時間生物学∼基礎研究から創薬まで(仮題)

[M-35]
未来へのバイオ技術
勉強会
月例会
時間生物学∼基礎研究から創薬まで(仮題)
日
会
時:2011 年 2 月 15 日(火) 15:00∼17:40(終了後、簡単な交流会 17:40∼19:00)
場:(財)バイオインダストリー協会(JBA) 第1会議室
東京都中央区八丁堀 2-26-9 グランデビル 8F
地図
→
http://www.jba.or.jp/about/access/index.html
15:00∼15:50「時間」の生命科学
上田
泰己 (( 独 )理 化 学 研 究 所
発 生・再 生 科 学 総 合 研 究 セ ン
ター
システムバイオロジー研究プロジェクト
プロジェクトリーダ
ー)
花が決まった時間に咲くように、ヒトは朝自然に目が覚める。これは花と同じように私達の体の中にも自
然が創り上げた時計があるからである。体内時計(概日時計)と 呼ばれるこの時計は体中の細胞に存在し、
約24時間の周期でリズムをうち、光や温度の変化を感知してリセットされ、体内で起こる様々なイベント
のタイミングを調節している。
近年、これら一つ一つの時計細胞の中に、朝・昼・夜の3つのスイッチが
あることがわかってきた。このスイッチを押したり、消したりする役目を担っているのが、時計遺伝子たち
で20個程存在することが現在までにあきらかになった。つまり、私達の体の隅々にある時計細胞という舞
台の中で、これら20人あまりの役者たちによる体 内リズムという劇が、朝・昼・夜の三幕構成で毎日繰り
返されているのである。 さらに、体内時計は、朝・昼・夜といった1日の中での時間だけではなく、春・夏
や秋・冬といった1年の中での時間、つまり季節を感じ取る際にも重要であることがわかってきた。いわば
体内カレンダー(光周性)が私達の体には備わっているのである。このように朝・昼・夜といった1日の時
間や春・夏や秋・冬といった1年の中での時間が、体内では遺伝子の働きによって表現されている。講演で
は、体内時計・体内カレンダーの解明の現状について紹介するとともに、生命科学の「現在」について紹介
したい。
16:00∼16:50 「ヒトの体内時計測定法と投薬・治療への応用(仮題)」
明石
真(山口大学時間学研究所
教授)
佐賀大学循環器内科、ソニー株式会社先端マテリアル研究所の研究グループと共同で、体毛
により簡便に人間の体内時計を測定する手法「ヒトの体内時計測定法」を開発した。体内時計
の乱れと疾病との因果関係が指摘されるなか、今後さらに測定精度を高めることにより、(1)時差ぼけ改
善のための研究、(2)労働環境改善のための研究、(3)生活リズムと疾患の関係の研究、(4)体内時
計の乱れを原因とする体調不良や疾患の予防・診断・治療への利用、(5)個々人の体内時刻に合わせ
た抗がん剤など、投薬・治療への貢献が期待される。
16:50∼17:40 「ストレス性睡眠障害モデル動物の特性評価とその利用(仮
題)」
宮崎
歴 ( (独 )産 業 技 術 総 合 研 究 所 バ イ オ メ デ ィ カ ル 研 究 部 門
生物時計研究グループ
主任研究員)
[M-35]
----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------参加費:JBA 会員(法人会員および個人会員)無料、
非会員 3,000 円(税込)
申込先:参加希望者は 2011 年 2 月 14 日(月)までに、事務局メールアドレス([email protected])まで、
メール件名を「2 月度月例会参加希望」として、①JBA 会 員 / 非会 員 の 区 分、②交 流 会( 無 料)
の 参 加 有 無 、③所 属 ・ 役 職 、④氏 名 、⑤連 絡 先 (TEL、FAX、E-mail)を明記してお申込下さい。
問合先: (財)バイオインダストリー協会
担当:矢田・森下・穴澤
<開催趣旨>
未来へのバイオ技術
勉強会事務局
電話:03-5541-2731
生物の生活サイクルを左右する「体内時計」は、医療医薬のパラダイムシフトを加速させ
る可能性を秘めた研究分野であり、概日リズムを睡眠、ストレス、食品といった観点から見ることで様々な
展開が期待される。本分野の第一人者の先生方をお招きして、時間生物学の概念、基礎研究から体内時計測
定法の確立、投薬・治療への応用や治療薬開発、その先にある応用展開の可能性まで学びたい。