Numerical investigation for interface transport phenomena by OpenFOAM OpenFOAM を用いた界面移動現象の数値解析 Takuya Yamamoto (Osaka Univ.) 大阪大学大学院山本卓也 Abstract / アブストラクト我々の研究グループでは OpenFOAM を用いた様々な研究を行っている。これらの研究は乱流解析、混相流解析、相変化問題、流れの不安定性、界面現象等多岐にわたる。本発表ではその中でも界面移動現象といった観点から「界面」でのフィジクスに着目した研究事例を紹介する。我々の「界面」移動現象に注目した研究の一つに Marangoni 対流に関する研究がある。 Marangoni 対流とは、気液界面上で温度や濃度が変化すると、表面張力差が発生し、表面張力差によって惹起された流れのことである。Marangoni 対流は様々な化学プロセスにおいて発生し、製品の品質に多大な影響を及ぼすため、その研究は幅広く行われている。地上では浮力対流と Marangoni 対流は共存し、一般的に浮力対流の影響の方が大きいことが多い。そのため、純粋な Marangoni 対流の実験は微小重力環境において行われている。微小重力環境の流れ場解析(円形液膜内 Marangoni 対流の流動方向に対する液膜形状の影響、液柱内 Marangoni 対流の流動)に関する OpenFOAM のカスタマイズ方法とその使用例、計算結果を報告する。また、「界面」移動現象として混相流解析も実施している。OpenFOAM には混相流用 solver(interFoam)が用意されており、混相状態での界面現象を解析することができる。 OpenFOAM はフリーソースであるためソースコードを改良できるといった点があるため、この点を生かし、標準の混相流 solver を改良し、高精度な混相流計算 solver を開発することにも成功した。この開発 solver の改良・導入方法についても報告する。本発表内容は大阪大学大学院基礎工学研究科・岡野泰則教授、同じく高木洋平助教との共同研究であり、ここに謝意を表す。