空港周辺 ほっこりスポット 名物探しに出かけよう❸「秋の味覚編」 人が育てる、つくる 特産品いろいろ いよいよ「食欲の秋」の到来です。さまざまな作物が豊かな実りの季節を迎え ます。秋といえばやはりお米。千葉県は多彩な農産物に恵まれていますが、 中でも成田空港周辺地域は有数の稲作地帯、米どころが揃っています。今 回はそのお米を中心に、ちょっと意外な名物まで、さまざまな「秋の味覚」をご 紹介します。 おかずがいらない! 多古町のコメ ゆったりと流れる栗山川の両岸に連なる豊かな水田。 「多古 米」のふるさとです。北部および東部に広がる山林が美しい地 形を形づくり、稲の取り入れの季節には、黄金色の稲穂の絨毯 が広がります。 多古米の名を全国的に有名にしたきっかけは、昭和38年に 皇室献上米に選ばれたことです。その後、昭和46年には全 国自主流通米品評会で日本一の座に輝きました。平成2年に は全国うまい米推進事業で「日本の米づくり百選」の地に選ば れ、 「おかずがいらない多古米」として、おいしいお米の代名詞と もいえる地位を不動にしました。 多古町周辺の土地は、 かつて海底だったところが隆起したも ので、 ミネラル豊富な粘土質の土が稲作に適しています。 恵まれた条件に加え、土地の人々の米づくりへの情熱も忘れ ることはできません。明治以降、早くから水田の基盤が整備され おいしい米づくりが追求されてきましたが、現在も多くの生産者 グループが活動してい ます。その 一 つ「多 古町やる気集団」の 中の「有機米部会」が 作った「味彩米 (減農 薬減化学肥料) 」が、 平成17年、千葉県が ■第8回多古町コスモス祭り 推 進 する「千 葉エコ 9月26日(日)10:00∼15:00 ※雨天中止 あじさい公園(道の駅多古あじさい館隣接)国道296号沿い 農産物」に認証される 農産物の直売、秋の味覚弁当販売などおいしい話題のほ か、フリーマーケット、フラワーアレンジメント、子どもた など、食味向上の努 ちの大好きな「環境戦士3Rショー」など、 楽しさ満載です。 ※9月26日(日)∼10月11日(月・祝)の間は、道の駅周 力は終わることがあり 辺のコスモスを自由に摘み取れます(無料) 。 Y産業経済課 10479-76-5404 ません。 じゅう たん 工夫が生んだ 芝山町のスイカ 金時西瓜 芝山町からは、この季節にはとても珍しいスイカの 話題です。これから10月末にかけて出荷される“抑 制スイカ”についてご紹介します。 作物を通常よりも遅く収穫する栽培法を抑制栽培 といいますが、単に時期をずらすだけでは作物は育ち ません。気候など、生育に必要な条件が変わってく るからです。芝山町の抑制スイカづくりは品種選びか ら始まり、その結果たどりついたのは、土地柄にあい 抑制栽培に適した「 祭ばやしイレブン」 「金時西瓜」 と いう二つの品種でした。 日照時間はスイカの生育に大きな影響をおよぼし ます。通常は4本のつるにつき2個の実が成るようにしますが、甘 くておいしいスイカを作るために、それを3本に1個にするなど、こ の季節の日照時間の短さを補う工夫もしています。 また、育成方法にもこだわりがあります。スイカは連作障害やつ る割病などに弱く、通常は接木栽培が行われますが、種子から発 芽させる実生栽培を用いています。そのため連作ができず、ほか の作物と何年かに1回のサイクルで作る輪作で、障害を回避しな がら大切に育てています。 もともとスイカは芝山町が全国に誇る特産品でした。その認知度 を上げ、芝山のスイカをもっと知ってもらいたい…。そんなきっかけ で始まった抑制スイカ。その一つひとつに、太陽の恵みと生産者 の愛情が詰まっています。 緑と黒のコントラストがはっ きりしているのが、よいスイ カの目印 土が育てる 神崎町のサツマイモ 秋の味覚の中で人気投票をすれば、まちがいなく上位を占め るサツマイモ。神崎町は、コメをはじめ野菜や果物の栽培が盛 んな土地柄で、今はちょ うどサツマイモの収穫の 真っ盛りです。 今回ご紹介するのは 神崎町野菜出荷組合 の皆さんが作るサツマイ モです。神崎町では約 40年前からサツマイモの 北総地方はナシの産地として知られてい 栽 培が行われてきまし ますが、神崎町にも1軒の梨園がありま す。佐野輝良さん、博子さんご夫妻(写 た。関東ローム層の火 神崎町野菜出荷組合の皆さん 真)の経営する「佐野梨園」です。 現在 山灰の土が、甘くておい 10種 類ほどを栽 培していますが、おす すめの「豊水」は今が旬です。今後も新 しいサツマイモを育てるのに適しているのだそうです。 しい品種など、いろいろなことにチャレ 主な品種はベニアズマと愛娘(まなむすめ) の2種類。8∼11月の霜 ンジしていきたいという佐野さんご夫妻。 の降りる時期まで収穫が行われます。掘りたてのサツマイモは、栗のよ 「ナシは冷やし過ぎると舌の味覚神経が 麻痺し、甘味を感じなくなります、食べ うにホクホクとした食感が味わえ、1カ月ぐらい置くとデンプンが糖化し、 る前に冷蔵庫で1時間位冷やすのがベス 甘みが増します。 トです」と、アドバイスをくれました。 品質の良さが好評 河内町のレンコン 茨城県の南端に位置する河内町では、今、レンコン づくりが佳境を迎えています。 茨城県は、レンコン栽培に最適の肥沃な土壌と水温が 高いという条件に恵まれ、全国生産量の3分の1を誇りま す。河内町の「金江津レンコン」も、利根川と新利根川 にはさまれた水田地帯で40年以上前から栽培されてきまし た。品種の統一やハウス栽培の導入により1年を通じて出 荷され、その品質の良さが高い評価を得ています。特にリ レンコン掘りの様子 ン酸を使用しない無漂白レンコンは好評です。 レンコンは蓮田と呼ばれる泥沼の中で育ち、10∼3月に収穫されます。地中深く伸びる地下茎のため、成長の 度合いなどを確認することができません。また、傷つけることなく収穫するのは、大変労力のいる作業です。 お正月の煮物などに欠かせないレンコン。その日本 一 の産地が成田空港の近くにあったとは…。ちょっと意外 な発見でした。 お問い合わせ 多古町役場産業経済課 ☎0479-76-5404 芝山町役場産業経済課 ☎0479-77-3917 神崎町まちづくり課 ☎0478-72-2114 河内町役場経済課 ☎0297-84-2111(代)
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