Institute for Solid State Physics Past, Present

物性研短期研究会「新たな物性研究体制の構築」
平成18年12月7、8日
物性研の現状と将来像
上田 和夫
物性研 半世紀の歩み
第1世代(1957-1979)
・設立
物性研究所は、全国共同利用研として1957年3月31日東京大学に設置
日本学術会議の勧告(1956年4月)
「物性物理学研究所は物性物理学の総合的かつ系統的な研究を行い、それによっ
てわが国の学問の水準を高め工業技術の発展に貢献する」ことを目的とする
「われわれは現状を検討し、わが国における物性物理学の研究の進むべき道を慎
重に考察した結果、この水準を急速に引き上げるために物性物理学研究所を設置
することが最も適切な方法であるという結論に達した。この研究所は物性物理学の
うち、固体物理学を中心とする分野においてその基礎的研究を高度の総合性をもっ
て行うに足る十分な近代的設備を整えた中央的研究機関であることが望まれる。こ
こにおいて物性の研究を強力に推進するとともに、全国の研究者がその設備を利
用してその研究を徹底的に遂行することを積極的に援助」すべきである
・22研究部門 (うち1部門は客員)
軌道放射物性研究施設
第2世代(1980-1995)
第3世代(1996-現在)
・改組(1980)
5大研究部門+3施設
極限物性部門
・超強磁場
・極限レーザー
・表面物性
・超低温物性
・超高圧
軌道放射物性部門
中性子回折物性部門
凝縮系物性部門
理論部門
客員部門
新物質科学研究部門
物性理論研究部門
先端領域研究部門
極限環境物性研究部門
先端分光研究部門
軌道放射物性研究施設
中性子散乱研究施設
物質設計評価施設
柏移転
1996
1999
2000
柏キャンパス実験棟着工
柏キャンパスへの移転開始
移転完了
柏移転後
2001
2003
2004
2005
2006
外国人客員新設
中性子散乱研究施設が中性子科学研究施設に
改組 (4→5グループ)
国立大学法人化
先端領域研究部門をナノスケール物性研究部門
に改称 (6→7グループ)
外部評価の実施
スーパーコンピュータ更新 (3→4グループ)
国際超強磁場科学研究施設の新設
人員
昭和51年度予算定員
教授 助教授 助手 技官 事務官 その他
22
51 24
15
81
人員 21
平成18年度採用可能数
計
214
( )内は客員
教授 助教授 助手 技術職員 事務職員
合計
(柏地区全体)
24
定員
(4)
28
(4)
40
36
69
197
(8)
予算
年度別予算額
区分
人件費
(単位:千円)
物件費
特別設備費
建物新営等経費
経常費
計
昭和32年度(1957)
7,044
30,000
-
6,187
43,231
33年度(1958)
18,008
100,000
15,620
15,734
149,362
34年度(1959)
24,186
280,000
127,955
29,459
461,600
35年度(1960)
43,967
300,000
51,402
55,515
450,884
36年度(1961)
66,163
300,000
177,250
74,547
617,960
37年度(1962)
82,473
250,000
82,244
88,962
503,679
38年度(1963)
115,387
200,000
-
111,045
426,432
39年度(1964)
124,513
-
-
120,321
244,834
40年度(1965)
136,140
-
-
128,523
264,663
41年度(1966)
153,161
8,700
-
147,222
309,083
42年度(1967)
173,866
11,850
1,725
193,413
380,854
43年度(1968)
191,404
9,400
5,000
198,664
404,468
44年度(1969)
220,481
12,800
-
205,120
438,401
45年度(1970)
258,493
42,300
129,556
209,094
639,443
46年度(1971)
310,096
97,420
-
224,936
632,452
47年度(1972)
358,689
97,900
-
242,899
699,488
48年度(1973)
431,698
60,100
-
267,616
759,414
49年度(1974)
582,555
113,400
-
303,960
999,915
50年度(1975)
675,537
59,200
16,235
323,038
1,047,010
51年度(1976)
721,320
88,700
8,001
378,821
1,196,752
(注) 特別設備費のうち、32年度~38年度は創設設備費で計14億6000万円
予算額の推移
(単位:千円)
奨学寄付金
受託研究・
共同研究
2,056,445
19,298
100,200
192,600
3,897,376
1,543,996
2,230,226
8,501
112,237
216,873
4,111,833
13年度(2001)
1,571,857
2,095,185
14,376
112,369
258,000
4,051,787
14年度(2002)
1,527,173
2,237,894
6,584
61,352
344,700
4,177,703
15年度(2003)
1,502,097
2,130,210
21,950
149,079
348,500
4,151,836
16年度(2004)
1,341,540
2,162,225
13,180
69,574
448,100
4,034,619
17年度(2005)
1,374,411
1,982,397
18,090
80,620
528,100
3,983,618
人件費
物件費
平成11年度(1999)
1,528,833
12年度(2000)
科学研究費
計
物性研の組織原理
(1)物性物理学の基礎研究の推進
実験・理論の両輪
新物質科学および理論
(2)Current topics と得意分野の形成
ナノスケール物性
極限環境
先端分光
(3)大規模物性科学
4施設
(4)化学グループの重要性
国立大学法人化の影響
1.附置研が国立学校設置法にもとづく部局で
なくなった
2.総長のイニシアチブの強化
3.予算の逼迫
・1%の削減
・補正予算が期待出来ない
4.大学附置研における全国共同利用の位置
付けが明瞭でなくなった
将来計画の考え方
・物性科学研究の基礎的体力を維持・強化する
・得意分野のグループ、設備を育成・強化し、そ
れを全国共同利用に供する
・競争的資金の活用
・全国共同利用研から国際共同利用研へ
昨年度の国際的外部評価の答申を受け、
第2期の中期目標・中期計画の策定を
にらんで将来計画を策定する
当面の課題
・超強磁場施設の建設
・放射光
- 超長尺アンジュレータービームラインの建設
・計算物性科学の推進
- 京速コンピューター計画を見据えて
・パルス中性子への対応
- J-PARCとJRR-3
・極限コヒーレント光ナノサイエンス研究センター
- 柏国際キャンパスの整備