第1期ロジスティクス環境会議 活動成果とメンバー一覧 循環型社会を実現するロジスティクス・グランドデザイン 調達、生産、流通、消費の諸活動とそれらの過程を経て発生する廃棄物の処理の行為は、環境汚染や 環境破壊など、環境に対して様々な負荷を与えます。私達の世代は健全な地球環境と社会環境とを(人 類生存の大前提である)最も重要な財産として、将来の世代に引き継ぐ責務を有しています。その責 務を果たすべく、ロジスティクスにおいても、環境への調和、環境との共生、環境改善への積極的貢献、 を最優先に考えねばなりません。 ロジスティクスには、再使用や循環などの視点に加え、素材の選択や廃棄物の処理のあり方まで視 野を広げ、環境への負荷に適切に配慮しつつ、費用対効果を最適化することが必要です。 JILS は 21 世紀の循環型経済における、ロジスティクス活動のあるべき姿として 「環境と調和した循環型社会を支えるロジスティクス」を提唱します。 循環型の経済活動を、ロジスティクスを通じて実現したいという思いを込めて、 「循環型社会を実現するロジスティクス・グランドデザイン」を提案します。 (第1回本会議/2003 年 11 月 13 日) 社団法人日本ロジスティクスシステム協会 1.第1期の概要 1)目 的:循環型社会を実現するロジスティクスの構築 ~個人が変わる、企業が変わる、物流が変わる~ 2)目 標:行政・自治体・大学等の研究機関・関連団体との連携を図りながら、環境と調和した ロジスティクス方針・活動を通じて、循環型社会を実現するロジスティクスの構築に 取組む企業を増やす。 3)期 間:2003年11月~2006年3月 4)参加メンバー:109社(1自治体含む) ※詳細は「第1期のメンバー一覧」をご参照ください。 5)議長、副議長:※2006 年 3 月15 日時点 議 長:張 富士夫 氏 (トヨタ自動車㈱ 取締役副会長) 副議長:鈴木 武 氏 (味の素㈱ 技術特別顧問) 副議長:岡部 正彦 氏 (日本通運㈱ 代表取締役会長) 副議長:鈴木 敏文 氏 (㈱イトーヨーカ堂 代表取締役会長 CEO) 2.第1期の成果(1) 環境負荷低減活動に「取り組む企業」を増やすための基盤整備活動を展開してきました。 加えて、各種施策の提示および活動支援ツール等を作成しました。 1)グランドデザインに基づき設置された委員会と課題解決に向けた主な活動成果 委員会 主な活動成果 ①環境パフォーマンス評価手法検討委員会 ロジスティクス分野における環境パフォーマンス (輸配送活動)の標準的な算定方法の提示 ②源流管理による環境改善委員会 ロジスティクス、物流関係者として取り組むべき源 流管理の考え方、施策の提示 ③省資源ロジスティクス推進委員会 取引条件見直しによる物流の環境負荷低減効果に 基づく問題の提起 ④リバースロジスティクス調査委員会 循環型社会を実現するために不可欠な静脈物流共 同化プラットフォーム構築策の提示 ⑤共通基盤整備委員会 企業の物流活動の定量的かつ継続的な報告内容の 提示 2)関係行政機関と関連団体との連携による啓発・普及活動の推進 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する法律(以下、改正省 ⑥改正省エネ法 エネ法)施行に向けた対応 ・関係行政機関 との連携 ・改正省エネ法の案に対し、環境会議メンバーの意見要望を取りまとめ、経済 産業省と国土交通省へ意見要望書を提出し、 「算定方法」等に対する意見要望 が反映。 ⇒判断基準に定められる算定方法として、 (改良)トンキロ法に加え、 「燃料法」 「燃費法」を追加することを提案し、採用された。 ※算定方法:燃料法、燃費法、改良トンキロ法 ⇒省エネルギーに対する取組の重要な主体である着荷主に対しても、共同で 実施する取組を記述することを提案し、荷主の判断基準の中に、 「着荷主等 との連携」が明記された。 グリーン物流パートナーシップ会議との連携による、啓発・普及活動の推進 ⑦グリーン物流 強化 パートナーシップ会議 ・関係行政機関 ・経済産業省、国土交通省、日本物流団体連合会、 ・関連団体 日本経済団体連合会(オブザーバー)との連携 との連携 ・より多くの関係者へ情報を発信するため、グリーン物流パートナーシップ会 議と環境会議が共同で「ロジスティクス環境シンポジウム」を開催。 2.第1期の成果(2) 以下は各委員会活動を通じた検討成果の概要です。マニュアルや用語解説、関連の法体系、URLリ ンク集等の成果物を取りまとめました。全ての成果物はJILSのホームページで閲覧可能です。 ※マニュアル等はダウンロードすることが出来ます http://www.logistics.or.jp/green/ 1) 『二酸化炭素排出量算定ガイド/トラック輸送版』 ロジスティクスの環境負荷として最も関心が高いトラック輸配送における二酸化炭素排出量を算出 するため、環境負荷指標の体系や標準的な算定方法※とその事例および現時点において望ましいと 思われる按分方法の考え方をまとめている。 ※ 燃料法(標準) 、燃費法(準標準1) 、改良トンキロ法(準標準2) 、従来トンキロ法(簡易) 2-1) 『源流管理マニュアル(Ver.1) 』 荷主企業が自ら環境負荷の発生源としの認識を持ち、環境負荷を最小限に留めるための管理するポ イント(包装資材削減、輸配送効率化等)をマニュアルとしてまとめている。 2-2) 『源流管理マニュアル(Ver.2)/モーダルシフト推進チェックシート・資料集』 荷主企業がモーダルシフト推進を検討、計画する際に考慮すべき事項や関係者調整事項など、PD CAの検討プロセスに沿ったチェックシート、比較評価シート、関連データなどが盛り込まれた資 料集としてまとめている。 3-1) 『省資源ロジスティクス事例集』 モーダルシフト、共同物流、包装資材低減の各施策について、食品・流通(36 事例) 機械・精密機器(35 事例) 、素材(14 事例)の事例を紹介している。 3-2) 『取引条件見直しによる物流の環境負荷低減効果に関する調査報告書』 省資源・省エネルギー化の推進を阻害している主要因と考えられる取引条件の実態とその影響度を 定量的に把握することを目的として、加工食品、家電製品、パソコン等を取り扱っている企業を対 象に、ロット、リードタイム、配送回数、荷下ろし・待機時間、物流コスト、積載率などに関する 物流実態調査を行った。さらに、取引条件見直しによるCO2低減効果を定量的に推計し、その評 価をまとめている。 4) 『静脈物流共同化プラットフォーム構築調査(リバースロジスティクス調査報告書) 』 今後本格的に必要とされるリユース、リサイクルに関わる物流のあるべき姿を描くため、家電・O A機器、自動車、食品、物流(包装・梱包資材)の4分野の調査活動を行い、リバースロジスティ クスの構築を促進する共同化等の施策と廃掃法等の環境関連法規の柔軟な運用改善の要望 (7項目) をまとめている。 5-1) 『企業の環境報告書における物流に関する記載内容実態調査』 製造業、流通業等 186 社の環境報告書における物流に関する記載内容を調査し、環境負荷低減活動 の分かりやすい記載事例を紹介し、CO2排出量の算定結果を掲載している企業が少なく、 『二酸 化炭素排出量算定ガイド/トラック輸送版』の普及の必要性等をまとめている。 5-2)ロジスティクス分野に係わる環境問題に関する基本的な用語、法規、情報等の整備 72の用語解説、環境と物流に関連する法体系および29法令の解説と条文の掲載、国内、海外の 環境と物流の関連URLリンクを JILS のホームページ上にて公開している。 3.第1期のメンバー一覧 【企業・自治体メンバー:109社】社名 50 音順 ※2006 年 3 月 1 日時点 愛知海運(株) キリンビール(株) 東芝物流(株) 愛知陸運(株) グリコ乳業(株) 東芝物流コンサルティング(株) 福岡倉庫(株) 旭運輸(株) クリナップロジスティクス (株) トヨタ自動車(株) 富士ゼロックス(株) アサヒビール(株) (株)コイケ (株)豊田自動織機 富士通(株) 日野自動車(株) アサヒロジ(株) 光英システム(株) 豊田スチールセンター(株) (株)フジトランスコーポレーション 味の素(株) (株)合通 トヨタ輸送(株) (株)富士ロジテック 味の素物流(株) 鴻池運輸(株) トヨフジ海運(株) プラネット物流(株) イオン(株) 国分(株) (株)ニチレイロジグループ本社 (株)ポッカロジスティクス いすゞ自動車(株) コマツ ニッコー・ロジスティクス(株) (株)HOTTA 伊藤ハム物流(株) 佐川急便(株) 日清オイリオグループ(株) ホンダロジコム(株) (株)イトーヨーカ堂 サッポロビール(株) (株)日通総合研究所 マクセルロジスティクス(株) ウベパレットレンタルリーシング(株) 三岐通運(株) 日本アイ・ビー・エムロジスティクス(株) 松下電器産業(株) NECロジスティクス(株) 山九(株) 日本貨物鉄道(株) 三井金属鉱業(株) (株)NTTデータ サントリー(株) (株 )日 本 航 空 イ ン タ ー ナ シ ョ ナ ル 三井倉庫(株) (株)エプソンロジスティクス 三洋電機ロジスティクス(株) 日本水産(株) 三菱化学物流(株) 大阪ガス(株) (株)資生堂 (株)日本総合研究所 三菱倉庫(株) (株)オカムラ物流 清水建設(株) 日本通運(株) (株)三菱総合研究所 (株)オリエント・ロジ ジョンソン・エンド・ジョンソン(株) 日本電気(株) 三菱電機(株) オリンパスロジテックス(株) 新日本製鐵(株) (株)日本能率協会総合研究所 村田機械(株) カート・サーモン・アソシエイツ ・インコーポレイテッド 鈴与(株) 日本郵船(株) 明治乳業(株) カゴメ(株) 住電装ロジネット(株) 日本ユニシス(株) 安田倉庫(株) 鹿島建設(株) 西濃運輸(株) 日本ロジテム(株) (株)ヤマタネ 加藤産業(株) 第一貨物(株) (株)野村総合研究所 ユニ・チャーム(株) 川崎陸送(株) 大成建設(株) ハウス食品(株) リコーロジスティクス(株) 北九州市 ダイハツ工業(株) (株)バンダイロジパル (株)菱食 キッコーマン(株) (株)ダイフク (株)ヒガシトゥエンティワン キヤノン(株) 鉄道情報システム(株) (株)日立製作所 キユーピー(株) (株)東芝 (株)日立物流 【特別メンバー 9大学・4省庁・1団体】 *大学 岡田 清 苦瀬 博仁 黒川 久幸 成城大学経済学部 名誉教授 東京海洋大学海洋工学部 流通情報工学科 教授 東京海洋大学海洋工学部 流通情報工学科 助教授 *オブザーバー 経済産業省 商務情報政策局 流通・物流政策室 経済産業省 産業技術環境局 環境政策課 経済産業省 資源エネルギー庁 省エネルギー 新エネルギー部 省エネルギー対策課 政策統括官付 政策調整官付 (物流担当) 杉山 武彦 一橋大学学長 国土交通省 鈴木 邦成 文化女子大学講師 国土交通省 総合政策局 環境・海洋課 竹田 賢 青山学院大学経営学部 助教授 国土交通省 総合政策局 複合貨物流通課 津久井英喜 諏訪東京理科大学経営情報学科 教授 環境省 総合環境政策局 環境経済課 納富 信 早稲田大学大学院 理工学研究科 環境・エネルギー専攻 助教授 農林水産省 総合食料局 流通課 増井 忠幸 武蔵工業大学環境情報学部 教授 矢野 裕児 流通経済大学流通情報学部 教授 *団体 (財)流通システム開発センター
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