着手時協議のポイントとチェックリスト本編 - 日本建設業連合会

官庁営繕工事における電子納品
着手時協議のポイントとチェックリスト
V1.03(平成 17 年 3 月 30 日)
社団法人 建築業協会
IT 推進部会 電子納品WG
はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1章
1
電子納品に関する基本事項
1-1 電子納品の定義・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
3
1-2 官庁営繕工事における電子納品に関する要領類・・・・・・・・・・・・・・
4
1-3 電子納品の目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
1-4 原則として電子納品を行うべき工事関係資料・・・・・・・・・・・・・・・
5
1-5 電子成果物の原本性保証に関する当面の対応について・・・・・・・・・・・
7
2章
着手時協議での協議事項
2-1 着手時協議での協議事項・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2-2 着手時協議でのポイント・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
2-3 着手時協議での検討を怠った場合に予想される問題・・・・・・・・・・・
3章
10
着手時協議に臨む前の受注者の主な留意点
3-1 施工中の業務においてIT活用をどう進めるか・・・・・・・・・・・・・・ 11
3-2 関係者のITスキル・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
3-3 電子納品成果物の維持管理段階での活用について・・・・・・・・・・・・
13
3-4 竣工検査時の書類検査対応・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
14
3-5 最終電子成果物の検査について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
15
4章
写真、書類、図面ごとの具体的注意事項
4-1 写真・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
4-2 書類・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
16
4-3 図面・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
17
4-4 情報共有サーバ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20
参考資料
参考-1 関係ガイドライン等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21
参考-2 図面について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 22
参考-3 電子納品のフロー・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 23
参考-4 着手時協議での電子納品提示例・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 24
参考-5 電子納品関連用語・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 28
チェックシート
1.着手時協議チェックシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31
2.検査前協議チェックシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38
3.納品時チェックシート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 41
おわりに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 45
はじめに
国土交通省の営繕工事については、平成 16 年度発注以降の全ての工事が電子納品対象となってい
ます。
営繕工事での電子納品では、検索のためのデータ形式やファイル体系、標準データ形式が規定さ
れているため、現場は、日常業務で作成したデータをそのまま納めるわけにはいかず、分類のし
直しや、ファイル名の付け直し、納品用データへの変換作業など新たな作業を行わなければなり
ません。
また、署名捺印書類の扱いや図面を SXF 形式で納める点など、現実的にはまだ対応が難しい部分
を含んでいます。
従って、電子納品を円滑に進めるためには、現場はこれらのことを理解した上で、早い時期に発
注者との「受発注者間の着手時協議」を行い、電子納品範囲等を決めておくことをお勧めします。
電子納品全体の流れについては「参考-3 電子納品のフロー」(P23)を参考にしてください。
電子納品対象現場には個別の状況がありますので、本書の活用に当たっては、各社の責任のもと
での活用をお願いいたします。
なお、関連する資料として、
(社)日本建築家協会・
(社)日本建築士会連合会・
(社)日本建築士
事務所協会連合会において設計業務・工事監理業務における着手時協議の資料「電子納品・着手
時協議解説書・チェックリスト(2004 年 11 月発行)」を作成・発行しています。
入手先URL http://www.jia.or.jp/service/e_nouhin/index_frm.html
平成17年
社団法人
IT推進部会
1
1月
建築業協会
電子納品WG
本書の使い方
1章から3章では、電子納品を行うに当たって、知っておくべき基本事項、受発注者間の着手時
協議での協議事項、留意点などを説明しています。
本書の内容は、国土交通省の要領類などを引用して解説している部分と着手時協議でのポイン
トを述べている部分とがあります。
引用部分は、黒枠で囲ってあり一番下の部分に、引用した資料名とページを記載しています。
また、ポイントとなる部分は二重の線で囲ってあり下図のように「ポイント」と記してあります。
引用部分
ポイント
<ポイント>
「工事納品要領」
P18、付属資料4
引用した資料は下記の4つの資料です。うち、営繕の3つは次のように略記してあります。
資料名
官庁営繕事業に係わる電子
納品運用ガイドライン(案)
営繕工事電子納品要領(案)
建築 CAD 図面作成要領(案)
発行者
発行年月日
「ガイドライン」
国土交通省
大臣官房
平成 14 年 11 月改訂版
官庁営繕部
電子納品運用ガイドライン
国土交通省大臣
(案)
官房技術調査課
当冊子での略称
「工事納品要領」
「CAD 図面要領」
平成 16 年 3 月
-
官庁営繕関係資料:入手先URL http://www.mlit.go.jp/gobuild/kijun/cals/cals.htm
また、受発注者間の着手時(事前)協議を「着手時協議」と記述。
●「参考-4 着手時協議での電子納品提示例(ワード)」
、
「チェックシート(着手時・検査前・納
品時)(ワード・エクセル)」をBCSのHPに掲載しておりますので、検討項目のチェックや協
議した結果の記録に活用して下さい。
http://www.bcs.or.jp/bcs_it/bukai/nouhin/nouhin.htm
ITに関する内容の中には、現場だけではすぐに理解しづらい部分もあるかも知れません。用語
集もつけてありますが、それでも難しい部分については自社のIT部門の支援を受けるなどして
理解してください。
2
1章
1-1
電子納品に関する基本事項
電子納品の定義
「電子納品運用ガイドライン(案)」では
電子納品とは、調査、設計、工事などの各業務段階の最終成果を電子データで納品すること
を言います。ここでいう電子データとは、各電子納品要領(案)等に示されたファイルフォーマ
ットに基づいて作成されたものを指します。
「電子納品運用ガイドライン(案)」
1 ページ
平成 16 年 3 月
国交省大臣官房技術調査課)
となっています。
電子納品の際のファイル形式について、「工事納品要領」などは以下のように規定しています。
ファイル形式
種類
書類
ファイル形式
ファイル名
・PDF
半角英数(大文字)8 文字
A4 縦を基本とし、30 ページを超える資料は「しおり」 以内で受注者が設定でき
を付ける
る
・オリジナルファイルも納品対象となる場合は、使用す
るソフトのファイル形式にしたがう
・CD-R のフォーマット形式は ISO9660LEVEL1
図面
(CAD データ)
・SXF(P21形式)及びオリジナルファイルを電子納品対
半角英数(大文字)8 文字
象とする。なおSXF が普及するまでの間の暫定的措置と
以内で受注者が設定でき
して使用するCAD ソフトの機能によりSXF への変換が困
る
難である場合は、受発注者間双方で協議の上決定する。
・データは上記書類と同じ CD-Rに格納する
「工事納品要領」
18 ページ、付属資料4 81-82 ページ、「CAD 図面要領」
1-3
工事写真
種類
工事写真
ファイル形式
ファイル名
・CD-R のフォーマット形式は JOLIET(ジュリエット)
日本語のファイル名
→工事写真は書類・図面の CD-R とは別の媒体を作成
(フォルダ名も日本語可)
「ガイドライン」
3
5 ページ
1-2
官庁営繕工事における電子納品に関する要領類
官庁営繕工事における電子納品に関する要領類は以下の3つです。
① 官庁営繕事業に係わる電子納品運用ガイドライン(案) 平成 14 年 11 月改訂版
電子納品の対象となる工事及び業務の範囲、電子納品の対象となる成果品の範囲、
受発注者間で取り決めておくべき事項等について書かれています。
② 営繕工事電子納品要領(案) 平成 14 年 11 月改訂版
営繕工事における電子納品の具体的方法について書かれています。
③ 建築 CAD 図面作成要領(案) 平成 14 年 11 月改訂版
設計図及び完成図の CAD データの作成方法について書かれています。
1-3
電子納品の目的
「電子納品運用ガイドライン(案)」では、目的について、
「電子納品の目的は、最終成果を電子データで納品することで、業務の効率化、省資源・省ス
ペース化を図ることである」
「電子納品運用ガイドライン(案)」
1 ページ
平成 16 年 3 月
国交省大臣官房技術調査課)
となっています。
着手時協議では、資料ごとに電子納品する目的を受発注者双方で良く確認することが必要で
す。
※32~34 ページの電子納品対象チェックシートを活用してください。
4
1-4
原則として電子納品を行うべき工事関係資料
ガイドラインには原則として電子納品を行う工事関係資料として以下のように記載されています。
別表1
原則として電子納品を行うべき工事関係資料
1. 工事写真
全ての工事写真
2. 工事写真以外の工事関係資料
フォルダ名称
PLAN
SCHEDULE
MEET
MATERIAL
PROCESS
分類
施工計画書
工程表
打合せ簿
機材関係資料
施工関係資料
INSPECT
SALVAGE
検査関係資料
発生材関係資料
DRAWINGF
MAINT
完成図
保全に関する資料
原則として電子納品を行うべき工事関係資料
試験計画書(機材検査に伴うもの)
試験計画書(施工検査に伴うもの)
施工報告書、
工事実施状況報告書(月報)
発生材調書
処理報告書
完成図(主要機器図を除く)
主要材料機器一覧表
保全に関する説明書
官公署届出書類一覧表
OTHRS
「ガイドライン」
9ページ
表にある"フォルダ名"とは納品時に電子データを保存する時のフォルダ名のことです。なお、
Windowsでは日本語でフォルダ名を付けることができますが、電子納品では8文字以内の英数字し
か使えません。(工事写真(営繕)を除く)
原則電子納品を行うべき工事関係資料ということになっていますが、次に示すように、電子化す
ることが著しく非効率な場合は、着手時協議により紙による納品とすることができます。
5
3-4 受発注者間協議事項について
電子納品の実施にあたっての受発注者間協議の基本的な考え方を示す。
(1) 電子納品の対象とする資料の範囲について
・別表1 及び2 に示した資料については、可能な限り電子納品を行うこととするが、電子
化することが著しく非効率な場合等は、受発注者間協議により紙による納品とすること
ができる。
・その他の資料については、資料の性質や受注者の対応状況等を考慮し、資料の作成から
検査の過程を通じて電子データで扱うことが効率的な資料について電子納品を行う。
「ガイドライン」
5ページ
現場ごとに着手時協議において現場担当監督員と目的を確認しながら決めることになります。
尚、資料全体の分類は下記のようになっています。
資料全体の分類
(工事写真以外)
電子的手段により引き渡される工事関係資料(工事写真を除く)は、図2-1~2-5 に示さ
れるフォルダ構成とする。
電子媒体のルート直下に表2-1 に示されるフォルダを置く。
表2-1 フォルダ構成
収納先フォルダ名
フォルダに格納するファイル
サブフォルダー
PLAN
施工計画書ファイル
ORG
SCHEDULE
工程表ファイル
ORG
MEET
打合せ簿ファイル
ORG
MATERIAL
機材関係資料ファイル
ORG
PROCESS
施工関係資料ファイル
ORG
INSPECT
検査関係資料ファイル
ORG
SALVAGE
発生材関係資料ファイル
ORG
DRAWING
完成図ファイル
ORG
MAINT
保全に関する資料ファイル
ORG
OTHERS
その他資料ファイル
ORG
(フォルダ作成上の留意事項)
1.フォルダ名称は、半角英数大文字とする。
2.各フォルダに直接対象ファイルを格納し、階層分けは行わない。
「工事納品要領」
6
1ページ
1-5
電子成果物の原本性保証に関する当面の対応について
3-2 電子成果物の原本性保証に関する当面の対応について
電子納品の導入にあたっては、従来の書面に対する署名又は捺印に変わる措置として、電子署名
の導入が求められる。しかし、電子署名の導入は現時点では困難であるため、当面の措置として、
以下の通りとする。
1) CD-R のラベルに直接署名又は捺印を行う。
2) 受注者は、電子媒体の内容の原本性を証明するために、別に定める様式(電子媒体納品書)に
署名又は捺印の上、電子媒体と共に提出する。
3) 共通仕様書に基づく各書面に対する署名又は捺印は、上記 1)及び 2)の措置をもって変えるこ
とができることとする。
「ガイドライン」
4ページ
ガイドラインでは、電子納品する場合は、捺印がなくても良く、CD-R に納める書類の一覧表を作
成し、それに「現場代理人が最終成果物と同一であることを保証する」署名または捺印をすれば良
いことになっています。
竣工時に作成する書類以外は、施工中に署名捺印された書類がそろっているので、この様な書類
については、紙の納品ならばこれを納めるだけで済みます。
ところが、電子納品する場合は、納める前に、電子データと最終承諾された書類が一致している
かどうかの照合が必要になります。
例えば打合せ簿の場合、カタログ類など電子化されていない資料が含まれることもあるので、全
てを電子納品対象にしてしまうと、スキャニングなどの電子化作業が生じます。
従って、電子納品する対象としては、書類一式が電子データでそろっている資料のみとするか、
鑑だけを納品することにするなどを発注者と協議し、了解を得ておく必要があります。
このことをはっきりしておかないと、電子データでは書類一式がそろわず、竣工時に手間のかか
るスキャニングなどの電子化作業を行うか、二重納品することになってしまいます。
参考:公印付文書と私印付文書
公印付文書とは、次のような第3者機関などが発行する会社印などを付した文書をいいます。
・ 品質証明書(例:セメント、鋼材・鉄筋のミルシート)
・ 試験報告書(例:骨材のアルカリ・シリカ反応性試験結果、コンクリート品質試験結果)
・ 廃棄物マニフェスト
など
私印付文書とは、工事監督員、現場代理人などの認印を付した文書をいいます。
7
打合せ簿についての補足説明
打合せ簿の構成例
CASE-1
鑑
CASE-2
現場代理人や工事監督員等の捺印 現場代理人や工事監督員等の捺印あり(=私
あり(=私印)
添付資料
印)
現場がワープロソフトや表計算ソ 公印がある文書または電子化されていないカ
フトで作成した資料のみ
タログが含まれている
打合せ簿は、鑑と添付資料で構成されており、鑑部分は通常、ワープロソフトや表計算ソフト等
で作成しており、議事録においては所定欄に承諾者等の捺印がある場合と、名前が記入されてい
る場合があります。
また、添付資料は、CASE-1 のように全て現場で作成した資料の場合と、CASE-2 のように紙しか無
い資料が含まれる場合とがあります。
いずれの場合も、通常、承諾は書類を回覧して行われ、指摘事項などの修正を繰り返し最終的に
署名・捺印され紙で保管されます。その過程では同じような書類が何回も作られるので、日常業
務で電子データの最新版管理を行っておかないと最後に大変なことになってしまいます。
以上が電子納品に関する基本事項ですが、これらを理解した上で着手時協議に臨みます。
8
2章
2-1
着手時協議での協議事項
着手時協議での協議事項
1章で説明したようにガイドラインには原則電子納品とする資料が規定されていますが、実際
は全ての項目に渡って着手時協議に委ねられていると言っても過言ではありません。
着手時協議での協議事項。
<ポイント>
① 電子納品の対象範囲
② 電子納品媒体
③ 電子納品する電子データのファイル形式、日常業務で使用する文書作成ソフト
④ 施工中のデータ交換方法(営繕工事では土木と異なり特に施工中のデータ交換方法に言
及していませんが、施工着手前に確認しておくことは必要です)
⑤ 書類検査時の対応(電子データによる検査範囲、PC 等の準備、操作担当、
「紙」書類の準
備など)
⑥ 電子納品最終成果物のチェック方法
②、③、⑥については要領等で決まっていることなので受発注者双方での確認が主です。
ただし、③についてはあとで詳しく述べますが、図面を納める場合の標準形式である SXF に関
する協議が重要です。
2-2
着手時協議でのポイント
着手時協議でのポイント。
<ポイント>
① 【目的の確認】電子納品した後の資料の使われ方を資料ごとに確認する。
② 【関係者のITスキル】電子納品する場合に受発注者に新たに生じる負荷や必要となるIT
スキルを把握しておき、発注者に具体的に説明できるようにしておく。
③ 【二重納品】は原則行わないようにしたい。私印文書を電子納品する場合は捺印なしで納め
る方向で協議する。
④
【署名捺印の流れ】最終承諾は従来どおり紙の受け渡しにより行う方向で協議する。情報共
有サーバ(ASP)を利用する場合は、電子納品の対象データとして利用するかなどについても協
議する。
⑤
【書類検査】工事写真は電子データのみで検査する方向で協議する。
注:情報共有サーバ(ASP)については 4-4 章(20 ページ)を参照下さい。
9
電子納品に関する認識不足のまま着手時協議にのぞむと、電子納品範囲などが最後まであいまい
なままになる恐れがあるので、「参考資料-4
着手時協議での電子納品提示例」のような、現場
としての提案を用意することを勧めます。
現場から提案するにはその根拠が必要となりますので、「1章
基本事項」を参考にして、根拠を
発注者に示しながら協議を進めて下さい。
1回の協議ではなかなか決まらない場合も考えられるので、
「日常使用する文書作成ソフト」など、
すぐに決めなければならないものから決めていくと良いでしょう。ただし、そのままに放置して
おいたため竣工間際になって“あれもこれも電子納品”となり、大変なことになった例もありま
すので注意してください。
2-3
着手時協議での検討を怠った場合に予想される問題
<ポイント>
① 【予期しなかった出費の発生】竣工間際になるまで協議を放置すると、時間をかけて検討す
ることが出来なくなり、多くの項目で電子納品をすることになる。外注してスキャニングす
る場合は工事により 100 万円単位の新たな出費も発生する。
② 【二重納品】当初は電子納品のみで良いと思っていても、しっかり決めておかないと、最後
になって紙での納品もせざるを得なくなる(二重納品)可能性が大きい(写真など)。
③ 【図面の書き直し】図面に関する電子納品についてはっきり決めておかないと、最後になっ
て、SXF形式にうまく変換できないなどの理由で、図面を最初から書き直すことになる可
能性がある(完成図)。
④ 【情報共有サーバ(ASP)のメリットを生かせない】関係者のITスキルレベルの確認が不十分
であったり、ASP の利用目的や運用ルールを明確にしないまま ASP を導入すると、電子納品に
メリットを生かし切れず、かえって手間が増えてしまう可能性がある。
10
3章
3-1
着手時協議に臨む前の施工者の主な留意点
施工中の業務におけるIT活用をどう進めるか
納品するほとんどの資料は施工の進捗に合わせて作成されていきます。従って、電子納品を考え
る前に、施工中の資料作成業務をどう進めるかの基本方針を固めておく必要があります。
工事現場と監督員事務所との日常的な各種データ交換をどんなツール(電子メール/情報共有サ
ーバ/紙交換・・)で行うのかを決めておく必要があります。もし情報共有サーバ(以下、ASP)
を使うのであれば、
「ASP に蓄積される電子データ」と「電子納品する最終成果物」の関係を明確
にしておくことが必要です。基本的には、施工中の電子データ分類(フォルダ)と電子納品のた
めのデータ分類(フォルダ)は合わせておいたほうが煩雑にならないでしょう。
ASP の運用について、現状では標準化された運用方法が無く、現場毎に対応が異なります。
ASP を導入したが、利用目的や運用ルールを明確にしなかったために本来の目的に見合う効率を
上げていない現場も多く見受けられます。
3-2
関係者のITスキル
これまで CALS/EC を掲げた現場でその運用上大きなウエイトをしめたのは関係者の IT スキルです。
現場では関係者を教育していく時間はほとんどないので、現場が始まる時点での関係者の IT スキ
ルが一つの判断基準となります。
工事写真を例に電子データを扱う局面を説明します。
施工者がデジタルカメラで工事状況を撮影し、随時、メールに添付したり、CD-R 等のメディアに
て監理者に報告します。
監理者は、必要なときに写真ビューアを使って電子データの状態で閲覧します。
施工者は、打合せの議事内容によって必要な場合は、ワープロソフトなどで作成した文書に工事
写真データを貼り付けます。
電子納品時には、工事写真や打合せ簿を CD-R で納品します。
11
このように電子データを扱う局面はいろいろ考えられますが、ITスキルを大きく分けると以下
のようになります。
スキルレベル
スキル内容
通常
ASP導入
現場
スキル
(低)
●ワープロソフト・表計算ソフトが使える
●パソコンに保存されている電子データ
①
パソコン
を、エクスプローラなどを使って整理
基本操作
できる
◎
◎
◎
◎
●デジタルカメラを使って撮影し
パソコンに写真を取り込める
●電子メールの送受信ができる
②
電子メール、
ホームページ
の閲覧
●電子メールを使って添付した電子デー
タの交換ができる
●インターネットを使って必要な情報を
入手できる
●データの圧縮解凍ができる
③
データの高度
な処理など
●PDF を作成できる
受発注者
●異なる CAD 間でのデータを交換する
双方に1
上の問題点がわかる
●機器・ソフトのトラブル対応ができる
人以上
受発注者双
方に1人以
上
●サーバデータのバックアップ管理など
スキル
(高)
④
情報共有運用
管理など
ができる
●情報のアクセス権設定管理が適切に
できる
12
3-3
電子納品成果物の維持管理段階での活用について
現状の電子納品では、これまで紙で提出していた資料を、そのまま電子データに置き換えたにす
ぎないことが多いようです。
表計算ソフトで整理した鍵リストや主要材料・機器一覧表などはそのまま使えるかも知れません
が、CAD 内に書かれたリストなどはそのままでは再利用できないでしょう。
打合せの場に、竣工後建物を使う担当者が参加し、施工中に通常作成する資料とは異なる内容の
電子データを要求される場合があるかも知れませんが、基本的には通常の電子納品の範疇を超え
る作業となります。CAD データに関して、維持管理目的のレイヤ変更や加筆などの作業も電子納
品の範疇外と考えます。
13
3-4
竣工検査時の書類検査対応
(電子データによる検査範囲、PC 等の準備、操作担当者、
「紙」書類の準備)
竣工検査の時には、建物の検査と同時に書類検査を行いますが、この書類検査をどのように行う
か、電子データをどのように活用するかの検討が必要です。
書類検査はスピーディに行う必要があるので、打合せ記録のように署名・捺印欄がある鑑部分が
紙で添付資料は電子データであるなど、紙と電子データが混在する書類や、サイズが大きいため
にパソコン画面での閲覧が困難なデータの電子データによる検査は非効率的です。従って、電子
データによる検査は、工事写真等に限定して実施する方がよいでしょう。
いずれにしても、パソコン操作やソフトを手際よく扱える操作担当者が必要になります。
14
3-5
最終電子成果物の検査について
施工者は電子納品成果物を竣工検査時に発注者に提出し、内容が正しいことを説明します。説明
の方法は、電子データを見ながら行う方法と、印刷した紙により行う方法とがあります。
電子データの種類としては、書類、写真、図面があります。
書類については、打合せ簿のように、通常は最終的には私印が押される書類を、捺印なしで承諾
欄に氏名を記入した形にするなどして提出しますが、電子データを保存した日付をしっかり管理
しておき最終承諾を得た時の電子データであることを確認して提出します。
写真については、電子データで提出し、検査は電子データをそのまま閲覧する形で実施すること
を推奨します。
図面については SXF 形式への変換に関わる問題や、記載内容が細かいため照合が難しいという問
題があります。
検査においては、オリジナルデータのみの納品物であれば、それほど問題はありません。SXF デ
ータ納品の場合は、オリジナルデータと合わせて、SXF データとオリジナルデータそれぞれを印
刷したものを検査するのが現実的です。(印刷は原則として発注者が行う。)
成果物の検査については以下のようにガイドラインに記載されています。
3-3 電子成果物の検査について
(1) 電子媒体に格納された資料について
電子データで検査することを原則とするが、紙と電子データが混在している場合等、紙により
検査を行う方が効率的な場合は、紙により検査を行うことができることとする。
また、紙により検査を行う場合は、事前に電子成果物を印刷しておく必要があるが、この場合、
(「ガイドライン」 5ページ)
原則として発注者が印刷を行うこととする。なお、検査用の印刷物は成果物に該当しない。
「ガイドライン」
15
5ページ
4章
4-1
写真、書類、図面ごとの具体的注意事項
写真
・使用するデジタルカメラ及び利用する撮影モード(画素数など)は、事前に発注者と協議し、
承諾をもらっておく。高画素が必ずしも良いとは限らない。
・USB を介してパソコンにデータを取り込めるカメラが扱いやすい。
・写真管理ソフトなどを使って、日々データを保存しておく。完全な整理が日々出来なくとも、
日付による管理だけは行っておく。
・早い時期から写真データを CD-R で提出するなどして、内容の確認を電子データで行うことを、
監理者に体験して頂く。
・官庁営繕対応の写真管理ソフトでは、土木と異なり日本語ファイル名が使えるので早めにルー
ルを決めておく。
4-2
書類
・着手時には、紙と電子データを分けて考えるのでは無く、納品する書類全体の詳細リストを作
成し、作成方法、承諾方法、施工中の保管方法、納品方法を決めておく。
・書類の保管に関して、早い時期に、紙では書棚やファイリング方法を決め、電子データの場合
はフォルダ構成などを決めておく。
・公印が必要な書類は、電子化するにはスキャニングの作業が増えること、スキャニングしたと
しても原本性保証の問題が残るなどの課題がある。
・試験成績書など現場が紙で受け取る書類は、基本的に紙だけの納品とする。
・電子納品ソフトは日々利用する必要はないと思われるが、竣工時に一括して作業することは避
けた方が良い。たまったデータを整理する時期を月一回などに決めて運用することを検討する。
・日々の電子データの管理は、エクスプローラを使い、現場でも分かり易いような日本語フォル
ダ名とファイル名をつけて処理するのが良いでしょう。
(市販電子納品ソフトには日々の管理が
しやすいものもある。)
・納品前には国土交通省から無償で提供されている「電子成果物作成支援・検査システム」(入手
は下記URLから)で検査して提出する。
http://www.mlit.go.jp/gobuild/kijun/cals/supportsys.htm
市販電子納品ソフトについては、BCSのホームページで紹介する予定です。
16
4-3
図面
CAD 図面要領では次のように記載されています。
2.1 CAD データフォーマット
CAD データ交換フォーマットは原則として SXF※1(P21)形式とし、1 図面 1 ファイルとなる
よう作成する。ただし、補足資料として CAD ソフトがソフト内部で管理している独自のデータ
形式(オリジナル形式)※2も併せて納品するものとする。
※1SXF は「CAD データ交換標準開発コンソーシアム」
(平成 11 年 3 月~平成 12 年 8 月)、
「建
設情報標準化委員会 CAD データ交換標準小委員会(平成 12 年 9 月~平成 14 年現在継続中)
(いずれも JACIC(日本建設情報総合センター)事務局)にて策定された STEP AP202(製
品モデルとの関連を持つ図面)規格に準拠した CAD データ交換標準である。なお、SXF が普
及するまでの間の暫定的措置として、使用する CAD ソフトの機能により、SXF への変換が
困難である場合は、受発注者間双方で協議の上決定する。その場合、1 図面 1 ファイルと
しなくても良い。
(例えば、外部参照機能を用いて複数ファイルで 1 図面を作成した場合や、1 ファイルで複
数図面を作成した場合については、そのまま提出できるものとする。
)
※2「DRAWING 」フォルダ及び「DRAWINGF」フォルダの「ORG」フォルダ内のオリジナルファイ
ルを作成するソフト及びファイル形式については、受注者が決定することができる。
「CAD 図面要領」1-3 ページ
設計図書の納品においては、SXF 形式で納品するように規定されていますが、営繕工事では協議
の上決定するとなっています。
SXF と呼ばれる CAD の仕様は、CALS/EC 向けに新規に開発されたものです。SXF を扱える CAD は増
えていますが、各ソフトとも課題を多く抱えています。これらの課題の内、運用で回避できる内
容も多いと思いますが、運用上のノウハウはまだ蓄積されていません。
建築分野での SXF の状況を示している例として、C-CADEC(設計製造情報化評議会)による「SXF に
よる建築系の CAD データ交換」の調査があります。BCS の平成 15 年度建築の CALS/EC セミナーで
の発表を参照して下さい。
http://www.bcs.or.jp/bcs_it/seminar/seminar_H15.htm
この発表を見ると、実証実験として着工時から取り組む場合は別ですが、現時点(執筆:平成 17
年 1 月)では現場で「SXF データへの変換」に取り組むことは困難で、できれば避ける方向で発
注者と協議したい。
17
土木では、発注者から紙図面を受渡された場合は、CAD データによる納品までは求めないと、事
前協議ガイドラインで明記しています。
CAD 利用する場合のポイントはレイヤの扱いです。レイヤの扱いについても、土木のような強制
力を持った標準は無く、営繕では基本的な分類が提示されているだけです。ただし、どのような
レイヤを使ったかについては、納品データの二次利用を想定し、どのレイヤにどんなデータが入
力されているのかを示すレイヤリスト(レイヤの「分類」「名称」「内容」や「線種」
「色」「線幅」
等を想定)の添付が求められています。
この辺の事情については、
BCS の平成 15 年度建築の CALS/EC セミナーでの発表
「官庁営繕事業における電子納品への取組み」を参照して下さい。
http://www.bcs.or.jp/bcs_it/seminar/seminar_H15.htm
以上は、設計図(発注図と完成図)に関する規定であり、施工図など工事に伴う図面は、SXF の対
象になっていません。
18
図面に関する着手時協議でのポイント。
<ポイント>
【発注図】
(1) 現状では発注図は DWG 形式であることが多く、慣れないと SXF 形式で渡されても加工して使
うにはストレスが多い。
SXF データを受け取る場合は、オリジナル CAD データから SXF データを作成したときの設定内
容を必ず受け取ること。
(2) オリジナル CAD データを受け取ることを発注者と協議する。この時の注意事項を以下に示す。
①
オリジナルデータ作成 CAD ソフトの名称やバージョンを必ず確認する。
②
発注者からレイヤリストを必ず受け取り、その通りに作図されているか確認する。
【完成図の作成】
(1) 発注者から渡される設計データは SXF が正であるとされている。
(2) しかし、現段階では、完成図を作成する方法としては、発注者から渡されたオリジナルデー
タを作成した CAD ソフトを施工側が利用可能な場合は、SXF データを取り込んで加工するよ
り、オリジナルデータを利用して修正する方がストレスが少なく工数も少ないようである。
ただし、設計の場合 SXF データが正なので、図面内容は SXF データで確認する必要がある。
尚、実務的な視点から纏められた資料として、C-CADEC 編集の「SXF による CAD データ交換を円滑
に行うための留意事項(第 2 版)」(平成 16 年 4 月発行)があります。
http://www.kensetsu-kikin.or.jp/c-cadec/guests/results-syo.html#m7
ここには、「SXF による CAD データ交換に関する情報」と「設備分野の図面作成/SXF データ交換の
推奨ルール」が掲載されています。
以下、発注図として受け取った CAD データ形式や受注者が使用している CAD 形式によって、電子
納品する CAD データの形式を判定する案(BCS案)を提示いたします。
発注図としてSXFデ
受け取ったオリジナルデータ
受注者が
電子納品する
ータを受け取った
及びレイヤリスト
使用している CAD
CADデータ形式
X-CADver.2004(SXF 対応)
X-CADver.2004
SXF(正)
+レイヤリスト
(SXF 対応)
X-CAD データ(副)
X-CADver.2004(SXF 対応)
X-CADVer.2000
X-CAD データ(正)
+レイヤリスト
(SXF 未対応)
※
X-CADver.2004(SXF 対応)
X-CADver.2004
X-CAD データ(正)
+レイヤリスト
(SXF 対応)
※
X-CADver.2000(SXF 未対応)
X-CADver.2004
X-CAD データ(正)
+レイヤリスト
(SXF 対応)
※
X-CADver.2004(SXF 対応)
X-CADver.2004
X-CAD データ(正)
レイヤリスト無し
(SXF 対応)
※
ケース
1
2
3
4
5
※
〇
〇
×
×
〇
PDF やイメージデータ(TIFF)を正で提出することも協議したい。
19
4-4
情報共有サーバ(ASP)
・土木の場合は情報共有する場合に、地方整備局にある土木に特化したサーバを使うことがある
が、営繕工事で情報共有する場合は、情報共有サーバ:Application Service Provider(以下、
ASP)を使うことが多いようである(2004/09 現在)。
・ASP の選択基準として、JACIC の「工事施工中における受発注者間の情報共有システム機能
要件(案)(Rev1.1))」を適用している場合があるようですが、工事により使う機能を充分検討
してから選択する必要がある。
・ASP を有効に使うためには、発注者・施工者の双方が ASP に慣れていることが重要。
・どのようなASPを選択するとしても、その ASP が持っている全ての機能を使うことを考えな
い方が良い。工事打合せ簿の一部だけを ASP に登録して回覧するなど割り切った使い方が良い。
・図面や写真など、容量が大きいデータ全てを ASP に無理に登録するような使い方は望ましくな
い。
・関係者の IT スキルのレベルによっては、ワークフロー機能を使うとかえって関係者への情報伝
達を遅らせることもありうる。使用する場合は、承諾ルートの明確化も含めて充分な検討が必
要である。
20
参考資料
参考-1
関連ガイドライン等
・熊本県の電子納品に関する基準書・ガイドライン
http://www.pref.kumamoto.jp/project/cals/k_kijun.html
現場での関係者のスキルを考慮した運用例が載っています。
・情報化・IT 化をフルに活用する
建築技術の 2003 年 8 月号 P70
受注者としての取り組み姿勢が載っています。
・BCS 平成 15 年度建築の CALS/EC セミナー「CALS/EC 実証実験現場の紹介」
http://www.bcs.or.jp/bcs_it/seminar/seminar_H15.htm
産業技術総合研究所ナノ材料実験棟(仮称)建設工事の事例の紹介です。
・電子納品に関する手引き(関東地方整備局版)
http://www.ktr.mlit.go.jp/kyoku/tech/cals/tebiki/nouhin_tebiki.htm
この手引きは、全国の地方整備局版のひな形となる目的を持って策定されたものと言われていま
す。適用される事業は河川事業・道路事業・公園事業だけですが、考え方は他の事業でも流用で
きます。主な内容は、特記仕様書作成、受注者との着手時協議の内容、書類検査方法などで、現
実的な解決策が提示されています。工事編と業務編の 2 種類ありますが、主な違いは業務編に
PDF 作成の詳細と地質調査の成果品と測量作業の成果品への言及がある程度です。
・建設ITガイド 2004、2005(経済調査会)
http://www.kensetsu-plaza.com/publication/order/view_list.php?genre=1
建設 IT ガイド 2005 においては、当冊子の紹介を掲載しています。2005 年 1 月発行
21
参考-2
図面について
図面の種類について
発注図:設計図書の一部を構成する設計図(意匠図、構造図等)
「建築設計業務等における電子納品」で、発注者(営繕)が受け取る図面。
基本的に、図面構成やレイヤは、設計事務所の仕様に準拠。
完成図:上記の発注図を現場で修正や加筆したもの。
基本的に、図面の枚数は変化しない。
設計図全てを修正する場合と、平面・立面・平詳などだけ修正する場合がある。
民間工事では通常後者。
基本的に、図面構成やレイヤは、設計事務所の仕様に準拠。
施工図、総合図、施工用の平面詳細図
これらの図面は基本的には現場で新たに作成する。
図面構成やレイヤは、施工側の仕様となる。
なお、納品するとしても、これは現状 PDF やラスターでの納品になる。
もし、SXF 形式でレイヤ一覧を付けた納品となっても、発注図や完成図のレイヤに拘る
必要は無い。
製作図、鉄骨図
協力会社が作成する図面。CAD で無い場合も多い。
CAD 作図の場合、ゼネコンからの指示が契約時点で必要。
現状、CALS/EC の対象外と考える。
維持管理(FM)用の平面詳細図
現時点において、CALS/EC の対象外。
この点を明確にしておかないと費用的にもかなり無理がある。
もし別途 CAD データを作成する場合、レイヤ仕様の提示が無いと作成不可能。
22
参考-3
電子納品のフロー
着手時協議前の準備作業
仕様書での指定確認
電子納品ルールの理解
施工中の作業
個人のパソコンでの資料作
成
留意点への対応検討
受発注者の IT スキルの確認
打合会議での協議、メール
での資料のやりとり
最終決定した資料の保管
自社支援体制の確認
自社としての取組課題があ
るか(ASP の利用・実証など)
現場運営全体としてどこま
で取り組むかを決める
紙の資料:バインダーに保管
電子データ
・最終承諾されたオリジナルデータがど
れかがわかるように保管する
(作業所管理用フォルダ)
・できれば最終承諾データを定期的
に電子納品体系で保管(毎月末
など)
最終成果物
指定形式への対応
工事管理項目の登録
・フォルダー名、利用ソフト名、工事
名称、発注者コード、請負者
コード、施設名称など
各資料の分類
・資料の名称付け、分類
ファイル名変更
・オリジナルファイルとの対応付け
CD-R 出力イメージ作成
※通常は市販電子納品ソフトを使用
ウィルスチェック
電子納品範囲などの受注者
案を決める
竣工準備作業
CD-R への書き込み
書類作成・図面作成ソフト決定
竣工検査実施方法の確認
国交省電子納品チェックソフトによ
る最終チェック
・着手時チェックリストを利用する
書類検査方法の確認
着手時協議
・電子納品の対象範囲の決定
・電子納品媒体の決定
最終成果物検査方法の確認
CD-R へ捺印
・納品時チェックリストを利用する
提出ファイル形式の扱い確認
竣工検査
・電子納品する電子データの
ファイル形式の決定
・施工中のデータ交換方法の決定
完成図(竣工図)作成
電子データでの書類検査
(工事写真等)
・竣工検査の方法を決定
・電子納品最終成果物の
施工中作成書類の整理・照合
チェック方法の決定
(受注者側と発注者側双方)
竣工検査での
最終成果物確認
提出ファイル形式への変換
・着手時協議議事録の作成
・検査前チェックリストを利用する
納品
23
参考-4
着手時協議での電子納品提示例
提案例
○
○
建築工事
電子納品に関する着手時協議資料
平成
○
○
年
月
建 設 株 式 会 社
24
提案例
「官庁営繕事業に係わる電子納品運用ガイドライン(案) 平成 14 年 11 月改訂版」に基づき、
本工事の電子納品は以下のように考えております。
1.電子納品対象ファイルとファイル形式
【根拠となる要領等:ガイドライン 3.4 及び CAD 図面要領 2.1】
・ 電子納品対象書類は表-1 に示すとおりです。
・ 打合せ簿については、鑑は全て日常業務で電子化します。電子納品対象は添付資料も全て
日常業務で電子化した資料のみとします。添付資料に電子化の難しい書類(カタログやミ
ルシート等)や公印文書などを含むものは全て紙で納品します。
・ 完成図に関しては、紙の図面と SXF 変換後の図面とを完全一致させるためには、作図時に
使える CAD の機能(コマンド)が限定され、作図時効率が大きくダウンします。従って、電
子納品はオリジナル CAD データ(またはイメージデータ)を納品します。
・ 工事写真は電子納品しますが、写真帳は納品しません。
※SXF の扱いは、19 ページの表を参考
としてください。
表1
電子納品
対象書類
打合せ簿
電子納品対象書類とファイル形式
書類作成者 フォルダ名
受注者
MEET
○電子納品対象
△場合による
ファイル形式、ソフト名等
電子化
・鑑は全て電子化する。
鑑
・添付資料が、日常業務中に電子化してあるものの
○
みを電子納品対象とする。新たな電子化はしない
・ 電 子 納 品 す る 場 合 の フ ァ イ ル 形 式 は PDF 形 式
添付
(Acrobat ver? )。
資料
△
完成図
受注者
DRAWING
工事写真
受注者
工 事 写 真 ・写真ソフトを使用して電子化する。
は 別 の
・
D〇〇形式(A-CAD ver.xx形式)を納品する。
使用写真ソフト
–
○○○(Ver××)
CD-R で 納 ・ファイル形式はJPEG形式
品する
・工事写真帳(紙)は納品しない。
25
○
○
提案例
2.施工中の書類の取扱い
・施工中の承諾方法
本工事に関する文書について、電子化されていない資料も多いので、原則として従来どおり
紙を回覧することにより承諾を得ます。但し、急ぎの場合は電子メールを利用して資料の一
部の授受を行います。署名・捺印書類は紙面で保管します。
・ファイル名称の取扱い
施工中の文書のファイル名は受発注者双方にとって分かりやすいように、日付と漢字名称を
組み合わせた名称とします。ファイル名のつけ方は表-2のとおりです。
表-2 ファイル名のつけ方
書類名
工事中のファイル名
打合せ簿
日付+項目+(細目・内容).拡張子
完成図
発注図のファイル名の付け方に合わせる
工事写真
工事写真の撮り方(改訂第二版)
-建築編-
による
・施工中における電子データの保存
①
作業所に共有パソコンを設置し、電子納品要領に則ったフォルダ体系で定期的に整理・保
管します。
②
最終版書類(受発注者間の着手時協議で合意が確認された書類)の取扱い
1) 署名・捺印は従来どおり紙による受け渡しで行います。
2) 最終版書類の電子データは作業所の共有パソコンに保存します。
③ バックアップについて
重要な書類は共有パソコンに保管します。適宜、バックアップデータを CD-R 化します。
④
ウィルス対策について
現場事務所パソコンには全てウィルス駆除ソフトを導入し、定義ファイルを週 1 回更新しま
す。
なお、新種のウイルス等による被害を受けた場合、直ちに外部との電子データ交換を中止し、
ウイルス定義ファイルを入手しウイルス駆除を行います。
26
提案例
3.検査時(中間検査、竣工検査)の対応
【根拠となる要領等:ガイドライン
5 ページ】
(1) 電子納品対象となっている書類の中で工事写真は電子データで検査を行います。他の資
料は紙と電子データが混在することや検査効率上、紙で行います。
(2)検査用の機器
基本的には発注サイドの検査機器を使用いたしますが、機器が用意出来ない場合やソフト
のインストールなどに手間取ると予想される場合は受注者側で準備します。準備する場合
の機器は以下のとおりです。
・写真管理ソフトと写真データの入ったパソコン 1 台を用意し写真閲覧用に使用します。
・確認用出力装置は、プリンタを 1 台用意します。
(3) 閲覧用ソフト
・写真管理ソフト(○○○ V××)を閲覧用ソフトとして使用します。
(4)検査用機器の操作
・検査官が閲覧を希望する写真の検索・表示の操作は受注者が行います。
(5)検査用の電子データの印刷
・検査用の電子データの印刷は、発注者側でお願いいたします。
27
参考-5
電子納品関連用語(国土交通省電子納品運用ガイドラインより抜粋)
CALS/EC (キャルスイーシー、Continuous Acquisition and Life-cycle
Support/Electronic
Commerce)
従来は紙で交換されていた情報を電子化するとともに、ネットワークを活用して各業務プロセス
をまたぐ情報の共有・有効活用を図ることにより、公共事業の生産性向上やコスト縮減を実現す
るための取組み。CALS とは、企業間や組織間において、事業や製品等の計画、設計、製造、運
用、保守に至るライフサイクルの各段階間や関係者間で発生する各種情報を電子化し、その伝達、
共有、連携、再利用を効率的に行いコストの削減や生産性の向上を図ろうとする活動であり、概
念である。EC は、電子化された商取引を意味し、公告、入札、発注、決済などの行為をインタ
ーネットなどのネットワーク上で実現するものである。
CD-R(シーディーアール、Compact Disk Recordable)
データを一度だけ書き込める CD。いったん書き込んだデータは消去できない。
CORINS(コリンズ、Construction Records Information Service)
建設会社の技術力を公正に評価しうる工事実績情報のデータベース。
(財)日本建設情報総合セ
ンターが公益法人という立場で、工事実績情報のデータベースを構築し、各公共工事発注機関へ
情報提供を行っている。
ISO9660 フォーマット
CD-R を作成する時のフォーマット。主要な OS(オペレーティングシステム)との互換性が配慮
されている。
レベル1:ファイル名は8文字+拡張子(3文字)まで、ディレクトリ名は8文字までの制限。
長期的な保存という観点から、国際的標準である ISO9660 フォーマットの中でも OS 間での互換
性が最も高い「レベル1」を標準としている。
JPEG(ジェーペグ、Joint Photographic Experts Group)
静止画像データの圧縮方式の一つ。デジタルカメラの標準保管形式となっている。デジタルカメ
ラにおいてはいくつかの圧縮モードが用意されているので、工事写真においては、一番詳細なモ
ードを利用したい。
PDF(ピーディーエフ、Portable Document Format)
米 Adobe Systems 社が開発したファイル形式である。PDF は、ドキュメントを作成した環境と
は別の環境(異なる機種、OS、アプリケーション、フォント)との間のドキュメント交換を可能
にする。PDF ファイルを閲覧するビューワ(Acrobat Reader)は Adobe 社のサイトから無償で
ダウンロードできる。
28
SXF(エスエックスエフ、Scadec data eXchange Format)
異なる CAD ソフト間でデータの交換ができる共通ルール(中間ファイルフォーマット:交換標
準)。「CADデータ交換標準開発コンソーシアム」において開発された。
国際標準である STEP/AP202 規格に準拠した電子納品のための p21 形式、工事・業務の途中段階の
CAD データ交換のための簡易な形式である sfc、双方の物理ファイルをサポートしている。
現状、電子納品においては、p21 形式を用いる。
XML(エックスエムエル、eXtensible Markup Language)
データ記述言語の一種。電子納品では、電子成果品の再利用時に内容を識別するために、工事・
業務に関する管理情報や報告書・図面等の管理情報を電子成果品の一部として納品することにし
ている。受注者は、これらの管理情報を XML を用いて作成することにしている。
ウィルスチェック
アプリケーションソフト等を用いてコンピュータウイルスなどを検出する処置のこと。
サムネール
画像の縮小見本のこと。ファイルを開くときに、内容確認のためにオープンダイアログに表示さ
れる小さな画像。
ダウンロード
ネットワークを通じて、サーバコンピュータに保存されているデータをクライアントコンピュー
タに転送すること。逆をアップロードという。
電子納品・保管管理システム
電子納品・保管管理システムは、国土交通省が電子納品データを保管・管理するために開発した
システムで、登録された電子納品データの検索・閲覧が可能である。
電子成果物作成支援・検査システム
電子媒体のフォルダ構成、管理ファイル等が電子納品要領(案)に基づき正しく作成されている
かのチェックをするシステム。受注者は、電子媒体の作成後、このシステムでチェックを行った
上で発注者に提出する。プログラム及び操作マニュアルは以下の国土交通省-「電子納品関連資
料(官庁営繕関係)」のページからダウンロードすることができる。
http://www.mlit.go.jp/gobuild/kijun/cals/cals.htm
レイヤ
レイヤは、CAD図面を作成する際に、作図要素を描画する仮想的なシートを意味する。一般的
に、1枚の図面は複数のレイヤで構成され、各レイヤに表示・非表示することが可能である。CAD
製図基準(案)では、電子納品された CAD 図面の作図・修正及び再利用が効率的に行うことを
目的に、工種毎に作図要素を描画するレイヤを定めている。
29
電子署名
デジタル文書の正当性を保証するために付けられる署名情報。文字や記号、マークなどを電子的
に表現して署名行為を行なうこと全般を指す。現実の世界で行なわれる署名を電子的手段で代替
したもの。特に、公開鍵暗号方式を応用して、文書の作成者を証明し、かつその文書が改竄され
ていないことを保証する署名方式のことを「デジタル署名」という。
電子媒体(メディア、記憶メディア、記憶媒体)
フロッピーディスクや CD-ROM など、データを記録しておくための記録媒体。
30
チェックシート
1.着手時協議チェックシート
実施日
平成
年
月
月
日
日
工事名
工期
平成
年
月
日 ~
平成
年
工事番号
発注者
事務所名・課名
役職名
出席者名
連絡先(電話番号)
連絡先(e-mail)
受注者
社名
部署名
役職名
管理責任者
出席者名
連絡先(電話番号)
連絡先(e-mail)
電子メールによる情報交換
発注者
受注者
メール担当者氏名
メールアドレス
□個人専用のアドレス
□個人専用のアドレス
□グループで使用しているアドレス
□グループで使用しているアドレス
⇒(事務所・部・課)単位で使用
参照頻度
⇒(会社・部・課)単位で使用
□メールが届く都度分かる
□メールが届く都度分かる
□概ね
□概ね
回/
添 付 ファ イル の 容量
□1MB以下
制限値
□
日程度
回/
MB 以下
□ 簡単な文書、写真等については、電子メールによる情報交換を行う
□ 受注者のメール送信は、発注担当者宛てとし、係長や課長には CC に加える
31
日程度
書類、図面の電子納品対象チェックシート(1/3)
納品の目的
納品形式
情報共有
システム
維持保全
分 類
提出書類名
省スペー
PDF
でデータ
ス保管
(SXF)
再利用
(※1)
紙
ナル
など
工事打合せ簿
施工計画書
総合施工計画書
〇
PDF
工種別施工計画書
施工要領書
工事実施状況報告書
工程表
契約工程表
実施工程表
週間工程表
月間工程表
工種別工程表
打合せ簿
工事打合せ簿
機材関係資料
機材検査計画書
検査成績書
検査報告書
施工関係資料
施工検査計画書
施工報告書
現場組織表
資格証明書
工事経歴書等
施工体制台帳
下請負者通知書
緊急連絡体制
安全衛生組織表
マニフェスト
施工立会い記録
主要資材発注通知書
※1確認・閲覧利用にとどまる
※2修正するなどして利用
※3情報共有システム(ASPなど)を利用する場合
32
(有・無)
(※3)
(※2)
記入例)
での扱い
オリジ
その他
WORD
無
書類、図面の電子納品対象チェックシート(2/3)
納品の目的
納品形式
情報共有
システム
維持保全
分 類
提出書類名
省スペー
PDF
でデータ
ス保管
での扱い
オリジ
その他
(SXF)
再利用
紙
ナル
(※1)
など
(※3)
(※2)
完成図
施工図
検査関係資料
〇
調合表
品質証明書
性能証明書
規格証明書
材料搬入報告書
監督職員等検査記録
社内最終検査記録
修補完了報告書
是正等措置請求書
技術検査記録
発生材関係資料
発生材調書
処理報告書
再生資源利用計画書
完成図他図面
完成図
関係資料
施工図
PDF
X-CAD
(協議)
VerX
〇
記入例)
原寸図
工作図・製作図等
※1確認・閲覧利用にとどまる
※2修正するなどして利用
※3情報共有システム(ASPなど)を利用する場合
33
(有・無)
なし
無
〇
無
書類、図面の電子納品対象チェックシート(3/3)
納品形式
納品の目的
情報共有
システム
維持保全
分 類
提出書類名
省スペー
PDF
でデータ
ス保管
での扱い
オリジ
その他
(SXF)
再利用
紙
ナル
(※1)
など
(※3)
(※2)
記入例)
鍵明細書
〇
〇
EXCEL
-
無
完成通知書
-
-
紙指定
不要
不要
〇公印
-
引渡書
-
-
紙指定
不要
不要
〇公印
-
保全に関する
建築物保守に関する説明
資料
機器取扱い説明書
機能性試験成績書
官公署届出書類
主要材料・機器一覧表
工事関係者一覧表
予備品等引渡書
予備品等一覧表
鍵引渡書
鍵明細書
各種保証書 ※4
一般事項
(有・無)
現場代理人等通知書
〃
経歴書
各種許可証等
工事実績情報登録受領書
工期算出根拠
状況調査報告書
工法提案資料
※完成写真、工事写真は含まず。
※1確認・閲覧利用にとどまる
※2修正するなどして利用
※3情報共有システム(ASPなど)を利用する場合
※4基本的に納品不要(元請が保管しておく)
34
工事写真の電子納品
□工事写真
JPG
□工事写真の具体的な電子納品方法については、「工事写真の撮り方:公共建築協会」を
参照する
電子納品対象成果品の納品方法
工事写真
その他電子成果物
□電子データのみとし、ネガアルバム・写真帳の提出は行わない
□電子データを1部提出する
□その他(
)
納品用電子媒体
使用電子媒体
電子媒体ラベル
電子媒体の提出
□電子媒体は CD-R とし、品質の信頼性が高いと思われるメーカー(出
来れば日本製)のインクジェット用ホワイトレーベルを使用する
□電子媒体のラベルは、プリンタによる直接印刷あるいは油性フェル
トペンによる手書きとする
□提出する全てのデータを格納した CD-R を正副各 1 部提出する
35
情報交換および電子成果品作成における使用ソフトとファイル形式
使用ソフトおよびフォーマットの取り決め
備考
ソフトウェア名
□ WORD ver.
□ 一太郎 ver.
文書作成
□ その他(
ver.
)
ver.
)
□ Excel ver.
表計算
□ その他(
写真・画像フ
□ JPEG 形式(撮影画素数:
)
□ 共有時の有効画素数は、800×600 程度とする
ァイル
□ SXF(p21)形式
図面ファイル
□ その他(
ver.
)
□ PDF
□ TIFF
その他
(
)
その他
(
)
添付ファイルの圧縮方式
□大容量のファイルは、分割するか、以下の方式で圧縮して添付する
圧縮方式
□LZH 形式
□ZIP 形式
□その他(
)
データバックアップ体制
バックアップ頻度
バックアップ媒体
□バックアップ作業を 1 日 1 回行う
□その他(
□MO(光磁気ディスク)
□CD-R(追記可能コンパクトディスク)
□CD-RW(書き換え可能コンパクトディスク)
□DVD-RAM(書き換え可能デジタル・ビデオ・ディスク)
□磁気テープ装置
□外付けハードディスク
□その他(
)
)
媒体保管場所
バ ッ クア ップ 担 当者
名
バ ッ クア ップ 作 業記 □バックアップ担当者は、バックアップ作業ごと、その日時、媒体
録
識別番号、作業者名等をバックアップ記録簿に記録する
36
コンピュータウイルス対策(受注者側)
□Norton AntiVirus (Ver.
)
□ウイルスバスター (Ver.
)
□Virus Scan
(Ver.
)
□その他(
)
ワクチンソフトの常 □インターネットにアクセス可能なコンピュータでは、ウイルスワ
使用ソフトウェア名
駐
クチンソフトを常駐させる
ウイルスチェックの □外部から媒体を受け取った際には、その媒体に対するウイルスチ
実施
ェックを行う。また、外部への媒体引き渡しの際には、その媒体に
対するウイルスチェックを行う
□電子メールにファイルを添付する場合は、必ず最新のウイルスパ
ターン定義ファイルを使用して、ウイルスチェックを実施する
ウイルスパターン定 □管理責任者は、1 週間に 1 回程度以上は定義データの更新状況を
義データの更新
調査し、最新の定義データに更新する
ウイルス発見・駆除 □ウイルスが発見された場合には、管理責任者がウイルスを駆除し、
時の対応
感染源を特定しデータ作成者に連絡すると共に、発注者にウイルス
発見の届出を行う
適用する要領・基準類
名
称
発行年月
発行者
□営繕工事電子納品要領(案)
□官庁営繕事業に係る電子納品運用ガイドライン(案)
平成 14 年 11 月
国土交通省
平成 14 年 11 月
国土交通省
□建築 CAD 図面作成要領(案)
平成 14 年 11 月
国土交通省
□工事写真の撮り方 建築編/建築設備編
平成 10 年 5 月
公共建築協会
その他
37
2.検査前協議チェックシート
実施日
平成
年
月
日
工事名
工期
平成
年
月
日~平成
年
月
日
仕様書番号
工事番号
検査実施場所・予定日時
検査実施場所
平成
予定日時
年
月
日
:
~
:
電子成果物により検査を行う書類の範囲
対象書類
管理ファイルの
印刷出力との内
電子データによ
内容チェック
容照合チェック
る書類審査
□工事写真
□施工計画書
□工程表
□打合せ簿
□機材関係資料
□施工関係資料
□検査関係資料
□発生材関係資料
□完成図
□保全に関する資料
□その他資料
※電子納品対象にチェックを付け、該当する欄に○を付ける。
38
検査時使用機器
項目
パソコン
内容
□CPU (
□メモリ(
モニター
カラープリンタ
準備者
MHz)
□発注者
MB)
□受注者
□17 インチ以上
□発注者
□解像度 1280×1024 以上
□受注者
□A4 判対応
□発注者
摘要
□受注者
検査用ソフトウェア
検査対象
管理ファイル
検査時使用ソフトウェア名
) □発注者
(Ver.
□受注者
(XML)
写真ファイル
準備者
(Ver.
参考図ファイル
摘要
ブラウザ、テキストエ
ディタ等
) □発注者
電子成果品閲覧ソフ
□受注者
ト、写真管理ソフト等
(JPEG)
工事関係書類
) □発注者
(Ver.
□受注者
(PDF)
図面ファイル
) □発注者
(Ver.
□受注者
(CAD データ)
文書ファイル
□受注者
) □発注者
(Ver.
□受注者
(表計算ソフト)
その他
ーワ等
) □発注者
(Ver.
(ワープロ)
表計算ファイル
CAD ソフト、SXF ビュ
) □発注者
(Ver.
□受注者
機器の操作
□検査には以下に示す受注者操作補助員が同席するものとし、検査官の求めに応じて電子
データの内容をパソコンの画面に表示、あるいはプリンターに出力する。
操作補助員氏名
部署名
連絡先(電話番号)
連絡先(e-mail)
39
検査の準備と実施(再確認)
□検査機器・ソフトの準備
・機器
・パソコン ・モニタ
・プリンタ
・ソフト ・アクロバットリーダ
検査機器等の準備
・SXF ブラウザ(SXFデータを納品する場合)
・電子成果物作成支援・検査システム
・その他(
)
□設置状況の確認(検査会場,電源等)
※検査機器(PC、プリンタなど)の準備は原則 発注者が行う。
□電子成果品(
納品の内容
)
□紙などの従来形式の成果品(受注者:内容を下記に記載)
□電子成果品の対象書類の準備(発注者が準備:内容を下記に記載)
電子成果品の
□検査を円滑に実施するため発注者が準備する物(内容を下記に記載)
対象書類準備
□検査を円滑に実施するため受注者が準備する物(内容を下記に記載)
40
3.納品時チェックシート
実施日
平成
年
月
日
月
工事名
工期
平成
年
月
日 ~
平成
年
仕様書番号
工事番号
発注者側
受注者側
電子媒体の確認
媒体の提出
(CD-R 正副各 1 部)
CD-R のフォーマット形式
□ 問題なし
□ 問題あり
□ 問題なし
□ 問題あり
※ ISO9660LEVEL1 / JOLIET(工事写真)
ラベルの記載事項
□ 問題なし問題あり
ウイルスチェック
実施結果
□ 異常なし
□ 異常あり
チェックプログラムによるチェック
フォルダ構成/ファイル名
電子媒体内のフォルダ構成
□ 問題なし
□ 問題あり
ファイル名
□ 問題なし
□ 問題あり
(命名規則の遵守)
41
日
管理ファイルのデータ項目内容チェック
工事管理ファイル
□問題なし
□問題あり
施工計画書管理ファイル
□問題なし
□問題あり
工程表管理ファイル
□問題なし
□問題あり
打合せ簿管理ファイル
□問題なし
□問題あり
機材関係資料管理ファイル
□問題なし
□問題あり
施工関係資料管理ファイル
□問題なし
□問題あり
検査関係資料管理ファイル
□問題なし
□問題あり
発生材料関係資料管理ファイ □問題なし
ル
□問題あり
図面管理ファイル
□問題なし
□問題あり
保全に関する資料管理ファイ □問題なし
ル
□問題あり
その他管理ファイル
□問題なし
□問題あり
42
工事管理ファイルの内容チェック
工事番号
□問題なし
□問題あり
住所コード
□問題なし
□問題あり
発注者コード
□問題なし
□問題あり
請負者コード
□問題なし
□問題あり
電子データ内容と印刷出力との内容照合チェック
電子納品対象項目
□工事写真
内容照合チェックの実施
□実施できた
□実施できなかった
(
□施工計画書
□工程表
□実施できた
□実施できなかった
□実施できた
□実施できなかった
□機材関係資料
□実施できた
□実施できなかった
□施工関係資料
□実施できた
□実施できなかった
□検査関係資料
)
)
(
)
(
)
(
)
□内容に相違はない
□内容に相違があった
□実施できた
□実施できなかった
)
43
(
□内容に相違はない
□内容に相違があった
□実施できた
□実施できなかった
(
)
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
(
(
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
(
)
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
(
(
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
(
□打合せ簿
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
(
内容照合チェックの結果
(
)
□発生材関係資料
(
□完成図
)
)
□その他資料
)
□実施できた
□実施できなかった
(
(
)
(
)
□内容に相違はない
□内容に相違があった
)
44
)
□内容に相違はない
□内容に相違があった
□実施できた
□実施できなかった
(
(
□内容に相違はない
□内容に相違があった
□実施できた
□実施できなかった
(
□保全に関する資料
□内容に相違はない
□内容に相違があった
□実施できた
□実施できなかった
(
)
おわりに
本書は、CALS/EC の電子納品を行う建築現場向けに、電子納品全体の説明と、特に重要な着手時
協議にのぞむにあたっての留意点を纏めたものです。
今後、随時改訂していく予定ですので、本書に対するご意見、ご要望を賜りたいと存じます。
おわりに、ご多忙の中、本書の作成にあたられた電子納品WGの各位及び協力いただきましたベ
ンダー各社に、厚く御礼申し上げます。
BCS
主
IT推進部会電子納品WG
委員名簿(敬称略・会社50音順)
査
中島
芳樹
㈱大林組
リーダー
服部
克洋
清水建設㈱
(ポイント&チェックリスト)
リーダー
北原
英雄
㈱竹中工務店
(営繕電子納品ソフト検証)
委
員
大野
茂
委
員
上野
泰正
㈱熊谷組
委
員
中谷
晃治
大成建設㈱
委
員
矢代
彰紀
東急建設㈱
委
員
野澤功一瀧
戸田建設㈱
委
員
中尾
西松建設㈱
委
員
澤田由美子
㈱間組
委
員
清水
充子
㈱間組
オブザーバ
山本
隆彦
㈱松村組
幸久
㈱安藤建設
転載した資料
電子納品関連用語:国交省発行電子納品運用ガイドライン(案)
参考にした資料
関東地方整備局、岐阜県などの電子納品チェックリスト・チェックシート類
45
官庁営繕工事における電子納品
着手時協議のポイントとチェックリスト
平成 17 年 1 月
V1.00
(印刷物:BCSCALS セミナー配布)
平成 17 年 1 月 25 日
V1.01
(PDF)
平成 17 年 2 月 10 日
V1.02
(PDF)
平成 17 年 3 月 30 日
V1.03
(PDF)34 ページ変更など
46