欧州の新たな化学品規制(REACH規則)について - 日本ダイカスト協会

地方経済産業局 説明資料
欧州の新たな化学品規制(REACH規則)について
平成19年12月19日
製造産業局 化 学 課
機能性化学品室
1.REACH規則導入の背景と経緯
(注)REACHとは「Registration(登録),
(注)REACHとは
Registration(登録), Evaluation(評価), Authorization(認可) and Restriction(制限) of Chemicals(化学品)」の略。
○背景と経緯
・ 国際的な化学物質管理政策の枠組みは
国際的な化学物質管理政策の枠組みは、1992年のリオサミットで取りまとめられたアジ
1992年のリオサミットで取りまとめられたアジ
ェンダ21第19章「有害化学物質の環境上適正な管理」の7項目の対応に端を発しており、
2002年のWSSD(持続可能な開発に関する世界首脳会議)において、2020年達成を
目標に化学物質の著しい悪影響を最小にすることが決定。
目標に化学物質の著しい悪影響を最小にすることが決定
・ 欧州におけるREACH規則の導入についても2020年の目標を意識。
・ 新規化学物質に比
新規化学物質に比べて、既存化学物質(約10万物質、生産量1トン以上は約3万物質)
て、既存化学物質(約10万物質、生産量1トン以上は約3万物質)
の安全性評価の遅れ。
(参考)従来OECDのプログラムで各国分担し、既存化学物質の安全性評価を官、民で実施するも、なかなか進まず。
(2007年2月時点で733物質終了)
・ 複雑な欧州における化学品管理法。(各国毎。欧州化学物質関連規制に関する法は40
以上で、複雑かつ各国で運用等不統一)
・ 環境団体からのPressure。
境 体
→ REACH規則は、人の健康と環境の保護、欧州化学産業の競争力の向上などが目的に
掲げられ、2003年10月に欧州委員会により提案され、昨年12月に欧州議会採択と環
境理事会承認を受け、本年6月1日に施行、来年6月1日より本格運用。
1
2.REACH規則のポイント
○ポイント
・ 安全性評価の義務を、規制当局から産業界に移管したこと。
・ 新規化学物質だけでなく、既存化学物質についても、登録(安全性評価の情報など)等の
義務を設けたこと。欧州で年間1トン以上製造又は輸入される物質(ただし、食品、医薬品、
農薬等特定の用途を除く)が対象となり 数量に応じて用途毎に登録を行わないと製造・輸
農薬等特定の用途を除く)が対象となり、数量に応じて用途毎に登録を行わないと製造
輸
入ができない。(ノーデータ・ノーマーケット)
・ 原則、事業者ごとに登録等を義務付けたこと。(個別事業者の取扱い量によって規制レベ
ルが異なる)
・ 特定の有害性物質は原則として使用禁止の認可制度を導入。(許可されれば使用可能)
・ 化学物質の製造
化学物質の製造・輸入者だけではなく、化学物質を含有する成形品の製造・輸入者に対し
輸入者だけではなく 化学物質を含有する成形品の製造 輸入者に対し
ても、一定条件の化学物質が含有される場合に、登録や届出等を義務づけたこと。
・ サプライチェーンにおける情報伝達を義務付けたこと。(危険有害性物質に該当する場合
は受領者に安全データシートを提供。成形品中に一定量の高懸念物質が含まれる場合は
受領者や、要求に応じて消費者に名称等の情報提供。川下ユーザーからの用途情報等を
要求)
2
3.REACH規則の概要(4つの要素)
(注)REACHとは「Registration(登録) Evaluation(評価),
(注)REACHとは「Registration(登録),
Evaluation(評価) Authorization(認可) and Restriction(制限) of Chemicals(化学品)」の略。
Chemicals(化学品)」の略
登録(Registration)
g
・年間1t以上製造・輸入する場合、事業者毎に
物質を登録。登録情報は数量に応じ段階的に
増加。
・一定条件を満たす成形品中の物質も対象。
・試験データの共有を義務づけ。
・一部、対象外、適用除外、軽減免除措置あり。
認可(Authorization)
・極めて懸念が高い物質(発がん性、変異原性、
生殖毒性等)の中から認可対象物質が選定。
・対象物質は原則販売禁止とし、用途ごとに申
請して個別に認可を受ける(リスクが小さいこ
とを産業界が証明)。
・代替の可能性、代替計画が必要。
代替の可能性 代替計画が必要
評価(Evaluation))
評価(
・当局が登録情報の適合性の確認、試験
提案の評価を行い、必要に応じて産業
界に追加情報を要請。
制限(Restriction)
・制限対象物質は、登録要否に係わらず、いか
物質 、
環
容
なる物質も、人や環境に許容しがたいリスクが
ある場合、製造、販売、使用について制限。
・禁止、特定用途、条件付き許可(社会経済的
影響分析、代替品の有無を考慮)。
3
(参考1) 既存化学物質も対象
REACH
旧法
世の中に存在しなかった新
規化学物質を市場に出す前
には届出を義務付け
有害性評価
新規化学物質
既存化学物質
(約4千物質)
昔から世の中にあり、既に使
われている既存化学物質
(※規制当局が実施)
既存化学物質
(約3万物質)
事業者
が実施
リスク評価
(※事業者が実施)
リスク評価
有害性評価
・規制当局(行政)による評価
に時間がかかる。
に時間がかかる
・試験不要の既存物質を使
い続け、 新規物質の開発
が遅れる。
新規化学物質
・(EU域内での)製造量・(EU
への)輸入量が年間1トン以
上の物質は、安全性評価結
果と併せて登録が必要。
4
4.登録・届出(概要)
○義務対象者:EU域内の製造者又は輸入者。EU域外企業の指定代理人。
○義務内容:①欧州化学品庁へ物質(注1)・調剤(注2)中の物質を安全性評価結果と併せて登録。
1事業者当たり1トン/年以上の製造又は輸入する物質が対象。
②成形品(注3)(電機・電子製品、自動車、玩具等)中に含まれる高懸念物質(0.1%
重量比超)を届出。なお、成形品中の意図放出物質(インクジェット等)は登録。
③物質・調剤、成形品の中に高懸念物質を含む場合は、受領者(事業者)に物質の
③物質
剤 成
中 高懸念物質を含む場合
受領者 事業者 物質
情報を伝達する義務。
④物質の登録のために物質情報を共有する目的で、登録者はフォ ラム(注4)に加入
④物質の登録のために物質情報を共有する目的で、登録者はフォーラム
し、安全性評価のコストをシェアする義務。
(注1)物質(Substance)
自然状態のまま製造工程によって得られる化学元素とその化合物を指し、その安定性を保ち使用工程で生じる不純
物を防ぐのに必要な添加物を含む。ただし当該物質の安定性に影響を及ぼさず、またその組成を変えずに分離する
ことのできる溶剤は除かれる。(※一般的な化学物質だけでなく、金属も対象)
(注2)調剤(Preparation)
2つ以上の物質(Substance)からなる混合物又は溶液。(※合金も調剤に該当)
(注3)成形品(Article)
成形品とは、その化学組成よりも機能を指向するよう、特定の形状、外面、あるいはデザインを付与された物。
(注4)フォーラム(Substance Information Exchange Forum: SIEF)
製造・輸入者間の情報交換を容易にし、同一項目の試験実施の重複を避けることを目的とした物質情報交換の場。
5
(参考2) REACHでの登録対象範囲
REACH規制対象
登録対象
登録対象外
登録
対象外
• 1t/y以上の物質(新規・既存物質ともに)
• 製造・輸入1t/y未満
• 調剤中の物質
• ポリマー
ポリマー中の2%<構成モノマー
中の2% 構成モノマ
• ポリマ
(別途指令対象)
用途限定での適用除外
• 成形品中の意図的放出物質
• 放射性物質
• 人体,獣医学用医薬品用
• 税関監督下の場合
監督
• 食品,飼料添加物用
食品 飼料添加物用
REACH適用外
• 非分離中間体
• 動物用栄養剤
簡易登録対象
など
• 危険物質の輸送
登録免除
登録
免除
• 廃棄物
• 付属書Ⅳ,Ⅴ収載物質
• 防衛用の物質
• REACHで既登録物質である
EU再輸入品、回収品
既登録とみなす物質
• 植物保護剤、殺生物剤
• 67/548/EEC届出物質
物質
単離,輸送中間体
制限
対象
簡易届出対象
研究開発用物質
(5年間登録免除)
成形品中の認可候補物質
認可対象(登録対象とは別途申請)
CMRなどの認可対象物質
6
(参考3) 登録・届出に係るフロー(輸入者等の義務)
欧州への輸入品
物質・調剤又は成形品の区別の詳細はEUがガイダンス作成中
成形品
物質・調剤
2008年6月~12月1日
までに予備登録
新規化学物質
既存化学物質
(登録)
(登録)
予備登録
(注)既存化学物質は予備登録
することにより、以下の登録
猶予期間あり。
1 100 t
1~100
11年
100~1000 t
6年
≧1000 t
3.5年
但し、CMR等は3.5年。
SIEFに加入し、
情報を入手
登録(注)
≧1t /年 (ハザ
(ハザード評価)
ド評価)
≧10t /年(+リスク評価)
他社が成形品中の化学物質・調剤
を当該用途で登録しているか
いな
い
いる
不要
リストは未だ示されず。
2008年秋以降に公表か。
意図放出物質
高懸念物質
(登録)
(届出)
2011年までに届出猶予
届出
≧1t/年+>重量比0.1%
(物質番号 用途 重量 会
(物質番号、用途、重量、会
社名、連絡先等)
※SIEF(Substance Information Exchange Forum):物質情報交換フォーラム
7
(参考4) REACHの登録内容(≧1t/年)
1.テクニカルドシエ(技術書類一式)
登録者情報、物質の特定、用途情報、分類・表示(GHS準拠)、有害性情報、安全な使用
に関するガイダンスなど
関す
2.物質固有の危険・有害性の評価(ハザード評価)
1.摂氏20度,101.3kPaにおける
物質の状態
2.融点/凝固点
3.沸点
4.相対密度
5.蒸気圧
6.表面張力
7.水溶性
8.N-オクタール/水分配係数
9.引火点
10.可燃性
(注)重量別で求められる項目毎の要求内容が異なる。
爆発性
11.爆発性
12.自然発火温度
13.酸化性
14.粒度測定
15.皮膚刺激性または皮膚腐食性
16.目刺激性
17.皮膚感作性
18.変異原生
19.急性毒性
20.水中毒性
21.分解性
22.反復投与毒性
23.生殖毒性
8
(参考5) REACHの登録内容(≧10t/年)
3.危険・有害性の評価(ハザード評価)に加え、そのハザードに接触する可能性も加味した危険
3
危険 有害性の評価( ザ ド評価)に加え その ザ ドに接触する可能性も加味した危険
性の評価(リスク評価)
パートA
1.
リスク管理措置の概要
管 措
概
2.
リスク管理措置が実施されていることの宣言
3.
リスク管理措置が通知されていることの宣言
パートB
パ
トB
1,
物質の特定および物理化学的特性
2. 製造および用途
3. 分類および表示
4. 環境運命特性(分解、環境分布、生物蓄積、二次
中毒)
5. 人の健康に対するハザード評価
5 1 トキシコキネティクス(吸収、代謝、分布および除
5.1.
トキシコキネティクス(吸収 代謝 分布および除
去)
5.2. 急性毒性
5.3. 刺激性(皮膚、眼、気道)
5.4. 腐食性
5.5. 感作性(皮膚、呼吸器系)
5.6. 反復投与毒性
5.7. 変異原性
5.8. 発がん性
5.9.
生殖毒性(生殖力への影響、発育毒性)
5.10. その他の影響
5.11. DNELの導出
6.
物理化学的特性の人の健康に対するハザード
評価
7.
環境に対するハザード評価(水圏(堆積物を含
む)、地圏、気圏、下水処理システムにおける微
生物学的活性)
8
8.
PBTおよび P Bアセスメント
PBTおよびvPvBアセスメント
危険物質、PBT,vPvBに該当する場合
9.
ばく露評価
9 1 ばく露シナリオ
9.1.
9.2. ばく露評価
〔等〕
10. リスク特性化
10.1. 人の健康(作業員、消費者、環境を通しての人
への間接的ばく露)
10.2. 環境(水圏(堆積物を含む)、地圏、気圏、下水
処理システムの微生物学的特性)
9
(参考6) REACHの届出内容(≧1t/年)
成形品中の物質 (高懸念物質)
・製造者名(又は輸入者名)
・連絡先
・物質の情報(識別、分類)
・物質のトン数範囲(例えば1~10トン、10~100トンなど)
物質のトン数範囲(例えば1 10トン 10 100トンなど)
・成形品中の物質の用途 等
10
5.REACH施行後のスケジュール
(
(2006年12月
年 月 成立・官報公布)
成立 官報公布)
○ 2007年 6月 1日 施行
・危険有害等物質(第31に規定)である物質・調剤の供給者は、SDS(Safety
・危険有害等物質(第31に規定)である物質・調剤の供給者は
SDS(Safety Data Sheet)にて受領者
(事業者)に物質情報を伝達する義務発生(※実質的には、EU域内で従前使用されていたSDSの
様式変更)。
・本年1年間で、欧州委員会において、欧州化学品庁発足の準備、REACH運用のためのガイダンスや
・本年1年間で
欧州委員会において 欧州化学品庁発足の準備 REACH運用のためのガイダンスや
ツールが準備される。
○ 2008年 6月 1日 欧州化学品庁発足 (業務開始)
6月 1日~12月1日 予備登録 (※予備登録が行われれば、以下のとおり経過措置あり)
◇ 2008年 秋以降
高懸念物質リスト(届出対象)の公表
○ 2010年11月30日 年間1000トン以上 (水生毒性物質100トン以上、発ガン性・変異原性・生殖毒性
物質1トン以上) の製造・輸入量のある物質・調剤の登録期限
◇ 2011年 5月31日 成形品中の高懸念物質の届出期限
○ 2013年 5月31日 年間100トン以上の製造・輸入量のある物質・調剤の登録期限
○ 2018年 5月31日 年間1トン以上の製造・輸入量のある物質・調剤の登録期限
年間1トン以上の製造 輸入量のある物質 調剤の登録期限
11
(参考7)登録・届出に当たって必要な物質の含有情報
日本市場
EU市場
成形品D
成形品E
国内のみで販売
届出
成形品E
製品企業E
部品企業D
?
輸出
・物質Aの含有情報
(Aが高懸念物質の場合)
?
調剤C
登録
調剤C
化成品企業C
物質B
物質A
輸出
・物質Aの含有情報
・物質Bの登録
MSDS
登録
化学原料企業B
国内のみで販売
化学原料企業A
輸出
物質A
・物質Aの登録
12
6.予備登録 (※登録することの意思表示。当面の直接的対応)
・ 対象は既存化学物質。
対象は既存化学物質
※Phase-in(段階的導入)物質のこと。(EINECS、NLPリストに収載されている物質)
※ELINCS収載物質はREACHでは既に登録済みとみなされる。
・ 受付期間は、2008年6月1日~12月1日(6ヶ月間)。
・ 欧州化学品庁へ予備登録手続を申請する者も、登録義務者と同様。
・ 予備登録をすればトン数に応じた登録猶予期間あり(年間1000t以上・100t以上の
水性毒性物質・1t以上の発がん性等の高懸念物質は3.5年間、100t以上は6年間、
1t以上は11年間)。
・ EU化学品庁は、2009年1月1日までにウェブサイト上で物質リストを公開。
・ 提出情報は以下項目。提出すれば自動的にSIEFメンバー(SIEF:物質情報交換
フォ ラム)。
フォーラム)。
物質名称
IUPAC名、国際的化学名
識別番号
CAS EINECS ELINCS
CAS、EINECS、ELINCS
登録者名称・所在地・担当者氏名
指定代理人を立てた場合も同様
数量範囲と登録予定期限
3年(≧1000t/y)、6年(100-1000t/y)、
3年(≧1000t/
) 6年(100 1000t/ )
11年(1-100t/y)
13
7.認可 (概要)
○ 認可の目的は、極めて懸念の高い物質からのリスクが適切に管理され、これら物質が適切
極
念 高 物
が適
管
物 が適
な代替物質又は代替技術によって、それが経済的及び技術的に実現可能な場合に、段階的
に置き換えられることを確保しつつ、EU共同体市場が良好に機能することを確実にすること。
○ 高懸念物質のうち、付属書 XⅣ に収載されたもの(認可対象物質)を欧州で販売または使用
する場合は、数量に関係なく、認可を受ける必要。
(注)認可対象物質は現在未公表で、欧州化学品庁が2009年6月1日までに欧州委員会に対して優先
物質の勧告を行い、少なくとも2年ごとに追加される予定。
○ 可能性のある認可候補物質
・発癌性、変異原性、生殖毒性(CMRs)のカテゴリー1又は2の物質。
発癌性 変異原性 生殖毒性(CMR )のカテゴリ 1又は2の物質
・付属書XIII規定の難分解性、生物蓄積性および毒性(PBTs)の物質。
・付属書XIII規定の極めて難分解性で高い生物蓄積性(vPvBs)の物質。
・上記のクライテリアを満たさないが人の健康または環境への深刻な影響があり得そうな科学的根拠
上記のクライテリアを満たさないが人の健康または環境 の深刻な影響があり得そうな科学的根拠
があり、上記の影響と同等のレベルの懸念を生じる物質(例えば内分泌撹乱性物質)。
⇒ 認可候補物質のリストが公表される。(候補リストは来年秋以降か)
⇒ 次のステップ(パブコメ
次のステップ(パブコメ・協議)で認可対象物質を付属書XIVに収載。
協議)で認可対象物質を付属書XIVに収載。
○ 付属書XIVの物質を期限後も使用したい場合は、登録とは別に特定の用途毎に申請が必要。
○ (i) 使用が適切に管理されること、(ii)
使用が適切に管理されること (ii) (i)が適用できない場合は、社会経済的メリットがリスク
(i)が適用できない場合は 社会経済的メリットがリスク
を上回り、さらに代替物質・技術がないことが必要。
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8.制限 (概要)
○登録要否にかかわらず、物質を禁止、用途・使用条件を制限できる仕組み。
○制限対象
・ヒト、環境に容認しがたいリスクがある場合。
・各加盟国当局が提案→付属書ⅩⅦへ(52物質)(これまでの「76/769/EEC
指令」における制限の引継ぎ)。
・認可対象物質とは重複しない。
認可対象物質とは重複しな 。
○制限範囲
・製造/販売/使用の禁止
製造/販売/使用の禁止。制限の条件に適合していない限り製造され、
制限の条件に適合していない限り製造され
上市されてはならない。「完全な禁止」もありえる。
15
9.サプライチェーンにおける情報伝達義務
1.物質・調剤の場合
・ 危険物質(※1)、PBT(※2) ,ⅴPⅴB(※3)である物質又は調剤の供給者は、受領
者(事業者)に物質の情報を伝達しなければならない。
者(事業者)に物質の情報を伝達しなければならない
・ 提供する情報は安全性データシート(SDS)(※4) 。(紙面又は電媒で無償提供)
・ 規則の施行後、最初に納品する際に必要。(※実質的には、EU域内で従前使用
規則の施行後 最初に納品する際に必要 (※実質的には EU域内で従前使用
されていたSDSの様式変更)
※1.現存の指定の有害性基準に則して有害である旨の
分類結果が得られた化学物質・調剤
※2 PBT:難分解性 生体蓄積性 毒性物質
※2.PBT:難分解性、生体蓄積性、毒性物質
※3.ⅴPⅴB:極めて難分解性、生体蓄積性の高い物質
※4.SDS:Safety Data Sheet
2.成形品の場合
成形品の供給者は、成形品中に高懸念物質(リスト物質)が0.1%重量比超含
まれている場合には、
・ 受領者(事業者)に物質の情報を伝達しなければならない。
受領者(事業者)に物質の情報を伝達しなければならない
・ 消費者の要求があれば消費者にも当該物質の情報を伝達(要求を受けてから
45日以内)。提供する情報は、当該成形品を安全に使用できるのに十分な情
報(最低限、当該物質の名称)。
16
(参考8) REACHの義務内容 (まとめ)
◎登録・届出
製造・
輸入量
ハザード
評価
リスク
評価
◎認可
◎制限
認可対象
物質につ
いて原則
上市禁止、
用途毎
認可制
ヒト、環境に
容認しがた
いリスクが
ある場合、
上市・使用
を制限
成形品中 物質
成形品中の物質
既存化学
物質※の
登録期限
意図放出物質
リスト物質
:重量比
0.1%超
~
1t/y
不要
不要
-
登録不要
届出不要
1~
10t/y
必要
不要
11年
登録必要
届出必要
10~
100t/y
必要
必要
11年
登録必要
届出必要
100~
1000t/y
必要
必要
6年
登録必要
届出必要
1000t/y
~
必要
必要
3.5年
登録必要
届出必要
※欧州の既存化学物質リスト(EINECS等)の収載物質。但し、2008年6月1日~12月1日間に予備登録が必要
17
(参考9) REACHのスケジュール(主要部分)
2007/6/1
施行
登録
2008/6/1
開始
2008/12/01
2013/5/31
2010/11/30
2018/5/31
2009/5/31
化学品庁
設立準備
Non Phase-in(新規)物質
67/548/EEC
登録 (1事業者あたり1t/y以上の物質。上市ごとにデータやCSRなど提出)
Phase-in(既存)物質
予備登録
(6ヶ月)
SIEF(Substance Information Exchange Forum 施行後11年間)
登録猶予期間
≧1,000t/y
登録猶予期間② 登録猶予期間③
≧100t/y・R50/53
≧100t/y
≧10t/y
≧1t/y・CMR Cat-1,2
≧1t/
≧1t/y
施行~3.5年
施行~
施行
~6年
登録
施行~
施行
~11年
SDS添付(Safety Data Sheet) 危険有害性分類物質、PBT・vPvB物質
認可
Authorization優先物質勧告
制限
Restriction見直し
76/769/EEC
認可候補/認可(Annex XIV)
制限(Annex
Anne XVII)
18
10.事業者の当面必要とされる対応例 (想定その1)
1.物質・調剤の供給者の場合
(1)予備登録(登録)が必要な場合(2008年6月1日)
・ 予備登録する物質の決定、登録トン数域の決定。(直接輸出物質?サプライチェーンでの
予備登録する物質の決定 登録トン数域の決定 (直接輸出物質?サプライチ
ンでの
間接輸出物質(調剤・ポリマーの原料、意図的放出物質)?)
・ 予備登録する物質の特定。(物質の名称、CAS番号、EINECS番号)
・ 誰に予備登録申請をしてもらうか特定。
誰に予備登録申請をしてもらうか特定 (EU域内の現地法人?輸入業者?指定代理人?)
化学物質の専門知識があるところ。価格が適正(予備登録から登録まで行う)なところ。
秘密保持・信頼性のあるところ。
(参考)予備登録・コンサル業務等を請け負う機関リスト(日化協調べ):
http://www.nikkakyo.org/documentdetails.php3?category_id=319040&document_id=2189
(2)高懸念物質を製造または販売する場合(2008年秋以降(物質リスト公表後))
・サプライチェーン上でのビジネス間で、受領者に物質の名称や含有量等を情報
伝達することが求められる可能性。
※ EU加盟国へ調剤を輸出する場合は原料物質、ポリマーの場合は原料モノマーの登録が必要。
また、成形品中に意図的放出物質または高懸念物質が一定量含まれれば、登録または届出の義務
が生じる。 このため、間接的にサプライチェーン上でのビジネス間で予備登録に関する対応を求めら
れたり 取り扱う化学物質に関する情報伝達が求められる可能性あり
れたり、取り扱う化学物質に関する情報伝達が求められる可能性あり。
19
10.事業者の当面必要とされる対応例 (想定その2)
2.成形品の供給者の場合
(1)当該成形品に意図的放出物質または高懸念物質が含まれる場合
①欧州化学品庁へ意図的放出物質の予備登録(2008年6月1日)。
・成形品メーカーにとっては、上流側の企業(化学物質メーカー等)が、当該物
成形品
カ
は、 流側 企業(化学物質
カ 等) 、当該物
質を登録(当該製品を用途として)してほしいと希望する可能性あり。
・化学物質メーカーが登録しなければ、成形品メーカーが当該製品の材料組成
を 確 把握 自身 物質 登録 安全性評価 を な ればな な
を正確に把握し、自身で物質の登録(安全性評価)をしなければならない。
②欧州化学品庁へ高懸念物質の届出(2011年6月まで)。
また 高懸念物質が含まれる場合は 消費者の要求があれば 当該物質の情
また、高懸念物質が含まれる場合は、消費者の要求があれば、当該物質の情
報(最低限、物質名称)を回答する必要(要求を受けてから45日以内)。
※高懸念物質のリストは来年秋以降に公表か。
(2)欧州工場で使用する材料・副資材(洗浄剤、切削油等)の登録が必要な場合
(日本から材料・副資材をEUへ輸出するケース)(例)
・成形品メーカーは、材料メーカーへ予備登録に関する対応を求める可能性あり。
20
(参考10) 消費者からの質問(サプライヤー側の対応)
NGOが提案している消費者からの問合せレター
21
11.当省の今後の取組・対応
○ 企業への制度の周知・情報提供。(昨年12月以降、企業・業界団体向け説明会
を実施)
○ 中小企業への支援。(①わりやすい解説書、ITマニュアル訳書の作成。②規則解
説・アンケートセミナーの開催。③REACH対応データベース構築の検討。④HP
開設を通じた情報提供)
○ 所管団体が行うREACH支援組織、業界間調整の支援。
○ サプライチェーン上における企業間の情報伝達スキームの構築
サプライチェーン上における企業間の情報伝達スキームの構築。(産業界独自
(産業界独自
の取組である「アーティクルマネージメント推進協議会」(JAMP)の活動支援)
○ アセアン加盟国、中国、APEC加盟国との官民対話を通じた情報収集、共通認識
ア アン加盟国、中国、
加盟国
官民対話を通じた情報収集、共通認識
醸成。
○ 内外差別的な運用がなされてないか注視し、必要に応じてEUへ働きかけ。
(WTO/TBT委員会、日EU規制改革対話等)
委員会
規制改革対話等
○ 国が財産権を有する化学物質情報(試験データ)の提供:
→http://intra-policy2/chemical_management/kasinhou/kizonpro/challenge/jouhouriyou.pdf
http://intra policy2/chemical management/kasinhou/kizonpro/challenge/jouhouriyou pdf
→http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/06DB/index.htm
22
(参考11) 情報伝達スキームの構築(産業界の自主的取組)
「ア テ クル ネジメント推進協議会 (JAMP)」
「アーティクルマネジメント推進協議会
(JAMP)
(Japan Article Management Promotion Consortium)
サプライチェーンにおける製品含有化学物質の適切な管理及び円滑な情報の開示を促進し、
もって産業の国際的な競争力確保に寄与することを目的して 業種横断的な産業界の自主的
もって産業の国際的な競争力確保に寄与することを目的して、
取組により、平成18年9月11日にアーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)が設立。
事務局は(社)産業環境管理協会。
○主な活動内容
①アーティクル含有化学物質情報管理ガイドライン(管理ガイドライン)の作成、検証
②アーティクル情報記述シート(AIS)の作成
②ア
ティクル情報記述シ ト(AIS)の作成、検証
検証
③自己宣言に基づくアーティクル含有化学物質情報の基盤整備
④アーティクル含有化学物質情報管理の国内・国際標準化の推進
⑤その他上記の普及に向けた広報、中小企業支援 等
○活動目標
国 産
環
積
」
強
通
国際
競
・我が国の産業の環境への積極的な対応による「ものづくり」基盤の強化を通じた国際的な競
争力の確保
・アジア諸国を含めた製品含有化学物質の適切な管理の実現への寄与
○会員数211(化学、電気・電子等企業201社、自工会等10団体)(平成19年12月17日現在)
URL:http://www.jamp-info.com/
23
12.REACH規則解説・アンケートセミナー
○ 平成19年度事業「REACH規則の中小製造業への影響調査」(委託先:(社)産業環境管理
協会)により、全国各地で「REACH規則解説・アンケートセミナー」(REACH規則の概要説明、
アンケ ト調査を実施するセミナ
アンケート調査を実施するセミナー。主に中小企業向け)を、以下の日程で開催中。
主に中小企業向け)を 以下の日程で開催中
・11月
11月 9日
・11月19日
・12月10日
・12月11日
・12月27日
・ 1月15日
・ 1月18日
・ 1月24日
・ 1月25日
月 5日
・ 1月29日
・ 1月31日
福島県産業振興センター(郡山)
福島県産業振興センタ
(郡山)
日本電線工業会(東京)
東京商工会議所(東京)
中部経済産業局(エコプロネット)
(名古屋)
中小企業基盤整備機構(東京)
日本接着剤工業会(東京)
印刷インキ・ワニス工業会(大阪)
福岡県工業技術センター(福岡)
九州経済産業局(熊本)
日本塗料工業会(東京)
日本化学工業品輸出入組合
(東京)
・ 2月 5日 近畿経済産業局(大阪)
・ 2月 6日 中部経済産業局(名古屋)
・ 2月 7日 省内要望団体合同説明会
(経産省講堂)
・ 2月14日 北海道経済産業局(札幌)
・ 2月20日 中国経済産業局(広島)
・ 2月21日 中国経済産業局(岡山)
・ 2月22日 四国経済産業局(高松)
・ 2月下旬 東北経済産業局(仙台)
24
参考資料
(参考12) 登録・届出の流れ
○ REACH規則では、成形品に関しては、製造者または輸入者に対して、製品中の高懸念物質の届出や、意図放出物質の
REACH規則では 成形品に関しては 製造者または輸入者に対して 製品中の高懸念物質の届出や 意図放出物質の
登録を義務付けている。
○ そのため、化学物質を用いる川中・川下産業である電気・電子産業、自動車産業等は、川上企業に対して含有情報の提供
を求めることとなる。
化学物質・
原材料A
調剤の場合
原材料B
原材料C
原材料D
EU域内
日本国内
輸入業者
海外加工業者を活
用する場合あり
・データシェア
・加入義務
(既存物質)
部品
部品L
域内製造者
情報交換フォーラム
〔SIEF〕(物質毎)
登録
・データシェア
原材料F
原材料G
(新規物質)
指定代理人
原材料E
成形品の場合
登録
部品M
製品O
意図放出
物質がある場合
・加入義務
(既存物質)
輸入業者
原材料H
登録
欧州化学品庁
指定代理人
原材料I
原材料J
高懸念物質
を含む場合
部品N
川上企業
届出
指定代理人
原材料K
(化学・鉄・非鉄等)
輸入業者
川中企業
川下企業
(部品・加工メーカー等)
(自動車・電機電子等)
26
(参考13) 予備登録、SIEF形成、本登録へのプロセス
イメージを表示できません。メモリ不足のためにイメージを開く こ とができないか、イメージが破損している可能性があります。コンピュータ を再起動して再度ファイルを開いてください。それでも赤い x が表示される場合は、イメージを削除して 挿入してください。
予備登録
IUCLID 5(ITシステム)による入力
当局による物質の同定
各登録者への通知
登録者名、物質identity等、登録期限
SIEFの形成
データ所有者
所有者
REACH-ITによる
M
Management
t
データの共有化・物質分類・表示の合意
Opt out
別途提出
本登録
IUCLID 5による入力
27
(参考14) SIEF (物質情報交換フォーラム)
◆SIEFとは:29条に規定する物質情報交換フォーラム
※ SIEF (Substance Information Exchange Forum)
・ 「1物質―1登録」という原則でのSIEFの目的は
① 製造・輸入者間の情報交換を容易にし、同
製造・輸入者間の情報交換を容易にし 同一項目の試験実施の重複を避けること
項目の試験実施の重複を避けること。
(ここでは脊椎動物試験の重複は避けることが義務付けられているが、その他の試
験は義務が課されていない。)
② 物質の分類、表示の合意。
・ メンバーには、通常の登録予定者(Potential
、通
録 定者(
Registrant)のみならず、1トン以下の将
g
)
ず、
将
来登録する可能性がある者、あるいはデータや情報のみを有する者も参加者となり
得る。
28
(参考15) 意図放出物質の定義
(RIP3.8報告書案(2006年5月版)より)
定義1
The release is essential for the end use function of the article or vice versa,
without the release of the substances, the article would not work sufficiently
放出が使用に不可欠で 逆に物質の放出が無ければその成形品が十分に機能しない場合
放出が使用に不可欠で、逆に物質の放出が無ければその成形品が十分に機能しない場合
意図放出の例
フェルトペンのインク、ガラス用化学雑巾の洗剤
定義2
The release contributes to a qquality
y or minor function of the article,, or,, in
other words, the release contributes to an “added value” of the article,
which is not directly connected to the end use function.
放出が成形品の質や副次的な機能に寄与し、あるいは最終的な使用における成形品の機能に
放出が成
品 質や副次的な機能 寄与 ある は最終的な使
おける成 品 機能
直接的に関連しないが新たな価値を与える場合
意図放出の例
匂いつき消しゴムの香り成分
29
(参考16) 物質/調剤と成形品の境界例 (その1)
物質/調剤と成形品
の境界例(RIP3.8ドラフト
鉱石(ボーキサイト)
天然原材料
然原材料
抽出
物質
(11月時点版)より)
アルミナAl
ミナ 2O3
電解
アルミニウム鋳造物
合金組成の添加
調剤
アルミニウム合金鋳造物
鋳塊への鋳造
形状への連続的鋳造
成形品
押出鋳造体
圧延体
抽出
圧延
シート
成形品
最終アルミ
ニウム製品
研磨、穴あけ、
研磨
穴あけ
表面加工…
切断、更なる加工
(巻回体)
最終切断
形状加工
アルミニウム合金
鋳造片
最終アルミ
ニウム製品
成形品
最終アルミニウム製品
30
(参考16) 物質/調剤と成形品の境界例 (その2)
物質/調剤と成形品
の境界例(RIP3.8ドラフト
天然素材
然素材
原油
(11月案)より)
精製
物質 (モノマー)
エチレン
重合、添加剤添加
調剤 (ポリマー)
ポリエチレン ペレット
フィルム成形
成形品
ポ
ポリエチレン
フィルム
裁断、接着
ポリエチレン包装材
31
(参考16) 物質/調剤と成形品の境界例 (その3)
天然素材
然素材
木
破砕
物質/調剤と成形品
の境界例(RIP3.8ドラフト
(11月版)より)
木片
蒸解
物質
バ ジンパルプ
バージンパルプ
サイズ剤、糊などの添加
調剤
ストック(パルプを水に溶かしたもの)
抄紙機、巻き取り
成形品
板紙(ライナ )
板紙(ライナー)
コーティング
コート処理された板紙(ライナー)
ト処理された板紙 イナ )
型押し成形、折りたたみ、プリント
紙製品
32
(参考17) 届出対象(高懸念物質)となりうる物質
( ) 指令67/548/EECに基づく発がん性カテゴリー1又は2の分類基準を満たす物質
(a)
指令67/548/EECに基づく発がん性カテゴリ 1又は2の分類基準を満たす物質
(b) 指令67/548/EECに基づく変異原性カテゴリー1又は2の分類基準を満たす物質
(c) 指令67/548/EECに基づく生殖毒性カテゴリー1又は2の分類基準を満たす物質
(d) 付属書XⅢに定める規準に基づき、難分解性、生体蓄積性及び毒性を有する物質
(PBT)
(e) 付属書XⅢに定める規準に基づき、難分解性及び生体蓄積性が極めて高い物質
(ⅴPⅴB)
(f) (d)項及び(
(d)項及び(e)項の基準を満たさないが、内分泌撹乱特性、又は難分解性、生体蓄積
)項の基準を満たさないが 内分泌撹乱特性 又は難分解性 生体蓄積
性及び毒性を有する、又は難分解性と生体蓄積性が極めて高い特性を有する物質
33
(参考18) REACHの運用における不明な点
・ 化学物質(及び調剤)と成形品の区別。意図的放出物質の定義
→ 現在、欧州委員会がRIPs(※注)においてガイダンスを作成中。各ケース毎に確認必要。
・ 「唯一の代理人」に関するガイダンス(例:輸入者への情報提供)の作成を検討中
「唯 の代理人 に関するガイダンス(例 輸入者 の情報提供)の作成を検討中
・ 成形品中に含まれる届出対象(高懸念)物質
→ 対象リストは未だに示されず。(1事業者あたり年間製造又は輸入量が1トン以上であり、
対象リストは未だに示されず (1事業者あたり年間製造又は輸入量が1トン以上であり
0.1%重量比超含まれていれば、届出が必要。) (※候補リストは来年秋以降公表か)
→ 届出義務の0.1%下限の算出における分母の解釈。
・ 認可対象物質
→ 対象リストは未だに示されず。(※2009年6月までに提示予定)
・ 用途のカテゴリー(登録や届出の際の記入項目)
→ 現在、欧州委員会がRIPsにおいてガイダンスを作成中。
・ 申請料金、罰則
→ 登録や認可の申請料金は欧州委員会が規則案を作成中。罰則規定は加盟国が来年12
月までに策定。
(※注) RIPs(REACH Implementation Projects): 欧州委員会がREACH規則の運用に向けて、ITシステムや
ガイダンス等を整備するプロジェクトのこと。
34
(参考19) RIPsについて
※RIPsとは REACH Implementation Projectsの略称
※RIPsとは、REACH
・ REACH施行に向けた具体的なガイダンス、ツールの整備。
・ 欧州委員会が主導で行い、産業界、EU加盟各国政府も参画。
欧州委員会が主導で行い 産業界 EU加盟各国政府も参画
RIP1 : REACH Process Description
REACH手続き全体の説明。フローチャートやQ&A集を作成。
RIP2 : REACH-IT
ITシステムの整備。
RIP3 : 産業界のためのテクニカルガイダンスドキュメント
RIP4 : 当局のためのテクニカルガイダンスドキュメント
当局のためのテク カルガイダン ドキ
ント
RIP5 : 予備化学品庁(Pre-Agency)の設置
RIP6 : 化学品庁(Agency)の設置
RIP7 : 欧州委員会の準備
※詳細情報は欧州委員会(化学品局)HP参照:
※詳細情報は欧州委員会(化学品局)
参照 http//ecb.jrc.it/reach/rip
//
/
/
欧州化学品庁HP参照: http//ec.europa.eu/echa
35
(参考20) RIP3シリーズ(産業界向け)について
RIP3.1 : 登録用技術ドシエ作成のためのガイダンス(①登録に関する手引、②中間体に関する手引、
③モノマー及びポリマーのための手引、④科学的研究開発に関する手引) (※6月作成済み。
ただし ①について 部修正を検討中)
ただし、①について一部修正を検討中)
RIP3.2 : 化学品安全評価報告書(CSR)作成のためのガイダンス
RIP3 3 : 物質の特定情報要件に関するガイダンス
RIP3.3
(※12月完成目標)
(検討中)
検
RIP3.4 : データシェア・予備登録に関するガイダンス (※データシェアに関するガイダンスは9月完成済み)
RIP3.5 : 川下ユーザーに対する要件に関するガイダンス
RIP3.6 : GHSでの分類・表示に関するガイダンス
(※12月完成目標)
(検討中)
RIP3.7 : 認可のための申請用ドシエ作成に関するガイダンス
RIP3.8 : 成形品中の物質に対する要件に関するガイダンス
(検討中)
(※12月完成目標)
RIP3.9 : 社会経済性分析(Socio-Economic Analysis)に関するガイダンス
RIP3.10 : 物質の特定と命名に関するガイダンス
(検討中)
(※6月完成済み)
※完成済みのガイダンスドキュメントは、欧州化学品庁HP参照:http://reach.jrc.it/guidance_en.htm#GD_PROCC_I
36
(参考21) 日本からEUへの化学関連製品の輸出
(2006年度)
EU
★
★
化学品
86.5億ドル
日本
★
★
★
★
5,000物質
物質
★
★
★
★
★
工業製品
業製品
★
703.1億ドル
703
1億ドル
成形品Article(化学品除く)
5,400品目
EUへの日本の化学関連製品の輸出の大部分は
成形品 いわゆる “ARTICLE”
成形品、いわゆる
ARTICLE”
(出典:財務省貿易統計)
37
(参考22) 日本から海外への化学品の輸出状況
化学品
(国内出荷額)
38兆2,111億円
(対全世界輸出額)
(対EU輸出額)
6兆2,942億円
7,646億円
(国内出荷額比:2.0%)
(対全世界輸出額比:12.1%)
(国内出荷額比:16.4%)
出典: 平成17年工業統計(経済産業省)、平成17年貿易統計(財務省)
ポリマー
(国内出荷額)
(対全世界輸出額)
(対EU輸出額)
2兆3 096億円
2兆3,096億円
5 070億円
5,070億円
811億円
(国内出荷額比:22.0%)
(国内出荷額比:3.5%)
(対全世界輸出額比:16.1%)
注:合成樹脂、合成繊維原料、合成ゴムの
出荷額を合計した値
注:経済産業省貿易動向データベース「地域
別貿易動向」を基に推計。
(出典:2006年石油化学工業の現状(石油化学工業会))
38
(参考23) 主な参考情報ソース
○ 一般情報:
般情報:
・ 欧州化学品庁:http://ec.europa.eu/echa/ ・ 欧州委員会(化学品局):http://ecb.jrc.it/reach/
○ REACH本文:
・オフィシャル原文:http://reach.jrc.it/legislation_en.htm
http://eur-lex.europa.eu/JOHtml.do?uri=OJ:L:2007:136:SOM:EN:HTML
・和訳:(社)日本化学物質安全・情報センター編 (前文・条文、付属書)
環境省 (前文・条文、付属書):http://www.env.go.jp/chemi/reach/reach.html
○RIPs(運用ガイダンス):
・欧州化学品庁:http://reach.jrc.it/guidance_en.htm#GD_PROCC_I
・和訳: (社)日本化学物質安全・情報センター
○ REACH Q&A、関連情報:
・欧州委員会(化学品局)(2007年2月版):
欧州委員会(化学品局)(
年 月版)
http://ecb.jrc.it/documents/REACH/REACH_PROPOSAL/Questions_and_Answers_on_REACH.pdf
・ 欧州化学品庁(2007年12月版):http://echa.europa.eu/reach/faq_en.html
・和訳:
和訳: (社)日本化学物質安全
(社)日本化学物質安全・情報センター(2007年2月版)
情報センタ (2007年2月版)
環境省(概要、Q&A、アンケート等):http://www.env.go.jp/chemi/reach/reach.html
○その他有用情報:
・欧州ヘルプデスク:欧州化学品庁:http://echa.europa.eu/reach/helpdesk/echahelp_en.html
欧州委員会
欧州委員会:http://ec.europa.eu/enterprise/reach/helpdesks_en.htm
//
/
i /
/
・(社)日本化学工業協会(①REACH概要、②登録業務代理人・委託試験を行うサービス機関等リスト、
③中小企業向けパンフレット(作成中)等):
http://www.nikkakyo.org/show category.php3?category id=319040&navRow=2
http://www.nikkakyo.org/show_category.php3?category_id
319040&navRow 2
・「REACH登録支援室」(産業環境管理協会):http://www.reachcenter.jp/
・「アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)」:http://www.jamp-info.com/
39