株式会社機能食品研究所で茶話会が開催されました 平成 22 年 12 月 8 日 平成 22 年 11 月 17 日(水)12:00∼15:00、株式会社機能食品研究所主催の茶話会が津 センターパレスにて開催されました。 まずは、昼食をとりながら、今回の講師の三重大学工学部ナノセンシング研究室の野呂雄 一准教授と懇談、先生は元々「音」がご専門で、行政などからの依頼により、騒音被害な どの調査をされた経験などのお話しもお伺いすることができました。 今回は、野呂雄一先生の研究テーマ、 『音によるかゆみ評価装置の開発∼アトピー性皮膚炎 の治療方法の確立を目指して∼』という題の講演です。 このテーマは、平成 18 年度メディカルバレー医工連携型医療機器等研究開発委託事業、平 成 21 年度メディカルバレー知的拠点活性化支援補助事業、平成 22 年度メディカルバレー 医工連携型医療機器等研究開発委託事業の共同研究として採択された案件です。 この研究のきっかけは、同じ研究室の教授が三重大学内のある委員会で皮膚科の水谷教授 から「ボリボリ掻く」という表現があるけれど、本当に音がするのかという質問を受けた ことだったそうです。 アトピー性皮膚炎は、日本では小児の 10.3%、成人の 7.4%が罹患している病気で、新たな 国民病とも言われる病気ですが、死に至る病気ではないため、対策が後回しにされてきた 病気です。しかし、死に至らなくても、日常生活では痒くて眠れないなどの深刻な影響も あります。アトピー性皮膚炎の治療法の確立のために、痒みの定量化が必要ですが、日中 の掻破行動は、掻かないように我慢するなどで定量化が難しいため、就寝中の掻破行動を データ化することが必要です。動画での目視は、就寝中の撮影によるプライバシー侵害の 問題や布団・毛布などによる死角の発生などの問題があるため、野呂准教授と三重大学医 学部皮膚科 水谷教授 磯田教授、三重大学医学部臨床創薬研究学講座 西川教授、機能食品 研究所の梅田社長は腕時計型のセンサーを両手に取り付けることで、アトピー性皮膚炎有 症者の就寝中の掻破行動をかなり正確に計測する装置の開発のための研究をしています。 計測装置を開発するに当り、最初にネズミの掻破行動において、装置によるデータと目視 によるデータを比較して、装置データの正確性を確認したとのことです。ネズミが後ろ足 で体を掻くための、足の回転速度は 1 秒間に 20 回以上ととてつもない速さであったため、 動画による目視の方法でもかなりご苦労が多かったとのお話しもして頂きました。 人間の痒みの原因はアトピー性皮膚炎ばかりではありません。他の疾病など多くのことに 応用できるものと期待されます。 機能食品研究所では定期的に茶話会を開催しており、同社が発行している機能食品通信 (http://www.ksk-lab.co.jp/news.html)で案内しています。是非ご参加下さい。
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