発酵社会への転回:身近な自然農法を通して------質疑掲載とともに

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発酵社会への転回:身近な自然農法を通して------質疑掲載とともに----On 31Oct 2011 修経会にて、上領英之
終戦の 1945 年から 2011 年、今回の東日本大災害によって、終戦直後のきびしかった経済再生
への道のりを想い起こしております。当初は、すべての物資、なかでも、食糧不足がまことに深
刻でした。警察官や裁判官が一日 8 勺の配給米(実質は、干しバナナや砂糖の換算によって、そ
の半分)のみを生活の糧にしたため、餓死の報道が毎日のように新聞に出たのを覚えております。
私道や小道には、日々のせめてもの食料の為のサツマイモやトウモロコシが途切れなく植えられ、
庭は、今でいう有機栽培の家庭農園一色でありました。北側の庭には、秋から早春まで、陽が当
たらないのにも関わらず、かぼちゃを植えていましたが、案の定、発育がおそく、幹や枝分かれ
を屋根まで伸ばすのに、沢山の日数がかかりました。それでも、屋根の上までのびると元気に育
ち始め、最大の収穫量はある年には、88 個もあって、両親を喜ばせたのを覚えております。
ただ今から、自然農法に対する私の想いを1時間ほどでまとめます。そのあと、あるいは、そ
の途中でも、会員と参加者のみなさん、どうか、疑問の点や質問が思い浮かびましたならば、直
ぐ、手をあげてださい。今日は、自然農法研究会に関心の深い方々も、参加してくださいました。
修経会幹事の了解を得ております。ありがとうございます。一応、8時過ぎには、お開きとさせ
てください。
はじめに、自然農法に対する研究会(2月廿日市市に後援申請・登録、以下自然農法研究会)
の意図を簡単にご説明致します。この研究会における『自然農法』とは、化学製品を使用しない
農法の総称とします。城雄二さんの推奨されておられます『たんじゅん農法』
、また、畑の土を
いっさい触らないでたねや苗を植えこむ『自然農法』
、皆様がよくご存知の『有機農法』等、す
べて大風呂敷のなかに入れております。そこに流れる姿は、一切の化学肥料・除草剤・殺虫剤・
連作のための化学剤を排除して、土壌に微生物を甦生させるという、化学依存から自然への回帰、
人の傲慢さの排除であります。ここに、幅広い考え方が凝結・交差しております。ある篤農家は、
数十年の自己体験から、有機農法に、少しの化学肥料を使うのがいいと申します。また、ハウス
栽培では、水を撒く、いや、撒いてはダメの論争があります。自然農法研究会は、時空をできる
だけ広くし、地球社会への浸透を念頭に、有機農法を包含、融合、融和しようという意図をも持
っております。森林を先生に、里山から平地、川、内海までが自然の生態循環を回復するとき、
農業の再生に留まらず、すべての産業の持続的な循環を通して、地域活性化を実現します。将来
の食糧危機とか、物質万能から人間性の回復・自然との調和・畏敬に資することになると、研究
会発起人の加藤省吾・中川圭子・長谷山真弓・上領英之がひとつになっているためであります。
本日は、城雄二さん(私が先生と呼びますと、自然が先生であって、人間は生徒と、城さんに
叱られます)のたんじゅん農法をひとつの対象として話させて頂きます。皆様のお手元に、城さ
んから貼付いただいた、お手元のヨコ組4ページの資料をお配りしています。これからの私の話
は、4 月 25 日、金沢・澁谷工業本社での城雄二農法講演会のいわば復誦です。
私たちがはじめて掛川にある城さんの広大な農場に伺いましたのは、昨年11月14日でし
た。たんじゅん農法にすっかり感化を受けた王建雄(
『修経』創刊号、3 ページに記載)さんは、
今、中国にもこの農法を地球浄化のため普及させたいと、積極的に故郷の里山地域の自治体を回
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っておられます。
そもそも、私たちがこの自然農法研究会を発足する事になりましたきっかけは、昨年 2 月 24/25
日に誘われて、島根の飯南町の実習(農協の廃菌床倉庫)に一泊し、始めてたんじゅん農法の考
え方に触れさせて頂きました事からでした。
そのときの講師は、このたんじゅん農法の発案者であり実践者でありますブラジルの林里美さ
んでした。その数ヶ月後の昨年9月、私どもは、エコ団地の調査団を組んで、上海・蘇州・丹陽
を回ってきました。中国の各地を訪れ、いかに今の中国にこのような農法の考え方が必要か痛感
させられました。上海から帰国後、直ぐ様、林さんに連絡しましたが、すでにブラジルに帰国さ
れた後でしたので、慌てましたが、高野の上岡さんにお電話させて頂き、飯南町の実習にお供さ
れていました、直弟子の城さんが、いま、掛川にあるお茶畑の耕作放棄地を甦生させることに専
念しているというお話しを伺いました。
城さんは、4歳のとき、広島におられ、原爆に遭っておられます。広大の教養学部で、生物・
理学関係の教員をしておられましたが、背後にある教育の理念があまりにもタテ割で、有機的な
人間性の本質から遊離していることに反発して、職を辞したという頑固な方でした。
化学物質は土壌にとって、微生物の死滅をもたらすという理論は、当時の教科書やマスコミで
は、グローバル企業に遠慮して、その当時では、異端者扱いであった方だと推察致します。
いま、やっと、大震災を契機として、カネ万能に傾斜した日本が、徐々に喪失した心と自然愛
を思い起こしているのではないかと思います。マスコミに、希望と勇気という言葉が出ない日は
ありません。日本の再生は、当然ながら、分かち合う心からですね。感激や感性を弱めてきた自
己中心主義から利他主義が内面から忽ち蘇ってきました。やるという決意とやれるという自信は、
心の意思決定ですね。
その後、農業や漁業に関係の深い澁谷マシネリーの渡辺社長や光利さんにご紹介させて頂き、
城さんを訪問させて頂きました。こちらの会社でも企業の今後の展望として前向きに取り組んで
頂ける事になりました。
最近になって今まで邪魔者扱いされていました竹の再利用に、土壌回復に効果があるとして、
竹のチップを作る会社や NGO も出てきました。あらゆる面において、自然農法を志す人たちが
着実に育っていることを確かな手応えとして感じています。
また、別の動きとしまして、大分にて長年有機農業家として活躍されています赤峯勝人さん
のなずな『循環農法』をご紹介させて頂きます。日本各地でこの 20 年あまり講演活動をされて
います赤嶺勝人さんの循環農法やその考え方を啓蒙していこうという会が立ち上がり、広島のこ
の地においても、2009 年の暮、広島なずなの会(広島支部代表:森山照子さん)が発足致しまし
た。この会が発足しまして 2 度目の講演会が今年の 3 月 12 日、13 日にアステール・プラザにて、
会場満席のなか盛大に開催されました。
先日、私たちが開催させて頂きました、城さんのたんじゅん農法の講演会にも、このなずなの
会の皆様が大勢ご参加下さいました。勿論、我々も赤嶺さんの講演会に参加させて頂きました。
垣根がないなあ〜と改めて思いました。
「なずな」は、ご承知のとおり、広島原爆の翌年、一番初めに原爆の中心地で芽を吹いたとい
う復興のシンボルの草です。ちっぽけな人知に対する自然の「知らせ」でありましょう。私は、
この度、始めて、なずな農法を勉強する機会に恵まれました。その後、 森山さんの会社を訪問
させて頂き、なずな刊行の本を一式買いました。今日、そのうちの3冊をここに持参しておりま
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す。すべては、実践して始めて分かる事です。机上だけでは本当に分かったとは言えません。
実践の奥にある理念の態様は先人から引き継がれて、貴重な本に記録されてきております。の
ちほど、自然農法に共通して脈打つ理念について、真髄にふれるいくつかの部分を何冊かの本か
ら抜粋し、朗読・引用させていただく予定です。実は、実践の一つとして、私は、10 月 29 日一
泊の、赤峯農場研修会バス旅行に申し込みを致しました。私は、たんじゅん農法となずな農法と
の大きな違いは、二つかなと今、思っております。水を一切使うか・使わないか(ハウス栽培で
顕著)
、有機肥料ゼロで短期間に土壌が団粒化するのか・しないのか。
前置きがすっかり長くなってしまいました。はじめに、テキストにしたがって、たんじゅん農
法を纏めます。ご質問に答えられない場合には、60-65 年前の話では、すぐばれますので、この
あと、城さんにメールで確認して、本要約に追記して、記録をしたいと思います。テキストのタ
イトルは、学問的には、
「炭素循環農法」ですが、城さんは、たんじゅんという表現を好まれま
す。そのわけは、この農法は、きわめて単純明快であるためです。すべては、発酵か腐敗、発酵
のみが、真実で、その反対は仮の姿、その中間はありません。
土壌が発酵していると、元気で作物は育ちます。土壌が腐敗していると、病気で作物は育ちま
せん。人間も同じです。体内が発酵していると、元気で人は育ちます。体内が腐敗していると、
病気で人は育ちません。土壌が微生物によって活性化していると、発酵していると言います。土
壌の微生物が死滅していると、腐敗していると言います。人間も同じです。口から肛門まで(身
長の 3 倍の長さ)が土壌つまり、外界です。その外界内の微生物が活性化していると、発酵して、
決して病気になりません。その外界の微生物が化学物質で死滅していると、腐敗して、病気が治
りません。極論すると、西洋医学と東洋医学との関係ですね。これ以上いうと、いざというとき
病院に入れてもらえないかもしれませんね。城さんは、過去 34 年間、一度も病院のお世話にな
っておられませんので、安心ですね。
ウンチでも、発酵していると臭くない。腐敗していると、鼻をつまみます。要するに、植物や
動物を有機体としてみるか、部品の組み合わせとしてみるかに遡ります。城さんは、人間の話す
言葉も、行動も、すべて仮説にすぎないとします。自然が示すものは、仮説ではありません、真
実です。普段、人間は、言動して生きています。ただ、自然と一体になったときにはじめて、仮
説が生き、本物、真実となるという論理です。
人間は、自然からの恩恵を沢山頂いて生きています。それらに対する感謝の表現は、西洋と東
洋とでは、異なります。英語では Thank you very much for your speech といって、you という人間が
相手です。日本語の『ありがとうございます』という言葉は、とても奥深い意味を持っています。
敢いていえば、自然が相手です。神仏に対する感謝に通じます。その心を失って、人が自然に挑
戦するときに、その限度を超えると、自然が知らせてくれます。そのときに、心の底からの感謝
を、日本文化は育んできました。宇宙の法則は、人間にも、会社にも、国にも、浸透しておりま
す。
今日までの発想は、結果にしたがって結果をいじっているにすぎません。人がキャベツをつく
っていますか?自然が作っております。持ち味を生かして、協同しているのが発酵です。手を切
った、心臓は違うと知らん顔しておりますか?みんな繋がっております。タテ割りの囲い込みは、
一切ありません。腐敗は一部だけが働いている場合ですね。家族も、会社も、国も、同じです。
それぞれが元気に持ち味を生かして生きているのが、会社なり、ハウスですね。何が正常かわか
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らないのが今の時代でしょうね。専門家に聞いても、タテ割りです。アメリカも、日本の弱点は、
官僚のタテ割りだと、5 月 3 日の「ウィキリークス公電 7000 点」に公にされました。
子育て、野菜育て、教育、すべて、考える器で決まります。人間の中心にあるデータがじゃま
しています。脳味噌が腐敗しています。肥料の本質は、水に溶かしてはじめて効果が出るという
一点です。それは、ポカリスエットや点滴と同じです。雨が降らないと、肥料は働きません。野
菜育ては、山を思い起こしてください。山に定期的に水をやれますか?雨水は、十分に山野の土
壌に保存されてきております。たんじゅん農法は、山のように、土中の微生物を元気にします(団
粒化といいます)
。家庭菜園家が急いで団粒化したい場合にすすめる、土の表の部分3cm ていど
に混ぜる竹チップ・竹屑は、山のように、土壌の微生物に食べさせるためです。そうすれば、チ
ッソのやり過ぎでガチガチになった土壌も、2.5 年で十分に柔らかくなります。60cm くらい、棒
がスーと入るようになります。これは、私が2回の掛川訪問の折、土壌の状態別実験の場所で確
認できました。また、昨年 8 月に、城さんは、16 日間、恩師の林さんをサンパウロ近郊に訪ねて、
棒が 2-3m 入る様子を、DVDに数百点も撮影されています。そんなはずはないと首をかしげる
前に、まず、実行して確認するのが先でした。早速、私も、まねをして竹チップを購入し、土に
親しみ、昔を思いながら畑を作りました。脳を活性化させたい一心です。ボケずに、長生きでき
るかなと。
以上は、私が、4 月 25 日、城さんの講演の場でメモした概要です(文責は私です)
。あとは、
テキストに書いてある通りです。何度も、聞いておりますのは、ミミズが出るようでは、腐敗を
断ち切っていないという事です。害虫は発酵体では、付かないこと(健康な人には、病気が付か
ないこと)
、とにかく、すべて、あべこべです。それでも、蚊が寄ってくるではないか?発酵す
ると、蚊がまずいと言ってよけると口でいっても、バングラデシュのロイ工学博士(岡山の教員)
は、決して納得しておりません。免疫が付くほどに、おいしいはずの血がまずくなるそうです。
蚊に聞いて下さい。マー、こだわらずにいきましょう。
要諦は、バランスです。土壌のバランスが崩れると、作物は元気がなくなり、味が落ちます。
私は、城さんとのお話しで、60-65 年前の野菜の本当の味を思い出しました。人間は、一度、化
学に汚染されていない、本物の味を知ると、一生、忘れないそうです。野菜本来の味は、深い甘
みがあり、自然で、落ち着きがあります。農薬づけの作物は、舌にきついし、自然の甘みとは、
違います。
のどかな、少年時代、電気は火曜日と金曜日の夜は停電(疎開先の山口県庁のそばでも)
、ろ
うそく生活でした。しかし、田んぼや小川には、タニシや蛙、フナ、ハヤと遊びにこと欠きませ
んでした。いま、自然農法を推進されている皆様方には里山を元のような自然への再現に取り組
もうと、一生懸命努力しておられます。ある地域では、自然農法において、全員がコストは三分
の一で、最低収穫量でも 1.5 倍という今まででは到底信じられないような実績をあげておられま
す。みんな一緒がたいへんな強みですね。やはり、協同する農耕民族ですね。
そこで、締めくくりとして、自然農法の背後にある理念に触れたいと思います。まず、たんじ
ゅん農法では、林さん、城さんともに、出版物がなく、内容をすべて膨大なホーム・ページに掲
載しておりますが、見える世界と見えない世界とを重ね合わせておられます。見える世界は、発
酵か腐敗です。その背後にある世界は自然です。城さんが、金沢の澁谷工業(創業 80 年;東証
一部)の工場を見学された時のことです。製作中の機械をみられて、物にも生命が宿っていると
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言われます。機械でさえも、それぞれに美しい艶があって、心にしみると、城さんは言われます。
現場において、縁の下の力持ちに徹するという上げ潮のリーダシップもありますが、みんなで、
協力し、総合的に力を出し合うという姿勢になる事。これは、創業者が日本の本来あるべき姿を
真に受け止め、今も生き、発酵体そのものになっているという現れです。総合的な力が作業員全
員に沁み渡っていて始めて出来る事です。ドラッカーが最後まで心配した、日本文化と終身雇用
制・年功序列は、グローバル化のなかにあっても、一部の会社とリーダの中に、脈々と受け継が
れてきております。最近、富士通研究所は、人件費を削ぐようなドライ経営が結局生産性をあげ
得ないことを詳細に実地検証しました(日経・経済教室)
。リーダは、不退転の決意を持って、
日本の再生に、伝統的な理念をベースに、根幹のメカニズムを構築する要が示されたのです。
つぎに、まず、なずな農法の理念を出版物から纏めます。そのなずなワールドからの出版物
には、赤峰勝人『循環農法』
、
『ニンジンから宇宙へ』
、
『アトピーは自然かららのメッセージ』
、
『私
の道』
、忰山紀一『よみがえる千島学説』
、兎龍都『陰陽入門の手引き』
、
『陰陽ことはじめ』
、
『み
っつめの目』
、
『百姓 赤峰勝人の野菜ごはん』等があります。
まず、城さんとの関係とともに氣づいたのは、いずれも、玄米酵素のご飯こそが、一番発酵を
助けるという信念です。
その原点とも言えます『長岡式酵素玄米』は、高橋信次先生のアドバイスのもとに、長岡勝弥
医学博士がやっとの思いで作り出されたものです。人間は、人体酵素の働き、つまり新陳代謝に
よって生きている酵素動物であり、その酵素は各自の細胞遺伝子(DNA)の命令で働き、その遺
伝子は神仏の命令によって仕事の使命を果たしています。この事を生化学と称します。この長岡
式酵素玄米は、人間の生命遺伝子と直結した生化学です。新井郭之(ひろし)先生(太陽の家)
は、長岡先生の亡き後、その志を寸分の狂いもなく、現在まで受け継がれ、長岡式酵素玄米の普
及の為に、ここ 30 数年前より現在まで、日本全国、ハワイ、アメリカ 3 カ所を含む 120 カ所の
講習会場を行脚されております。一場所に、3, 4 時間ずつ実に厳格に実習して、4 ヶ月に一度の
割合です。現在では約十万人以上の方々がこのご飯を食されているそうです。
自然農法の先駆者と同じように、全国的なボランテア活動であります。一方、城さんも、たん
じゅん農法普及行脚のかたわら、酵素玄米の素晴らしさを少しでも沢山の人に知ってもらおうと、
忙しいひとにと、自称手抜き酵素玄米の炊き方を、依頼がある方々に講習しておられるようです。
兎龍都『陰陽ことはじめ』にも、同じような事柄が簡潔に述べられております。兎龍都(うだ
つ・みやこ)さんは、長岡勝弥先生のお弟子さんだったのではと承知いたしております。この本
を推奨されている事を思いおこし、赤峰勝人さんの背後に息づく理念を始めて分かった氣がしま
した。赤峰さんは、桜沢如一(ゆきかず)
『無双原理・易―マクロビオティクの原点』
、
『東洋医
学の哲学―最高判断力の書』を師としておられます。不思議なことに、最近、高橋信次先生と桜
沢如先生とは、生前、交流があったと、ある方が新井さんを訪ねて確認できました(このことは、
史実として残す必要があります。また、高橋信次先生の「生命への響き」は、大自然の計らいと
神仏の心、精神と肉体の調和を簡潔にまとめておりますが、
「複製を禁ず」とありますので、こ
こで、朗読を致しません)
。桜沢如一先生は、日本の文明を外国に知っていただくために、若き
日にフランスに渡航され、フランス語で初めての本を出版され、生涯を外国で過ごす傍ら、数冊
の原著を残されました。桜沢先生の真髄は、兎龍都さんの『陰陽ことはじめ』の2ページに、い
まから五千年前に実在した中国の伏義さんの言葉として出ています。引用しますと、
「この世の
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中の全てのものは反対のものが一つとして存在していることに氣がつきました」
。3 ページには、
「それが陰陽なのです。そしてこの陰と陽が一緒になったもの、つまり陰陽が生まれる前の一つ
の無限の力(世界)があることを発見して、それに太極と名前をつけました。そしてこの太極か
ら大きな二つの正反対の一対一のエネルギーが生じて(陰陽)
、その二つがさらに二つずつ分か
れて四つになり、
」と八卦を記号で示したとあります。桜沢如一さんは、伏義さんのまとめた記
号を宇宙の七つの法則と十二の定理に、解説されています(5-7 ページ;以下朗読)
。
陰陽は、城さんの発酵と腐食に結びつきます。両方あるから両方がわかり、そのバランスのレ
ベルがはっきりします。また、長岡先生の所論は、太陽光線の波長別分類をあげて、放射線から
電波までの中心に、育成光線の振動数をおいて、生物の活性作用を示しております。人間は、生
まれたときには、プラス・マイナス・イオンをもっておりますが、マイナス・イオンを補強しな
いと、活性酸素を生み、生まれた時の状態を維持できなくなるので、玄米酵素に育成光線を託す
るという裏付けです。赤峰さんの場合、その理念に8ヶ条があります。講習中にメモしたなかか
ら、勝手にここに記載して申し訳ございませんが、その概要を正しく伝えるためには不可欠と判
断いたします。1.化学肥料と農薬をなくす。2.穀物 100%自給。3.化学合成物質の製造中
止。4.海のしお。5.玄米食。6.千島学説。7.陰陽の原理。8.人間とはなにか、いのち
とはなにか。氣・血・筋の調和こそ、健康の条件とします。太陽の光と波動の明るさを大切にし
ます。
引地聖荘広島県支部長の心身統一合氣道(藤平光一宗主は、中村天風・植芝盛平両氏に師事さ
れて合氣道を一層普遍化)と通じます。また、千島学説に通じます。
千島学説は、血が骨髄で作られるという学会の常識を破って、腸内で作られるという説を唱え
たために、陽の目を見ませんでした。いま現在、背景の物理・化学は、他の社会科学より一歩速
く、マクロとミクロとを融合させてきております。千島学説の後継者のおひとりの高尾征治さん
は、永遠のテーマであった無限とゼロとの関係を解明され、ゼロ点からの左・右回り螺旋状の波
動を数次元に解明されております。その革新的な基礎は、いよのいし女史の上から下ろした宇宙
conception であり、また、言語の根源を文化に求める直覚的な研究との融合でした。高尾征治さ
んは、目に見えない世界に一層スタンスを傾斜してきております。そういう状況のもとにおいて、
いよのいし女史は、高尾征治さんとは、テーマによっては協力するというスタンスにすでに移っ
て、石田静子名に戻し、目に見える世界(social sciences の世界)の場において、すべてが十分に
証明できると考えております。日本文化の象徴としての「すだれ理論」の名のもとに、統合の核
心をまとめております。いまある宇宙・量子物理の最先端の conceptions とどう異あるのか、容易
でない証明の数々を、身近なものを対象に実現されております。
自然農法研究会は、実際の目に見える世界に限定しております。その真意は、目に見える世
界であっても、それと連続するかぎりの世界を否定はしません。ただし、宗教とか、向こう側の
世界を中心的に持ってくることは、あえて避けています。というのは、あらゆるひとを対象にし
たほうが地球人に受け入れられ、普及し易いと考えるためです。この点では、引地聖荘広島県支
部長の心身統一合氣道と通じます。宗教を信奉するひとにも、無宗教のひとにも、その方が抵抗
なく受け入れられる事だと思われるからです。目に見えない世界を、自然や、太陽に例えても、
いいのではないでしょうか。
実際のこの目に見える世界に限定してみますと、あるべき螺旋や波動は、表現できません。私
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のライフ・ワークは、国別の the endogenous policy-oriented organic system です。その内生システム
は、実際の統計 SNA データ(出所、IFSY, IMF)との関係を政策に生かす必要から、内生データ
は、2 次元(円と双曲線)で示しております。したがって、円に、いよのいし女史のあるべき楕
円(4 次元 vs.5 次元)を取り込むことは、測定を別にしてもとてもできませんが、連続性は頭の
中にとどめて、繋がっていると考えております。もうひとつ、内生政策システムでは、別の意味
での連続性が確保されています。科学は、500 年とか 1000 年に一度大きく変貌します。既存の
科学が行き詰まって、どうしようもない数十年のあと、別の新しいパラダイムに衣換えした科学
が現出するという Thomas Kuhn の歴史的な文献(The Structure of Scientific revolutions, 1962;中山茂
訳『科学革命の構造』みすず書房 2010/9, 36 刷)が有名です。しかし、そうような科学革新には、
一つの条件があるのではないか、自然に対してつねに謙虚で争わない方向でなければ、いつかそ
の付けを手痛く払わされるのではないかと感じております。
内生政策システムでは、古いパラダイムを否定することはできません。今日に至る先人・先達
のあらゆる失敗や成功の努力の上に、今日があると考えます。地球上の先祖に対する尊敬と感謝
の上に、今日があると考えます。マクロ・ミクロ・経営・経済・社会・環境・人間・生物・行動
に関する多くの文献の上に今日があります。
たとえば、新古典派はコブ・ダグラス連続型生産関数をベースにしますが、ケインズ派は、連
続ではなく離散型をベースにしますが、生産関数を用いません。内生政策システムは、両方を融
合させて、コブ・ダグラス離散型生産関数をベースにします。すべてのパラメータを七つの内生
パラメータに集めて、すべての変数相互に整合するように、内生式とその双曲線式を作成してお
ります。内生政策システムにおける政策は、経済・金融・市場政策を整合的に幅広く融合させま
すが、年々の政策変更の担い手は、戦略であり、戦術です。そこでは、農業・林業・漁業・産業
が循環しつつ、具体的側面を支えます。政策変更は、七つの内生パラメータによって内生的に測
定できます。ただし、政策変更への意思決定者は、リーダであり、その理念は時空をこえた広が
りをもつほどに、地球を平和な楽園に仕向けます。平和は、すでに実現しているという決意と信
念に支えられる社会には、平和が実現いたします。東北大震災を契機に、収縮と拡張、陽と陰、
原因と結果からの必然性を、よくよく考える人々が急速にひろがってきているのを、多くの国民
は噛みしめているように受け止めております。
以上です。自然農法の流れに関連したいくつかの理念は、それぞれの光と波動をもって、わた
くしどもの心と体をバランスさせております。それらを締めくくる言葉は、明るく、前向き、プ
ラス志向、リラックス、そして、自然に対する落ち着いた、心からの感謝です。
「ありがとうご
ざいます」は、日本文化のかけがえのない言葉です。この日本文化への心の回帰こそが、わが国
の再生を、感性豊かに、暖かく、希望と勇気に導きますことを、再確認して、この対話をしめく
くります。ありがとうございます。上領英之
9日当日の報告について:
修道会メンバーと幅広い無農薬実践関係者との対話は、2 時間にわたりました。無農薬当地区
特産品の販売におよびました。といいますのは、たとえば、5-6 軒の農家の生産量の供給体制は、
無農薬農家の作物生産と不可欠であり、一軒でも、農薬を使っていると、販売ができないという
流通上の問題があるためです。今の修経会代表幹事中野伸彦・八百金社長は、本町に居をかまえ
て、永年、東京地区に広島特産品を販売されてきていて、流通業界の経験豊かな老舗であります。
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ど う か 、 よ い ア イ デ ア を も つ 方 々 は 、 中 野 伸 彦 さ ん ( [email protected]
http://www.1804−yaokin.com)に、直接、ご相談をされてください。実行こそ、ほんものを育て、
社会をうるおします。
当地には、その地域、地域に根付いたその土壌に適応した微生物とそれに育てられる作物があ
ります。別の地域の微生物を仮に投入しても、向井田昭則社長の指摘された通り、団粒化はうま
くいきません。その地域に昔からある野生の山野草は、特産品の可能性を秘めております。もし
ボランテアがその気になれば、自発的な検査を、たとえば、当地東洋高圧・野口賢二郎社長の発
明された農薬成分測定分析機で、瞬間的に、世界最高水準のもと、あらゆる農薬を測定可能です。
これは、世界に広島の循環経済のエコ特区(仮称)を知らせる契機になり、地域の多様化個性と
グローバル化とを橋渡しするかもしれません。地域住民は幼児の正しい成長を思い、その正しい
方向がこうして一歩一歩具体化します。
大震災を契機として、地域住民は自然に対する畏敬の DNA を呼び起こされました。科学は、
連続しても、そのような方向を強めております。たとえば、当地橋川製作所橋川栄二社長は、今
回、特別参加くださいましたが、そのオンリー・ワン技術レベルも、世界水準を抜いております。
産業構造をシフトして、当座を乗り切るというのは、その心は、大震災前の精神構造のもとに留
まっております。大震災を契機として、規制を外すべきプラス思考のタイミングがきました。た
とえば、シャープの太陽光発電システムがタイ国の長期的電力確保の主要技術として実現してき
ておりますように、日本にも、正しい技術革新の黎明期を呼び起こす時です。日本の文化と密接
不可分な伝統的精密機械加工技術は、世界に燦たるもので、永続性に恵まれております。科学が
正しい方向に、そして、社会と政治と結びつく宿命の技術が正しい方向に向かうか否かは、幼児
をもつ若い世代の長期的な覚悟と利他心回復次第です。人命のために、我慢を知る日本の甦生を
果たすべき時期を迎えております。どうか、修経会メンバー並びに自然農法に携われますみなさ
ん、時空を越えた正しさをともども身につけてまいりましょう。これこそが、今回の総括でござ
います。ありがとうございます。
竹チップの入手先一覧(10 日のメールやMLから抜粋)
:
1. 広島市リサイクルセンター
http://www.city.hiroshima.lg.jp/www/contents/0000000000000/1128043375148/index
.html
2.http://satoyamanouen.blog133.fc2.com/blog-entry-392.html(参考ブログ)
3. 太田川河川事務所の、秋に刈り草の無料提供
http://www.cgr.mlit.go.jp/ootagawa/info/weed/index.htm
On 12 May 2011
城雄二さんからの回答全文
2011 年 5 月 12 日 6:45 城雄二発 <[email protected]>:
おはようございます。
熱心にご討論されておられるようで、ありがとうございます。
1.カメムシが付くと、臭くて、商品になりません。たんじゅん農法では、一斉 発生のすさま
じいカメムシについて、どうお考えでしょうか?また、一 部の限られた地域で、赤い虫が湧い
て始末におえません。農薬がどうしても、念頭にあります。
9
カメムシ、赤い虫の発生は、空からのエネルギーが入らない、いわゆる、酸欠が起こす現象で
す。腐敗環境があるから、発生するので、それを知らせてくれている。カメムシは結果で、原因
は?その原因を取り除くのか、結果の対策に精を出すのか、です。
モノの世界だけを見ていては、見るだけの世界では、対策しかありません。
モノと空と一体で、世界が観えない限り、農薬も、ただ、さらに強いカメムシを生むだけです。
発酵と腐敗と言うけれど、一般的には、モノの世界の話と理解されています。単なる現象と。
しかし、発酵と腐敗は、モノと空との一体の働き、仕組みを顕しているのだと、気付いたとき、
まったく異なる観方・考え方ができてきます。
生物に起きる、すべての健康・正常な、構成的な現象は、空から、エネルギー(酸素、+)を
いただいている状態、それを発酵という。
生物に起きる、すべての不健康な、分解的な現象は、空から、エネルギーが頂けなくて、逆に、
それを空に還している状態。それを腐敗という。
そのような考えがない、現在の常識、学問、農政では、理解も、根本的な解決も望めません。
もちろん、この考えは、農だけのことではなく、すべての人類が突き当たっている問題に共通
のことです。
人間といわれているものの、自己が、長年築き上げてきた「自己」を、次に、どこに延ばせば
いいか、変身させればいいか、というテーマでもあります。
それが、モノの世界、見える世界にとどまっている間は、何も道が開けないでしょう。
といって、見えない世界を、観念的に探っていた、従来の精神世界のレベルでは、見えないが
在る世界、根源的は世界を、カンニングすることはできても、科学的にとらえることはできない
でしょう。
だがしかし、もうそろそろ、モノの世界で各領域で自己を高めた方々、すなわち、自己をトコ
トン究めた方が、自己とは何かをはっきり科学的に知り、と同時に、モノや自己意識は、バーチ
ャルなモノにすぎない、テレビの画像にすぎない。肉体は、受信機。
そのバーチャルなもの、テレビの画像を、生み出している本源、送信機、それは見えないが在
る。それが名をつければ、
「空」、
「気」、ブラックマタ―、エーテル、グレートサムシング、
・・・・。
その二つの、性質、働きを、科学として、整理し、実証していく、時にきているのではないで
しょうか。
それは難しいことではなく、単純、明快、矛盾のない世界です。
難しいのは、自己から見る癖に気がつかずに、真理を議論するからです。
真理は、自己の側にはなく、それと反対の側にあるのですから。
自己と空の融合なくして、自己にこだわっている限り、真理は近寄ってきません。
融合とは、精子と卵の融合のように、それぞれが、確立していないと、起きませんが、かとい
って、融合後は、精子も、卵も、そこには見えません。見えないけど、確立したものの働きがか
け合わさって、今までとは異質の働き・仕組みが、できてきます。
すなわち、発酵です。
2.地域特産品のぎおんぼう柿は、人気です。でも、5-6軒の農家から集め て、やっと納入
できます。そのうちの一軒でも、農薬を使用していると、 流通
業者は、受け付けません。
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なかなか、厳しいが、面白い業者ですね。
野口さんが発明した農薬成分分析機でも、使用できるシステムでも、ボランテアが証明して歩け
ば、安心して、無農薬特産品として、認められると思い ます
が、お考えをお聞かせ下さい。
問題は、すべての農薬を検査することは、費用と労力がかかります。
特定の農薬が使われなければ、いいのか。一切の農薬がだめなのか。
後者であれば、事実上、不可能ではないでしょうか。
あとのメールによる追記・補足:
ただ、根本的な問題は、農薬をかけなければならない、栽培法にあるのです。
腐敗の土壌だから、農薬がいるのです。
虫が寄ってくる、腐敗の環境で、育てた柿と、虫が寄ってこない、発酵の環境で、育てた柿が、
いかに違うものであるか、味が違い、力が違うかを、誰かが実証することが、根本的な解決にな
るでしょう。
3.団粒化の期間は、1.5--2 年でなく、永年農薬を使いつづけているほど、 簡単ではないという
農家が多いです。でも、掛川では、貴茶葉の耕作放 棄地を小生が拝見したとおり、忽ち、団粒
化を果たしております。どう説明できますか?
簡単ではないと「いう」農家は、それとも、いままでそうだったので、そう思っているだけか、
それとも、たんじゅん農法、いわゆる、土を発酵型にしても、事実として、そうだったのか。思
いなのか、事実なのか、ですね。
長年、アタマが、腐敗型では、発酵型に、頭をしていくしか、分からないのではないでしょう
か。
そうなれば、簡単に、農薬でも、発酵型の微生物は、分解してくれるのが、目の前で、1--2 年
のうちに観せてくれるでしょう。
議論することではなく、実践で証明することです。
4.寒い地域の冬の連作対象の作物は、一般的になにがよろしいでしょうか?
冬に育つライムギなどの、イネ科の作物がいいでしょう。雪のつもるところでも、そうしてい
ます。
当地では、田んぼの兼業農家がまことに多く、くわしい説明と実際を現場で納得できるように承
知したいと申しております。畑でも、たとえば、荒谷建設コンサルタントのたんじゅん農法耕地
で、その実際を体得したいという参加者が多いです。5月末に、安芸太田に行くことになります。
追伸:本原稿締め切りに近い 9 月 5 日、上海の王建雄ゼミ生が広島にきました。老子は、向うの
世界に住む方向にすすんだのに対して、孔子はこの世にあくまでも止まり、さまざまな困難に生
涯挑戦して止まなかったといいます。建雄自らの生き方に重ね合わせておりました。心と体との
絶えざる動的バランスこそ、本学理念、中庸の本質であることを再確認した一こまでありました。
また、9 月 5 日午後、大町駅近くの元隅田学長旧宅に東京から夏休みに半月ほど来られている奥
様・ご母堂さまを一期生岩田宏さんとともに訪問、英国長期財政史の残された文献に触れること
が叶いました。小松弥生氏は、結局、今夏は業務多忙のため里帰りもむりとなりましたが、ご母
堂さまのおかげさまにて、小松弥生氏との約束を一年ぶりに果たすことができました。
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9 月 12 日第 73 回修経会例会には、初代林春樹会長ほか、40 名が参加、帝国データバンクの近藤
道明・藤井俊氏から岡山・広島地区の最近数年の大型企業倒産数件の真の姿を中心に、人間的な
視点とともに、生きたお話を賜りました。ここで、みなさんに報告をと考えた動機は、加藤省吾
幹事の肝入りによる、3 名の現職(人間環境学部蔦岡朋也 3 年生、枳穀真輔 2 年生、金本耀平 2
年生)の参加でした。修道大学 100 周年には、3 名は、一期生の年代になります。すべてを長期
に。私は 130 歳余、どこにいても、楽しみですね。
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赤峰循環農法への傾注
10 月 29-30 日と、一泊の循環農法研修会(第 2 回広島なずなの会・循環農法見学と問答塾へ
の旅;森山照子広島支部長代表)に参加、大分県臼杵市野津町大字落合に出掛けました。農薬一
切を使わない循環農法を志す家庭菜園、兼業農家、また、アトピーやがんに苦しむ家族の方々が
ほんものの食材とその作物の作り方を求めて参加して、個人は個性あふれながら、全体として自
由闊達な対話の 2 日間でありました。生涯をアトピーやがんで苦しむ家庭がその回復に向かう喜
びを目のあたりにして、健康に対する感謝を改めて思い知りました。また、自然農法の究極の理
念と方向性は同一であっても、自然農法への登り口とその経路には、それぞれ命をかけた波動と
工夫が充実しております。なずなの命名は、原爆投下のあと、爆心地に一番早く花開いたのが、
なずな(春の七草と一つ)であったからと伺いました。
なずな農法を際立たせる方法論は、
なずなグループ赤峰勝人代表が数十年かけて完成に近付け
ている、循環農法にあります。その理論的な根拠は、陰陽の原理にあり、正反対の大学研究者に
よってはからずも完璧に証明されました。必要不可欠のものは、草、菌、そして、虫です。いず
れも、自然・神が与えてくれた恵みです。たとえば、男は、右半分が陽です。お酒で陰になると、
蚊が集中攻撃します。そのあとが膿みます。それによって、体内はバランスを回復します。すべ
ての草や菌はバランス回復のために与えられた天の恵みです。それを除草剤や殺虫剤で殺すのは、
天の理に反しており、自らに帰るという因果応報と理解できます。
たとえば、草や元気のいい野菜くずが循環の土に帰る二つの過程は、(1) 亜硝酸成菌、一か月、
未熟堆肥です(発がん性、催奇形性、酸欠死に)。(2) 硝酸成菌、一か月、完熟堆肥です。(1)の
野菜はにがく、虫がつき、(2)の野菜は本当に甘くて、虫は寄りつかず、ほんものです。(1)の農作
物は、土中で史上最強の毒、ダイオキシンにかわるため、生体はそれを守るため、がんになりま
す。ダイオキシンの毒は、青酸カリの 17 万倍、サリドマイドの千倍とか。人類が金のために、
生命まで犠牲にする態様を垣間見た思いです。自然を克服するという思い上がりが自らを滅ぼす
態様の一つです。ある意味では、業を消すための必然かもしれません。
循環農法について、
文責は私にありますが、
身近な明るいプラス思考に目を転じてみましよう。
1. ほんものは、本当においしいと思うし、子供はそれを本能的に素直に感じております。無理
に、食べたくないものを子供に強制しない方がいいと思われます。
2. ほんものは、どうして見分けられるのでしょうか?オ―リング・テストです。このテストは、
富山の方が発見したのですが、日本では受け入れられず、アメリカでは、内科開業に以前か
ら義務づけられております。私は、水や食べ物や薬で、テストを納得してきましたが、今回
の最大の気づきは、そのテストが、本でも、名刺でも、なんでも、厳しい真偽を、直ちに示
してしまうという事実でした。本をもつ前に、親指と人差し指とを、別のひとにお願いして、
その両指が離れる感触を確認後、本をもう一つの手にもってから、再度、両指が決して離れ
ないか(真)、離れるか(偽)を、テストしていただくだけで、1 分もかかりません。
3. イネは、農薬一切を使用していない田んぼの場合、青々しています。除草剤、殺虫剤、化学
肥料等の化学製品を使用している場合、その青々がやや薄く、かつ黄色じみてきます。
4. お米は、玄米ですと、命をいただきます。白米ですと、芽の部分がゼロですので、命をいた
だくことができません。長崎原爆のあと、爆心地に近い病院の内科医さんが玄米、梅干し、
塩、竹炭を被爆者に食べさして、ともども命を全うした事実は、有名な話です。
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5. 塩素を使い、温度を上げて煮るという工程を省いたレトルトを利便のためだけに使うから、
人体の細胞が死に、死んだ細胞除去のために、内部でその時に最適の(がんや結核の)菌が
発生して食するという厳然たる自然の摂理に、人類は目覚めるほかありません。
上記のバスに乗車中、多くの方々と気持ちを通じ合うことができました。私の現在の心境を記
して、補完させてください。私は、おもてには出ません。そして、自らに与えられたと思う役割
(国別の内生システムの分析と普及)を考え、毎分、毎分、そこに専心してまいります。疑心暗
鬼ではなく、希望をもって、リラックスのプラス 思考をもって、世界を巡る陰陽の展開を見守
りたいと思っております。勉強の 60 年近くにわたって、いつもついて回ったのは、双曲線でし
た(その皮切りは、20 歳代半ばの損益分岐点式の双曲線式化)。双曲線は、ほとけのあと智恵の
ように、あら不思議、陰陽の摂理と不離不即・一体の関係にありました。それに氣づいたのは、
ここ 10 年足らずです。双曲線は、面積としての 2 次元です。それが時空という 2 次元分を包含
できております(詳細は、『経済科学研究』15(Feb, 2)に掲載)。このことに氣づいたのは、ここ
3 年ほどにすぎません。計量経済学は今日まで、発展してきましたが、マトリックスの関係もあ
って、linear に束縛されます。双曲線は non-linear ですので、それから外れます。そうであっても、
実際データと内生データとの対比に置き換えるならば、計量経済学はこれから一層進展するので
はないかと思っております。
the US 2008
y
y
Japan 2008
Total Economy
Total Economy
*
r (i)
r * (i)
i = 0.08262
i = 0.01491
0.1
0.095
0.06
( 0.0425, 0.095)
0.04
0.05
0.0301
( 0.0115, 0.0301)
HA 0.05244
VA 0
0.02
−0.1
−0.05
O
0.05
HA 0.04167
VA 0
x
0.0115
−0 05
0.0425
0
x
Japan 2008: shrinks to the extreme due to deficit.
双曲線には、その垂直漸近線と水平漸近線がありますが、垂直漸近線がタテ軸と重なる時には、
原点を通ります。垂直漸近線は、第一象限では、限りなくプラスに(陽に)タテ軸に接近します。
第四象限では、限りなくマイナスに(陰に)タテ軸に接近します。つまり、陰がきわまると、陽
転します。いまは、世界情勢がそれに近いように感じております。国民の 5 %が平和な天に通じ
る世界をたえずおもう時、陽転することは間違いありません。安心立命が 5 %の国民の潜在意識
に育ち、新しい世界が開かれます。現象の推移に一喜一憂せず、太陽や月の陰陽の明るさに心な
ごやみます。現象の瞬間的な推移に挑戦して相争うよりもはるかに実り多く、相手の立場に立っ
て、相ともに進むことが可能になります。
14
双曲線が具体的に何を示すのか、例をあげましょう。上の双曲線は、純投資率(ヨコ
軸)とインフレ率(タテ軸)との関係を示します。左は、アメリカ、右は日本の 2008
年度です。当時のアメリカはまだ、財政赤字が今日ほどひどくなく、第 1 象限にあり、
避け得ない内生インフレもそこ、そこです。それに対して、日本は、財政赤字がすでに
限界を越えていて、第 4 象限にあり、内生デフレが恒常化、成長はゼロに近い状況です。
国毎の 25 の実際データは、IMF の International Financial Statistics Yearbook からいただい
ております。UN の国民経済計算システム(SNA, 1993)が記録にあり、内生システムは、
政策志向ですから、どうしても、別建てになります。もしヨコ軸に、人口増減率、タテ
軸に収束年数をとれば、失業は、摩訶不思議、マクロ的に消滅するのが当たり前になり
ます(双曲線は、その場合に限って linear に約分されます)
。この場合には、第 1 象限と
第 2 象限に双曲線が出てきます。体と心とを結び付けたい願望の体操、以上です。
おわりに、2011 年 12 月のマクロ・ミクロ融合の物理・化学先端技術の急展開から、
2012 年(辰年)への明るい世界を、石田静子女史(平成 23 年 12 月 7 日、登簿第 89 号、
松山地方法務局・公証人役場)の内容の紹介をもって、締めくくりとさせてください(文
責は、上領)
。
美しくあるべき地球は、全宇宙に責任を負っています。2011 年 9 月 24 日-12 月にか
けて、世界中の物理学会研究者は、騒然となっているようです。精神界と物質界との間
を取り仕切るとされる「ブラックス・ボックス」という不可解なところを、目に見える
世界において、これから間違いなく検証できる道筋を得たという記事が Nature 誌ほかに
公にされたためです。
「光より早く動くなにかが存在する」
(ミュー型ニュートリノの速
度が光速を超えた)という発見ですので、アインシュタインの理がくずれたとか、その
理と決して矛盾しないようにできるはずだとかいう、大問題の論議のようです。
上記第 89 号は、アインシュタインの公理と矛盾しないような理を、誰でも一分以内
に、目で納得できる形で示しております。一口でいうと、日本文化固有の葦の「すだれ」
の形を使った理です。両手で容易に操作できる幅 5-6cm,長さ 30-50m ていどの小さい「す
だれ」を何回も捩ると、両端がとうとうくっつきます。両端を除く中ごろ部分は、6 次
元(目に見える世界)
、両端は 5 次元(目に見えない精神界)です。一次元分のよじれと
か、聖荘先生の示される天地をいただく「リラックス」があって、はじめて、私たちは
体と心とを結び付け得ます。その道理は universal に(電子とニュートリノとの核心式6
つをベースに、
「正四面体から連続回転により正二十面体が生まれる展開図」
を中心に)、
幾何学的に論証されております。確かに科学は進んでいるようにみえます。しかし、人
類の知識が天地の自然に比較できる水準にまでやがて達するであろうということは、思
い上がりにすぎません。不可能な事実を謙虚に知ることこそ、大自然からの啓示であり
続けるしょう。科学に対して、自然と調和的な心をもって謙虚に対応するほど、人の本
来の姿は、浮かび出て、明るい、争わざる本来の姿に近づきます。国内の人々の心は、
関東大震災を体得して目覚めました。相手とともに調和して進み、世界への先導役を果
たすべき可能性は、陰の極を体得したことを通して、そこまで来ていることを思わせま
す。平面の原点=ゼロ点を「ブラックス・ボックス」に置き換えると、上図に描いた幾
何学的な双曲線は、その可能性を如実に示しているのではないでしょうか。
上領英之
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