海外体験記(コロラドという先生~多くを学んだ短期留学~) - 徳島大学

徳島大学~開業
ある鳴門市に開業しました。当時
医 を 経 て、2000 年 に 故 郷 で
開業当初、そのスキルを身につ
院内で行ったのが「電磁波骨再生
きで、卵白を用いた簡単な実験を
関する文献を探索していくなかで
生として卒業後、小児歯科学講座
は、地域医療に貢献したいという
けるため、講習会に頻繁に参加し
」の始
療 法 EMAT (イーマット)
るわけです。
に入局し、西野瑞穂先生に師事し
よ う な 崇 高 な 思 い は 微 塵 も な く、
ました。休みの日ごとに大阪・京
年間大学に勤務した後、勤務
ました。当時の思い出として今で
ただ単に「開業医になるために開
都に行って、新しい技術を習得し、 まりでした。
熱を利用すれば…」という思いつ
~そして、徳島大学へ
現在、大学院ヘルスバイオサイ
エンス研究部歯科保存学分野教授
松尾敬志先生、病院歯科第一保存
科講師湯本浩通先生のもと、本治
療方法のエビデンスを確立するべ
く、徳島大学名誉教授木内陽介先
生 ( 工 学 部 )の ご 協 力 を 得 て、 研
究は進んでおります。
臨床のなかで生まれた「電磁波
」
骨再生療法 EMAT(イーマット)
を、再度徳島大学に戻って基礎研
究を行うにあたり、母校のありが
たさを実感しております。
人の歯
た 時 よ り も、 図 書 館 に 足 し げ く
大学勤務当時は、歯学部生だっ
なります。しかしこれらが一致し
として、その両面の考えが必要に
つまり、経営者として、歯科医師
のため、様々な器具や薬品を駆使
除去するかの一言に尽きます。そ
は、歯の中に入った細菌をいかに
分 が 感 染 症 で す。「 歯 内 療 法 」 と
歯科診療を行っています。
一 緒 に、
「天然歯を残す」ために
現在、私は信頼できる
通っていました。学生時代はとも
ていればいいのですが、クライア
し て 除 菌 を 図 る わ け で す が、 な
く 」 た め に は … の 後 に は、
「あき
歯科の対象とする疾患の大部
かく試験に合格さえすればよかっ
ントのためと思うと経営が成り立
かなかうまくいかず抜歯に至る症
らめない」が続くのではないだろ
つ だ と 考 え て い ま す。
た の で す が、 歯 科 医 師 と な っ て
たないといったジレンマに陥るこ
例も多々ありました。私も多くの
人と
から何も知らないことを嫌という
とがよくあります。それゆえ、効
うかと思う毎日です。
(やまもと じゅん)
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センチ夢に近づ
した諸先生方に深謝いたします。
髙 章教授およびお世話になりま
サ イ エ ン ス 研 究 部 ( 薬 学 系 )の 大
りました本学大学院ヘルスバイオ
最後に、今回このような有意義
な経験をする機会を与えてくださ
れましたら幸いです。
興味を持ってくださった方がおら
験記を読み、海外留学に少しでも
きる素晴らしいものです。私の体
新たな価値観をも見出すことがで
海外留学は視野を大きく広げる
き っ か け と な る の は 当 然 な が ら、
約束を交わして帰国しました。
日本を訪れる予定であり、再会の
良くなった友人の何人かは今夏に
しました。これらのイベントで仲
グ大会やコスプレ大会にまで参加
いた無料の英会話教室、ボウリン
のバーベキュー、教会で開かれて
た。毎週開催される留学生メイン
して様々なイベントに参加しまし
率 よ く 行 い、 空 い た 時 間 を 利 用
かりではなく、実験はなるべく効
このため、研究活動に専念するば
私 は、「 多 く の 外 国 人 と 交 流 す
る」という目標も持っていました。
した。
3ヶ月間はとても有意義なもので
であるため、有機合成に没頭した
み合わせたケミカルバイオロジー
んの著書「あと
私のバイブルである渡邊美樹さ
科 医 師 を 含 め た Crew
ほど思い知り、小児歯科学だけで
情 報 を 取 り 入 れ、Try and
年
薬科学教育部 創薬科学専攻 薬品合成化学分野
博士後期課程
山本 純
∼多くを学んだ短期留学∼
コロラドという先生
率よく最高の治療を行うためにス
Wood教授とグループメンバー
(本人前列右)
「 除 菌 す る た め に、 電 磁 波 に よ る
も忘れられないのが、西野先生の
業する」といったような、本当に
医院に導入していくということを
期
お子様への熱い思いと自分自身に
陳腐な何のポリシーも持たない船
繰り返していました。その中で特
私 は 1993 年 に 歯 学 部
対する厳しさです。教授自らが最
出だったように思います。
に興味を持ったのが「歯内療法」、
電磁波応用の発見
も早く医局に入り、最も遅く帰宅
開 業 医 に と っ て 必 要 な こ と は、
2011年 徳島大学研修登録医
され、一切の妥協を許さず研究・
徳島大学大学院口腔科学教育部 マーケティング、マネージメント、 いわゆる「歯の神経治療」でした。
口腔科学専攻 博士課程修了
なく他分野の文献や書籍を読みあ
さっていました。
私は2012年7月から9月末
までの3ヶ月間、アメリカ合衆国
のコロラド州立大学へ研究留学す
る機会を得ました。コロラド州立
大 学 は、 コ ロ ラ ド 州 の 州 都 デ ン
バーから北へ100キロメートル
万人の小さな町にありま
程離れたフォートコリンズという
人口約
す。
「博士課程に進学するからには、
修士課程と違う経験をする!」私
が修士課程1年で博士課程へ進学
する覚悟を決めたときに立てた目
標です。今回の留学は、この目標
の 中 で も 一 番 大 き な も の で し た。
わ ず か 3 ヶ 月 間 の 留 学 で し た が、
入国審査での強制帰国の危機、初
日でのパソコンの故障と渡米直後
にトラブルの連打に見舞われまし
た。これらの危機を克服できたお
かげで、
「外国でもなんとかなる」
という意識が生まれ、その後の小
さなトラブルはトラブルとも思わ
ず過ごすことができました。
コロラド州立大学化学科の
John Wood 教 授 の 下 に 私
は 留 学 し ま し た。Wood 教 授
は天然物の全合成研究において著
名な研究者であり、私はある天然
物を合成する上で鍵となる二つの
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医療法人とみなが歯科医院 Crew
American Association of Endodontists
ANNUAL SESSION '09 発表(2009.5.1)
先輩に続け
歯科医療に
新たな潮流を探 し て …
医療法人とみなが歯科医院 理事長
医療法人とみなが歯科医院理事長
診療に打ち込む姿勢は、今でも私
(とみなが としひこ)
徳島大学歯学部小児歯科学講座助手
スキルの
富永 敏彦
徳島大学歯学部歯学科卒業
1993年
1994年
2000年
2010年
の歯科医師としての理想像です。
徳島県鳴門市出身
Error を 繰 り 返 し、 殺 菌 に
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略歴 Pro f i l e
キルを上げていくということにな
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中間体の大量合成に携わりました。
私の専門は有機化学と生物学を組
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臨床医として・・・
留学生が多数参加するイベント
教会での英会話教室
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