H25.3 改訂 福岡市福祉のまちづくり条例 質疑応答集 (建築物) 目 1 手続き等 次 P3~ (1)事前協議に必要な書類はどのようなものですか? (2)増改築などで事前協議が必要な場合、既存施設部分についても図面の添付が必要ですか? (3)事前協議に添付する図面に設計者印は必要ですか? (4)「新築等(変更)事前協議書及び添付図書」並びに「特定施設工事完了届」の提出部数は何部 提出すればいいのですか? (5)特定施設と、特定施設以外の施設からなる複合施設の場合、適合証の交付は受けられますか? (6)「優良タイプ」の適合証の交付を受けるための条件に,エレベーターの設置がありますが、平 屋の場合はどうなりますか? (7)事務所として使用(又は、使用を予定)している建築物を店舗などの異種用途へ変更する場合 は、事前協議が必要ですか? (8)建築基準法、バリアフリー法及び福祉のまちづくり条例の各事務手続きの違いは何ですか? 2 対象施設・特定施設の整備等 P6~ (1)建築基準法における「仮設建築物」は対象施設ですか? (2)「針、灸、マッサージ、整骨院等の施術所」は、対象施設の何号に該当しますか? (3)現在、福祉のまちづくり条例の協議対象外とされている施設は何がありますか? (4)「対象施設」のうち、事前協議書の提出が必要な「特定施設」に該当しない場合は,基準を守 らなくてもいいのですか? (5)共同住宅に附属駐車場がある場合、特定施設の床面積はどのように考えますか? 3 基準の解釈等 P8~ (1)「不特定かつ多数の者」とはどういうことですか? (2)用途面積に機械室などの面積は含まれますか? (3)特定施設において増改築を行った場合、既存施設も基準の適用対象となりますか? (4)整備基準に基づく設置義務はないものの所有者等が任意に設置を行う場合、整備基準への適合 が必要ですか? (5)「共同住宅等」において基準が適用される部分はどこですか? (6)「共同住宅等」における集会室は整備基準の適用対象となりますか? (7)「事務所」、「工場」において基準が適用される部分はどこですか? (8)マンションのモデルルームで,整備基準が適用される部分はどこですか? (9)出入口、廊下、傾斜路の有効幅員とはどの部分ですか? (10)物販店、飲食店の店内通路に関して、どのような基準が適用されますか? (11)階段の基準で、「建築物の構造上、回り段を設けないことが困難な場合」とはどのようなも のですか? (12)階段及び傾斜路に設置する手すりは、片側のみで良いでしょうか? (13)「福祉型便房」を設置する場合、女子便所と福祉型便房を兼用してよいでしょうか? (14)オストメイトのための設備として、ロータンク式や簡易型設備(腰掛便器に水栓をつけたも の等)を採用してもいいですか? (15)階段室型共同住宅にエレベーターを設置する場合,施設整備マニュアルの区分はどのように判断 するのですか? (16)1階が駐車場で、2階が店舗の建築物の場合は、整備基準に基づくエレベーターの設置が必 要ですか? (17)視覚障がい者誘導用ブロック等の色は、黄色以外の色は使用できないのですか? -1- (18)道路境界から視覚障がい者用案内設備まで視覚障がい者誘導用ブロックを設けることとなっ ていますが,「視覚障がい者用案内設備」とは、どのようなものですか? (19)老人ホームでは、視覚障がい者誘導用ブロック等を設置することで、つまづく原因となるた め、設置しなくてもいいですか? (20)敷地内通路の基準におけるただし書きの「地形の特殊性により当該構造とすることが著しく 困難」とはどのような場合でしょうか? -2- 1 手続き等 1-(1) 事前協議に必要な書類はどのようなものですか? 次の図書の添付が必要です。 1.特定施設新設等事前協議書(施行規則様式第1号) 2.特定施設整備項目表(該当する部分のみ) 3.施行規則別表第4に定める図面 ・付近見取図 ・配置図 ・各階平面図 ・仕上げ表 ・縦断面図 ・構造詳細図(EV、便所、手すり等) 1-(2) 増改築などで事前協議が必要な場合、既存施設部分についても図面の添付が必要ですか? 増改築などの改修範囲の確認に必要なため、既存施設部分を含めた図面等の提出をお願 いします。なお、工事完了後に適合証の請求を予定している場合については、既存施設部 分についても適合状況を確認する必要があるため、対象施設全体の適合状況が確認できる 図面等の提出をお願いします。 1-(3) 事前協議に添付する図面に設計者印は必要ですか? 図面を作成された方の記名及び捺印が必要です。 -3- 1-(4) 「新築等(変更)事前協議書及び添付図書」並びに「特定施設工事完了届」の提出部数は 何部提出すればいいのですか? ○新築等(変更)事前協議書及び添付図書 ・・・正・副 2部 (副はコピーで可能) ○特定施設工事完了届 2部 (副はコピーで可能) ・・・正・副 ※事前協議の対象になった部分の写真を1部添付して下さい。 (A4サイズ 様式は問いません。) 1-(5) 特定施設と、特定施設以外の施設からなる複合施設の場合,適合証の交付は受けられます か? 複合施設の場合は対象施設の全てが完了検査により整備基準を満たしていると認められ る場合に、適合証を交付します。 物販店と戸建住宅の複合施設であれば、対象施設は物販店のみのため、物販店が整備基 準を満たしている場合は適合証を交付します。 物販店と共同住宅の複合施設であれば、物販店・共同住宅ともに対象施設のため、両施 設が整備基準に適合している場合には交付します。その場合、共同住宅の床面積が2000㎡未 満(特定施設以外)の場合であっても事前協議の際に共同住宅部分の図面も添付する必要が あります。 1-(6) 「優良タイプ」の適合証の交付を受けるための条件に、エレベーターの設置がありますが、 平屋の場合はどうなりますか? 平屋の場合は、エレベーター以外の視覚障がい者誘導用ブロック等、福祉型便房、駐車 場に関する規定を緩和せずに整備していれば、「優良タイプ」の適合証を交付します。 -4- 1-(7) 事務所として使用(又は、使用を予定)している建築物を店舗などの異種用途へ変更する 場合は、事前協議が必要ですか? 事務所を店舗など(特定施設)へ用途変更する場合、建築確認申請を伴う工事は、確認 申請予定日の14日前までに事前協議書の提出が必要です。また、建築確認申請を伴わな い工事は、工事着手予定日の30日前までに事前協議書を提出して下さい。 1-(8) 建築基準法、バリアフリー法及び福祉のまちづくり条例の各事務手続きの違いは何です か? 工事の着手前に行う手続きとして、建築基準法は「確認申請(義務)」、バリアフリー 法は「認定申請(任意)」、福祉のまちづくり条例は「事前協議(義務)」が規定されて おり、それらはそれぞれ独立した手続きとなります。 しかしながら、建築物等の整備内容について、当該法令等に定められた基準の内容は相 互に関連するものも多く、福祉のまちづくり条例の規定を踏まえた上で、確認申請や認定 申請の図書を作成するほうが手戻りが生じないと思います。 -5- 2 対象施設・特定施設の整備等 2-(1) 建築基準法における「仮設建築物」は対象施設ですか? 一般的に建て替え等のために建築される仮設建築物(建築基準法第85条第5項に基づく 仮設建築物に限る)については原則として基準の適用はないものと考えられますが、建築 物の用途、使用目的、設置期間等を考慮して一定の対策を講ずる必要があります。 ただし、建て替え等のために建築される仮設建築物ではなく集客等を目的として建築さ れるもの(例:仮設興行場、博覧会建築物、マンションモデルルーム等)については、基 準の遵守は必要です。 2-(2) 「針、灸、マッサージ、整骨院等の施術所」は、対象施設の何号に該当しますか? 第1号施設の「医療施設」に該当します。 2-(3) 現在、福祉のまちづくり条例の協議対象外とされている施設は何がありますか? ・ガソリンスタンド ・レンタカー事務所 ・宗教法人の本堂、修行僧の施設、納骨堂 ・税理士事務所 ・出前配達専門の店舗 ・新聞配達所 ・専用住宅 ・倉庫 ・性風俗施設 ガソリンスタンドに物販店舗や飲食店を併設する場合や、宗教施設であっても冠婚葬祭 施設として用いられる場合については、計画の実態を加味して協議対象となるか判断しま す。 -6- 2-(4) 「対象施設」のうち、事前協議書の提出が必要な「特定施設」に該当しない場合は、基準 を守らなくてもいいのですか? 対象施設の新築又は改修を行う場合には、整備基準に適合させなければならないとして います(条例第26条第1項)。なお、特定施設の新築又は改修を行う場合には、確認申請 提出前に事前協議書の提出による協議が必要です。このように、特定施設に該当しない対象 施設は、事前協議書の提出は必要ありませんが、整備基準には適合させなければなりません。 2-(5) 共同住宅に附属駐車場がある場合、特定施設の床面積はどのように考えますか? 床面積は敷地内全体での算定となります。共同住宅と附属駐車場の床面積の合計が2000㎡ 以上となる場合は、特定施設となり事前協議が必要です。 -7- 3 基準の解釈等 3-(1) 「不特定かつ多数の者」とはどういうことですか? 「不特定かつ多数の者」とは、その施設に勤務する人等、特定の人以外のいわゆる来客 等の方々としています。 また、社会福祉施設等の建築物にあっては、専らその施設を利用する高齢者、障がい者 等を含むものとしております。 3-(2) 用途面積に機械室などの面積は含まれますか? 特定施設と用途上不可分の関係にある場合(当該用途部分の機能上必要不可欠な機械室 など)は用途面積に含まれます。 また、「不特定かつ多数の者」が利用しない部分(バックスペースなど)についても用 途面積に含まれます。 3-(3) 特定施設において増改築を行った場合、既存施設も基準の適用対象となりますか? 既存施設に対する整備基準への適合は所有者等の努力義務としています(条例第27 条)。基本的には、基準の適合義務はありませんが、施設の利用形態や運営などについて 個別に協議し、整備の範囲について、判断します。 3-(4) 整備基準に基づく設置義務はないものの所有者等が任意に設置を行う場合、整備基準への 適合が必要ですか? 所有者等が任意に設置する設備等に対しては整備基準への適合義務はありませんが、高 齢者、障がい者等の利用を考慮し、整備基準に準ずることが望まれます。 -8- 3-(5) 「共同住宅等」において基準が適用される部分はどこですか? 共用部分及び各住戸の出入口までが適用対象です。 3-(6) 「共同住宅等」における集会室は整備基準の適用対象となりますか? 集会室は共同住宅の共用部分と考えられますので、整備基準の適用対象となります。 3-(7) 「事務所」、 「工場」において基準が適用される部分はどこですか? 従業員以外の外来者等が利用する部分について適用対象となります。従業員のみが利用 する部分については対象外となります。 3-(8) マンションの販売センター(モデルルーム併設タイプ)で、整備基準が適用される部分は どこですか? 商談スペース等、来客が想定される部分は整備基準に適合させる必要がありますが、モ デルルーム部分は対象施設ではありません。 なお、整備基準の適用は、施設用途や床面積によって異なりますが、販売センターの場 合は、モデルルーム部分の床面積を除いた面積が対象となります。 従って、福祉型便房の場合は、販売センターの床面積が300㎡以上であっても、モデル ルーム部分を差し引いた面積が300㎡未満であれば整備基準は適用されません。 -9- 3-(9) 出入口、廊下、傾斜路の有効幅員とはどの部分ですか? 出入口の有効幅員は、建具の内法寸法ではなく、開き戸であれば戸の厚み、引き戸で あれば引き残しを除いた実際に通行可能な寸法です。 また、廊下、傾斜路においては、手すりがある場合は手すりの内側における寸法、手す りがない場合は壁面からの寸法であり、突出物がある場合はその最低有効幅員となります。 3-(10) 物販店、飲食店の店内通路に関して、どのような基準が適用されますか? 物販店、飲食店の店内通路は廊下とみなし、飲食店の各席からトイレまでの通路は最低 でも幅90cm以上、福祉型便房が整備されている場合は幅120cm以上の通路の整備 が望まれます。 3-(11) 階段の基準で、「建築物の構造上、回り段を設けないことが困難な場合」とはどのようなも のですか? 回り階段を設けないこととした規定は、視覚障がい者等が方向を失ったりすることがな いよう、また、転落等の危機回避のために、回り階段以外の構造とすることを定めたもの です。 「困難な場合」とは、例えば小規模な2階建ての物販店舗等でそれ以外に階段を設けら れず、敷地が狭い等の理由から回り階段を設けざるを得ない場合などが該当します。 3-(12) 階段及び傾斜路に設置する手すりは、片側のみで良いでしょうか? 階段及び傾斜路の手すりは、整備基準では片側に設置すれば基準を満たしますが、例え ば片側マヒの人の利用等を考慮すると、出来る限り両側に設置することが望ましいと考え ます。 なお、誘導基準では両側に設置することが必要です。 - 10 - 3-(13) 「福祉型便房」を設置する場合、女子便所と福祉型便房を兼用してよいでしょうか? 福祉型便房を計画する場合、男女別に1箇所ずつの計画とするか、男女兼用の福祉型便 房を1箇所以上設ける必要があります。 3-(14) オストメイトのための設備として、ロータンク式や簡易型設備(腰掛便器に水栓をつけた もの等)を採用してもいいですか? オストメイトのための設備として、パウチや汚れた物、しびん等を洗浄するための汚物 流しであればロータンク式も使用できます。 簡易型設備(腰掛便器にパウチ.しびん洗浄水栓をつけたもの)については、整備が義 務づけられたオストメイトのための汚物流しを有する便房とは別に利用者の分散を図る観 点などから設置するものであるため、オストメイトのための汚物流しを有する便房を同一施 設内に1以上備えたうえで、設置して下さい。 3-(15) 階段室型共同住宅にエレベーターを設置する場合、施設整備マニュアルの区分はどのように判 断するのですか? 階段室型共同住宅の場合、 各階段室に接する住戸などの延べ面積の合計で判断し、各階 段室ごとにエレベーターの設置が必要となります。 3-(16) 1階が駐車場で、2階が店舗の建築物の場合は、整備基準に基づくエレベーターの設置が 必要ですか? 例えば、2階を物販施設として使用する場合で、物販施設の床面積が500㎡以上であ れば、不特定かつ多数の人が利用する便所を設ける場合には、福祉型便房の設置が必要と なります。福祉型便房は車いす使用者も利用するため、福祉型便房に至るまでの経路の整 備が必要となり、エレベーターの設置による段差解消が望まれます。なお、エレベーター の大きさ等については建築物の規模により異なりますので、お問い合わせください。 - 11 - 3-(17) 視覚障がい者誘導用ブロック等の色は、黄色以外の色は使用できないのですか? 視覚障がい者誘導用ブロック等の色は、原則として黄色としています。やむを得ず黄色 以外の色を使用する場合は、周辺の床の仕上げと輝度比2.0以上を確保して下さい。 3-(18) 道路境界から視覚障がい者用案内設備まで視覚障がい者誘導用ブロックを設けることとな っていますが、「視覚障がい者用案内設備」とは、どのようなものですか? 「視覚障がい者用案内設備」とは、人又は案内板等により視覚障がい者に建築物全体の 利用に関する情報提供を行うことができる場所であり、点字での案内板なども含まれます。 視覚障がい者用案内設備は、すべての利用者にとって重要な場所となるため、道路境界 から視覚障がい者用案内設備にいたる経路のうち、整備基準としては最低1経路について、 誘導基準としては基本的にすべての経路について当該整備が必要です。 3-(19) 老人ホームでは、視覚障がい者誘導用ブロック等を設置することで、つまづく原因となる ため、設置しなくてもいいですか? 視覚障がい者誘導用ブロック等は、階段、傾斜路、敷地内通路などに整備するよう定めて います。不特定かつ多数の者が利用、または主として視覚障がい者が利用する施設に適用す るため、当該施設において用途や管理運営上、視覚障がい者の利用がない通常の老人ホーム などであれば、基準の適用を緩和することができます。 3-(20) 敷地内通路の基準におけるただし書きの「地形の特殊性により当該構造とすることが著し く困難」とはどのような場合でしょうか? 急傾斜地等の場合をいいます。 傾斜地等で建築物近くまで高齢者、身体障害者の方が徒歩によりアプローチすることが 困難で、バスあるいはタクシー等が車寄せまで乗り入れることが可能な場合は、車寄せから 建築物の出入口までを対象として敷地内の通路の基準が適用されます。 - 12 -
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