明治安田生命東京本社を訪ねて 中央民族大学学生代表 見学日時:2008 年 12 月 1 日(月)9:00—14:00 見学場所:明治安田生命東京本社 東京都千代田区丸の内 2-1-1 見学概要: 12 月 1 日、訪日団は有名企業 ―― 明治安田生命の東京本社を訪れ、日本訪問 8 日目の見学が始まった。 まず同社の従業員が毎日行う朝礼を見学した。朝礼終了後に従業員の代表と交流をし、その後会議室に 移動して会社についての詳しい説明を聞いた。また、日本の重要文化財でもある明治生命館を見学した。 明治生命館は建物全体が洋風になっていて、伝統を感じさせる上品な佇まいと厳かでバランスの良い建 物だった。道を一つ隔てた向こう側は皇居になっていた。第二次世界大戦終了後に建物は連合国軍に接 収され、連合国軍最高指令官総司令部として使用されたが、1950 年代に日本に返還された。 明治安田生命保険相互会社(以下 「明治安田生命」と略す)は日本明 治生命保険相互会社と安田生命保険 相互会社が 2004 年 4 月に合併して できた相互会社で、日本最大規模の 保険会社の一つである。個人向けの 生命保険、年金、健康医療と介護保 険、損害保険、投資顧問と投資信託 などを取り扱っている。 知っていますか? 明治安田生命は相互会社式を採用 している。相互会社は生命保険会社独特の組織形態で、保険会社の契約者一人一人を会社の「株主」とし、 契約者と会社の両方にとって利益となる会社運営を目指す。今、日本市場に進出している外資系企業の 中に相互会社という形態をとっている会社は全くなく、明治安田生命は全世界の相互会社ランキングで 第三位にランクインしているとのことであった。 明治安田生命の従業員が毎日欠かさずにやっているものに朝礼がある。朝礼は主に前日の仕事をレ ビューし、足りなかった点を指摘し、問題をみんなで分析し、問題解決の方法を見出し、共に進歩する ことを目的にしている。即ち、従業員一人一人が極自然に、また自ら進んでこうした機会を利用して、 他の人の意見ひいては批判まで素直に聞き入れ、自分自身の行為を適宜改善したり調整したりして、チー ムの誰もが同じペースで前に進むといった考え方をベースにしている。こうした努力があってはじめて 明治安田生命はトップから一般社員に至るまで一致団結して次々と「奇跡の売上げ」を生み出すことが できたのだと思う。見学当日に朝礼に参加した社員は年長者から若い人まで幅広い年齢層だったが、年 配のベテランも若い社員の批判と意見に眉をひそめることなく、まじめにメモを取りながら、改善を約 束していた。このように互いに助け合う企業文化と謙虚に学ぶという真摯な態度に頭の下がる思いがし た。相互扶助によって共に進歩を目指すからこそ、社員間の人間関係が改善され、すばらしい業績をあ げることができるのだと思う。 明治安田生命が行った販売調査によると、保険加入者の満足度に一番影響を与える要素は、保険商品 の品質というよりも営業員が勧誘する際の専門性だという。その次が問題を解決する際の態度と効率で、 三番目にやっと保険商品の品質が挙がるという。この調査結果からも分かるように、業績に直接影響を 与えるのは「ハードウェア」としての商品ではなく、「ソフトウェア」としてのサービスなのだ。こうし た認識に基づき、明治安田生命は営業員の教育に力を入れ、その専門性を高めると同時に、定期的な顧 客訪問を行っている。 また、明治安田生命は日本で最初に収益状況とデータを公表した会社でもある。保険業界の先駆者と して、それまで知られることのなかった保険会社の業績を一般に公開することになったが、この自信と 勇気は敬服に値するもので、明治安田生命はそれによってより多くの人々の信頼を得ることができた。 感想 明治安田生命の見学では、社員の高い専門性と仕事に対するまじめな態度が印象的だった。私たちの ために準備してくれた業務レポートは、とても良くできていて内容も充実したものであった。同じよう な見学を中国でする場合はおそらく簡単な会社紹介のパンフレットが渡されるだけだろう。同社の資料 を手に取り、担当者の説明を聞いているうちに、私の中に長い歴史を持つ、優れた保険会社のイメージ が徐々にできてきたが、これらは中国の保険会社にはないソフトパワーだ。中国は世界的にもその開発 が待たれる巨大市場である。保険総額で言えば世界 8 位だが、13 億の人口で割った一人当たりの保険金 額はまだまだ少ない。中国というこの巨大なパイは明治安田生命を含む多くの大手保険会社から注目さ れており、専門性とレベルがともに高い海外同業者からの挑戦を受けて、中国の保険会社は大きな試練 を迎えようとしているが、それは同時に海外の先進的な同業者と交流を深め、そこからいろいろと学ぶ ことのできる機会でもある。今回の訪問でいろいろと大事なことを学ぶことができた。今後は中国の保 険業の発展に貢献していきたいと思う。 朝礼中の社員
© Copyright 2024 ExpyDoc