OpenFOAMワークショップ ― OpenFOAMを京で使おう ― OpenFOAMのご紹介 今野 雅 (オープンCAE学会 株式会社OCAEL) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 1 Open FOAMの歴史 • 1989年ー2000年:研究室のFORTRANコード時代(GeCo+GUISE)、 開発元:英Imperial CollegeのGosman研(Star-CDの開発元)の Henry Weller, Charlie Hill(GUI担当、→Apple→IBM) • • 1993年夏:事故により全コード消失。C++で書き直し(FOAM) • 2004年12月:オープンソース化 (現在のOpenFOAMに名称変更)、開 発元:OpenCFD(Henry, Mattijs, Chris Greenshields) • 2011年8月15日:SGIによる買収、GPL下のソースの管理や配布は、 同時に設立されたThe OpenFOAM® Foundationが運用 • 2012年9月12日:ESIによる買収、Foundationによる運用は継続 1999年ー2004年:商用コード期 (FOAM) Field Operation And Manipulationの略、開発元: Nabla(Henry, Hrvoje Jasak, Mattijs Janssensら)、代理店:CAEソリューションズ(フルイドテクノロジー) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 2 OpenFOAMの特徴 @T +r• T @t r • (↵T ) = ST solve(fvm::ddt(T) + fvm::div(phi,T) - fvm::laplacian(DT,T) == fvOptions(T)); ポリヘドラル 境界適合Hex メッシャー マルチフィジックス 乱流モデル: RAS, LES, DES, … 線型ソルバー : AMG, PCG, PBiCG, … 離散化スキーム: … 多数のモデル実装済 C++ GPL Open Source カスタマイズ可能 低コストな超並列計算 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 3 OpenFOAMの構成 OpenFOAM!"#! NIIGATA UNIVERSITY $%&#! '()*&#! blockMesh! +,-! ./0! OpenFOAM! 3456756! Gmsh! ParaView ! +,-! Salome! VisIt ! @ABC,! snappyHexMesh! CAD! Netgen! <=>?! 89:;! Gambit! Mesh! 1!2! I/O ! OpenFOAM! D4EF+4G! Ensight! FieldView ! 1!2! HI! (引用元: 大嶋 拓也 (新潟大学)「イントロダクション: OpenFOAM概要」 第一回OpenFOAM講習会) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 4 OpenFOAMのリリース状況 v.1.3 : 2006年3月29日 (OFW1@Croatia) v.1.4 : 2007年4月11日 (OFW2@Croatia) v.1.5 : 2008年7月28日 (OFW3@Italy、snappyHexMesh導入) v.1.6 : 2009年7月28日 (OFW4@Canada) v.1.7.0: 2010年6月25日 (OFW5@Sweden:∼6/24) v.2.0.0: 2011年6月16日 (OFW6@USA:∼6/16) 2011年8月15日 SGIによるOpenCFD買収 v.2.1.0: 2011年12月11日 (SGI買収後の最初のバージョンアップ) v.2.1.1: 2012年6月16日 (OFW7@Germany:6/25∼) 2012年9月12日 ESIによるOpenCFD買収 v.2.2.0: 2013年3月6日 v.2.2.1: 2013年7月11日 (OFW8@Korea, 6/11∼14) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 5 OpenFOAM 2.0 (2011/6)の新機能 ‣表面フィルムモデル ‣定常VoF(ローカル・タイム・ステッピング) ‣ラグラジアンモデル (離散要素モデル、粒子追跡) ‣熱物理モデル(形態係数放射、薄板・ポーラスの熱解析) ‣化学機能(火災解析用の熱分解モデル、化学反応ソルバ) ‣乱流モデル(ダイナミック・ラグラジアンLES) ‣ポスト処理(流線等のポスト処理関数) ‣実行時制御 (実行時のC++コード実行) ‣メッシュ生成(特徴辺) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 6 OpenFOAM 2.2.0 (2013/3) の新機能 ‣ 境界適合六面体メッシャーの改善 (パッチの特徴辺、レイヤー改善) ‣ Vector-Coupled Solver ‣ 多相流での熱力学モデル改良 Oil 2.0 2.2 phase fraction Water ‣ 実行時ポスト処理の機能向上 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 7 標準ソルバー 12カテゴリ、92個 (Ver.2.2.x) basic 基礎的なCFDコード incompressible 非圧縮性流れ compressible 圧縮性流れ multiphase 多層流 DNS 直接数値シミュレーション combustion 燃焼 heatTransfer 熱輸送 electromagnetics 電磁流体 stressAnalysis 固体応力解析 financial 金融工学 lagrangian ラグランジアン粒子追跡 discreteMethods Direct Simulation Monte Carlo 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 8 標準ソルバの解析例(チュートリアル) MRFSimpleFoam 回転攪拌槽の流れ interDyMFoam 撹拌槽内の流れ pisoFoam LESによるバックステップ流れ 出典:「OpenFOAMチュートリアルドキュメント作成プロジェクト」 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 9 移動格子ソルバの解析例(チュートリアル) ピストン押し込み流れ スクリューの回転流れ場 翼型の6自由度剛体運動 出典:「OpenFOAMチュートリアルドキュメント作成プロジェクト」 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 10 相変化ソルバの解析例 速度 相率 interPhaseChangeFoam 弾丸周りのキャビテーション interPhaseChangeDyMFoam プロペラ周りのキャビテーション 出典:「OpenFOAMチュートリアルドキュメント作成プロジェクト」 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 11 界面追跡ソルバの解析例(1.6-ext) bubbleInterTrackFoam 気泡の変形 interTrackFoam 翼近くの自由表面変形問題 出典:「OpenFOAMチュートリアルドキュメント作成プロジェクト」 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 12 OpenFOAMの稼働環境 JHPCNプロジェクト(FY2010∼2012) ノートPC クラスタ PC PC クラスタ クラウド クラウドサービス T2K 大型計算機 FX-10 スーパーコンピュータ 大学スパコン、クラウド 理化学研 K HPCIプロジェクト(FY2012∼) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 13 OpenFOAMの欠点(使い勝手) ‣ 標準のメッシャーである snappyHexMeshは格子の連続性が非 常に悪い。→ 次期リリースで入る予定の foamyHexMesh(仮称)で大幅に改善!? 非公開 ‣ GUIが無い → 商用のGUIツールが登場 ‣ デフォルトの推奨設定が無く,安定で 高精度な解法の設定が大変 ‣ マニュアルが非常に少ない。 ‣ ロバストな解法の設定には多くのノウ ハウが必要 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 14 OpenFOAMの欠点(計算効率) ‣ 並列化通信がOpenMPを用いないピュアMPIであるため,ノー ド内の通信のコストが高い。→ ハイブリット化の検討が必要? ‣ 行列格納方式がポリヘドラル用のCOOなので,格子が構造格子 に近く非対角成分が少ない場合は行列ベクトル積(SpMV)が遅 い。 → 他の格納方式とのハイブリッドが有用? ✓ JHPCNプロジェクト ✓担当:片桐、鴨志田 約20倍 高速化! (東大情報基盤センター) ✓ マシン:東大T2K(昨年度) ✓ 最適化ケース •2次元キャビティー流れ •格子数:1002∼5002 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 15 OpenFOAM関連のコミュニティ 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 16 オープンCAE学会概要 設立:2009年11月 現会長: 柴田良一(岐阜工業高等専門学校) 会員:169 (2013/9/27現在、正138、学生22、賛助8、公益1) 大会:シンポジウム(12月頃)・ワークショップ(6月頃)開催 講習会:OpenFOAM, ParaView, SALOME-Meca, Blender等 マニュアル和訳・製本:OpenFOAM, ParaView, FreeCAD フォーラム運営、仮想環境DVD配布、イベント動画配布、勉強会支援 会員数の推移 最近は大会イベン トに依存せず順調 に増加 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 17 OpenFOAMフォーラム ‣OpenFOAMの質問・情報交換・初心者の駆け込み寺 ‣設立:2008年3月20日 ‣メンバー数:565名(2013/9/27 現在) 月次投稿数:現在100 (1.3件/月=16件/年増加) 140 月次投稿数 120 100 80 y = 1.3005x + 13.052 60 40 20 0 2008/ 4 2009/ 4 2010/ 4 2011/ 4 2012/ 4 2013/4 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 18 オープンCAE勉強会(毎月開催) メンバー 勉強会 富山(2012年5月∼) 岐阜(2011年1月∼) 広島(2012年7月∼) 懇親会 関東(2010年6月∼) 関西(2010年12月∼) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 19 動画閲覧(会員のみ→チップ制で公開予定) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 20 Dr. Jasak基調講演@OFW7 A Year in the Life of OpenFOAM Hrvoje Jasak Wikki Ltd, United Kingdom FSB, University of Zagreb, Croatia 7th OpenFOAM Workshop, Darmstadt, 25 June 2012 [email protected], [email protected] OpenFOAM extendメイン開発者 英国 Wikki社 代表 クロアチア ザグレブ大学教授 A Year in the Life of OpenFOAM – p. 1 (引用:Hrvoje Jasak, A Year in the Life of OpenFOAM, 7th OpenFOAM Workshop, Darmstadt, 25 June 2012) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 21 Dr. Jasak基調講演@OFW7 Community Organisation Workshop, Local Interest Groups, Community Events and Training • Grass-roots organisation efforts have become truly impressive ◦ OpenFOAM Stammtisch, Germany: South, North, Stammtisch United ◦ Japanese OpenFOAM group ◦ Mid-Atlantic USA OpenFOAM Users Group ◦ Dutch OpenFOAM Day ◦ Brazilian OpenFOAM Users Group ◦ Australian OpenFOAM Users Group 日本の草の根 活動(勉強会や学会) に言及 • Local groups organising events, training tutorials and “User Reference” material • Chance to meet colleagues with similar interest locally • Training developers and expert users ◦ NUMAP-FOAM Summer School in Zagreb: Fifth Edition in 2012 ◦ NUMAP-FOAM Brazil in Rio de Janeiro: Prof. Lage and dr. Luiz Silva (引用:Hrvoje Jasak, A Year in the Life of OpenFOAM, 7th OpenFOAM Workshop, Darmstadt, 25 June 2012) 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 22 今年のOpenFOAM関連の主なイベント • 4/24∼26:ESI OpenFOAM User Conference 2013 開催地:ドイツ・フランクフルト 参加人数: 222名 発表: Keynote 2件、 Oral 31件 • 6/11∼14:8th OpenFOAM Workshop 開催地: 韓国・チェジュ島 参加人数: 約130名 (前回のドイツでは約400名) 発表: Keynote 2件、Oral 72件、Poster 8件、Training 16件(4 4) • 6/20∼21:オープンCAE学会オープンCAEワークショップ2013 開催地: 東京、参宮橋 参加人数: 104名 発表: Keynote 2件,Oral 18件,Training 3件,パネルディスカッション 2013年9月27日OpenFOAMワークショップ―OpenFOAMを京で使おう― 「 OpenFOAMのご紹介」 今野 雅(オープンCAE学会,株式会社OCAEL) 23
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