EL ニ カ ヒ カ - JICA

EL ニ カ ヒ カ プロジェクト月次ニュース#8
EL ニ カ ヒ カ
プロジェクト月次ニュース#8
2013 年8月
写真右:国家運輸計画プロジェクト
トピックス
1. サシガメ届出のデータ管理を強化-プロジェクト対象5県全域で
1. サシガメ届出のデータ管理を強化-プロジ
CHAGAS プロジェクト
ェクト対象5県全域で
プロジェクト対象 5 県 49 市を対象に、監視システムにおけるデータ管理研修を実施しました。
研修は各市選出のデータ管理責任者等計 100 名が参加し、プロジェクトが開発した記録簿
CHAGAS プロジェクト
http://www.jica.go.jp/project/nicara
gua/001/news/index.html
や、データ分析表の使い方を実践的に学ぶことが目的です。参加者はデジタル化されたフォーマ
ットやパソコンの表計算ソフトに苦戦しつつも、研修用の仮想データを入力、分析しました。
2. 授業研究の導入
サシガメ対策の監視システムでは、住民による届出と、保健省による対応が基本となります。届
PROMECEM2 プロジェクト
出に正しく対応するには、市保健センターで届出データを適切に記録・分析しなければなりませ
http://www.jica.go.jp/project/nicara
ん。プロジェクト活動の成果で 5 県全域で住民からのサシガメ届出が増える一方、市保健センタ
gua/006/index.html
ーのデータ管理が弱点となっていました。
この研修で各市のデータ管理責任者は、監視システムの情報伝達プロセスや、サシガメ届出デ
ータの入力と分析を学びました。参加者からは、「データ管理が簡単にできる。どの集落からサシ
ガメ届出が多く、どこで殺虫剤をまくべきか、どの家屋を訪問すべきかすぐにわかる。」と好評を得ま
3. ワークショップ形式による技術移転の実施
国家運輸計画プロジェクト
リンク:準備中
した。研修の最後には、各市から県保健局への月報の提出手順や期限について話合い、合意
に至りました。今後は、日常的なサシガメ届出データ更新、迅速な対応、県保健局への月報提
出が、各市の課題となります。
4. 自らの足元から始める暴力予防
FOSNAR2 プロジェクト
http://www.jica.go.jp/project/nicara
gua/004/newsletter/index.html
写真1-1:研修に参加したデータ管理責任者たち(マタガルパ県)
写真 1-2: 県保健局媒介虫対策課長によるサシガメ監視シ
ステムの講義(エステリ県)
を考えさせています。
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2. 授業研究の導入
写真 3: JICA プロジェクトチームによる交通調査手法の説
PROMECEM2 プロジェクト
明が行われています。
「素晴らしい経験ができました。この手法は授業の質を改善するだけでな
く、自ら反省し改善する習慣を根付かせ、また、他者の意見を聞くことに
より、多くのことを学ぶ機会を与えてくれます。」これは授業研究演習後の
授業者の感想です。
PDC サイクルに通ずる授業研究は本邦研修参加者、青年海外協力
隊が活動した学校、第1フェーズで関わった一部教員を除いて定着して
おらず、本フェーズでは初めての導入となりました。授業を他の教員に見
せる習慣がないため、好意的に受け入れられるかどうか不安のなかでの
研修となりましたが、教材研究から授業後の検討会に至るまで教員間で
活発な議論が交わされ、実施後のアンケートでも9割が好意的な反
応、残りの1割が授業研究プロセス改善に向けた建設的な提言を述べ
ており、心配は杞憂に終わったと言えそうです。
3.ワークショップ形式による技術移転の実施
国家運輸計画プロジェクト
今後は年内に一度各教員養成校において授業研究を実施し、その結
果に基づいて授業研究ガイドの改訂作業を行い、来年以降の本格実
2013 年 6 月 6 日に国家運輸計画プロジェクトの第 2 回ワークショップを開
施を目指す計画です。また、本研修に参加した教育省教師教育局長
催しました。このワークショップは、技術移転を目的として、主にカウンターパー
や市の指導主事も授業研究に高い関心を示しており、他の教科や小学
校でも教員の能力向上を目指した授業研究の導入が期待されます。
トである MTI を対象として実施されました。日本側からは JICA ニカラグア事
務所、プロジェクトチームが参加し、総勢 40 名により技術移転を行いまし
た。
このワークショップでは、①国家運輸計画の立案に向けた地理情報システム
(GIS)の役割と活用、②交通調査の実施方法およびデータ分析方法、
③交通需要予測手法の3つをテーマとして、プロジェクトチームの専門家によ
る発表が行われました。
GIS の役割と活用については、特にデータの構築方法、データの一元管理に
写真2-1:教員共同で教材研究を行う様子。作業グループは他
ついて説明しました。現在の MTI では、各部署においてそれぞれ GIS データ
の教員養成校の教員や市指導主事で構成され、活発な議論が交
を構築しているだけであり、一元管理が行われていません。そのため、一元管
わされました
理を行うことによって、幅広くデータ構築ができると思われます。
交通調査およびデータ分析については、現在行われている交通調査の進捗
状況、自動観測装置を用いた交通量調査の方法論、データ分析方法、
GPS を用いた旅行速度調査、高度情報を用いた交通調査手法について
説明しました。MTI がこれらの方法を今後の調査に生かしていけることが望ま
れます。
交通需要予測については、予測モデル、4 段階推定法、JICA STRADA
および交通シミュレーションについて説明しました。特に本調査で実施している
写真 2-2: 練習問題を終えた学生が他の学生を支援する様子。
OD 調査と 4 段階推定法を組み合わせたディスカッション形式で行われ、積
公開授業では特に作業時間における個人差への配慮がなされてい
極的に MTI に参加してもらいました。交通需要予測の概念についても説明
ました。
しているため、将来予測を行う際には MTI スタッフも参加して技術を磨いて
ほしいと思います。
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4. 自らの足元から始める暴力予防
FOSNAR2 プロジェクト
7 月 11 日、12 日、26 日の 3 日間にわたり、マナグア県内の技官 77 人を対象に、暴力予防に関する研修 3 回シリーズの第 1 回目を実施しまし
た。テーマは「援助者としての自己理解〜ジェンダー・権力・暴力概念を中心に〜」でした。
家族省の技官は人権擁護を推進する立場から、住民に様々なサービスを提供していますが、そこには個人としての価値観や理解が影響します。そこで
「自らが十分に理解していないものを、他者に認め、伝えられるのか」という認識に立ち、一人の人間として、一人の親として、そして社会福祉に携わる援
助者としての立場から、権利やジェンダーの主体者としての自分自身を振り返り、他者とどのような関係を構築しているかについて、日常的な経験に基づい
て考えてもらう機会をつくることにしました。それは同時にセルフケアのプロセスでもありました。
研修では、「権力」「ジェンダー」「暴力」の3つの概念から、それぞれ派生する言葉を並べてダイアグラムを作る作業を通じて、それぞれの概念に対する自
己の理解や関連について理解を深めたり、技官自身の家族図を作成し、関係について分析する作業を通じて、暴力的な関係に気づいたり、そのような
関係を改善するために何ができるかを考えたりしました。技官自身のセルフケアのため、ストレスを抱えたときにどう行動するかについての自己評価やセルフプ
ラン作りも行いました。
暴力予防の取り組みは自らの足元から始まります。新たな気付きを得た技官たちが、サービスの質の向上に貢献できることを願っています。
写真 4-2: 家族図の作成を通じ、家族との関係の分析と経験を共有
写真 4-1: 「暴力」のキーワードからダイアグラムを作成する技官
する技官
JICA ニカラグア事務所
TEL: (505) 22707229, 7231, 7233
Email: [email protected]
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