環境月間写真優秀作品
■会社概要
(2001年3月末日現在)
創 業
1878(明治11)年3月17日
会社設立
1919(大正8)年6月5日
資 本 金
212億79百万円
本社所在地
〒541-0045
国内事業所
本社
(大阪)、支店(札幌・東京・名古屋・福岡)
大阪市中央区道修町3丁目1番8号
工場
(金ヶ崎・摂津・杭瀬・赤穂)
研究所
(中央研究所・新薬研究所・油日ラボラトリーズ)
従業員数
5,540名
業 種
医薬品製造業
事業内容
医薬品、診断薬、動物用医薬品、植物用薬品及び工業薬品などの
製造・販売並びに臨床検査
売 上 高
2,158億94百万円(2001年3月期)
■環境月間写真:環境月間行事の一環として、当社従業員対象に環境をイメージする写真の募集を行いました。その優秀作品をここに掲載いたします。
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この環境報告書についてのご意見・お問い合わせは環境管理室までお願いいたします。
環境管理室
〒541-0045 大阪市中央区道修町3丁目1番8号
TEL. 06-6209-7884 FAX. 06-6205-8810
http://www.shionogi.co.jp/
古紙 配合率100%再生紙を使用
このパンフレットは、100%再生紙に大豆油インキで印刷しています。