売上アップのための集患7ステップ - 株式会社あおい総合研究所

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著作権侵害にご注意ください!
「利益 3 倍増経営を実現する集患 自費率をアップさせる7つの集患ステップ」
(以下、本書と表記する。)の著作権は株式会社あおい総合研究所にあります。
・本書のすべての内容は、日本の著作権法、及び国際条約によって保護されて
います。
・株式会社あおい総合研究所が事前に書面をもって許可した場合を除き、本書
の一部、または全部を、あらゆるデータ蓄積手段(印刷物、電子ファイル、
ビデオ、テープレコーダー等)により複製、流用、転載、転売することを固
く禁じます。
・著作権の侵害につきましては、著作権法第119条などの罰則がありますの
でご注意下さい。
第119条 次の各号のいずれかに該当する者は、5年以下の懲役若しくは5
00万円以下の罰金に処し、またはこれを併科する。
1.著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害した
者(第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)
に定める私的使用の目的をもって自ら著作物若しくは実演等の複製を行っ
た者、第113条第3項の規定により著作者人格権、著作権、実演家人格
権若しくは著作隣接権(同条第4項の規定により著作隣接権とみなされる
権利を含む。第120条の2第3号において同じ。)を侵害する行為とみ
なされる行為を行った者、または第113条第5項の規定により著作権若
しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者を除く。)
2.営利を目的として、第30条第1項第1号に規定する自動複製機器を著作
権、出版権または著作隣接権の侵害となる著作物または実演等の複製に使
用させた者。
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第一章
これまでにない厳しい業界の現実
第二章
「繁盛する店」と
「ガラガラのお店」の違いとは?
第三章
ホームページ制作業者の裏側を暴露
第四章
利益を作る7つの仕組み
第五章
患者さんに感謝されながら
自費治療を勧める方法
第六章
安定した集患を実現する為に
あなたが知っておかなければいけないこと
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利益3倍経営を目指す医院長さまへ
この冊子を読んであなたは気を悪くするかもしれません。
というのも、私がこれから話す内容は正直言ってかなり厳しい「現実」につい
てお話しなくてはならないからです。
今は以前と比べて患者さんを集めることがかなり難しくなってきています。
この状態はよくなるどころか、むしろ悪化しています。自分で集患できる方法
を知らない医院は新規患者を獲得できずに、徐々に経営が傾いていくという事
例が後を経ちません。
もちろんこのまま何もしないわけにはいきません。
「少しでも患者さんを増やすために何か対策しないと…」
「このままだと経営を続けること自体が難しくなってくる」
集患に対してこのように苦しんでいる医院はここ数年でまたさらに増えました。
あなたもこれまで色々な対策をしてきたかと思います。
その中で実際に「うまくいったこと」はいくつありましたか?
...もしかすると今の時点ではまだこれといった成果がでていないのかもしれま
せん。だからこそこの冊子を手にとってくれたのかもしれません。
もしそうだとするなら、あなたの選択は正しいです。
あなたはこの冊子を読み進めて、今抱えている課題の具体的な対策方法を手に
入れる事になります。
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ペンをとって冊子に線を引いたり、印をつけながら読んでもらうとより理解が
深まります。そして実際にできることを見つけてください。
実際に書き込んだりして、改善できる部分を見つけることができれば出来るほ
どあなたの医院の利益は確実に上がります。
それでは順にページを進めていってください...
あおい総合研究所代表
道場明彦
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これまでにない厳しい業界の現実
ご存知のように日本全国の歯科医院の数は 6 万~6 万 5000 件にのぼります。
その数はコンビニの実に 1,5 倍です。競争率としてはかなり高く、業界として
は悲惨な状態です。集患の対策をしようにも、毎日患者さんの対応で朝から晩
まで忙しい状態です。
「なんとか対策をしないと」と不安はあるのですが、ジックリ落ち着いて考え
る暇もありません。たまの休みもやることが山ほどあって、自分の時間があり
ません。いつになったら増患の対策ができるのか、全く見えてこない状態です。
「また近所に新しい医院ができました。今年に入って2件目です、、、」
私のクライアントの院長先生が先日こんなことを言っていました。
もしかするとあなたの地域にも毎年のように新しい医院ができているかもしれ
ません。
どれだけ歯医者が増えても患者さんの数は変わりません。
地域の患者さんの奪い合いに勝つのは最終的に「新しい医院」でもなく、「昔
から続いている医院」でもありません。
最終的に勝つのは安定した「集患の仕組み」を持っている医院です。
今は都内や地方を問わずそのような「仕組み」を持っている医院に患者さんが
集中している状態です。どこの地域でも完全に一人勝ちの状況が続いています。
ですが、
あなたの医院でもそのような「仕組み」を持つことで、地域のライバルに負け
ない安定した集患基盤を持つことは可能です。
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「仕組み」を作るには合計で7つのステップを順に進めてもらう事になります。
その内容に関してはこの冊子で全てお伝えしていますので、繰り返し読んで活
用してください。
ド田舎で大繁盛する喫茶店の話
京都の長岡京市という田舎に喫茶店があります。
その喫茶店はいつもお客さんで賑わっています。
特別に珍しいメニューがあるわけではなく、とりわけ料理や飲物がおいしいと
いうわけではありません。正直に言うと・・・出されているメニューの質はお
せじにも美味しいとはいえませんでした。
使っている食材に特別なものはありません。接客にも特徴はありません…外装
や内装にもこだわっている様子はありません。
店内は掃除が行き届いておらず、トイレはいつも汚れています。
いいところがあるといえば、唯一駅から近いというだけでした。
普通に考えてお客さんがくるようには思えないような喫茶店です。
ですが、意外なことにその喫茶店は私が行くたびにいつも繁盛しています。
どうしてそんな喫茶店が繁盛するのでしょうか?
それは…
ご想像のとおり近くに他の喫茶店がないからです。
お客さんからすれば他に選択肢が無い…そういう理由がありました。
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その喫茶店が都心にきたら…
少し想像してみて欲しいのですが、
この喫茶店がそのまま、東京の銀座に出店したらどうなると思いますか?
銀座にはたくさんの喫茶店があります。お洒落な内装のカフェもたくさんあり
ますし、競争が激しいのでどこの店もメニューや対応にこだわっています。
さっきお話した喫茶店が太刀打ちできるものではありません(もちろん経営方
針を変えることで生き残ることはできるかもしれません)。
銀座では喫茶店の選択肢が多いため、当然、京都の田舎でうまくいっていたよ
うには行きません。
これはそのまま歯科医院の経営にも当てはまります。
まだ競合が少なかったときには、患者さんの選択肢も少なかった為に集患に困
ることはありませんでした。
ですが今は状況が違います。
これだけ歯医者さんの数が増えている今、
患者さんが”自分に合った歯医者さんを選ぶ”という状況になりました。
消費者が主導権を握るようになってきたのです。
このような状況では他の医院と違った形で医院の良さをアピールする必要があ
ります。患者さんからみて「選ばれる」医院を経営する必要がでてきています。
これから話す『7つの集患ステップ』を実行する事によってそのような状況を
作り出すことができれば、ライバルが不在の状況を作ることができるようにな
るのです。
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「他はどこもやっていないからムリ」
「広告なんて出した事が無い...」
などの言い訳
年々患者数が減り続ける医院には共通点があります。
もしあなたの医院が以下の項目に複数該当しているようであれば要注意してく
ださい。
もし、3つ以上該当しているようであれば、状況は絶望的かもしれません...対応
策については後ほどお話しますが、まずはあなた自身がいくつ該当するかチェ
ックしてみてください。
・「待っていたら患者が来る」と思っている-昔は何もしなくても患者が来た...
という過去の幻想にとらわれているタイプです。今の現状が「マズイ」という
ことは知っていますが結局何もしません。
・集患に対してあまり興味がない-上記と同じタイプです。このままジッとして
いれば「なんとかなる」と思っています。当たり前ですが、何もしなければ何
もおこりません。集患に関心を持たずに「なんとかしたい」と考えるのは、砂
漠で雨乞いを「お祈り」しているようなイメージです。神様に祈祷して患者が
来るんだったらドコの歯科医も大儲けしています。
・医療法があるから「広告はムリ」と思いこんでいる-実際には「うまくいくや
り方」があって、それを知らないだけなのに「広告は全部ムリ」といって考え
ることを放棄するタイプです。頭で色々と考えますが、結局行動するのが面倒
くさい…といって先延ばしします。
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・スタッフの問題など、別の問題で「手一杯」になっている-目の前にある「緊
急度」の高い問題だけに追われていて、背後から密かに近づいてきている「深
刻な問題」を放置しているタイプです。今日やることだけに集中しているので、
気づいた頃には手遅れです。
・医師会の手前、他と違うことはしたくない-医師会で他の先生がやっていない
からと臆病になって結局何もしないタイプです。そのままおとなしく経営が傾
いていくのを我慢していくか、効果が実証されている「堅実」な集患を実施す
るのか、あなたは『選ぶ』事ができます。
・何をやったらいいのか分からない-いろいろと歯医者さんの集患の情報を調べ
たりして、「なんとなく」は知っています。ですが結局何をやったらいいのか
は分からない。色々と勉強はするのですが、どうも「自分の医院とは勝手が違
う」といって行動しません。
事実...対策が遅れるほど状況は厳しく
なります
あなたはこの冊子を読んでいるくらいなので、恐らくはまだ手遅れではないと
思います。
ですが、「何もしないで状況が良くなる」事が無い事は理解されていることで
しょう。これまでと同じ行動を取り続けて異なる結果が出ることはありません。
もしかすると、あなたは現状が危険だと知っていて、改善策を求めて行動され
ているのかもしれません。
もし、あなたが医院の経営に真剣に向き合うタイプの「経営者」としての視点
を持っているのであれば良いニュースがあります...
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これから私がお伝えしていく「集患の仕組み」を作る『7つの集患ステップ』
は歯科医院の経営を改善するために私が実際に行っている内容をそのまま公開
しています。
ここでお伝えしている内容をそのまま暗記してもらうだけで、コンサルティン
グができてしまうような情報です。
次のセクションからはその具体的な方法についてお伝えしていきます。
これから紹介する集患の「手法」は、
・過去にはウマくいっていたけど今は使えないもの
・「条件」が揃っていれば使えるもの
・条件や環境を問わずにウマくいく
効果が実証されている方法
などをすべて含めて紹介していきます。
注意して下さい...大切なのは「やり方」ではありません。
どのように「実行」するかです。
どうすればあなたの医院で実際に実行することができるのか、考えながら読み
進めてください。
今までどんな対策をしてきましたか?
「先生、こうすれば患者さんが来るようになりますよ...」
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あなたの医院にも沢山の業者からこのような営業電話がかかってきていると思
います。飛び込みの営業もたくさんあります。
気をつけなくてはいけないのは料金が高いだけの、中身のないサービスを提供
する「悪名高い業者」の存在です。そういったホームページ制作業者、インタ
ーネット広告の会社は残念ながらあなたが思う以上の数存在しています。
そういった業者がオススメしてくる「よくあるタイプ」の集患対策はこんな感
じです
・院内のリフォームをする
・看板広告を出すように勧める
・パンフレットをつくったら患者が増える
・新しい設備を導入してアピールする
・ホームページを作成、あるいはリニューアル
どうでしょうか?
あなたも1つや2つ試したことがあるかもしれません…そこで質問です。
「こういったものにお金を払って、少しでも患者さんが増えたでしょうか?」
・・・
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もし増えたのであればオーケーです。
ですが、私のところに相談にくる院長先生のほとんどが「まったく意味が無か
った」と口を揃えて言います。
さきほどお話したように、なかには「偶然」うまくいくこともあります。です
が、偶然で増えた患者さんが将来もずっと続くことはありません。
さらにもう少し他の事例も見てみましょう
紙幣をビリビリに破ってトイレに流す
1万円札をビリビリに破いて、水洗トイレに流した事はありますか?
もしなければ想像してみて欲しいのですが、恐らくあまりいい気分はしないは
ずです…
「そんなバカな事をするヤツは本当のバカだ」
と思うかもしれません...でも、信じられないかもしれませんが、実際にこんな事
をやっている人がいるのです。
例えば、こんな具合です…
「しっかりとしたホームページを作ることが大切です」
ある日ホームページ業者から電話が掛かってきます。
「そろそろホームページを作る必要があるな」と考えていたあなたはもう少し
詳しく話を聞かせて欲しいと伝えます。
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そして後日、訪問営業が医院にやってきます。
その場で一度話を聞いてみた院長先生は、
「う~ん、なるほど…やっぱり今の時代しっかりしたホームページが必要だ
な!少し大きな出費だけど…頼んでみるか」
そうして 200 万円ほど投資して高額なホームページを作成します。このような
形でホームページ業者の営業を受けて言われるがままに高額なホームページを
作る医院は世の中に沢山存在します...
あなたは知っているでしょうか?
彼らホームページ業者の言われるままにホームページを作った医院のほとんど
が、大金を掛けて作ったホームページが全く集患に繋がっていないという「事
実」があります。
掛けた金額に見合った効果がでることはほとんどありません。うまくいく事が
あるとすれば、もうすでに「集患の仕組み」が出来ている医院です。そういっ
た医院はすでに安定した売上を上げる戦略を持っています。
他にもよくあるケースでは看板広告に毎年 50 万円の投資をしているのに、看板
を見て来院するのは年間たった 10 人だけ…このような事はこの業界では日常的
に起こっています。これではお金を捨てている事と変わりません。
集客効果のまったくないパンフレットの制作にお金をムダ使いするケースもよ
く見られます。
例えば、
せっかくパンフレットを作っても医院の入り口付近にしか置いていない...など
ということはよくあります。これだとすでに医院へ来てくれている患者さんし
か見ることができません。新規の患者さん獲得に役立っていないのです。
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さらに酷い場合は医院の中に置いていて、誰も見ていない...などという事もあり
ます。
わざわざお金を払って「集客のためのツール」を作ったのに、新規患者さんが
見るところに置かないのでは全く意味が無く、お金の無駄遣いです。
ですが、現実にこのような事はよくあります。
あなたの医院では今お話したような心当たりはないでしょうか?
こういった問題の原因は
あなたではありません。
原因はこれら「3 つ」です
私が多くの歯科医院さんとお付き合いさせて頂いてきた中で、ある共通の問題
が見えてきました。
それは患者さんが減っているという現状に追い打ちをかけている問題の根源で
す。まずしっかりとお伝えしておかないといけないのは、今ある問題の原因は
あなたではない、ということです。
私は今起きている現状の要因は大きくわけて3つあると考えています。
1 つ目は環境です。
今は医療法、薬事法の制約がとても強いです。
なので、歯科業界では集患に繋がる広告を出すことが難しくなっています。そ
の結果、歯科医の業界全体が「効果的なマーケティングはできない」と思考を
停止してしまっています。
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実際には広告の規制などが厳しい中でも患者さんを集める方法はたくさんあり
ます。ですが、業界の風潮として難しいだろう…と考えてしまっています。
このような雰囲気の中では経営を向上させる事がとても難しいことのように思
えてきてしまいます。
2 つ目の原因は結果の出せない歯科コンサルタントやノウハウ、集患の教材な
どです。
世の中にはたくさんの歯科医向けの教材がありますが、そのほとんどが結果に
繋がりません。理由は情報に偏りがあり、一部分のテクニック的な話に終始し
ていることにあります。
部分的なテクニックを使って業績が回復することはありません。
結果の出せないコンサルタントに関しても同じです。問題の根本的な解決策を
出すことができず、現状に対処しているように見せかけるだけのことしかでき
ません。
もちろんそんなコンサルティングを受けたところで状況は一向に改善しません。
費やしたお金が無駄になるだけです。
3 つ目は歯科業界で最も多く見られる原因です。
それは実際には集患効果が無いのに「売上」が上がるように見せかけているホ
ームページ制作の会社です。
とくに最近はホームページ制作会社の数が増えているので、より問題は深刻化
しています。もしかするとあなたの医院でも経験があるかもしれませんが、次
の章で詳しい事例を紹介しましょう
ホームページ制作業者の裏側を暴露
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一般的に「集患するにはホームページが大切だ」とはよく言われます。あなた
の医院にもそういった業者からの営業電話はたくさんあると思います。
実際のところ、集患においてホームページは大切です。ですがホームページか
らの集患が本当に上手くいっている事例はまだまだ少ないのが事実です。
「周りの医院もホームページを作っているから」という理由でとりあえず作る
事もおおいのですが、なんの戦略もなしに作っては掛けたお金をムダにするだ
けです。
2013 年の秋に起きた「あるノンフィクションの話」をします。
あなたはこの話を「自分には関係が無い」と聞き流してしまうかもしれません。
ですが...実はこれは他人事ではありません。多くの歯科医院がここまでとは言い
ませんが似たような事を経験しています。
今のあなたの状態と比較しながらページを読み進めてください...
大金を騙し取られた、
ある初老の院長の話
私のところに相談に来てくれている、70代の院長先生の話です。
開業 30 年を目前に控えたその医院は地域でとても親しみをもたれていました。
院長先生の診療のスタイルは治療前のヒアリングを徹底して行う事を大事にし
ていました。
そういったところが地元の患者さんに支持されていて、家族ぐるみで来院する
患者さんも少なくありませんでした。
開業してから約30年たった今、地域の状況は変わっていました。
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昔は多かった20~30代の若い患者さんが段々と減っていきました。その原
因の1つは地域の高齢化でした。
患者が減っていく一方の経営状態に危機感を抱いた院長先生は独り悩み続けて
いました。
そんなある日、ある歯科専門のホームページ制作会社から営業の電話が掛かっ
てきました。
「ホームページを作れば元いた患者さんが戻ってくるようになるかもしれませ
んよ。患者さんが減っている原因はホームページが無いからです」
そんな話をされました。
その医院ではそれまでホームページを作ったことがありませんでした。
制作費用は決して安いものではありませんでしたが、院長先生は患者さんが減
り続けている現状にどんな風に対応していいのかまったく分かりませんでした。
悩んだあげく、院長先生はもう殆ど残っていない銀行口座のお金を使うことを
決めました。彼には他にすがるところがありませんでした。相談をする人もい
ませんでした。
制作にかかる費用は 200 万円です。
院長先生はまとめて支払うことが難しかったため、ローンという形を取りまし
た。制作費用とは別に毎月掛かってくる維持費は 3 万円でした。決して安い金
額ではありませんが、歯科医院専門をうたっているホームページ制作では一般
的な金額です。
これだけの金額でも実際に集患に繋がれば十分に元がとれます。
最初に営業の電話が鳴った後に初めてのホームページが完成して3ヶ月が経ち
ました。
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200万円という大金を投資したその結果は...
以前とまったく変わらない現状
でした。
院長先生はもう殆ど残っていないお金を使いきって、思い切った決断をしたに
も関わらず結果は散々でした。
「いや…まだだ。もう少しだけ待ってみよう…効果がでるのは時間がかかるか
もしれない」
…さらに3ヶ月が経ちました。
そして6ヶ月が過ぎました。そしてホームページに200万円を掛けてから実
に1年経った後の結果は…ホームページを見て来院した患者さんが「ゼロ」と
いう事実でした。
もちろん毎月のホームページ維持費は掛かってきますし、それとは別にローン
の金額も毎月掛かってきます。
「もうダメだ、本当にどうしようもない。お手上げだ…」
院長先生は思いました。
このままでは明らかに経営を続けることはできない。かなり焦っていました。
...その後、その院長先生は私の事を知って、連絡をとってきてくれました。
真剣な顔で「何とかしてほしい」という院長先生は本当に切実なものがありま
した。
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そうして依頼を受けてから、現状を調査して経営を立て直す方法を一緒に考え
ました。そしてある日、打ち合わせに医院をおとずれたときのことです...
その後、さらに驚くべき事実
が発覚しました。
なんと院長先生が先の200万円のホームページ制作業作とは別に、さらに別
のホームページ業者に医院のホームページ制作を「追加」で依頼しているとい
う事実でした。
制作料金は 80 万円でした。
すでにホームページ制作で200万円を投資していてお金はない状態です。
また追加で「結果が出るかわからない方法」にお金を使うという事が信じられ
ませんでした。
私は驚きながら聞きました、
「どうしてまたホームページを依頼したのですか?」
話を聞くと、今あるホームページでの患者さんが来ない現状に心底焦っていて、
ちょうど営業を掛けてきた別の業者に思わず頼んでしまったということでした。
新しく来た別の営業マンに「今のホームページで集患ができていないのです
か?…それならウチに任せてください」
勧められるままに「追加」で制作を依頼してしまったそうです…
その話を聞いた私は正直、見ていられませんでした。
「先生、ホームページは2つもいりません…」と院長先生に話し、電話をして
解約をする事を薦めました。
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…信じられないような話はまだ続きます、
制作キャンセルの旨を伝えようと電話をした院長先生に、その業者は言いまし
た。
「・・・キャンセルですか?いいですけど違約金が必要です。すぐに50万円
を払ってください」
その時点では「制作をする」と決めてまだ日も浅く、明らかに制作には全くと
りかかっていない状態でした。
それにもかかわらず、その業者は違約金として「50 万円を払え」と要求してき
たのです。
もはやコレはお年寄りを狙ったオレオレ詐欺じゃないか…と私は憤りを抑えき
れませんでした…。
この話は信じられないかもしれませんが、本当の話です。高齢の院長先生に付
け込んで悪徳業者のようなビジネスをやっている業者も存在する、ということ
です。あなたはこの話を聞いて何を感じるでしょうか?
その後、
私はこの医院の患者さんが減ってきている理由を見つける事ができたので、今
は自費患者も数倍に増えて売上も上がり続けています。
売上改善の為に私がやったことはとてもシンプルです。
この後の章で具体的なステップをお話していきますが、特別難しいことはやっ
ていません。ここの医院が抱えていた本当の問題は「患者さんが離れていく本
当の理由」が見えていなかったことです。
この理由を知らずに、患者さんが減り続けている医院を私は沢山知っています。
この問題を明確にする方法はこれから詳しくお話していきます。
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ホームページの「原価」を
知っていますか?
多くの歯科医さんが現在ホームページを持っています。
あなたの医院のホームページの制作コストはどのくらいだったでしょうか?
あなたが歯科専門の業者に頼んでいたとしたら今お伝えした歯医者さんの例の
ように 200 万円ほどかかったかもしれません。プラス月額費用もかかりますよ
ね。
それでは、200 万円のサイトを作る原価は一体幾らなのかご存じですか?
・・・
じつはホームページの原価はかかってもせいぜい 10 万~15 万円程度です。
年間維持費に関しては 1 万円程度です。たとえそれが歯科専門で凝ったような
サイトになっていたとしてもほとんど関係はありません。
もちろんホームページなので更新作業などを考えると人的費用も掛かりますが、
それにしても高額だとは思いませんか?
一般的な商売において「原価」というのは定価の 3 割ぐらいが相場といわれて
います。そう考えると、ホームページ制作業者はほとんどボッタクリといえる
のではないでしょうか。
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それだけ高額な費用を掛けたにも関わらず、作ったホームページから肝心の患
者さんがこないのですから、たまったものではありません。
あなたの医院ではホームページからの集患効果の測定はされているでしょう
か?
統計によると、残念ながらほとんどの歯科医院が「ホームページからの集患が
うまくいっていない」というデータがあるようです。
彼らは「デザインのプロ」です...
マーケティング(集患)に関しては
「素人」です
ホームページから患者さんが来院しない理由はシンプルです。
それはズバリ、患者さんが集まる『仕組み』として機能していないからです。
ホームページを作っただけでは患者さんは増えません。
ホームページを作って、放っておいたら勝手に患者さんがインターネットで検
索してやってくる…なんてのは夢物語です。
きちんと機能する集患の『仕組み』があってはじめて患者さんが増えてきます。
かんたんに『仕組み』の流れを説明すると、このような形になります
『認知』
患者さんに医院を「認知」させる
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↓
『関心』
医院に「関心」を持ってもらう
↓
『行動』
「行動」してもらう(来院)
”ホームページを作る”というのは、上記の中には入りません。
なぜならホームページを作るというのは『認知』される以前にあるからです。
ホームページ制作の業者はキレイなホームページを作る「デザインのプロ」で
す。どれだけ見た目のキレイなホームページを作ることはできても、来院に繋
がるかどうかは全くの別問題です。
なぜならキレイなホームページを作っただけでは認知される事がありませんし、
ホームページを発見してもらえたとしてもデザインが良いだけでは来院に繋が
ることはありません。
しかも一般的なホームページ作成業者は作ったホームページを患者さんに『認
知』させる効果的な方法を知りません。実際にそんなことができているなら、
あなたはこの冊子を読むまでもなく集患に苦労することも無いハズです。
あなたが医院の売上に満足していないなら、しっかりとした「集患の仕組み」
を持つ必要があります。
ほとんどの医院はホームページが出来上がると「よし‥.これで準備完了」と集
患の活動を行うことを辞めてしまいます。しかし、どれだけ豪華なホームペー
ジを作っても気づいてもらうことができなければ患者さんは増えるどころか時
間の経過とともに確実に減っていきます。
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安定した「集患の仕組み」を作るために、これからあなたが何をしていけばい
いのか見ていきましょう...
ホームページを『認知』してもらうには
どうしたらいいのか
「歯科医院のポータルサイト」というのがあります。
ここ数年で一気に増えてきた「地域の歯医者さん」を紹介する紹介サイトです。
「こういうところに登録しておけば、認知される機会が増えるのでオススメで
すよ」という話があります。
私がこれまでいくつか紹介サイトを試したのですが、実際にはほとんど効果が
ないと感じました。
そんな効果の無い事にお金を掛けるのではなく、増患にダイレクトに直結する
ことをするべきでしょう。
歯科医院の増患というと今はスマートフォンサイトが流行っています。
今どこの業界でも導入されているスマートフォンサイトを作って集患に繋げま
しょう…という動きがあります。
ですがこれも注意が必要です。
たしかにスマートフォンサイトは使い方によっては効果的に患者さんを集める
ことが可能です。ですが、ほとんどの歯科医院は集患に繋がらない形だけのス
マートフォンサイトを採用しています。
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スマートフォンのサイト制作は費用も安く、気軽に導入できます。それで業者
にすすめられるままスマートフォンサイトを作る医院も多いです。ですが集患
に繋がる要素がなければこれも完全にお金のムダです。
スマートフォンサイトはパソコンのホームページと同様に患者さんに認知され
る事がなければ増患できません
それじゃ、結局どうしたらいいんだよ…
ではこれから実際にガンガン患者さんを集めて売上をアップさせるために何を
すればいいのかお話します。
まずあなたに「医院の売上を上げる質問」をします。
たとえばこんなとき、あなたならどっちが簡単そうに感じますか?
①
②
1 万円の治療を 100 人に売る
100 万円の治療を 1 人に売る
実際に 100 万円の治療を提供しているかどうかは置いておいて、考えてみてく
ださい。どちらも達成すれば売上としては同じです。
ですが、1と2を比べた場合、「かんたん」な方はダンゼン2番です。
それはなぜでしょうか?
2番の方がかんたんだという、その理由は「高額な治療」を売ることより「た
くさんの患者さん」を集めることの方が難しいからです。
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医院の経営をしていく上で大切なのは、当たり前ですが売上を上げることです。
売上がなくてはどれだけ良い治療を提供しても経営が成り立たなくなります。
「売上を上げる」という目的を達成するにはいくつかの方法がありますが、ワ
ザワザ難しいことをする必要はありません。
私がオススメするのは「かんたん」なやり方です。
かんたんに売上をアップさせる仕組み
まずは売上を上げるためにあなたがやることは集患を自動化する『仕組み』を
作ることです。
患者さんを自動的に集める仕組みができると、その仕組を回せば回すだけ患者
さんが増えることになります。
広告を□□円出すと、〇〇日で、△△万円儲かる。
こんな仕組みを作ることができれば、毎月の売上が数字として予測できるよう
になります。うまくいっている医院はこのような仕組みを回しているのが理由
です。だからさらに広告にお金を掛けて患者さんを増やし続けることが可能に
なります。
集客する『仕組み』の例をいくつか挙げてみます
・「ドラッグストア」の事例
新聞をとると、結構な頻度でドラッグストアのチラシが入っていることがあり
ます。なぜあんなにも頻繁にチラシが入っているのでしょうか?
この答えはとてもシンプルです。
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仮に 15 万円の広告費をかけてチラシをだすと、週末に 400~500 万円の売上が
上がるということが計測できたとします。その結果、営業利益が 50 万~100 万
円残るとなるとチラシを撒けば撒いただけ利益が上がり続ける事になります。
つまり、どれだけの広告費をだせば最終的にいくらの利益が入るのかというこ
とがわかっているわけです。これがドラッグストアの集客の『仕組み』です。
このような仕組み化ができているからこそ、ドラッグストアは新聞の折り込み
チラシをあれほど大量に出すことができます。
・「アメリカンホーム・ダイレクト」の事例
集客の『仕組み』ということでいうと、外資系保険会社のアメリカンホームダ
イレクトの仕組みは秀逸です。
まずテレビで商品(保険)の CM を流します。CM では視聴者に興味を持たせ
「こちらのフリーダイヤルに電話をしてください」と促します。
視聴者から電話がかかってくると、担当のオペレーターがでます。そしてお客
さんとのやり取りの中で彼らのニーズを探り、その後適切なダイレクトメール
をお客さんの住所に送るのです。
さらにダイレクトメールは 1 回では終わりません。その後、成約するまで何度
も送られて来ます。彼らはどの期間にどの回数の CM を出せば、視聴者からど
れくらいの数の電話が鳴るのかを数字として把握しています。
さらにその後のダイレクトメールでどれだけのお客さんが獲得できるのか、大
体何通送ればいいのかもデータとして残っています。どんな内容のダイレクト
メールが反応がいいのかをすべて把握する『仕組み』を持っています。
彼らはこういった『仕組み』を持っているからこそ莫大な広告費を出すことが
できるのです。
・「ネット通販の無料サンプル」の事例
通販などで「無料のサンプル請求」を促している会社が沢山ありますね。
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この「無料サンプル」も集客の『仕組み』の1つです。
無料サンプルを請求した人の中から、一定の割合でそのまま定期購入する人が
います。通販会社はその売上を予測してから配布する「無料サンプル」の内容
を決めます。
この仕組があると、無料のサンプル請求がどれくらいあるかで売上まで予測が
つきます。あまりにサンプル請求が多すぎて、在庫が足りなくなりそうになっ
たらストップすればいいだけです。
…このように継続的に売上が上がっている会社は集客の『仕組み』がきちんと
できています。だから安心して高い広告費を出し続ける事ができます。
これらの事例を見てもらうと、「集客の仕組み」が無い状態でホームページを
作る意味がまったく無意味な事が痛いほど分かってもらえるかと思います。ど
れだけよいチラシがあったとしても、それを見てもらう事ができなければ配っ
ていない事と同じです。
「ホームページを作れば患者さんがくるようになりますよ」という業者の言葉
がいかにインチキなのかがわかって頂けましたでしょうか。
それでは「利益をアップさせる公式」についてお伝えします
利益をアップさせる公式
集客の仕組み化を構築していくうえで非常に重要な考え方があります。
それは、
『売上=顧客数×リピート回数×単価』という公式です。
29
これは世界 NO.1 のコンサルタント・ジェイ・エイブラハムの公式ですが、とて
もシンプルでほとんどのビジネスに適用できます。
このジェイの公式を医院経営に当てはめると以下のようになります。
『売上=患者数×来院回数×単価』
あなたの医院の経営に当てはめてみましょう
【①患者さんの数】×【②リピート回数】×【③単価=『売上』】
ですが、①患者数と②リピート数と③単価のいずれかの数字が 2 倍になれば、当
然ですが『売上』も 2 倍ですよね。
仮に売上の目標を今の 2 倍に設定した場合、上記のどこかの数字を 2 倍にすれ
ばいいわけです。ですが、「利益」を考えた場合は大きな差がでてきます。
①患者数を増やすには認知してもらうためにたくさんの広告費を掛ける事にな
ります。新規の患者さんを獲得するのにかかる費用はバカになりません。
次に②リピート数を増やす場合はどうでしょうか?
一度来院してくれた患者さんに再度アピールする方法は電話、はがきなどあり
ますがどのどれもが新規の患者さんを獲得するのに掛かる費用の何分の1です。
かかる費用が少なければ当然利益は大きく残ります。なので①患者数を増やすよ
り②のリピート患者さんを増やす方に力を使ったほうがいいでしょう。
それでは③単価アップはどうでしょうか?
「①新規患者数」を増やす、
「②リピート患者数」を増やすということに対して、
③の単価を上げることにかかる費用は、なんと「¥0」です。費用がかかりませ
ん。
30
このようにみてみると、
最初に取り組むべきは「①患者数」と「②リピート数」と「③単価」の中で一番
コストのかからない「③単価アップ」がベストだということが見えてきます。
...全体像の話をしているので、「分かりづらいな」と思うかもしれません。です
がもう少し読み進めてもらうと、きちんと理解してもらえます。安心して下さ
い。
手を付けるべき「順番」をまとめるとこうなります。
=====================
1.単価アップ
2.再来院数アップ
3.新規の患者数アップ
=====================
コストが掛からない順番で対策していくということですね。
よく陥りがちなのは、患者さんの数をアップさせようとして資金が無くなって
しまうケースです。
新規の集患には一番お金がかかります。
実は新規患者の獲得とリピート患者の獲得では8~10倍のコストが変わって
きます。
このような理由から対策を立てる順番がとても大切になってきます。
利益を作る7つの仕組み
31
それではこの公式をどのようにして実践していけばいいのか。どうやったら「集
患の仕組み化」ができるのかについて、さらに深い部分に入っていきます。
以下が利益を作る具体的な7つのステップです。この7つのステップ通りに対
策を進めていきます。
ステップ 1
ステップ 2
ステップ 3
ステップ 4
『3C 分析』を行う
『強み』を作る
『追客』の仕組みを作る
『単価アップ』の仕組みを作る
ステップ 5 『リピート』を増やす仕組みを作る
ステップ 6 『紹介』をしてもらう
ステップ 7 『新規客』を集める仕組みを作る
それでは少し詳しくみていきましょう...
ステップ 1 『3C 分析』を行う
『3C 分析』というのはマーケティングの専門用語なのですが、
「カスタマー(患
者)」「コンペティター(ライバル医院)」カンパニー(自医院)の情報を洗
い出す事です。
※ Customer、competitor、company の頭文字を取って 3C といいます。
一見歯科医院の経営とは関係なさそうですが、現代の歯科医院を経営して生き
残るためには必ず押さえておくべき内容になります。
とはいえ、そんなに難しいものではありません。
私のところに増患の相談にくる院長先生に、最初にお伝えするのがこの 3C 分析
です。
32
最初の打ち合わせが終わったら、私は毎回この行程を経た後に効果的な対策を
進めています。
まずこの最初のステップを実行してもらうと、患者さんにどんなメッセージを
伝えればいいのかが分かります。
どんな事をすれば患者さんがあなたの医院を選ぶのかが理解できるようになり
ます。
患者さんがあなたの医院を選ばなくてはいけない「理由」が分かれば、あとは
簡単です。それを WEB や広告などで活用していくことができます。
ほとんどの歯科医院は地域ライバルの「分析」をやっていません。
なのでどこの医院も他との違いが分かりません。
駅に近い、大通りに面しているなどの地理的な優位性に依存しています。
逆にしっかりとリサーチをしてみることで、患者さんの予約が殺到している医
院に必要な要素が見えて来ます。
患者さんから見て「私にとってこの歯医者さんが一番良い所だ」と認知しても
らうことができるようになれば、放っておいても予約は増えていきます。
後ほどお話しますが、これをすることで治療単価のアップにもつながります。
○「カスタマー(患者)」の分析
まずは地域の患者さんのニーズを調べます。
歯の治療を必要としている患者さんが「どんな事を求めているか?」を知ると
いうことです。
これを調べる方法はとてもシンプルです。
単純に「来院している患者さんに尋ねる」だけです。
もっと詳しく調べる方法もありますが、売上を向上させるという意味ではあま
り複雑な事をする必要はありません。
33
「道場さん、患者さん向けにアンケートは取っていますよ」
という院長先生もいます。
ですが、そのアンケートのデータは本当に効果的に活用できているでしょう
か?収集したアンケートをどのように活用できているのか、一度振り返ってみ
てください。
実際に私がコンサルティングで使用しているアンケートを記載しておきます。
医院によって多少内容を変えたりはしますが、基本は同じです。
【アンケート資料】
これらの情報を参考にアンケートを
実施してみて下さい。
アンケートで最も大切な事は、「実際」に聞く
ということです。
それでは次のページからアンケートで質問する内容を紹介していきます。
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アンケートで質問する内容はこんな形です。
・初診かどうか
・どんな治療を希望しているか?
「歯をどうしたいのか」「なぜ来院したのか」などです。
・治療に当たっての要望
・自費治療に関して興味があるかどうか
・どうして当院を選んだのか?
・どこで医院を知ったのか?
これらの情報を見ていくと、「どんな患者さんが多いのか」「なにを提供した
らいいのか」が見えてきます。
ひとつ注意して欲しい事は”患者さんは自分に必要な治療がどんなものかは良
く分かっていない”ということです。すべて鵜呑みにしてはいけません。患者さ
んの回答を見て「これはどういう意味だろうか?」と考えてあげる必要があり
ます。
患者さんへのアンケートは利益を最大化させる重要な鍵です。
あなたがアンケートの情報を活用していないのなら、地図を持たずにジャング
ルに入るようなものです。そんな運任せの経営をしていたら、遅かれ早かれ道
に迷ってしまいます。
アンケートを活用してしっかりと患者さんの分析を行ってみてください。
あなたの医院が何をすべきか見えてきます。
35
○「コンペティター(ライバル医院)」の分析
次にあなたの地域に存在するライバル医院がどんな風にアピールしているのか
を調べます。
地域の中でライバル医院ではなく、自医院を選んでもらうには「他と何が違う
のか」を伝える必要があります。昔は「他との違い」などアピールしなくても
患者さんはやってきました。ですが、これだけ歯医者の数が多い今、そういう
わけにはいかなくなってきています。
患者さんはインターネットや地域誌を見て歯医者さんを「選ぶ」事ができます。
選択肢が多く存在するのです。
パッとみてどこの医院も違いが分からなければ、「他と違って目立つ所」に患
者さんは集中します。それが現状です。
ライバル医院の調査についてはこのような情報を調べます。
項目が結構多いと感じるかもしれませんが、まずはできるところからやってみ
ましょう。
ここでも参考までに私がコンサルティングで実際にリサーチしている資料を記
載しておきます。医院ごとのプライバシーの関係で詳細情報は公開できません。
ですが、調べる項目はお伝えしておくので実践する上で問題は無いでしょう。
※リサーチ参考画像
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リサーチをする時間がない場合は専門のプロに頼むという方法もあります。事
務のスタッフに行わせてもいいでしょう。
以下は私が実際に地域のライバル医院の分析を行う時にみる項目です。
私はエクセルなどで各項目をまとめています。
・商圏に何件のライバル医院があるのか
・ライバル医院の立地条件はどうか
e.g.)「最寄り駅から徒歩何分か」
「目立つ場所にあるか(大通りに面しているかどうか)」
「駐車場完備なのか(駐車場完備の場合は何台の車がおけるのか)」)
・診療時間は何時から何時までか
・休診日
・スタッフの対応、年齢層
・患者の年齢層。主な年齢層はどこか
・診療内容に特徴があるか
e.g.)「自費治療を推している」
「インプラントを推している」
「審美歯科を推している」
「入れ歯治療を推している」
「インフォームド・コンセントを推している」
「セカンドオピニオンを推している」
・ホームページの内容はどのようなものか
・スマートフォン専用サイトを持っているか
・無料送迎サービスの有無
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・フリーダイヤルの有無
・看板広告
・設備(最新のものか古いものか)
・医院の外観
・医院の内観
・催し物などの企画
e.g.)インプラント・歯周病などに関する定期セミナー
クリスマスパーティーなどのイベント
...思ったより少ないと感じたかもしれませんね。
実際、調査に掛かる時間は 1 医院あたり 60 分も掛からないとおもいます。
ほとんどの歯科医院は地域のライバルの調査をしていません。
ほんのわずかな労力を掛けて(もしくはコストを費やして)調査を行ってみて
ください。患者さんがどのように歯科医院を選んでいるのかが見えてきます。
患者さんが医院を選ぶ「理由」が分かれば、具体的に何をすればいいのかが見
えてきます。
○「カンパニー(自医院)」の分析
3つ目はあなた自身の医院の特徴や立地、治療内容でアピールできる部分を洗
い出す「カンパニー(自医院)」の分析です。
自医院の分析をやりましょう、というと
「自分の医院のことくらい分かっている」
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「そんな事、調べるまでもないですよ」
「調べてもどうしようもないじゃないか」
と言う院長先生がいます。
はたして本当にそうでしょうか?
院長先生が考える「患者さんが医院を選ぶ理由」と「患者さん自身が選ぶ部分」
というのは異なる事が多くあります。
患者さんから選ばれる「本当の理由」を知って驚く先生は意外に多いです。
自分の医院の良いポイントに気づいていない先生はたくさんいます。
私が院長先生達にヒアリングしてみると、かなりの確率で医院の予想外の強み
が見つかってきます。
あなたの医院はどんな要素をアピールすることで患者さんを集めることができ
ますか?
ライバル医院を調べた上で、自医院が提供できる要素を書き出してみてくださ
い。
ステップ 2:自医院の『強み』を
メッセージとして確立する
最初のステップで手に入れた情報を元にあなたの医院の『強み』を作ります。
ここまでの時点で他の医院、患者さん、自医院の情報を手に入れる事ができま
した。
それらを見比べて、他の医院より優位な部分を『強み』として選択します。
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『強み』をメッセージとして見せていくことで、地域の歯科医院とのハッキリ
とした差別化をすることができますし、患者さんは迷うこと無くあなたの医院
を選ぶ状況を作ることにつながります。
ここでいう『強み』とは「USP」と呼ばれるものです。
「USP」とはユニーク・セリング・プロポジションの略です。
商品やサービスを販売する時の「ポジショニング」をして明らかな優位性をア
ピールする方法です。
注意して欲しいのは名前に「ユニーク」とあるように、他医院が持っていない
「ポジション」だということです。
ただ単に他の医院の強みをマネてだしても患者さんの奪い合いですし、意味が
ありません。
地域に 1 件しか歯医者さんがなければ患者さんに選択の余地はありません。
しかし実際は同じ地域に沢山の歯科医院が存在しています。
数ある歯医者さんの中から患者さんに来院してもらうには、相応の選ばれる理
由が必要です。
自分の持っている情報を元に「あなたの医院=○○」という形に特化してくださ
い。治療方法や営業時間、治療内容や総患者数、地元との関わり、などで違い
を明確にしていく事が大切です。
何かに特化することは
他を切り捨てるという事
何かに特化することは同時に他を切り捨てるということです。
40
たとえば、女性のケアサービスに特化した歯医者さんという USP で売りだした
とします。
少し極端な話ですが、男性人口が 90%の地域でこれをやってしまうと、ほとん
どの男性客を捨ててしまうことになります。特化するには「地域の患者の年齢
層」や「所得」などから需要を考慮して下さい。
あなたの医院の持っている複数ある「USP」の中で、どれが地域の患者さんの
ニーズにあっているでしょうか?
「USP」が地域の患者さんのニーズと合致すれば、「○○といえば、あの医院」
と認識され長期的に患者さんが増え続けて行くことになります。
「USP」が認知された上でさらに広告を出して行く事で地域で確固たるポジシ
ョンを築くことができます。
最新機器の使用は医院の『強み』
(USP)
として使えるか?
USP を打ち出すときに気を付けなければならないのは、「業界で最新の機器を
導入している」などのケースです。最新の設備はあなたの医院の大きなアピー
ルになることには違いありません。ホームページなどを見る患者さんからみて
も、他との違いとして認識される可能性は上がるでしょう。
ですが、この USP にはひとつ問題があります。
それはライバル医院にさら最新の機器を導入されてしまったら、その USP は『強
み』として成り立たないということです。
もう1つ、よくやってしまう良くない例があります。
それは、「駅から近い」などの地理的な優位性をアピールした USP です。これ
もあまり良い USP ではありません。
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駅から近いという USP はさらに駅に近いところにライバル医院ができると、そ
の時点で USP ではなくなってしまいます。このような強みはかんたんに奪われ
てしまいます。さらに患者さんが「駅から近い」という部分だけを見て来てい
たとすれば、より近くにできた医院に患者さんを奪われることになります。
患者さんから見た『強み』としての USP を作る時のメッセージに注意が必要で
す。
真似ができない『強み』の作り方
USP として理想的なものはライバルが簡単にマネ出来ないものを選ぶことです。
例えば個人経営の医院であれば、「人」や「実績」をアピールするという方法
です。
治療数やこれまでの総患者数などの事例や権威性はそう簡単にマネすることが
できません。
また院長先生の「理念」や「治療に対する考え」なども有効です。
地域の他の医院に無いものをアピールすることで、患者さんから見た時の優位
性が上がります。そういった情報を価値としてしっかりと認知させた結果、地
域の歯医者さんとして選ばれやすくなります。
「理念」や「治療に対する考え」を医院の売りとするメリットは他にも有りま
す。
それは、そういった「理念」に共感して訪れてくれた患者さんは他の医院へと
移りづらくなるということです。数字などの目でみて分かりやすいメリットと
は異なり、「理念」という目に見えづらい部分に共感してくれた患者さんは自
分が選んだ医院へ通い続ける傾向が上がります。
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「理念」を作るポイントは、患者さんが共感できる理念にすることです。どれ
だけ素晴らしい理念を作っても、共感されなければ意味がありません。
ステップ 3 『追客』の仕組みを作る
次に短期的に利益を上げる上で効果的なのが『追客』(ついきゃく)です。
私のクライアントさんでも追客だけで利益が1~2割アップした事例はよくあ
ります。
追客とは来院してもらった患者さんに再来院を働きかける行動です。
掛ける手間に対して効果がかなり高いという意味で、「強み」を作った後の最
初の行動としてオススメします。
一度来た患者さんが来なくなる理由は本当に様々ですが、実はそのほとんどが
理由とは言えない理由です。
「暑い」「寒い」「雨が降っている」「テレビがみたい」「面倒くさい」など
など…本当に大した意味なく来院しなくなります。
「予約をすっぽかしたから行きづらいな…」というような理由で来なくなるこ
ともあります。
治療中で仮歯の状態であったとしても患者さんにとっては関係はありません。
あなたの医院では患者さんが治療途中で来院しなくなった場合はどのような対
応をしているでしょうか?
...もしなにもしないで放置しているとしたら、それは大きな問題です。
43
ほんの少しの手間を掛けるだけで来なくなった患者さんが再来院する可能性が
高いからです。患者さんが再来院するということはもちろんそのまま売上に直
結します。そしてそんな患者さんの数は実は思ったより多いことがよくありま
す。
実際に追客を行う方法はとてもシンプルです。
追客の方法は来なくなった患者さんに、はがきや電話によるフォローの連絡を
入れて再来院を促すだけです。患者さんのメールアドレスを知っている場合は、
メールによるフォローも併用すると良いでしょう。
「まだ治療中ですから、そのまま放置しておくのは良くありませんよ」と受付
のスタッフに電話をさせるだけでも一定数の患者さんは戻ってきます。
単純に来なくなってしばらく経った患者さん「ハガキ」か「電話」をかけるだ
けです。
こんな簡単な追客ですが、多くの医院が行わずに売上を逃してしまっています。
せっかく一度はきてもらった患者さんをみすみす逃してしまっているのです。
少し思い出してみてください。追客をしていれば来院してもらえていた患者さ
んの数は決して少なくは無いはずです。本来は上がっていた利益を放置してし
まっています。
あなたがまだ追客を行っていないのであれば、今すぐに行ってみることをオス
スメします。
ところで、この追客をやろうとする時に起こりうる問題があります。
それは...
44
受付スタッフが嫌がって
やりたがらない、、、
という問題です。
これは実際のところ、多くの院長先生を悩ます問題です。
スタッフ側からしてみれば、今までやっていなかった業務が余計に増えるだけ
と感じるので、嫌がるのも理解できます。ですが、だからといってみすみす売
上を逃すわけにはいきませんよね。
こういった場合の解決策をお伝えします。
その解決策とは
あらかじめ『話す内容を書いた台本』を用意する、という事です。
彼らが嫌がる理由のほとんどは「やったことがない」「やり方が分からない」
ことに対する心理的なブレーキです。やり方さえ提供すれば、行動させる事は
可能です。
「どういうはがきを書けばいいのか」「どういった電話をすればいいのか」と
いう内容を簡単にまとめて、まずは実際に電話をかけさせて下さい。
中には「スタッフが忙しすぎて対応する時間が無い」というケースもあります
が、その場合は追客を行うための時間をブロックする必要があります。
やってもらうと分かりますが、このステップは行うことでスグに売上があがり
ます。やらずにいたら、その売上は他の医院に持っていかれますから、この小
冊子を読み終えたら本当にすぐに実行して下さい。
あなたはその結果に驚くと思います
45
ステップ 4:『単価』を上げる工夫
次のステップでは患者さんごとの「単価」を上げていきます。
単価を上げるにはズバリ、「自費治療率」を上げる事です。
自費に関しては「あんまり勧めたくないな」という先生も多いです。その気持
ちは分かります。
自費治療が勧められない、その背景には「無理に勧めて患者さんが嫌がるんじ
ゃないか...」という心理的なブロックが見られます。
ですが、ご存知のとおり利益を最大化する上で「自費治療率アップ」以上に重
要な部分はありません。
それなのにほとんどの先生は自費治療に関して、患者さんが自分から希望する
ことをただ待っているだけ...というのが現状ですね。
もちろん待っていたとしても今以上に自費の患者さんが増えることはありませ
ん。
少し、考え方を変えてみてください。
...どんな患者さんでも自分の大事な身体の一部である歯は大事にしたいと思っ
ています。 ですが、そもそも患者さんは自分が自費治療を受けることでどんな
メリットがあるのかを知りません。
実際に払う治療費は別に考えたとして、
保険治療の「銀歯」と見た目が自然な「セラミック歯」だったら誰もが「セラ
ミック」を選びます。
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ところが患者さんは自費治療に対して説明がされていない以上、最初から選択
肢が無い状態です。
歯を治療するプロである、あなたはもちろん自費治療の良さを分かっています
が、患者さんは何も知らないのです。
あなたが歯科医院で治療される側だったとしたら「経年変化で色が黒く変色す
る銀歯」と「見た目が自然で長持ちする歯」だったら、どちらを選びますか?
...もちろん「見た目が自然で長持ちする歯」だと思います。
本当は誰もがより良い治療を受けたいと思っています。治療に掛けられる費用
には限りがあるとしても、よりよい治療方法があるのであれば説明はして欲し
いと考えるでしょう。
あなたは患者さんに治療方法を説明してあげる必要があります。
自費治療の良さを説明をせずに、ただ単に「売上を上げたい...」と思っていても
それはただの妄想でしかありません。
現実的な行動を起こす必要があります
患者さんに感謝されながら
自費治療を勧める方法
ここまでお話をしていても「自費治療は患者さんが嫌がるから...」という先生は
たくさんいると思います。
それなら...もし「患者さんに喜んで感謝しながら自費をお願いされる」という
状況が起きたらどうでしょうか?
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まだ勧めることに躊躇するでしょうか?
恐らく「喜んでくれるなら、自費を勧めたい」と感じるのではないでしょうか?
自費治療に関して「患者さんが嫌がるかもしれない」と思っているのは間違い
です。正確には「嫌がる患者さんも中にはいる」というのが真実です。
なぜ嫌がる患者さんがいるのかというと、それは嫌がる患者さんに「無理強い」
するからです。そらなら逆に、初めから自費治療を必要としている患者さんに
「だけ」勧めてみてはいかがでしょうか?
「道場さん、そんなこと最初から分かったら簡単ですよ。
それができたら最初から自費を勧めるよ」
と思いましたか?
それでは自費を必要としている患者さんを見つける方法をお伝えしましょう。
...それは来院された患者さんに『治療前アンケート』で自費治療に興味がある
かを事前に聞くだけで完了します。
これは毎月かなりの数の自費治療を獲得している医院の秘密の「裏ワザ」です。
アンケートをもらえば、その回答によって「自費治療を希望している患者さん」
と「必要としていない患者さん」に分かれます。
最初から興味が無い患者さんに勧めると嫌がられますが、アンケートによって
「自費の説明を希望する」患者さんが分かれば迷うことはありません。その患
者さんにとってベストな治療方法を説明してあげることができます。
もしあなたが自費治療を獲得する『治療前アンケート』を実施していなければ、
行うことを強くオススメします
48
患者さんが受け取る「メリット」=価値
アンケートで自費治療に興味を示した患者さんには、自費治療が保険治療にく
らべていかに優れているのか、きちんと説明してあげてください。
説明をする際には、紙芝居タイプの資料やスライドをあらかじめ作成しておく
といいでしょう。
ここでも私が医院で実際に使ってもらっている『読むだけで自費治療がとれる
紙芝居』の画像を掲載します。
【紙芝居のイメージ画像】
こういった紙芝居を1枚1枚めくっていって順を追って説明します。すると患
者さんにとって必要な情報がイメージとして自然に伝わります。また治療後の
外観や「メリット」も論理的にわかるので患者さんは安心して自費を選択する
事ができます。
大事なことですが、紙芝居の資料・スライドには自費治療でかかる金額をしっ
かりと明示しておいてください。料金が分からないと患者さんは「いくらする
んだろう」と不安になるからです。
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料金を伝える際にも、治療費用を耐用年数で割って1日あたりでいくらの料金
になるのか...まで説明して上げるとより患者さんは実感しやすくなります。
例えば、
仮に自費治療に1本10万円、耐用年数が10年のメタルボンドを提案したと
すると、1日当たり「10万円÷(10×365日)=27円」の負担になりま
すよ。というふうに患者さんにお伝えするのです。
10 万円かかる治療費だけど、一日辺りに換算するとたったの 27 円...一見高そう
に見える自費治療もかなり違った印象にみえてくるでしょう。歯は患者さん自
身の身体の一部です。それに対して投資をする事の大切さをきちんと教えてあ
げる必要があります
また自費の具体的なメリットは患者さんによって変わってきます。
たとえば、同じセラミックの歯を提案するにしても、ある人には「見た目が綺
麗になりますよ」と説明をしたり、別の人には「口臭が発生しづらくなります」
といったように患者さん1人ひとりに合わせた提案ができるのが理想です。
患者さんが感じるメリットに関しては、年齢や性別によってある程度決まって
くるので説明を繰り返してくると段々と見えてくると思います。
ほかにも効果的な方法があります。
それは「実物を見せる」事です。治療内容の説明の際に「保険で使用する歯」
と、「自費治療で使用する歯」の実物を実際に患者さんに見せてあげて下さい。
自費による治療のクオリティをイメージする事ができると、患者さんの感情が
動いて成約する可能性が上がります。
自費治療と保険治療の明確な差を知った患者さんは自分から進んで自費治療を
お願いしてくるようになります。
50
治療内容の説明には
「何分」かけるべきか?
私がクライアントさんから尋ねられる質問で多いのが「治療内容の説明にはど
のくらいの時間をかければいいのか?」というものです。
説明に費やす時間は、患者さんが治療内容を理解して申し込みたくなるのであ
れば短くても構わないのですが、ここでは目安としての時間をお話します。
自費治療に関する内容の説明は最低10分以上の時間を掛けて下さい。
もちろん長ければ良いというものではありませんが、時には診療時間のすべて
を使って患者さんが安心するまでゆっくりと説明してあげる必要がでてくるこ
ともあるでしょう。
実際に初診の時、すべての時間を自費治療の説明に使う医院も存在します。
その医院は多くの歯科医院が密集している激戦区にあります。ですが、地域一
番の利益を誇っています。自費治療の説明をしたところで患者さんが離れてい
くわけではないという事の良い例ですね。
自費を勧める上で押さえておきたいのは、患者さんの視点で本当に必要な提案
をしてあげるという事です。きちんと説明して必要性を理解した患者さんは自
分から自費治療を希望してきます
最も大切な初回一度目の治療体験
自費治療率を上げるコツをもう 1 つ紹介します。
51
自費を受けた事のない患者さんに対して、まずは最初の一本の自費治療を受け
てもらう事に集中します。もちろん無理に説明するのはダメですが、丁寧に分
かりやすく根気強く自費のメリットを伝えます。
実際に自費による治療を一回でも受けた患者さんは、その後 2 回目以降は自ら
進んで自費を求めてくるようになります。
これはとても興味深いのですが、一般的に料金設定が高めのサービスを購入す
る人はその関連サービスをすでに受けたことのある人だという統計がでていま
す。
自費治療を全く受けたことのない人に対して、一度でも受けたことのある人は
その良さを自分自身で知っています。
一度でも自費による治療の内容を体感した患者さんはそれ以降の治療に対して、
よりクオリティの高い方を選ぶという傾向があるというワケです。
これまでお話してきた事を実行してもらうと、今までと比較して平均単価が上
がってくることを実感してもらえると思います。単価が上がるのでもちろん利
益も向上してきます。
この段階で利益を作るための仕組み化の3割ぐらいは済んだことになります。
ステップ 5:
『リコール(リピート)』の工夫
単価アップの対策が済めば、次はリコール(リピート)の工夫です。
リコールの仕組みは一度作ってしまえば、それからはずっとその仕組みを使い
続けることができます。今の時点でしっかりとしたリピートの仕組みがないの
であれば、すぐに取り組んでもらうことをオススメします。
52
リコールの仕組みは一度作ると本当に強力です。
もしあなたの医院で過去に数千人の患者さんがいたなら、リコール(リピート)
の仕組みをつくるだけでずっと医院の運営が成り立つほどです。
ご存知の通り、歯の治療に訪れる患者さんの一部は虫歯の原因になる「習慣」
を持っています。虫歯になったことのある人の一定数はまた治療が必要となり
ます。虫歯になってしまった患者さんはもちろん歯の治療をすることになるの
ですが、必ずしも以前に行った事のある医院にいくとは限りません。
患者さんは本当になんでもない理由で治療する歯科医院を変えてしまいます。
また患者さんが歯科医院を選ぶ理由も大した理由ではありません。なんとなく、
「感覚」で選んでいます。そういった患者さんに自医院を選択してもらう為に
は継続した関係性を維持しておく必要があります。
また継続的なアピールは患者さん自身にとっても大切です。
自発的に歯の定期検診をする患者さんはほとんどいません。定期的な歯の検診
を告知しておくことで、患者さん自身の健康な歯を保つ意味もあります。
リコールの方法に関してはシンプルに「ハガキ」「電話」で定期検診を促すと
いう方法で構いません。
少し前にお伝えした、『追客』の方法とほとんど変わりません。
ですが、その際に押さえておくべきポイントがあります。
リコールを促す時に患者さんの名簿を見て、患者さん毎にどんな案内をすれば
いいのか考えてみてください。
ハガキを受け取る患者さんが「これは自分に必要な治療だ」、理解すると反応
する人数が大きく増えます。患者さんごとのリコールハガキを作るだけで、来
院する患者さんの数が 2 倍になることも珍しくありません。
53
あなたがもし、まだリコールの仕組みを持っていなければぜひ実際に作ってみ
て欲しいと思います。すぐに効果を実感してもらえるでしょう
※ハガキのサンプル
理想は3%の反応が取れる事
リコールを始めた最初の時点では、ハガキを送って1~2%の反応がでればま
ずまずです。
最終的な目標としては送った総数の3%を目指して下さい。3%という数字は
あくまで理想ですが、目標として充分に現実的な数字です。
100通送って3人の患者さんがリピートするような仕組みを作ることができ
ると、医院の経営はかなり安定します。新規患者がしばらく来なくてもビクと
もしない経営基板ができたといっても決して言い過ぎではありません。
リコールハガキを改善するためには効果の計測がとても大切です。
54
ほとんどの歯科医院では DM やはがきをだしてもまったく計測をしていません
が、それでは改善のしようがありません。わざわざ労力を費やして、リコール
ハガキを作るのにかなり勿体無い事をしています。
効果計測の具体的な方法については来院時にはがき、DM を持ってきてもらう
だけです。来院時に口頭で DM や「はがきをみましたか?」と聞くことでも計
測することができます。
こんなかんたんで手間無くハガキを改善できるのなら、行うべきですよね。
もっと効果的なリコール率の計測方法
リコールのハガキやダイレクトメールを送る際のポイントは、
「一度に大量の患者さんに送らない」
ということです。
一度に全ての患者さんにハガキを送ってしまうと、改善しても送る宛が無くな
ってしまいます。
ハガキを送る患者さんを100~200通に分けることで、反応率をどんどん
向上させながらテストしていく事ができます。やったことがない場合は少し面
倒に感じると思います。ですが、安定した集患の仕組みが実現できることを考
えるとやるだけの価値があるでしょう。
さらに原稿については「宛先による選別」「送付する時期」「送付するサイク
ル」などによって文面を調整するということもできます。送付するサイクルは
四半期など定期的に送ることでより高い反応がみられます。
忘れてはならないことは、DM やはがきでのアプローチは、”もう一度、来院し
てもらうこと”です。
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決していきなり高額な治療を売り込むことではありません。まずは来院しても
らう事が目標です。
自費治療などの案内は患者さんが医院に治療に来た際にしっかりと説明してあ
げてください。
ステップ6:『紹介』
ステップ6は『紹介』です。
このステップまで来るとたくさんの患者さんを受け入れる準備は出来上がって
きています。
『紹介』は世界ナンバーワンの経営コンサルタント、ジェイエイブラハムがい
う最もすぐれたマーケティング方法です。
コストをほとんど掛けずに、優良な患者さんを集めることのできる方法になり
ます。
それでは患者さんを紹介してもらう、具体的な内容に入りましょう...
まずは『紹介』してもらう相手を見つけます。
地域のさまざまなお店にアプローチしてみるのです。
はじめてもらうと意外に思うかもしれませんが、快く受け付けてくれる所がた
くさんあります。最初は抵抗を感じるかもしれませんが、1つでも紹介してく
れる相手が見つかると後は苦労しません。
そうして提携先に医院の広告やパンフレットを置いてもらったり、直接オスス
メしてもらいます。あなたの医院に来たことが無い人に医院のことを知っても
らえる機会を作り出していきます。
「紹介」してもらうことの最大の利点は信頼がシフトする事です。
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紹介がとても強力な集患の方法だというのには、理由があります。
紹介された患者さんは、紹介してくれるお店のお客さんです。
患者さんからすると紹介者に対する信頼がそのままあなたの医院の信用になり
ます。これは言い換えると、患者さんとの信頼関係を1から構築する必要がな
いということです。すでにある信頼関係がそのまま生きてくるということです。
例えばあなたが散髪をしようとして髪をどこで切ろうかと考えている時に、友
人から「〇〇の美容院がいいよ」とオススメされたことはあるでしょうか?そ
して「彼が言うなら一度いってみよう」と実際に行ってみたことはありません
か?
信頼のおいている友人が言うのだから一度行ってみよう...こういった事は日常
的に起こっています。私達は特別にこだわりを持っているモノを除いて、基本
的に周りにいる人の意見を参考にします。
もう一つの例を出すと、ネットでの大手ショッピングモール、アマゾンなどで
本を買う例があります。あなたがこれまで読んだことのない書籍を買う場合、
どんな情報を参考にするでしょうか?
...それは書籍の「レビュー」ですよね。人がその本に対してどんな意見を持って
いるのか、参考にすると思います。
一瞬で患者さんと信頼関係を構築する
このようにインスタントに信頼関係を構築できてしまうのが、「紹介」です。
「紹介」は様々な業種で最も強力な営業手段として活用されています。
具体的に紹介をお願いする店舗としては「整骨院」や「美容院」「理容室」「ク
リーニング屋」「お米屋」「高齢者向けの施設」「飲食店」などの店舗がいい
でしょう。こういった店舗と提携してあなたの医院を紹介してもらう流れを作
っていってください。
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いいことづくしの「紹介」マーケティングですが、実行するに当たっていくつ
か注意することがあります。
紹介マーケティングを成功させるには、押さえておくべきポイントがあります。
ただ単に「紹介」をお願いしてもうまくいきません。
紹介をお願いする際に大事なのは、相手があなたを紹介することに対する「メ
リット」をしっかりと伝えるということです。
これは当たり前といえば当たり前ですが、相手がメリットを感じる事がなけれ
ば「紹介」マーケティングは成立しません。紹介する側、される側がお互いが
ウイン・ウインの関係を作り出す必要があります。そして相手に紹介する「メ
リット」をしっかりと意識してもらうことです。
分かりやすい例だと「1件紹介頂くごとに〇〇円を支払う」というような条件
があります。先方に紹介コミッションを説明して了解をもらえれば、実際に作
成した紹介用のチラシやパンフレットを渡してください。
紹介チラシやパンフレットについても、どういった内容が反応を取れるのか効
果を計測してください。
一見「やることが多そうだな‥.」と感じるかもしれませんが、一度流れを作っ
てしまえば後はスタッフに任せてしまうことが可能です。
ここで紹介しているシステムはどれもがやる前は面倒に感じても、一度行うこ
とであとは任せてしまうことのできる内容です
ステップ7:『新規客』を集める工夫
いよいよこのステップから新規の患者さん獲得に取り組みます。
...もしかするとあなたは「どうして新規患者を集めるのが最後のステップなの
か?」と思うかもしれません。
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その理由は単純に新規客の獲得が一番費用がかかるからです。
利益を上げる際はコストがほとんど掛からない部分から取り組んで行くことが
重要です。使える資金や時間が限られたなかで、いきなり大きな投資をしてう
まくいかなかったら次の手が打てません。
集患をギャンブルにしないためには適切な順番で利益を向上させる必要があり
ます。そのような理由で「単価」アップをしてから「リコール」、「紹介」そ
して「新規患者の獲得」という流れで説明してきました。
この最後のステップ、新規客を集める仕組みを作れば利益を『最大化する仕組
み』が完成します。
それでは具体的な内容に入っていきます。
新規客の獲得に関しては「広告媒体」を効果的に活用していくことになります。
ここまでの段階で来院する患者さんの分析、地域のライバル医院の分析、自医
院の分析を終えています。これは患者さんが「反応せずにはいられない」メッ
セージができているという事がいえるでしょう。
そのメッセージを適切な媒体で効果的にアピールしていきます。
これまで広告を売ったことがあったとしても、明確なメッセージを提示して行
く事でこれまでとは異なる反応が期待できます。
広告を打つ場所としては、
●オフライン広告(インターネットを使わない広告)
・地域誌
・チラシ
・ポスティング
・看板
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●オンライン広告(インターネット上の広告)
・ホームページ
・スマホホームページ
・Google やヤフーでの広告(PPC、リスティング広告)
...などの広告媒体です。
地域のコミュニティ誌やチラシなどのオフライン広告(インターネットを使わ
ない広告)に関しては、あなたもこれまでに利用した事があるかと思います。
この冊子でお伝えしてきた「単価アップ」「リピート改善」というステップを
経由した後に広告を出せば、今までとは違った結果を実感してもらえるでしょ
う。
※新規患者獲得のチラシサンプル
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次はインターネット上の広告媒体、「オンライン広告」に関してです。
※インターネット上の広告イメージを載せておきます。
PPC 広告、バナー広告など
これはチラシやポスティングなどと違い、ある意味で最強の広告手段です。
その理由はオフラインのチラシやダイレクトメールと違い、広告の成果が即時
に分かるからです。出してみた広告の反応が良くなかった場合、その場ですぐ
に改善をすることが可能です。ムダな広告費を押さえて、素早く改善すること
ができるというのは大きな利点です。
他にもメリットはあります。
それは医院が「駅から遠い」など地理的に不利な場合でも関係なくアピールで
きるという点です。
インターネット上で検索している患者さんは医院のホームページを開いて、し
っかりと内容を見るまで医院がどこにあるのか分かりません。広告を見てクリ
ックした先で、あなたの医院の「特徴」や「強み」をきちんと伝えることがで
きれば高確率で来院へと繋げることができます。
この後のページでもう少し詳しい内容をお伝えしていきますが、「オフライン
広告」「オンライン広告」ともに大事な前提はやはり『効果の計測』を行うと
いう事です。
広告の『効果』を確認しながら改善していくことで、より高い反応を継続的に
得る事ができるようになってきます。覚えて置いて欲しいのは”最初は小さくテ
ストをする”ということです。最初は広告費を掛けずにテストしていき、ある程
度反応がとれるようになってきたら徐々に広告費を上げていく...ということが
成功の鉄則です。
もう1つ注意すべきは広告の表現に関してです。
「医療法」「薬事法」を考慮しながら反応のでる広告をテストしていってくだ
さい
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ホームページを作っても
患者さんが来ない理由
歯科医院向けのホームページ制作は他の業種と比べて高額なものが多く、1 つ制
作するのに数百万円かかるということも一般的です。もちろんそれだけのコス
トを掛けるということは”多くの患者さんが訪問するだろう”という「結果」を期
待しているでしょう。
しかし、それだけの大金を掛けて制作したホームページでもまったく集患に繋
がっていないケースはよく見られます。
その理由はすでにお話したように”ホームページ自体に患者さんを集める力が無
い”という事です。どれだけキレイなホームページを見せたとしても、患者さん
があなたの医院を選ぶ理由とはほとんどの場合関係がありません。
それよりも大事なのは患者さんにとって”あなたの医院がどんなメリットを提供
できるのか?”というメッセージです。ホームページに来た人が「この医院に治
療を頼みたい」と感じるかどうかが大切です。
そのような点から”来院に繋がるホームページ”を作るには集患に関する知識は
無くてはならないものです。ホームページ制作業者は「医院の良さをアピール
しましょう」とそれっぽい事をいいますが、ほとんどの業者が集患に関する実
践的な知識を持っていません。
ホームページ制作業者はあくまでデザイナーです。見た目の綺麗なサイトを作
るのが彼らの仕事です。
...それと、もう一つホームページが来院に繋がらない理由があります。
この冊子でもお伝えしてきましたが、医院の強力な「強み」を作るには『3C
分析』などのしっかりとした分析が必要になってきます。もちろんホームペー
ジ業者にはこういった分析をする技術はありません。
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世の中には沢山のホームページ制作会社がありますが、ホームページを制作す
る際に『3C 分析』を行っている業者はほとんど存在しません。
かぎりなくゼロに近い状況です。しかもそういったほとんどの会社は大企業を
相手にしています。費用も高額で、一般的には依頼することすら難しいという
のが現状です。
それでは一般的な歯科医院がホームページを使って増患することはできないの
でしょうか?
...そんなことはありません。
あなた自身が増患できるホームページに必要な要素を知り、業者を活用してホ
ームページを改善していく事は可能です。
ここからは増患に繋がる医院のホームページの構築方法の話をしていきます。
集患に繋がるホームページの作り方
ここからは少し専門的な内容の話になります...とはいえ、あなた自身がホーム
ページを作るワケではないので安心して下さい。これらのポイントを理解して
上で制作業者を活用していくことでホームページホームページを改善してポイ
ントについてお話します。
ホームページには「訪問者を分析するツール」を設置する事が出来ます。有名
なところでは Google の提供している「アナリティクス」というようなツールで
す。
こういった「分析ツール」を使うことで、あなたの医院のホームページをどの
ように改善すればいいのか分かるようになります。
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●「訪問者数」と「反応率」
ホームページを運用するに当たって、ただ沢山の人に見てもらえばいいという
ワケではありません。治療を考えている人に見てもらうことはもちろん、ホー
ムページを見た人が実際に来院するということが大切です。
そのためにはホームページの「訪問者数」と「反応率」というキーワードを把
握しておく必要があります。
ここではシンプルにそのキーワードの意味を説明します。
「訪問者数」とは医院のホームページに来た個別の訪問者の数です。
日ごと、週ごと、月ごとのホームページに来た人数をカウントしておきます。
「反応率」とはホームページを見て実際に「治療予約」や「問い合わせ」の電
話を掛けてきた数です。
「訪問者数」と「反応率」が分かると、あなたの医院のホームページの『集客
力』が分かります。
この公式をみてください。
『訪問者数×反応率=成約数(予約数)』
この公式から分かるように「訪問者数」と「反応率」の2つの数字を効率よく
上げていく事で成約数が向上していきます。
「訪問者数」が少なければそもそも予約数も少ないですね。また逆にどれだけ
「訪問者数」が多くてもホームページを見て予約する人が少なければ意味があ
りません。「反応率」を上げて予約数を増やす必要がでてきます。
ホームページを改善する上で、「まず最初に何から手を付けたらいいのか分か
らない」という質問をよくもらいますが、そのような場合はまず「反応率」を
上げてから「訪問者数」を増やしていくと良いでしょう。
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「反応率」を上げるにはどうすればいいかというと、ここまでで紹介してきた
医院の『強み』をしっかりとホームページ上で伝える必要があります。ホーム
ページに訪れた患者さんに医院のメッセージや価値観などを伝える事で、反応
率を向上させていきます。
特に注意すべき箇所は、トップページなどの最初に表示される部分です。トッ
プページでは「医院名」だけをアピールしていたり、なんとなく雰囲気が良い
だけの言葉を見せている医院がほとんどです。しかし多くの医院がある中、患
者さんに「ここで治療しよう」と選んでもらうためにはきちんと医院としての
強みをアピールする必要があります。
ここまでで「反応率」を上げる対策をホームページに施したら、次に「訪問者
数」を増やしていきます。「訪問者数」を増やす具体的な方法としては「SEO
対策」と「PPC 広告」の2つがあります。
●SEO 対策
「SEO 対策」とは Google やヤフーなどで検索された際に、ページの上の方に
表示されるように調整する対策のことです。医院のホームページへの「訪問者
数」を向上させる代表的な方法です。
あなたもこれまでインターネットなどでなにか調べたりした事はあると思いま
す。
その際に調べる「キーワード」で検索した結果、出てきたページを順番に見て
いくことだと思います。
そうして表示されたページのうち、実際に見るページはどのくらいでしょう
か?ほとんどの場合、最初の 1 ページ...多くても 3 ページ位までではないでし
ょうか?検索した結果、関連がありそうなページを次々に何ページにも渡って
調べ続ける人はほとんどいません。
そしてこれは歯を治療するために検索している患者さんも同じです。
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ヤフーなどで検索された際は検索後の「最初のページ」に表示されていなけれ
ば発見してもらう事ができません。せっかく作ったホームページを見てすらも
もらえません。
例えば、
「○○市 歯医者」と検索したとして、あなたの医院が表示されるのが 4 ページ目
だとします。このような状況の場合、どれだけ反応率の高いホームページを持
っていたとしても意味がありません。
理由は単純に”医院のホームページが見られていない”からです。
見られていなければもちろん、予約にも繋がりません。
このような場合は「SEO 対策」を行うことで、上位ページでの表示をさせる事
が可能になります。
先ほどお伝えしたように、検索後 1 ページ目に表示されないホームページは検
索する患者さんからしてみれば「存在しない」ことと同義です。どれだけ高額
でキレイなホームページを用意したとしても、誰にも発見されなければ全く意
味がありません。
検索した患者さんが認知できる場所に持っていく必要があります。そしてそれ
を可能にするのが「SEO 対策」になります。
次からは SEO 対策の具体的な部分を紹介します。
SEO の対策方法
SEO には「内部対策」と「外部対策」という2つの対策があります。
内部対策とはホームページ自体を改変する作業です。
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これは高度な専門知識が必要となってきますので、自身で対策を行うことは困
難です。実際に行う場合は業者に頼む形となるでしょう。
もう1つの対策、「外部対策」については今は安易に行わない事をおすすめし
ています。このところグーグルの検索方法に変更があったので、外部対策の効
果はほとんどなくなっています。
以前は「外部対策」の方法として、同じ地域にある一般店舗でホームページを
持っているところにリンクを依頼するという方法などで SEO 対策を有利に進め
ていた事がありました。
SEO の業者から外部リンクを購入して医院のホームページに貼り付けておけば
グーグルなどで上位に表示することができていました。
ですが、いまは以前と状況が変わりました。
安易な外部リンクを貼ると逆に順位が下がるような事が起こっています。
SEO 業者の中ではいまだに「リンクを貼ることで表示順位が上がりますよ」と
いって販売しているところもありますが、注意が必要です。
酷い時にはグーグルの判断で検索結果から医院のホームページが削除されてし
まうこともありえます。
SEO に関してまとめると、基本的にはプロに任せたほうが良いといえるでしょ
う。
●PPC 広告
インターネットでの最も強力な集患媒体
「訪問者数」を上げるステップで最後に紹介するのは PPC 広告です。
PPC 広告とは Pay Per Click(ペイ・パー・クリック)の略称で、クリックをす
る度に課金されるタイプのインターネット広告のことを意味します。
Google やヤフーなどで検索した時に検索結果の画面上部に少しだけ色の違う箇
所があります。(※図 A を参照)この部分は検索されたキーワードに関係のあ
る広告が表示される仕組みになっています。
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※図 A
赤い点線で囲まれた部分が PPC 広告です
SEO 対策とは関係なく広告として表示されるので、広告を設定した後スグに反
映されるという利点があります。また実際に料金が発生するのは広告リンクを
クリックされた時だけなので、ムダなコストが抑えられるというところもポイ
ントです。チラシや雑誌広告などのオフライン広告ではこのような料金のスタ
イルはありえません。
この PPC 広告の最も強力な部分は、「あなたが設定したキーワード」によりあ
なたが集めたいターゲットの患者さんを短期間に集めることができるという点
にあります。うまく「キーワード」を設定することによって、優良な患者さん
だけに絞って広告を出すことができるのです。
例を挙げると、「埼玉 インプラント」というようなキーワードで検索している
人がいるとします。そういった人は当然ながら「埼玉県」で「インプラント」
を検討している人です。
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自分から望んで治療を求めている患者さんですね。場合によってはスグにでも
治療を検討している可能性があります。つまり「今すぐ客=優良顧客」です。
PPC 広告の最大の利点はこのような「今すぐ客=優良顧客」に直接アピールで
きるところです。
さらに広告を設定したら数分後には反映され、早ければ設定した当日から予約
の電話が鳴り始めるという結果の早さも魅力です(もちろんしっかりと反応の
とれるホームページにしておく必要があります)。
短期的に効果がわかる PPC 広告
検索された結果、表示される部分は図のとおり(※図 A を参照)「検索された
結果」よりも上に表示されます。
検索する人は画面の上部から順番に結果を見ていくので目につきやすく、PPC
広告で 1 位に表示させることができればその効果は絶大といえます。
とても効果が高い PPC 広告ですが、1 クリック毎に課金されていくので費用対
効果をしっかりと考える必要があります。歯科関連の PPC 広告費用は安くあり
ません。一度のクリックで数百円単位でコストが掛かってきます。
上限を設定しなければクリックの数に比例して料金は上がっていきます。
これまでも効果を計測することの大切さについてはお話してきましたが、PPC
広告は他の集患方法よりもしっかりと計測する必要性があります。
仮に 5000 円の広告費で一人の患者さんが来院したとして、その患者さんからの
利益が 5000 円を下回る事があれば当然ながら利益は残らないどころか赤字に
なってしまいます。
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逆に同じ 5000 円の広告費でも、掛けた費用以上の利益が出るようになっていれ
ば、広告を出せば出すほど来院数は増え、利益も増えることになります。
それには先にお話しした「客単価」アップの施策を用意しておく必要がありま
す。
自費治療をきちんとアピールできる体制を作っておければよいでしょう。さら
に一度来てくれた患者さんにリコールを行うことで治療回数も増やすことがで
きます。
まとめると、PPC 広告は予め利益を上げることのできる仕組みを作っておくこ
とで効果を最大限に発揮できるということです。事前に戦略を構築しておきま
しょう。
ここまでお話してきた「SEO 対策」と「PPC 広告」を活用することでインター
ネットを使った新規患者さんの獲得に関しては十分な結果を得ることができま
す。
先に紹介したようにホームページへの「訪問者数」と「反応率」を着実に向上
させていく事を意識してください。最初は費用を抑えながら小さくテストしつ
つ、効果が見られたら拡大していくというように進めていけばよいでしょう。
一度構築することで
駆動し続ける仕組み
ここまでで「単価アップ」「リピートアップ」「新規患者数アップ」という流
れで7つのステップを紹介してきました。
このステップに従って実行していってもらえば、増患を実現することは可能で
す。
もしかするとあなたは初めての事ばかりで「まず何をすればいいのか」悩むか
もしれませんが、安心して下さい。
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どの医院も初めは『仕組み』を持っていません。
最初はどの医院も地域のライバルに患者さんを奪われないように対策を始めま
す。そして効果を計測しながら改善していくことで、地域で一番の安定した集
患を実現します。
どのように進めていいのか分からない場合は最初にステップから順番にひと通
り取り組んで下さい。あなたが行動しなければ、いつまでも状況は改善しませ
ん。
この冊子を是非何度も読み返して、集患のハンドブックのように活用して欲し
いと思います。
安定した集患を実現する為にあなたが
知っておかなければいけないこと
最後に、あなたに警告しておかなければならない事があります。
私は過去に、これまでお話してきたような『集客の仕組み』を知らなかったこ
とで、本当に沢山の費用と時間を失ってきた経営者を見てきました。
『集客の仕組み』を持たない経営者は、”ただ単純に良い商品”さえ提供していれ
ば、あるいはホームページさえ持っていれば売上に困ることはないだろう...と思
い込んでいます。
そのような経営者は、集客の重要さとその方法についても理解していません。
そのせいで従業員・スタッフとの関係、家族との関係や自分の大切な時間の多
くを犠牲にしてそして多くの借金も抱えて、悩んでいた方もとても多いです。
歯科医院もビジネスとして考えた場合、院長先生(オーナー)は経営者です。
そして経営者は孤独です。理由が不明の原因で患者さんが徐々に減り続け、毎
年の売上が徐々に下がり続ける事になっても相談できる人がいません。
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周りに相談しても解決に繋がるような事はほとんどなかったと思います。
ここまでくれば、あなたもこの『仕組み』を構築することの価値を理解してく
れていると思います。なぜならそれはあなたの医院の未来を左右するほど重要
なものだからです。
最後に、
あなたがまず「最初」に
やるべきこと・・・
ここまでかなりたくさんの対策をお伝えしてきました。
「むずかしそうだな・・・」とか、そもそも「これは無理だ」と感じたかもし
れません。ですが、安心して下さい。
すべてをあなたがやる必要はありません。
「どんな対策をすればいいのか?」さえわかれば、ピンポイントで改善するこ
とも可能です。
最後になりますが、そのためにあなたが「最初」に必ずやらなければならない
ことをお伝えします。
それはステップ1でお伝えした『アンケート』です。
本当に大切なことなので重ねて言いますが、かならずステップ1でお伝えした
『アンケート』を実践してください。
『アンケート』がなければ、そもそも何が問題なのか分かりませんし、次に何
をしたらいいのか全く分かりません。
『アンケート』をとる目的は、シンプルです。
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目的は「なぜ他の医院ではなく、あなたの医院に来てくれたのか?」
それをハッキリと明確な形で知るためです。
それがわかれば、同じ地域に存在するライバル医院との違いが見えてきます。
そして「なにを」「どうすればいいのか」という具体的なアクションの方向性
が見えてきます。
「ホームページにお金をかける」「新しいマーケティングの手法を探す」「効
果の計測できない看板などの媒体にお金をかける」
これらはどれも現状の改善には繋がりません。
これまでやったことのない「手法」を探すのではなく、今の現状をハッキリと
把握してください。
そうすることで必ず具体的な対策が見えてきます。
伝えたいことが多すぎて、とても長い冊子になってしまいました。
ですが、ここまで読んでくれて本当にありがとうございます。
あなたの医院のご活躍を祈っています。
株式会社あおい総合研究所
道場明彦
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株式会社あおい総合研究所
代表 道場明彦(みちばあきひこ)
株式会社あおい総合研究所代表
「零細企業」の事業再生、売上アップのプロフェッショナル。
元は司法書士として600件以上の債務整理案件を担当していたが、ある日零
細事業者からの借金相談に対し、借金は解決できたが根本にある経営不振への
アドバイスができず、有効な解決ができなかった。結果として、その零細事業
者は経営難を苦に自殺を図る。
法律の知識だけでは零細事業者を助けることはできないと痛感し、それをきっ
かけに司法書士を辞め、会計業界へ転身。税務会計、経営のスキルを身に付け、
零細事業専門の事業再生コンサルタントとしてあおい総研を設立。
これまで製造業、自動車整備業、飲食店、クリニック、造園業、士業など多種
の業種のコンサルティングを行い、資金繰り難への対処や売上増を果たしてい
る。
趣味はバンド活動、好きな食べ物は蕎麦。
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