1 第1回 栃木市入札適正化委員会 議事概要

第1回 栃木市入札適正化委員会 議事概要
○日
時
平成23年8月10日(水)午後4時05分から午後5時10分
○会
場
栃木市役所
3階
委
小林委員長、里居委員、諏訪委員
○出席者
員
事務局
第2委員会室
総務部長、契約検査課長
大平総合支所地域まちづくり課長
都賀総合支所地域まちづくり課長
藤岡総合支所地域まちづくり課理財担当係長
契約担当副主幹、検査担当副主幹、契約担当主査、契約担当主任
○会議の概要
(1)平成23年度の入札契約制度について
∼資料に基づき、平成 22 年度から平成 23 年度にかけての制度改正の経過及びそ
の理由等について説明∼
1.格付け、発注標準額及び参加可能業者数(指名業者数)の改正等
2.再度入札の執行方法の改正
3.郵便入札の無効要件の改正
4.予定価格の公表方法の改正
委
員:
予定価格の事前公表、事後公表について、事後公表のほうが落札率が高い
と出ているが、市としてはこの理由はどのように推測しているのか。
平成 23 年度の入札が 40 件あり、事前公表の場合は予定価格を上回る応札
事務局:
はないが、事後公表については予定価格を上回る応札が多かったことが原因の
ひとつと考えられる。
委員長:
郵便入札の無効要件の改正について、昨年度の本委員会の指摘というのは
この委員会でよろしいか。
事務局:
そのとおり。
(2)現状の入札・契約制度の課題について
∼資料に基づき、次の点について説明∼
・落札率の高止まりが課題となっていること。
・栃木市では、予定価格を事前公表としている入札案件の方が落札率が低い傾
向にあること。
・予定価格を事前公表としている近隣他市の方が栃木市よりも落札率が低いこ
と。
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・市内業者以外が参加可能とした入札案件は、工種にも関係しているが、市内
のみを参加とした案件よりも落札率が低い傾向にあること。
・当面の対応として、予定価格の事前公表の範囲を拡大することにより対応し
ていくこと。
・平成 24 年度以降の予定価格の公表方法については、23 年度中の事前公表、
事後公表の案件の平均落札率を参考として定めること。
・当面の対応とした予定価格の事前公表の拡大により、落札率に変化が見られ
ない場合は、「高落札率入札調査制度の導入」及び「地域要件の拡大」を検討
すること。
委員長:
普通は事後公表だと落札率が低く、事前公表だと高いものだが栃木市の場
合は逆の傾向があるというのが事実ということか。
事務局:
一般的に落札率を下げるには事後公表のほうがいいといわれているが、栃
木市の場合、事実がこのような結果になっているということである。
委員長:
この場合、応札業者は栃木市内の業者ということか。
事務局:
そのとおり。
委員長:
他市では事前公表でも事後公表としていた栃木市よりも落札率が低いとい
うことか。
事務局:
県内では栃木市、宇都宮市、足利市で事後公表を採用していますが、宇都
宮市では、全て事後公表で競争性が働いているようである。足利市では、事
前公表と事後公表の併用を試行している段階で結果を伺っていない。栃木市
では、事前公表と事後公表を併用した結果として事前公表のほうが落札率が
低い結果になっている。
委
員:
基本的なことをお聞きするが、市としては、落札率は低い方が良いのか。
下げよう下げようとしているように聞こえるが。
事務局:
社会的にある程度商品を安価に抑える傾向にあり、落札率がある程度で留
まってくれれば予算的にも良いのかと考える。
委
員:
事務局:
市としては、低ければ低いほど良いという考えか。
そこまで低いものを望んでいるわけではないが、100%に近い落札率が
あることは問題だと考えている。
委
員:
理論的には競争が激しくなれば低くなる。落札率が高止まりしているとい
うことは何らかの原因があってのことかと考えるが、安ければそれで良いと
いうことか。
事務局:
安ければ良いとは考えていないが、高すぎるのもいかがなものかと。
委
どのぐらいが高すぎると考えるか。
員:
事務局:
委
パーセントで申し上げるのはなかなか難しい。
員: 一般競争にしろ、指名競争にしろ、競争が行われればどこも価格は落ちる。
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それでも、そのときの状況によって、必ずしも低くなるとは言えないとは
思うが。
事務局:
工種によっても若干違う。
委
確かに低くなれば予算は余る。一方で、公共工事は、地域業者の育成もそ
員:
の役割の一つであると言っているのだから、落札率が低くなれば業者から
見たら赤字工事になり得ることもある。そうすると育成どころではなくな
る。言うのは簡単だが、実際に受注者側としては難しい問題だ。
委員長:
落札率は低い方が良いことは確かだが、一方で、日本は多層的に元請けか
ら下請けが請け負う。そうなると下請けに行くほどしわ寄せが来ることが想
定される。こういったことに公共工事の発注者側として何か工夫はないか。
事務局:
全国的に見ると、最低賃金が保証されているかチェックをかけ、守らなけ
れば何らかのペナルティを課すような条例があると記憶をしている。
委員長:
以前、業者や下請けの実態をアメリカで調査したことがある。そこでわか
ったのは、働いている人がだぶついているのではなく、会社がだぶついてい
るということで、バランスが悪い状態にあった。いくつかの州工事では、職
人は州に登録して州が直接賃金を支払い、賃金を差し引いた分を業者に支払
うシステムになっており、職人の賃金は保証されていたという仕組みがあっ
た。
日本でも、職人の賃金を保証するシステムを構築しないと腕のいい職人は
いなくなってしまうだろう。
委
員:
検討段階の1にあったように競争性を高めるという点では地域要件の拡大
は検討すべきことだと思う。
高落札率入札調査制度については検討するのは結構だが、制度概要の④(調
査委員会における積算内容の妥当性、入札価格との間に不自然さがないこと、
談合の事実の有無等についての審議)と⑤の(「落札者決定」又は「談合の疑
いのある案件として処理」のいずれかを決定)とは実際どうやるのか、でき
るのかどうかイメージが湧かない。
委員長:
市で条例を作る等でどこまで踏み込めるか。
委
市は警察権限を持っているわけではないので、新聞に掲載されていた談合
員:
情報のときと同様、談合の事実の有無の面接等により確認をするしかできな
い。公正取引委員会が大量の人員を投入し時間をかけてやっと談合がわかる
ことなので、何の権限も持たないのにどこまでできるのかと思う。
事務局:
談合情報についてもマニュアルに則ってやっているが、警察のような調査
権限がないので通り一遍の形しかできないのが現実であり、その点について、
議会からは不満だといわれる。私共としてはそこがジレンマで何らかの良い
方法はないかと思っている。
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委
員:
国、県、市いずれにしても公正な競争条件を整備することは重要である。
しかし、民間ではないので安いほど良いというような損得の価値判断で評価
される組織ではないので、落札率を下げることを目的に掲げるのは違和感が
ある。前段階として適正な競争条件をきちんと整備する、談合が起きないよ
うな条件を整備するのは当然必要だと思うが、議会が落札率が高いと言って
いるからから下げるためにどうするかというのはいかがなものか。
委
員: これ以外で今までもいろいろやられてきたと思うが、例えば電子入札など、
改善についてはもうやりようがないという段階なのか。
事務局:
入札契約制度検討委員会を作り、議会、業者にも入ってもらい検討してき
た経過はある。最終的には電子入札導入が目標だが、前段として郵便入札を
導入して業者同士が顔を合わせないような工夫をしてきた。電子入札も顔を
合わせないので談合排除につながると考えている。しかし、郵便入札であっ
ても談合情報が寄せられていることを考えると電子入札で即全てクリアとは
考えられないが、制度として電子入札は導入すべきとは考えている。
委
員:
市として制度や方法を整備するのは当然やるべきことだが、それでも、落
札率は最終的には地域の特性に影響されると思う。近隣ではこうだったから、
栃木市でも同じ結果が出るとは限らない。業界は昔から地域ごとの特性があ
り、なかなか難しい問題だ。
委員長: 高落札率入札調査制度について、資料2の2ページの問題点が3つあるが、
調査対象とする落札率を具体的に出すのは難しいと思う。③の(基準とする
落札率の設定根拠)について、今は、画一化された積算システムの下で設計
している現状からすると、情報不足で、どのような率にしても説得力がない
と思う。
事務局:
高落札率入札調査制度については、委員から出たイメージが湧かないとい
うこと、委員から落札率のみを課題とするのではなく全体として適切な制度
の整備が重要ではないかということ、委員長から調査対象落札率の設定根拠
は難しいというご意見を参考とさせていただき、今後委員のみなさまに相談
させていただきながら検討していく。
(3)談合情報の対応について
∼資料に基づき、建設工事に係る入札談合情報及び処理概要について説明∼
1.対象入札の概要
2.談合情報に係る経過
3.事実確認のための事情聴取結果
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4.状況の確認
5.本入札に係る対応
委員長:
今回の件については、入札後に談合情報が市に入ったということか。
事務局:
下野新聞社栃木支局に封書で送られており、情報には前々日の日付が記載
されていたが、実際に新聞社から情報提供受けたのは開札後であったという
時系列である。
委員長:
事前に資料を読ませてもらいましたが、開札後に情報提供されたというこ
となので開札前の情報とは性質が違うと思う。今回の件については、マニュ
アルに則り対応しており、市民が納得できる対応であったと思う。また、開
札後に談合情報が明らかになるというタイミングでは、その真偽性が疑われ
ると考えてよいと思う。
委員長:
今回の件について、本当に説得力を持たせたいのであれば、開封前に届く
ようにすべきではないか。
このような問題で、市当局側もご苦労されていることと思う。
∼
終了
∼
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