- 1 - 化学物質等安全性データシート 高純度化学研究所 会社名:株式

- 1 CrK(SO4)2・12H2O
化学物質等安全性データシート
整理番号:KKH14XBM
会社名:株式会社高純度化学研究所
住 所:〒350-0284 埼玉県坂戸市千代田5-1-28
電話番号:0492(84)1511 FAX番号:0492(84)1351
担当部門:本社 品質管理部
作
成:平成 8年 2月29日
早川 紀雄
REV.01
平成12年 7月28日
西川 廣継
1 製品情報
製品名:硫酸クロムカリウム
純度
カタログ#: KKH14XB
Chromium potassium sulfate, hydrous
形状
備考
固体
2 物質の特定
化学名:ビス(硫酸)カリウムクロム(Ⅲ)-水(1/12)
別 名:硫酸クロムカリウム十二水和物
硫酸,クロムカリウム塩(2:1:1)十二水和物
クロム明礬
クロムカリ明礬
化学式:CrK(SO4)2・12H2O
官報公示整理番号:・ 化審法
輸出統計:2833.30-0002
CAS#:7788-99-0
TSCA:登録
単一製品,混合物の区分:単一製品
Chromium(Ⅲ) potassium bis(sulfate)-water(1/12)
Chromium(Ⅲ) potassium sulfate dodecahydrate
Sulfuric acid, chromium potassium salt(2:1:1),
dodecahydrate
Chromium alum
Chromium potassium alm
組 成:100 %
既存化学物質 1-454, 1-1060
輸入統計:2833.30-0002
RTECS#:GB6850000
EINECS:-
3 危険有害性の要約
分類の名称:・ 分類基準に該当しない。
危険性:・ 燃えない。
有害性:・ 粉塵を吸い込んだり飲み下したりすると有害である。
・ 粉塵は鼻、喉、気管、気管支等の粘膜を刺激し、炎症を起こすことがある。
環境影響:・ 消火水や希釈水の流出によって汚染を引き起こすことがある。
4 応急措置
粉塵等が目に入った場合:・ 清浄な水で最低15分間眼を洗浄した後、直ちに眼科医の手当を
受ける。
・ 洗眼の際、瞼を指でよく開いて、眼球・瞼のすみずみまで水がよく行きわたるよう
に洗浄する。
粉塵等が皮膚に着いた場合:・ 物質に触れた部分を多量の水を流しながら、石鹸を使ってよく
落とす。
・ 外観に変化が見られたり、痛みが続く場合は、直ちに医療処置を受ける手配をする。
粉塵やヒュームを吸入した場合:・ 直ちに被災者を空気の新鮮な所に移し、医療処置を受けさ
せる。
・ 鼻をかませ、うがいをさせる。
粉塵等を飲み込んだ場合:・ 直ちに医療処置を受ける手配をする。
・ 水でよく口の中をうがいをさせる。
- 2 CrK(SO4)2・12H2O
5 火災時の措置:
一般的注意:・ 関係者以外は安全な場所に退去させる。
・ 消火の際には必ず保護具を着用する。
消火方法:・ 消火に対する制約はほとんどない。他の危険物の消火条件に従う。
消火設備:・ 非危険物である(不燃性~難燃性)。
6 漏出時の措置
一般的注意:・ 粉塵を吸い込んだり、懸濁水が流れ出さないように注意する。
・ 不必要にこぼれた物に触れないようにする。
処理作業者に対する注意:
・ 作業の際には保護具(防塵マスク,保護メガネ,保護手袋)を着用し、飛沫等が皮
膚に付着したり、粉塵やガス等を吸入しないようにする。
環境対するする注意:・ もれ出た物質や大量の希釈水が河川等に排出され、環境への影響を起
こさないように注意する。
もれ出た物の処理に対する注意:・ 飛散した物を速やかに掃き集めて、空容器に回収し、残り
は大量の水で洗い流す。
7 取り扱い及び保管上の注意
取扱上の注意
*作業者の暴露防止:
・ 適切な排気装置等を利用し、作業者に物質が触れないようにする。
・ 作業形態や物質に適応した保護具を選び、必ず着用すること。
・ 取り扱い場所には、関係者以外の立ち入りを禁止する。
・ 皮膚,粘膜,着衣に触れたり、眼に入ったりしないようにする。
・ 発散した蒸気や粉塵を吸い込まないようにする。
・ 取り扱いは、換気の良い場所で行う。
*火災や爆発の防止:・ 辺りに可燃物がある場所では火気使用を制限する。
保管上の注意
*一般的注意:・ 酸や酸化剤と共に保管しないこと。
8 暴露防止及び保護措置
管理濃度:・ 作業環境評価基準 金属粉 2.9 mg/m3 25゚C,1atm,空気中
許容濃度:・ 日本産業衛生学会勧告値(1995) クロム(Ⅲ)化合物 0.5 Cr mg/m3
・ ACGIH 勧告値(1997) クロム & クロム(Ⅲ)化合物 TLV-TWA
0.5 Cr mg/m3
3
・ OSHA(1993) Cr (Ⅲ)化合物 PEL-TWA
0.5 Cr mg/m
設備対策:・ 粉塵を発生する場合は、全体換気装置,局所排気設備,発散源密閉装置等を設け
ることが望ましい。
保護具 :・ 防塵マスク,保護眼鏡,保護手袋
9
物理的及び化学的性質
注)指数以外の右肩付数は温度(゚C)
1) 3) 4)
2) 4)
外 観 等:・ 紫色
,紫黒色
,立方晶系結晶 1) 2),
4)
極めて大きな八面体結晶
化 学 式:
CrK(SO4)2・12H2O
式
量:
499.4049
融
点:
89 ゚C 1) 2) 4) 5), 分解 2), 100 ゚C で -10H2O 1) 5),
400 ゚C で -12H2O 1) 4)
沸
点:
- 3 CrK(SO4)2・12H2O
蒸 気
密
溶 解
*水
*可
*不
そ の
圧:
度:
性
:
溶:
溶:
他:・
1213 20 Pa
1.83 g/cm3
3)
, 1640 25 Pa 3)
2) 5)
, 1.826 g/cm3
3)
, 1.813 g/cm3
4)
可溶 1) 2) 4)
希酸 1)
エタノール 1) 2) 4)
真空硫酸デシケーター中に放置すると、六水塩 K[Cr(OH2)6](SO4)2 となり、
更に熱すると、KCr(SO4)2・3H2O, KCr(SO4)2・H2O などとなる 3)。
危険性の指標:・ 揮発性 なし(蒸気圧38<196 kPa)
可燃性:・ 燃えない。
酸化性:・ なし
10 安定性及び反応性
安定性:・ 室温の空気中で安定であるが放置すると結晶面が風化してくる
3)
。
11 有害性情報
有害性の指標(致死量,中毒量,刺激度):
参考 ・ Cr2(SO4)3
静脈 マウス
LD =
85 mg/kg 4)
・ Cr2(SO4)3
静脈 マウス
MLD =
247 mg/kg 6)
・ K2SO4
経口 ラット
LD50= 6,600 mg/kg 5)
皮膚腐食性:・ 現在の所知見なし。
刺激性:・ 粉塵は粘膜及び上気道を刺激する。
感作性:・ アレルギー性皮膚反応を起こすことがある 5)。
・ 三価のクロム化合物による湿疹も報告されている 9)。
急性中毒:・ 可溶性クロム塩は経口的に投与すると大部分は排泄されるが、少量は消化管より
吸収されて嘔吐、下痢を起こし、末梢血管を拡張し、腎臓炎、尿毒症の原因となる
が、死を免れると約10日を過ぎて治癒する 7)。
慢性中毒:・ クロムおよびクロム粉塵の吸入により、肺障害の恐れがある 8)。
・ 有害物質(クロム クロム化合物)による療養補償をすべき業務上の疾病(労働基準法):
皮膚障害、気道・肺障害、鼻中隔穿孔、嗅覚障害
癌原性:・ ACGIH(1995-96) クロム, クロム(Ⅲ)化合物 A4;
グループ A4 ヒトに対する発癌性と分類しかねる物質である。
・ IARC(1993) クロム(Ⅲ)化合物(group 3) ヒトに対する発癌性があるとはいえない。
変異原性:・ 変異原性が認められた既存化学物質等に該当しない。
生殖毒性:・ 現在の所知見なし。
催奇形性:・ 現在の所知見なし。
12 環境影響情報
分解性:・ 分解する。
蓄積性:・K
存在比 植物/土壌 = 0.2
, 人/土壌 = 0.1
海洋生物/海水 = 7.63
・K
濃縮係数
ちりめんキャベツ(土壌)= 115
・Cr 存在比 植物/土壌=0.005-0.05,人/土壌 < 0.0004
・Cr 濃縮係数 定着性藻類 =100500, 植物プランクトン等 = <70600
貝類 =
60000- 300000, 食植性プランクトン = <15- 10000
イカ =
<70
, 食肉性プランクトン = <55- 3900
魚
=
330, 淡水産植物32種平均 =
695
10)
10)
10)
10)
- 4 CrK(SO4)2・12H2O
10)
・Cr 生物学的半減期 616 day, ・ 吸収率 経口< 0.005, 経気道= 0.25
魚毒性:・ 現在の所知見なし。
オゾン層:・ フロン,ハロンでない。
海洋汚染:・ 海洋汚染物質に該当しない。
・ 産業廃棄物は、海洋において焼却してはならない。(クロム, クロム化合物)
前項以外の油等の焼却は、指定された海域、方法によるものとする。
積込み前に、焼却の計画の確認申請書を提出し、確認を受けなければならない。
13 廃棄上の注意
廃棄方法:・ 専門の業者に委託する。
・ 多量にあれば、資源回収に資する。
特別管理産業廃棄物:・ 該当しない。
・ 産業廃棄物の海洋投入処分は、指定排出海域で行うこと。(クロム, クロム化合物)
14
輸送上の注意
国連分類:(非危険物)
注意事項:
・
国連番号:-
運搬中の温度,湿度,圧力等の変化で破損や漏洩等の恐れがない容器に、輸送中の
破損等が起こらないように収納する。
・
労働安全衛生法:
・ 化学物質等を譲渡し、又は提供する場合に、譲渡し、又は提供する者が名称等を
通知すべき有害物(クロム及びその化合物)
・
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
(PRTR法):・ 第一種指定化学物質(クロム及び三価クロム化合物)
※ 前年度の排出量及び移動量を主務大臣に届け出ること。(取り扱い量 1 トン 以上)
(経過措置:施行日 平成12年3月30から2年間は上記 1 トン を 5 トン とする。)
※ 他の事業者に対し譲渡又は提供する時は、その譲渡又は提供する時までに、
その提供する相手方に対し、当該指定化学物質の性状及び取扱いに関する
情報を文書又は磁気デスク等により提供しなければならない。
15
適用法令
◆規制条項
・ 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律:◇既存化学物質 元素
・ 労働基準法:◆ 業務療養補償をすべき疾病を起こす化学物質等(クロム クロム化合物)
・ 労働安全衛生法:
◆化学物質等を譲渡し、又は提供する場合に、譲渡し、又は提供する者が名称等を
通知すべき有害物(クロム及びその化合物 )(平成12年4月1日より施行)
◇特定化学物質や有機溶剤等に該当しない。
・ 毒物及び劇物取締法:◇普通物(毒物や劇物に該当しない)
・ 消防法:◇非危険物(非届出物質)
・ 道路法:◇非危険物
- 5 CrK(SO4)2・12H2O
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
(PRTR法):◆第一種指定化学物質(クロム及び三価クロム化合物)
船舶安全法:◇非危険物
港則法:◇非危険物
航空法:◇非危険物
外国為替及び外国貿易管理法
* 輸入貿易管理令:◇自由化品目
* 輸出貿易管理令:◇自由品目
環境基本法:環境基準 ◆大気(浮遊粒子物質) ◆水質(浮遊物質量)
◇土壌(-)
大気汚染防止法:
◆煤煙
特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律:◇特定物質でない。
悪臭防止法:
◇悪臭物質に該当しない。
下水道法:
◆クロム含有量
水質汚濁防止法:
◆排水基準(クロム含有量,浮遊物質量)
◇地下浸透規制(-)
廃棄物の処理及び清掃に関する法律:◇特別管理産業廃棄物に該当しない。
◆有害物質(全クロム)
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律:◇海洋汚染物質に該当しない。
16 その他
参考文献:
1) 日本化学会編,化学便覧 基礎編 改定 4版;丸善
2) David R. Lide,CRC Handbook of Chemistry and Physics 76th Ed.;CRC Press Inc.
3) 化学大辞典;共立出版
4) 後藤 稠ら,産業中毒便覧;医歯薬出版株式会社
5) R.E.Lenga; The Sigma-Aldrich Library of Chemical Safety Data
6) Susan Budavari, et al.;The Merck Index 11th Ed.
7) 堀口 博;公害と毒・危険物 (総論編,無機編,有機編) 三共出版
8) レア・アース;技報堂 鈴本 間左支;レア・アースの動物への影響
9) N.Irving Sax et. al.,Hazardous Chemicals Desk Reference:
藤原 鎮男 監訳;ザックス 有害物質データブック;丸善
10) 山県 登;微量元素;産業図書
注意事項:
・
本情報は製品に対しての品質保証や安全保証をするものでなく、製品の危険,有害性
等に関する情報を提供するものです。また、注意事項は通常の取り扱いを対象とした
ものであって、特別な取り扱いをする場合は、用途・用法に適した安全対策をお願い
いたします。