PDFファイル - 岡部病院

病棟紹介コーナー
薬剤科
●●●○
おかべだより
○●●●
薬剤科は薬剤師3名にて、調剤、薬剤管理指導、医
薬品情報(DI)等の業務を行なっています。
2011.9(第14 号)
地域ケアセンターでの取り組みについて特集しています。
精神科疾患の治療には急性期から維持期まで薬剤
治療が丌可欠であり、特に服薬の継続が社会参加と
その維持につながると考えられます。そのため、当院では、患者さまが服薬しやすい
よう散剤と錠剤の一包化を基本とし調剤を行なっています。
私たちは薬という視点から、患者さまのウェルネス向上に貢献できるよう努めていき
たいと思います。
岡部病院
理念
『誠
実』
平成23年度 基本方針
・利用者さまを中心に、こころが通う質の高い総合的医療、福祉・介護サービスの提供を目指します。
・利用者さま、ご家族の皆さまの心情を理解し、安心して安全な医療、福祉・介護が受けられるよう、あらゆる
業務の質、適時性の向上を旨とした改善活動と環境整備を推し進めていきます。
・利用者の皆さまの人権を尊重し、高いモラルと倫理観を持った接遇レベルの向上に努めます。
・利用者の皆さま一人ひとりに合った明確な目標(目的)を持ち、多様性と専門性を活かした、実行力のあるチ
ーム医療、福祉・介護体制により、高いホスピタリティ(治す・支える)を実現していきます。
・地域医療の一員として近隣住民の皆さまや、各関係機関との連携の強化を図るとともに、地域に根差し、地域
とともに共生していくことを通じて、地域社会に貢献をしていきます。
・仕事(現場)そのものを教育(場)として誠実なこころ・高い専門性・知識・技能を備えた人材育成と能力開
発に力を注いでいきます。
当院の 外来受診、入院のご相談は お気軽に地域連携室までどうぞ
TEL 076-243-1222 FAX 076-243-1522
■□ 編集後記 ■□
地域ケアセンターでの取り組みと東日本大震災での当院スタッフの支援チームの参加に関する特集はいかがでし
たか?今でも大変厳しい生活の中に身を置いている方々がたくさんいらっしゃいます。被災された皆さまの生活が
1日でも早く穏やかで、心休まる日々となりますよう、心からお祈りしております。
◎編集・発行責任者
〒921−8114
前田義樹 ○編集者
地域連携室
角政信
尾崎英子
金沢市長坂町チ 15 番地
医療法人積仁会 岡部病院
TEL:076-243-1222 FAX:076-243-1522
安井紀子
中村愛
ホームページ
友田沙織
http://okabe-net.jp
お
ことばのあれこれ
お
岡部病院
お
医師
近澤
茂夫
昭和19年の春 金沢旧市内の新6年生の男子生徒は南端国道に集合し、夜
行軍で白山比咩神社に進み、早暁に必勝祈願の参拝をした。数年後、元海軍少
佐の叔父と奥宮のある白山に登った。その道で会う強力(立山では歩荷)との
あいさつことばは「ごくろうさん」であった。たまに行き交う人とのあいさつ
も「ごくろうさん」であった。六根清浄を称えながら修験道の仲間入りをさせ
てもらっているとの勝手な思い入れもあった。
この「ごくろうさん」のことばはおたがいにがんばりましょうとの意味を込
めた現在進行形のことばであり被災復興地でも使われていると思われる。
ところが現在ごくろうさんは「御苦労であった」との完了形の殿様言葉がイ
メージされて少なくなっている。上高地や尾瀬では「今日は」が多くなり、そ
れも銀座のようにラッシュになるとあいさつもなくなっている。でも私は朝か
ら修行中、行脚中の身として「ごくろうさん」のことばを使うのが好きである。
一方さよならは「左様ならば失礼仕る」から出て東京五輪、大阪万博以来国
際的にも良く知られ使われることばだが私はあまり好きでない。これに残るも
のとして good bye や so long などがあるが、カナダに居た時良く使ったこと
ばで see you がある。Again や tomorrow をつけて、I’ll see you tomorrow
とか again とか、気持ちで構文し、自己満足していた。今でもつかいたい好き
なことばである。
(現実にはカナダの友人とはサヨナラになってしまい see you
again は帰国後実現しなかった。
蛇足であるが家内がある売場でかなり気に入った物があり値が張るので迷っ
ていたところ店員から可愛いですよと云われた途端買うのをやめてしまったこ
とがあった。これが suitable(お似合いですよ)と云われれば買っただろうし、
せめて cute(可愛いいと同義であるが)と云われれば買ったかもしれない。い
くら流行語でも何でも後でも可愛いですまさず相手によっては使い分けが必要
と思われる。
結語として皆様一人一人が世界一難しい含蓄の多い言葉を使っている達人で
あるとの自負と自覚を持って頂きたいと思います。
岡部病院
地域ケアセンターでの取り組み
石巻に行き、感じたのはメディアを介して観るよりも遥かに凄惨な破壊と、生き残った
方々の苦しみ、道路のようにすぐには復旧できないものの存在でした。根こそぎ消えう
平成22年4月より、デイケア・訪問看護・ホームヘルプスタッフの事務所がデイケア
1 階にまとまり、地域ケアセンターとなりました。
目的は以下の3つです。
① 地域生活者ケアの拠点とし、多職種のチームによる地域ケアを行う。
② デイケアにおいて、専門性を活かしたプログラムを実施し、デイケア利用者のリハビ
リテーションを促進する。
③ 訪問看護・訪問介護を利用して安定した地域生活を継続できるよう支援する。
デイケア・訪問看護・ヘルパーステーション長坂は、地域で生活されている方を通所及び
訪問という形で支援していますが、これらの部署を統合することにより、多職種によるチ
ームでの関わりが強化され、スタッフも効率的に動くことが出来ます。岡部病院及びおか
べウェルネスケアシステムにおける地域ケアの拠点 として、より組織的な、統合された
地域ケアを実践していきたいと思います。
仲間と出会う~デイケア
ピア~
精神科デイケアは退院した方への外来のリハビリテー
ション医療です。
様々な職種がチームで関わり、その方の目的・目標に
応じたプログラムを提供し、安心して生活できるよう
支援しています。
せた集落や行き場のない水流が穿った家の壁。大事な人をたくさんなくした方、生活
基盤を丸ごと失った方。希望そのものを壊された方、そんな方々の話を私たちは聞か
せてもらいました。
中でも印象に残ったのは、被災し、生き残った方々の間で生じる丌平等感やいびつ
に変化したコミュニティのつながりでした。仮設に入れた方、当たったけど入らない方、
その事実を知っている抽選にもれた方、被災直後にやむをえない事情のため集落を
離れ、結果そのコミュニティから弾かれてしまい、それでもそこで暮らしていくことを決め
た方…皆、それぞれの事情と思いを抱えて、懸命に生活していました。必要な治療を
受け、カウンセリングを受けることも必要であると同時に、これから長い時間をかけて、
こころを整理し、生活を立て直していかなくてはならない、それを少しでもサポートして
いくことが、これからさらに大切になってくると思います。
そのためには、地元の支援チームによる継続的なかかわりが必要です。被災者でも
ある地元の支援スタッフが、ストレスフルな状況下で、限られた資源を、必要なポイント
に効率的に投入できるように、わたしたち外部の支援チームがいるのだとも感じまし
た。
自分たちに何ができるのか?そういう自問自答を重ねながら支援に加わらせてもら
いました。今も役割を果たせたのかはわかりません。ただ、人はいつか死に、時間と共
に忘れられていくものがあります。だからこそ自分が感じたこと、現在も状況が進行して
いる現実、思い、それを伝えていくことが、現地にいかせてもらった人間の最低限の役
割だと感じています。
最後になりますが、このような機会を不えてくださった皆様に心よりお礼申し上げま
す。ありがとうございました。
精神保健福祉士 北村 文彰
私たちが
デイケア ピアのスタッフです
週間プログラム(8月~10月)
午前
月
音楽療法
ウェルネスプ
ログラム
園芸
火
SST
運動
園芸
昼
午後
ふらっと金沢
スポーツ
カラオケ
パソコン
マイプログラム
水
ヨガ
くすり教室
暮らしの知恵
袋
食
デイケア祭準
備
マイプログラム
カラオケ
個人活動
カラオケ
夕方
個人活動
個人活動
夕
木
OT
園芸
スポーツ
カラオケ
院内喫茶
スポーツ
マイプログラ
ム
マイプログラム
個人活動
食
金
運動療法
OT
ピア通信
カラオケ
個人活動
4月14日から17日まで石川JMATの一員として、福島県の相馬市に行ってきました。
初日は朝早くに現地に到着したので海岸線を車でまわってきたのですが、TVで見た映像
がそのまま目の前に広がっていました。地震というより津波による被害がとても大きかったことが
よく分かりました。当時はまだ悪臭はほとんどない状況でしたが、ハエなどの害虫が発生してい
る場所もいくつかあったようです。派遣期間の放射能の被ばく累積は0.014マイクロシーベル
トでした。
相馬市のライフラインは派遣当初よりほぼ100%近く普及しており、想像していたより丌便さ
を感じませんでしたが、避難所の人たちは集団生活を余儀なくされ丌安そうな表情をされてい
る方が多く見受けられました。慢性疾患の方も多く、かかりつけの病院に行けないから診察を
受けに来られない方もいて毎日往診も行なっていました。
6月10日をもって現地の医療機関の機能が回復しつつあること、避難住民が少なくなって
きていることから石川県医師会災害医療チームの派遣は終了することになったそうです。今回
の貴重な体験を自分の中で生かせるかはわかりませんが、日々の日常業務を行なっていきた
●ヨガ教室
ヨガ教室は、外部からの講師を招きリラックスした雰
囲気で行っています。
呼吸に合わせながら行い、ポーズをとっています。講
師が毎回違うポーズを教えてくれるので、楽しく行う
ことが出来ます。自分の体に合わせて無理なく行える
教室です。
●OT(精神科作業療法)
病棟と同じように、物づくりを通して気分転換や集中できるプ
ログラムです。革細工や手芸、ぬり絵などいろんな作業がある
ので、それぞれ自分に合った作業を選んで取り組んでいます。
いと思います。
看護師 佐味 正紀
震災から
4ヶ月が経過して・・・
革細工で
避難所の
がまぐち財布を
桜と鯉のぼり
こころのケアチーム 第26班に参加して
石川県では、宮城県石巻市において3月16日から第1班を派遣し、7月30日の第27班
で活動を終了しました。私が参加した第26班は、7月19日から7月25日までの6泊7日の
活動でした。
活動内容は、主に個別訪問(保健師チームが全戸訪問した中からメンタルケアの必要な
方)、これまでの訪問相談などでの継続支援。また、支援者支援も大切な活動内容の一つ
です。
活動時の対応心得というものがあります。
言ってはいけない言葉で次の5つです。
1. 過去のことは忘れて、これからの事を考えましょう
2. 何もかも失ったけど、命が助かったのだから良かったじゃないですか
3. あなたより、もっと大変な人がいるんですよ
4. 元気を出さないと、亡くなった人が悲しみますよ
5. 思ったより元気で安心しました
ついつい言ってしまいそうな言葉ですが、よく考えてみると駄目な事がわかりますね。
その他活動マニュアルがあります。日本赤十字社の災害時のこころのケアマニュアルと、
石川県の精神保健医療活動マニュアルです。結構な量の資料を渡されました。とても役に
立ちました。
地震、津波などで被災された方の辛いお話を聞き、聞くことしかできないですが、話をする
ことで少しでも気持ちが楽になってくれれば、と心掛けて関わりました。
被災された方の、辛い思いが軽減されることを願ってやみません。
最後になりましたが、派遣に協力してくださった皆様に感謝いたします。
看護師 田中 秀和
作ってます
●ふらっと金沢
「一度は行ってみたい金沢の名所」
「興味があるけど一人では行
けない場所」へ、サークルのメンバーで“ふらっと気軽に”出
かけます。行く場所は、みんなで意見を出し合って決めます。
みんなでワイワイと楽しみながら、金沢の街をよく知ることが
できます☆
一人ではなかなか行け
ない場所も、みんなで行
けて楽しい、という声が
聞かれました。
長町武家屋敷に行きました
兼六園
●園芸
畑を借りて、農作業に本格的に取り組んでいます。プチトマトやナス、ジャ
ガイモ、お花などを育てています。自分たちでつくった採れたての野菜をそ
の場で食べると、さらに美味しく感じます。
大震災によせて
安心をお届けする~訪問看護~
3月11日に起こった東日本大震災は、我々日本人にとって未曾有の大災害となりました。被災された方々に
心よりお見舞い申し上げます。当院からも医師・看護師・精神保健福祉士が支援チームに参加しました。
5名の感想をお伝えしたいと思います。
退院の話は出たけれど・・・
ごはん
食べれるかな?
私たちが
訪問看護スタッフです!
東日本大震災「こころのケアチーム」に参加して
この文章が読まれるころには震災後の状況がどのようになっているでしょうか。
さて大震災の日(3 月11日)より 1 カ月後の、4 月 10 日より 16 日まで石川県「こころのケアチーム」とし
て生田 PSW とともに宮城県石巻市へ行ってきました。すでに被災地域でも復旧に大きな差が見受けられ
薬きちんと
飲めるかなぁ?
一人暮らしは
さみしいな~
ました。海岸近くで津波により家が全壊し、がれきがそのまま山積している地区、大型スーパーが営業再
開し被災地のイメージが全くないような地区が市内に混在している状態でした。
当時、市内を14のエリアに分けて派遣チームが医療活動をしており、私たち石川県チームは市内中心
部の蛇田、大街道、釜地区の各避難所を担当しました。ちょうど 4 月 21 日の新学期の開始時期でもあ
り、避難所となっている各学校では落ち着かない雰囲気でした。市内の避難所にいる方は減り続けていま
困ったことがあったらどうしよう?!
したが、全部でまだ約 1 万 6000 人とのことでした。「こころのケアチーム」としての活動として各避難所を巡
回訪問し、必要に応じて診察、面接を行いました。しかしながらこの方法では被災者のニーズは十分に受
け止められなかった様に感じました。この地域での医療機関も徐々に再開してきており、市内の精神科病
院、診療所へつなげる時期になってきていましたが、被災した人には十分な情報や交通手段もなく、「簡
退院後も心配はいっぱい…。
単にはいかないな」と考えることばかりで金沢に戻ってきました。
被災地の少しでも早い復旧・復興が進むことを願っています。
医師 長谷川 充
訪問看護って?
スタッフは?
訪問看護は患者様のご自宅にお伺いし、病気のことや生活のことに関する困りごとを
一緒に考え、少しでも安心して生活ができるようお手伝いさせていただいています。
石川県こころのケアチームに参加して
今年 4 月 10 日~4 月 16 日にかけて、宮城県石巻市に、石川県こころのケアチームの一員として、震
災後の「こころのケア」活動に参加しました。
スタッフは看護師、作業療法士、精神保健福祉士です。
専門職ですが患者様を一人の生活者としてみる視点も大切にし、時には主婦として家
事一般についてアドバイスさせていただいたり、また同じ地域に生きる生活者として
生きづらさに共感したり人生について語り合ったりもします。
現地の状況は、震災発生後約 1 ヵ月後経っていたこともあり、道路の瓦礫はほぼ片付けられ、津波の
被害を受けていない、もしくは少なかった医療機関・スーパー・レストラン等は少しずつ活動を再開してい
ましたが、津波の被害があった地区はライフラインが復興せず、田畑や道路脇の瓦礫が大量に残り、場
所によっては亡くなられた方の遺体の捜索も自衛隊によって進められている状況で、現地に行き改めて
今回の大震災の被害の大きさ・甚大さを実感しました。
生活の場に出向くということは、その人の人生に深く関わるということにもなります。
現地での活動は、避難所や被災された家屋を回り、被災された方のお話を聞きする活動が中心でした
関わりも深い分、一緒に困難を乗り越えたときの喜びはとても大きいです。
安心をお届けするなどと言いながら、実はスタッフの方が病気を抱えながらたくまし
く生活されている患者様の姿を見て元気をもらっているのです。
が、互いに支えあい助け合いながら生活されている方々の姿を拝見しお話を聞く事で、逆に私たちが励
まされ力をもらった感がある一方、様々な大変な状況をお聞きし、一瞬言葉に詰まることもありました。
活動に参加して、今後も長期にわたりこころのケアが必要になると思われる一方、就労や住居の支援
など現実的な支援とセットで活動を行っていくことが、重要であると改めて感じました。
これからもそんな患者様たちに少しでも安心をお届けできるよう、スタッフも元気に
笑顔でがんばります。
今回の大震災や、こころのケアに参加することで、日ごろの防災意識や人とのつながり・かかわりの大切
さ、地域が持つ力の大切さなど、様々なことを学んでいる気がします。
被災された方や現地の方々だけでなく、私たちも一緒になって力を合わせ今後の復興・生活再建を考
え行っていく事が必要だと思います。
精神保健福祉士 生田 克実