たまねぎ栽培の基本管理について 平成 26 年9月 19 日 芳賀農業振興事務所 月 旬 9 10 11 12 1 2 3 4 5 6 7 上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中下上 中 下 ▼○ 苗は 床種 準 備 ( 主 な 作 業 追▼× 肥本 定 定ぽ 植 植準 2 備 週 間 前 □□□ 早追 生肥 ① 追 肥 ② 追 肥 ③ 中追 生肥 ① 追 肥 ② ※3月中旬以降 は腐敗防止のた め追肥しない 追 肥 ③ 収 穫 出 荷 貯 蔵 出 荷 適宜薬剤防除 ) 1 主な品種 ソニック(早生)、七宝早生 7 号(早生)、アドバンス(中早生)、ターボ(中生)、 コマンダー(中生)、ターザン(中生)、七宝甘-70(中生)、ネオアース(中晩 生)、もみじ 3 号(中晩生) ネオアースやもみじ 3 号は貯蔵性にすぐれる。 春の災害には早生品種で影響を受けやすいので注意する。 2 用意する種子量 デシリットル デシリットル 本ぽ 10a当たり4 d l (2缶≒46,000 粒)~6 d l (3缶≒69,000 粒)。 (参考)2dl=100g 発芽不良や病害等を考慮し、苗不足とならないよう注意する。 たまねぎの発芽率は 70%以上(袋標記)。 3 は種準備、は種 ・発芽適温:20℃前後 ・は種時期:9月中旬頃(定植予定日の 55 日前がは種適期)を基本とする。播種時期が 早いと抽台(トウ立ち)が発生しやすく、遅いと小 球、枯死株が発生しやすくなるので、適宜は種日を 調節するが、マルチ栽培の場合は露地栽培よりも3 ~7日程度遅らせる。 ・苗床準備:肥よくで排水、保水性の良い場所を選 定し、本ぽ 10aに対し 50~60 ㎡程度確保する。 ベッド幅1~1.2m、高さ約 15cmの畝をたてる。 1 8~10 条程度 床面は平らにし、水分のバラツキによる発芽不揃いを防ぐ。大雨・台風に備え周囲に排水 溝を作る。 手播きの場合はうねの方向と垂直に播く。 ・施肥例(苗床 60m2(1.2m×50m)あたり) 肥料名 ・は 施肥量(kg) 備考 完熟堆肥 300 pH6.0~6.5 ようりん 8 (6.0 以下では生 苦土炭カル 12 育不良となる) CDU化成S555 号 12 種:前日に十分かん水しておき、条間8~10 ㎝、深さ5~6㎜、種子間5~10mm 程度に条まきする。種子が隠れる程度に覆土し軽くおさえ、十分にかん水した 後、乾燥防止のためもみ殻を散らし、寒冷紗、遮光資材等で被覆する。 セルトレイ育苗では専用は種機により 10a あたり 448 穴で 75 枚(33,600 本)用意する。トレイを並べ、シルバーポリを被覆する。 タマネギバエの防除を行う場合は以下のとおり。 農薬名 使用時期 希釈倍数使用量 使用方法 使用回数 ダイアジノ は種時又 3~5kg/10a 作付前:全面土壌混 2 回以内 ン粒剤 5 は定植時 和又は作条土壌混 和 作物生育中:作 条処理して軽く覆 土 カルホス乳 定植前 剤 育 苗 箱 ( 約 土壌灌注 1回 30×60×2.5c m、使用土壌約 2L)1 箱 当 り 500mL 4 育苗管理 ・は 種 後:6~7日で発芽するので、発芽後は曇天又は夕方に被覆をとり除き徒長を防 止する。乾燥している場合にはかん水をする。 ・中 耕:除草を兼ねて本葉1~2葉期に軽く中耕し、固くなった土の表面を崩すこと で空気の供給を良くし生育を促す。 ・間 引 き:草丈が5㎝程度となり、密生部分がある場合は 1 ㎝間隔となるよう間引く。 ・追 肥:葉色が薄くなり肥切れが心配な場合は、速効性肥料、液肥、葉面散布剤等で 適宜追肥する。また、定植の2週間前にりん酸成分を追肥しておくと定植時 の発根が良くなる。 2 5 定植準備 ・圃場耕起:定植後の活着促進と均一な生育を確保するため、土壌表層の凹凸やゴロ土が 無いよう、ゆっくり丁寧に行って砕土する。 ・土壌改良:タマネギは肥沃な土壌で良く生育するため、水田転作畑等で初めて作付けす る場合は充分な土づくりが必要。 (堆肥)良質なものを10a当たり2トン程度投入する。 (石灰)目標土壌pH(酸度)は6~6.5なので苦土炭カル等を適宜投入する。 (燐酸)新作地、圃場を変える場合(特に黒ボク土)、必ずようりん(80~100kg/ 10a)等の燐酸資材を投入する。 ・施 肥 量:生育に必要なトータル施肥量、施肥例は下表のとおり 【10a あたりの施肥量】 窒素:りん酸:加里=22kg:27kg:22kg 【10a あたりの施肥例】 施肥例 肥料名 現物量 窒素 りん酸 加里 160 22.4 25.6 22.4 CDU化成 S555 80 12.0 12.0 12.0 苦土重焼燐 40 - 14.0 - 60 9.6 1.8 9.0 80 9.6 4.0 5.6 (kg) ① 基肥 BB たまねぎ専用 464 追肥なし ② 6 基肥 追肥 BB-S635 又は (2~3 くみあい液肥1号(マル 回分) チ栽培の場合) 定植 ・定植適期:露地栽培では10月下旬~11月上旬頃、マルチ栽培では11月10日頃を 目安とするが、気候や生育条件により調節する。 ・栽植密度 手植え 条数 栽植本数 7条 29,000 本/10a 機械植え(セル苗) 4 条 22,000~26,000 本/10a ベッド幅(株間×条間) 120cm(15cm×15cm) 80cm(13~15cm×20cm) ※通路幅 40cm程度 大玉生産ではやや粗植、貯蔵向け栽培等でやや小ぶりの球に仕上 げる場合は、やや密植でも可能。 (条数、通路幅のとりかたによって栽植本数はやや異なる) ・定 植 苗:手植えに用いる苗は、育苗日数50~55日後、葉 が3~4枚展開、太さ5~7mm 程度の病害虫に犯 されていない健全苗を選んでおく。 3 機械植えの苗は育苗日数 55 日前後、本葉 2~3 枚程度で定植する。 茎の直径が 1cm 以上の苗が 10℃以下の温度に 30 日以上さらされたときに花芽が分化し、抽台するの で注意する。 ・定植方法:できるだけ根を丸めず真っ直ぐに立て、苗が倒れな いよう株元をしっかり押さえて、根と土が密着する ように定植する。植え付け深さは葉梢部が半分埋ま る程度とし、葉の根元まで深植しすぎないよう注意 する。 [参考]黒腐菌核病、乾腐病対策として定植苗の薬剤浸漬処理剤 対象病害 農薬名 使用時期 希釈倍率 黒腐菌核 セイビアーフ 定植直前 500 病 ロアブル 20 乾腐病 ベンレート水 移植直前 ~ 使用方法 使用回数 5分間苗根部 1回 1000 倍 浸漬 20 倍 3分間苗根部 和剤 1回 浸漬 ・そ の 他:早植え等によるトウ立ち、定植遅れによる小球や枯死株を防止するため、苗 の生育、気象、圃場条件をみて適宜管理(定植時期、かん水)を調節する。 7 定植後の管理 ・追 肥 追肥時期 備考 早生 中生以降 1回目 12 月中旬 1月中旬 活着促進 2回目 1 月上中旬 2 月中旬 抽台回避(厳寒期の N 切れを回避) 3 回目 2 月上中旬 3 月上旬 止肥(肥大促進、止め葉形成に影響) 「BB たまねぎ専用 464」を使用する場合には基本的に追肥は必要ないが、葉色等を見て 必要な場合は追肥をし、抽台回避、肥大促進を図る。3月中旬以降は収穫遅れや腐敗球防 止のため追肥しない。肥料の効果を出すには適当な水分が必要なので、降雨後または適当 な降雨前に行う。 ・土 入 れ:追肥と同時期または直後に、雑草、霜柱による苗浮き等を防ぐため、土から 出た葉梢部に適宜土入れする。病害発生防止のため、葉折れや葉の首元の上 まで土を入れすぎないよう注意する。 ・除 草 剤:定植後、土壌処理剤は、土壌水分が確保された状態で散布する。 農薬名 使用時期 希釈倍数 散布液量 使用方法 使用回数 使用量 ゴーゴーサ 定植後(雑草発生前) 300 ~ ン乳剤 30 但し収穫 60 日前まで 500ml/10a 100L/10a 散布 トレファノ 定植後、但し、収穫 75 200 100 全面土壌 サイド乳剤 日前まで 300ml/10a L/10a 散布 ~ 4 70 ~ 全面土壌 1回 2回以内 8 収穫・貯蔵 ・収穫適期:圃場全体の80%以上倒伏したのち、晴天の日を選んで収穫する(長雨が多 い時期なので、天候を予測しながら計画的に)。圃場では、抜き取った球を 圃場で乾燥させ、ある程度乾燥したらコンテナ積みを開始する。 収穫の極端な遅れは腐敗球の多発を招くので、取り遅れにも注意する。「コ マンダー」は他の中生品種よりやや早生なので、収穫適期を逃さないように する。 ・貯 蔵:通風の良い、直射日光があたらず高温とならない場所を確保する。パイプハ ウスによる転がし乾燥の場合は、雨水の流入や湿気の上がりが無いよう古ビ ニール等を敷設し、周囲に排水溝を設置する。コンテナ積みの場合は4~5 段積以上にせず、下部に隙間をあけておくか井桁積みにする。貯蔵性が高い 品種を用い、糖度が高く硬くしまった球の方が貯蔵性が高い傾向がある。 貯蔵する場合、倒伏が始まった頃に殺菌剤を散布すると貯蔵中の病害に有 効。 貯蔵中の病害は、葉に感染したものから2次的に感染する場合と貯蔵中の球 に直接感染する場合がある。ほ場での防除を徹底することで、多少抑えるこ とができる。 【黒かび病】:病原菌の生育適温は37℃と 高温を好む。 貯蔵ハウスに日除け資材を展帳し、できるだ け涼しくする。 窒素過多で軟弱にならないよう、固く絞まっ たたまねぎを作るようにする。 5
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