No.1723 - 東京都中小企業団体中央会

昭和 29 年 3 月 25 日 第三種郵便物認可 月刊(毎月15 日発行)
:平成 23年6月15 日
(第1723号)
No .
1723
6
2011.June
中央会インフォメーション
特
平成23年度 第59回
集
東京中央会通常総会
東京都中小企業団体中央会
エコアクション 21
認証・登録番号 0003381
http://www.tokyochuokai.or.jp/
り
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中小
723
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No
目
5
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1.
1
20
中小企業だより−中央会インフォメーション−
6 月号
2
6
7
特集 平成23年度 第59回 東京中央会通常総会
8
都議会に対し東日本大震災に係る支援策
の実施について要望いたしました
東日本大震災中小企業復興支援金を寄贈いたしました
エコアクション 21 無料個別相談会
10
「夏期の電力需給対策について」のポイント
13
「中小企業だより-中央会インフォメーション-」
夏季特別号暑中広告募集のご案内
14
情報連絡員報告 4 月
18
平成 22 年度中小企業組合検定試験
問題と解答(1)組合会計①
22
24
26
28
経営 Focus No.215
29
〜無料職業紹介所を開設しています!〜
30
東京都組合士協会レポート
組合会計相談コーナー No.489
グループ戦略策定支援特別対策事業
TOPICS(関東建設インテリア事業協同組合)
求人・求職にご活用ください!!
information
31
*お詫び
*クールビズの実施について(お知らせ)
*第63回中小企業団体全国大会(愛知大会)のご案内
中小企業だより
1
2011.6
特集 ■ 平成 23 年度 第 59 回東京中央会通常総会
震災からの復興に努力するとともに、
会員に対する相談業務の向上を図る
本会は、平成 23 年度 第 59 回通常総会を去る 5 月 17 日 ( 火 ) 午後 1 時 30 分より「秋葉原コン
ベンションホール ( 秋葉原ダイビル 2 階 )」において開催しました。
出席会員数 1,242 名 ( 本人出席 290 名、委任状出席 952 名 ) のご出席のもと、各議案の審議を
行い下記のとおり決議しました。
大村会長が、冒頭に挨拶を行った後、上程された 6 議案はいずれも満場一致、原案どおり可決されました。
各議案審議終了後、ご臨席いただいたご来賓を代表して、東京都産業労働局長・前田信弘様、中小企
業団体振興政策研究会会長 東京都議会自由民主党幹事長・三宅しげき様及び株式会社商工組合中央金
庫取締役常務執行役員・田中千洋様からご祝辞を頂戴しました。
………………
相談業務の向上を図り、中小企業の経営力向上に貢献
議案審議に先立ち、大村功作会長は挨拶の中で、
「東日本大震災に
よりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、被災
者の方々に心よりお見舞いを申し上げます。本会としても、震災の復
興にできる限りの努力をする決意であります。また、本会が募集した
東日本大震災中小企業復興支援金について、会員の皆様のご協力に対
して御礼を申し上げますとともに、被災中央会に直接お届けしている
ことをご報告します。平成 23 年度の我が国経済は、震災の影響も加
わり極めて厳しい状況にありますが、本会では最重要課題として会員
に対する巡回をはじめとする相談業務の向上を図り、中小企業の経営
力向上に貢献する所存であります。また、引き続き「組合間連携」の
推進と“環境の中央会”として「エコアクション 21」による環境経
▲東京中央会 大村功作会長
営支援を実践していきます。
」と表明しました。
中小企業だより
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2011.6
▲ご来賓の方々
▲主催者席の役員
…………………………
定款一部変更も含め原案通り可決決定
議長に大村功作会長、副議長に田中照恭常任理事を選任し、議案審議に入りました。
第 1 号議案 平成 22 年度事業報告書及び決算関係書類承認の件
第 2 号議案 平成 23 年度事業計画、収支予算並びに経費の賦課金額及び徴収方法決定の件
第 3 号議案 平成 23 年度常勤役員の報酬額決定の件
第 4 号議案 平成 23 年度借入金残高の最高限度決定の件
第 5 号議案 定款一部変更の件
第 6 号議案 定款変更認可申請における字句の一部修正委任の件
以上、各議案について堀内 忠専務理事ほか事務局から詳細に説明のうえ、すべての議案とも満場一致、
原案通り可決決定しました。
▲議案審議の様子
中小企業だより
3
2011.6
…………………………………………
来賓ご祝辞要旨
東京都産業労働局長 前田信弘 様
3 月 11 日に発生した東日本大震災は、東北各県などに大きな被害をもたらすとと
もに、広い地域に深刻な影響を及ぼしている。企業の売上は急激に減少し、原発事故
による風評被害や計画停電、この夏に予想される電力不足等、中小企業に関わる多く
の問題が生じている。このような問題に対して、企業や行政をはじめ各界が知恵を結
集し、創意工夫して乗り越える必要がある。東京都も近く緊急対策を取りまとめ、実
効性のある対応方針を打ち出す予定である。すでに災害対応融資や経営相談などの支
援策をスタートしているが、さらに補正予算を組むことにより中小企業等へのサポー
ト体制を確実にしていく。また、中小企業の経営や技術力改善については中央会と連
携して確実に進めていきたい。具体的には経営力向上 TOKYO プロジェクトを通じ
た経営指導や受注型中小製造業の競争力の強化に向けた支援事業を活用した技術力の
向上策等は中小企業振興に大きく貢献できると考えている。現在の困難な状況におい
て、企業間の連携や組織化を進める中央会の役割は大きい。東京都は中央会と手を携
え中小企業振興施策に全力で取り組んで行きたい。
中小企業団体振興政策研究会会長 東京都議会自由民主党幹事長 三宅しげき 様
東京都は、東日本大震災の被災地である岩手・宮城・福島各県に常駐の職員を配置
し、行政機能を失った南三陸町には 50 人の職員を派遣するなど、延 1 万人の職員を
派遣している。このように東京都は被災地復興に取り組んでいるが、今後、東京都の
税収は大きく減少することを覚悟しなければならない状況にある。都議会としては東
京都が活力を維持することが日本の復興に繋がると考えており、都内中小企業の皆さ
んが今何を求めているか、積極的にヒアリングを行っている最中である。また、協同
組合という共助の組織を支援する東京中央会が復興に果たす役割は大きいと考えてお
り、知恵をお貸しいただくことを期待している。
株式会社商工組合中央金庫取締役常務執行役員 田中千洋 様
東日本大震災は、企業の生産活動に甚大な影響を与え、また、消費者の購買意欲を
低下させる等、回復の兆しを見せていた我が国経済を厳しい状況に追い込んでいる。
震災の影響を払拭し、我が国経済を回復基調にのせるには、中小企業が創造性を発揮し、
確実に成長・発展することが不可欠であり、協同組合を中心とした連携組織の相互補
完の役割が期待されている。現在、中小企業を取り巻く金融環境は大変厳しい状況に
あり、商工中金は中小企業の金融円滑化に組織をあげて全力で取り組んでいる。震災
直後から営業店舗全てで相談窓口を開設し、
万全を期している。また、
復興のための様々
な施策が実行されているが、4 月に可決された補正予算において、商工中金の実施する
危機対応業務の総事業枠が大幅に拡充された他、1 社あたりの貸出限度額、利子補給額
の拡充も行われた。また、商工中金が確実に震災復興業務に取り組めるよう、商工中
金法が改正され、政府保有の商工中金株式の処分が延期された。商工中金としては災
害復興に取り組む中小企業を支えて行く事を最優先事項として取り組んで行きたい。
中小企業だより
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平成 23 年度 基
本 方 針
未曾有の“東日本大震災”により被災された多くの方々に改めて心よりお見舞いを申し上げ
ます。本会と致しましても、今回被災された中小企業の一日も早い復興に向けて、会員組合の
ご協力も得ながら可能な限りの支援をしていく決意であります。また、東京にあっても被害を
受けられた中小企業も多く、議会及び行政に対してその支援策を強く要望してまいります。
中小企業は、急激な円高をはじめとする激動する経済環境の中で、活路を求めて懸命な努力
を続けている最中、大震災による直接・間接の被害に止まらず計画停電等の影響も受け、確か
な将来展望が描き辛い大変な状況に晒されております。
しかし、我々は更なる経営力の向上により、この様な状況から脱却し生き残りを図っていか
なければなりません。そのためには、相互扶助の精神の下、不足する経営資源の共有と補完を
通じて経営力の向上を図っていく組合の連携力を活用していかなければなりません。特に、組
合や仲間からの的確な経営情報の入手が重要となっています。今回の大震災でも改めて“連帯
と相互扶助”の必要性が再確認されています。
そこで、本会は、その組合の活性化を支援することをまず第一と考え、積極的かつタイムリー
な巡回支援の実践を最重点課題として捉えると共に組合のワンストップサービスのための窓口
対応も強化して、組合の期待に応えてまいります。また、組合と組合員の活性化に寄与するため、
組合の枠を超えて不足する経営資源の更なる共有と補完を目指し「組合間連携」を強力に実施し、
ビジネスチャンスの創出に向けての触媒機能を果たすよう努力してまいります。
併せて、東京都からの支援策として 3 年目を迎えました「グループ戦略策定支援特別対策事業」
にも積極的に取り組み、組合及び中小企業の共同事業を通じた活性化に努めてまいります。さ
らに、本年度から全国中央会の新事業である「小企業者組合成長戦略推進プログラム等支援事業」
も実施して、小企業者組合の共同事業の改善や新規事業展開を支援してまいります。
次に、
“環境の中央会”として、地球温暖化を阻止し低炭素社会の実現を目指した中小企業の
環境経営システムである「エコアクション 21」をより一層推進し、電力・水の消費をはじめ経
費の節減を図り効率的な経営に取り組む中小企業を引き続き支援してまいります。
加えて、本会が東京都に要望しておりました日本の技術を下支えするものづくり中小企業の
競争力強化に向けた技術研究開発支援が、本年度より「中小製造業競争力強化支援補助金事業」
として実現を見ることになりました。中小製造業の技術力の向上に大いにご活用いただきたい
と考えます。
我が国全体が経験のない大変な苦境に立たされている現在、本会と致しましてもこの大震災
を契機として原点に立ち帰り、本会と組合そして組合員がスクラムを組み、正に三位一体となり、
“がんばろう日本 !”精神でこの困難を克服し、中小企業の復興、そして東京からの経済再生に
向けて頑張りますので、引き続きご支援・ご協力をお願い申し上げます。
中小企業だより
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東日本大震災中小企業復興支援金を寄贈いたしました
本会の大村功作会長は、東日本大震災で甚大な被害を受
けた各県中央会を訪問し「東日本大震災中小企業復興支援
金」を各県中央会会長に直接寄贈いたしました。5 月 11
日に岩手県中央会・鈴木宏延会長(当時・現在顧問)及び
宮城県中央会・後藤久幸会長、さらに 5 月 16 日に福島県
中央会・新澤昌英会長、5 月 30 日に千葉県中央会・坂戸
誠一会長、6 月 1 日に茨城県中央会・吉澤秀之副会長をそ
れぞれ訪問し、本会が会員組合の皆様からお預かりしまし
た支援金を寄贈するとともにお見舞い申し上げました。こ
5月11日、岩手県中央会 鈴木会長(当時)を訪問
の支援金は、被災地の中小企業及び組合等を支援するた
め会員の皆様から募ったもので、本会からの 601 万円な
ど合わせて総額 2,061 万円をお預かりしていたものです。
なお、支援金については、別表のとおり被災各県中央会は
じめ、日刊工業新聞社への寄託及び会員組合等見舞金など
として寄贈いたしました。
この度の大震災で多くの方々が被災されたことに対し、
心からのお見舞いを申し上げ一日も早い復興をお祈りいた
します。また、支援金にご協力いただきました会員組合の
5月11日、宮城県中央会 後藤会長を訪問
皆様に改めてお礼申し上げる次第です。
寄 贈 先
支援金額(円)
全 国 中 小 企 業 団 体 中 央 会
1,000,000
岩手県中小企業団体中央会
3,500,000
宮城県中小企業団体中央会
3,500,000
福島県中小企業団体中央会
5,000,000
千葉県中小企業団体中央会
1,500,000
青森県中小企業団体中央会
1,500,000
茨城県中小企業団体中央会
2,000,000
日刊工業新聞社への寄託、会員組合等見舞金
2,610,000
合 計
5月16日、福島県中央会 新澤会長を訪問
20,610,000
6月1日、茨城県中央会 吉澤副会長を訪問
中小企業だより
5月30日、千葉県中央会 坂戸会長を訪問
6
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事業者の皆様
主催:エコアクション 21 地域事務局 東京都中小企業団体中央会
エコアクション21 無料個別相談会
環境に配慮した経営が求められる中、事業者向けの環境経営への取組みの手
エコアクション 21
段として「エコアクション 21」が注目されています。本会では、
「エコアクショ
ン 21 とは ?」から、
「導入を検討している」
、
「認証・登録をしたい」方まで幅
広い内容で、専門家 (EA21 審査人 ) による無料の個別相談会を毎月 1 回開催しています。次回は下記
日程になっています。事前にご予約の上、どなた様もお気軽にご参加下さい。
◆「エコアクション 21」は、環境省が策定したガイドラインに基づき、財団法人地球環境戦
略研究機関持続性センターが認証機関となり実施されている制度です。同様の環境マネジメントシス
テムである ISO14001 に比べて、低コストで取得・維持ができ、さらに具体化された、わかりやす
い内容になっています。
◆「メリット」として、比較的短期間で構築ができ、経営合理化にも寄与する、中小企業に適
した環境経営システムです。コスト削減などとともに、環境活動レポートとして自らの活動実績の公
表が義務付けられており、取引先や一般消費者等に対して信頼性を向上させることも期待できます。
行政機関や大手企業が入札や取引の条件とする「サプライチェーンのグリーン化」にも対応できます。
開催日時
平成 23 年 6 月 22 日(水)午後 1 時半から
(一件につき 1 時間以内とさせていただきます)
場 所 : 中央区銀座2−10−18 東京都中小企業会館(7階においでください)
相 談 料 : 無 料
申込み方法 : 完全予約制ですので、会日の一週間前までに下記宛て、お電話及び FAX をお願いします。
(一事業者様 1 回限りとさせていただきます。
)
電話 03-3542-0386
★お申込 FAX:03-3545-2190
企業名又は団体名
TEL
所 在 地 〒
FAX
氏名 :
氏名 :
役職名 :
役職名 :
■お問合せ:エコアクション 21 地域事務局 東京都中小企業団体中央会
中央区銀座 2-10-18 東京都中小企業会館 7 階
東京都中小企業団体中央会 業務課内
TEL:03-3542-0386
中小企業だより
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都議会に対し東日本大震災に係る支援策
の実施について要望いたしました
本会は、去る 5 月 18 日、東京都議会自由民主党の各種団体特別ヒアリングに出席し、3 月
11 日に発生した東日本大震災による都内中小企業への影響について報告するとともに、被害
を受けた都内中小企業及び組合に対する支援策について要望をいたしました。
当日の特別ヒアリングには、本会から大村功作会長、田中 彰副会長、上原洋一副会長、
堀越達哉副会長、有手 勉副会長、堀内 忠専務理事が出席しました。都議会自由民主党の
三宅しげき幹事長、野島善司政務調査会長を始めとした議員団に対し、大村会長、堀内専務理
事から、東日本大震災による本会会員組合及び組合員企業の被害状況や計画停電の実施に伴う
影響、また、大震災からの復旧にむけて必要となる都からの支援策について、資料に基づき報
告がされました。引き続き、5 項目の要望事項について説明した後、質疑応答が行われました。
要望事項及び要旨については右頁のとおりです。
ヒアリングで説明を行う大村会長
左より田中副会長、大村会長、三宅幹事長、堀内専務理事
堀越副会長、上原副会長、有手副会長 中小企業だより
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2011.6
要 望 事 項
■
事業協同組合等の共同施設の災害復旧のための補助金制度を創設していただきたい。
(要旨)被害を受けた事業協同組合等の共同施設の補修・復旧に対して、都道府県が事業費の 3/4 を
補助する場合、国はその経費の 2/3 の補助を講じるとしているが、要件は非常に厳しい。東京
都においては、事業協同組合等が利用しやすい独自の基準を設定し、災害復旧のための補助金制
度を創設していただきたい。
■
都内中小企業の被災地域の工場・機械設備等の迅速な復旧に向けて、東京都独自の補助金や助成金に
よる支援措置を創設していただきたい。
(要旨)緊急に都内中小企業の被災地域の工場等に多くの被害事例の報告が出ている。そのため迅速
な復旧に向けて、東京都独自の補助金や助成金による支援措置を創設していただきたい。
■
震災により被害を受けた中小企業に対し、施設の補修又は施設を防災・耐震用への改築に要する資金
を東京都が直接貸付ける無利子融資制度を創設していただきたい。
(要旨)震災により被害を受けた事業所等の施設を補修又は防災・耐震用への改築に要する資金を東
京都が直接貸付ける無利子融資制度を創設していただきたい。なお、当該制度は東京都による公
正証書による直接貸付とし、信用保証協会の保証を必要としないこと。
■
東京都立産業技術センターの放射線量検査設備を早急に拡充 ( 増設・機器のレベルアップ ) していた
だきたい。
(要旨)原発事故以来、輸出事業者は、相手国より輸出品に対する放射線量の測定結果と「公的機関
の証明書」の添付を求められている。東京都立産業技術センターは緊急的対応として、都内中小
企業の「放射線量検査」と「証明書の発行」を実施しているが、全面的に対応するには、ほど遠
い設備の現状にある。センターの検査設備を早急に拡充 ( 増設・機器のレベルアップ ) していた
だきたい。
■
都内中小企業の「エコアクション 21 の認証・登録事業者」は節電をはじめとする環境負荷の削減に
限界まで取り組んでいる。この現状を踏まえ、同制度の更新登録料、更新審査料、中間審査料に対
する補助金などの助成措置及び事業税の減免措置を講じていただきたい。
(要旨)原発事故に伴う電力不足に対応するため、中小企業全般にわたる節電の取り組みが望まれる。
そのツールとしては、
環境省が策定したガイドラインのもとに急速に普及している
「エコアクショ
ン 21」制度が最も適切である。しかし、厳しい経営環境下にある中小企業の中には審査料や登
録料を負担できず、更新できない事業所も少なくない。今後、一層の普及促進を図るためには、
認証・登録事業者の諸費用に対する助成措置及び事業税の減免措置を講じていただきたい。
中小企業だより
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2011.6
「夏期の電力需給対策について」の
ポイント
関東経済産業局は電力需給緊急対策本部(現 電力需給に関する検討会合)が取りまとめた、
「夏期の電力
需給対策」を公表しましたので以下のとおり、そのポイントを紹介します。
● 夏期の電力需給対策について
東日本大震災により、東京電力及び東北電力管内の供給力は大幅に減少し、これによって生じた大きな
需給ギャップに対処するため、やむを得ない緊急措置として計画停電が実施された。
国民・産業界の節電への最大限の協力、取組の結果、需給バランスは改善し、懸念された大規模停電は
回避され、4 月 8 日には、計画停電は「実施が原則」から「不実施が原則」の状態へ移行した。
しかし、電力の需給バランスは、今後夏に向けて、再び悪化する見込みである。需給両面での抜本的な
対策を講じなければ、計画停電の「不実施が原則」の状態を維持することができず、計画停電の弊害から
脱却できない。このままでは、国民生活やとりわけ国の活力の源である産業活動が疲弊し、震災からの復
興と日本経済の再出発は望めない。
本年 4 月 8 日に了解された「夏期の電力需給対策の骨格」
(以下「骨格」
)に基づき、供給力の積み増
しと需要面での対策の具体化を進めてきたところ、以下のとおりその結果を取りまとめる。今後は、官民
一体となって、創意工夫を発揮してこの難局から脱するべく、国民各層の理解と叡智を集めてご協力をお
願いしたい。
1.今夏の電力需給対策の基本的考え方
(1)検討に当たっての基本的な視座
●
国民生活及び経済活動への影響の最小化を目指す。
●
特に、復興の基盤である産業の生産・操業活動への影響を最小限にする。
●
労使で十分に話し合いながら準備を進める。
●
東北地方を中心とする被災地に最大限の配慮を行う。
●
単なる今夏の需給対策に止まらず、将来につながる施策に取り組む。
(2)需給対策の基本的な枠組み
●
予めピーク期間・時間帯の抑制幅を提示。需要家が、操業時間のシフトや休業・休暇の長期化、分散
などに創意工夫をこらして計画的に取り組めるようにする。
●
計画停電はセーフティネットとして位置付ける。
●
今夏以降の需給対策も併せて進める。
中小企業だより
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2011.6
2.今夏の供給力見通しと需要抑制の目標
(1)今夏の供給力の見通し
●
東京電力から東北電力に最大限の融通を行うこととし、この結果、東京電力で 5,380 万 kW(7 月末)
、
東北電力で 1,370 万 kW
(8 月末)
。最低限必要な需要抑制率は、
東京電力で▲ 10.3%、
東北電力で▲ 7.4%。
< 最大限の融通を行った場合の需給バランスの比較 >
東京電力管内
東北電力管内
想定需要(抑制基準)
6,000 万 kW
1,480 万 kW
供給力見通し(融通後)
5,380 万 kW
1,370 万 kW
必要な需要抑制率
▲ 10.3%
▲ 7.4%
(注)各電力管内の想定需要(抑制基準)は、昨年並みのピークを想定。
(2)需要抑制の目標
●
余震の影響や老朽火力の昼夜連続運転等の技術的リスクを勘案し、東京・東北電力管内全域において
目標とする需要抑制率を▲ 15%とする。
●
大口需要家・小口需要家・家庭の部門毎の需要抑制の目標については、均一に▲ 15%とする。
(注)需要家には、政府・地方公共団体を含む。
3.需要面の対策
(1)大口需要家(契約電力 500kW 以上の事業者)
●
大口需要家は、具体的対策について、計画を策定し実施する。
(経団連の自主行動計画には、4 月末現在 637 社が参加)
※複数の企業による共同の取組みは
●
1 社としてカウント
政府は、需要家の自主的な取組を尊重しつつ、実効性及び公平性を担保する補完措置として、電気事
業法第 27 条を活用できるよう必要な準備を進める。
●
独禁法の運用の明確化等、関連する規制制度の見直しを図る。
(2)小口需要家(契約電力 500kW 未満の事業者)
●
小口需要家は、具体的な抑制目標と、それぞれの事業の形態に適合した自主的な計画を策定し、公表
する。
●
政府は、小口需要家の取組を促すため、
「節電行動計画の標準フォーマット」を活用した節電取組の
周知等の処置を講ずる。
●
政府は、節電取組等の周知のため、小口需要家に対する巡回節電指導や出張説明会を実施する。
●
小口需要家による契約電力の引き下げ等を促進する。
中小企業だより
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2011.6
(3)家庭
●
政府は、家庭の節電の取組を促すため、
「家庭の節電対策メニュー」の周知、節電教育等を通じ家庭
の取組を促進する。
(4)国民運動に向けた取組
●
政府は、下記の原則等に配慮しつつ、国民各層へ積極的な啓発活動を行い、節電に取り組む動きを国
民運動として盛り上げていくよう努める。
・参加型の国民運動の喚起
・分かりやすい説明とフィードバック(効果を分かりやすく提示)
・ステップを踏んだ啓発活動(まず必要性、次に具体的アクション)
●
新聞、テレビ、インターネット等の様々な媒体を通じ、国民に節電の呼びかけを行う。
●
ホームページ等における電力需給状況及び予想電力需要の「見える化」を図り、国民各層の節電に向
けた動機付けの徹底を図る。
●
電力需給が逼迫し、計画停電等のおそれが高まった場合に、
「需給逼迫警報(仮称)
」を出して緊急の
節電要請を行うとともに、計画停電の可能性を周知する。
●
関係府省は、イベントの主催者に対し、ピーク期間・時間帯を外すような日程上の配慮の可能性を検
討することを要請する。
●
労使間の十分な話合いを促しつつ、休業・休暇の分散化・長期化を促進する。
(5)政府の節電に係る取組
●「政府の節電実行基本方針」を定め、府省毎に節電実行計画を策定し、使用最大電力を▲
15%以上抑
制する。
●
独立行政法人及び公益法人に対しても、節電計画を策定するよう要請する。
(6)セーフティネットとしての計画停電
●
計画停電は既に「不実施が原則」の状態へ移行したが、今後、万が一実施する場合に備え、運用改善
を図る(1 日複数回の停電の回避、停電時間の短縮)
。
●
医療機関等について、変電所の運用改善等によって停電による影響をできる限り緩和する等の措置を
講ずる。
4.今夏以降の需給対策
●
今後の電力需給対策は、今後のエネルギー政策の検討にもよるが、原子力発電所の安全確保に万全を
期すとともに、以下の需給両面の対策を講じ、今夏よりも需給状況を改善することを目指す。
●
供給面では、火力発電所の復旧・立ち上げ・増設、緊急設置電源の新設、自家発の活用等に引き続き
努めるとともに、
地域間連携設備の増強等を強力に推進する。また、
分散型電源や再生可能エネルギー
の導入拡大に更に取り組む。
●
省エネルギーの一層の推進、スマートメーターの導入促進、ガスの活用等により、需要の抑制を図る。
中小企業だより
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2011.6
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「中小企業だより-中央会インフォメーション-」
「 中小企業だより
中小企業 だより-
だより - 中央会インフォメーション
中央会 インフォメーション-
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夏季特別号暑中広告募集のご案内
夏季特別号
夏季特別号暑中
特別号暑中広告
暑中広告募集
広告募集のご
募集のご案内
のご案内

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小誌「中小企業だより-中央会インフォメーション-」の夏季特別号
(平成23年7月号)に掲載する『暑中広告』を募集しております。
つきましては、誌上に貴組合の暑中広告を下記の要領により掲載いた
だきたく、何卒よろしくお願い申しあげます。
なお、お申し込みの節は、本ページをコピーいただき、下記の『暑中
広告申込書』に必要事項をご記入のうえ、FAXにてご送付ください。

1.広 告 料
2.大 き さ
3.申 込 期 限
1コマ 7,000円
1コマ(縦 約5.8㎝×横
平成23年6月30日(木)
約8.5㎝)単色刷
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東京中央会情報課 行
FAX:
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暑中広告申込書
暑中広告申込書
広告申込書
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組合名称
理事長氏名
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(〒
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FAX
FAX 
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(注)※楷書でハッキリご記入ください。広告料につきましては、暑中広告を掲載
した7月号発行後にご請求申しあげます。
※お申し込みいただく場合には、この申込書をこのままFAXにてご送信く
ださるようお願いいたします。
※上記の個人情報については、広告掲載関連業務以外の目的には使用いたし
ません。
中小企業だより
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2011.6
情報連絡員報告
4月
2011.4
April
東日本大震災の影響は甚大。景況の悪化は深刻な状況
4 月の情報連絡員報告によると、東日本大震災を境に一転して悪化した各種調査項目は、さ
らに落ち込む結果となった。製造業の売上高 DI 値はマイナス 20 ポイント近く数値が悪化し
たのをはじめ、製造業では収益状況、業界の景況などが大幅に落ち込むなど、製造業への震災
の影響が顕著となっている。具体的な連絡員からの報告によると、震災発生後の混乱は収まり
つつあるものの、消費低迷が深刻化する一方、原材料の高騰が一層進んでいる実態が報告され
ている。
【製造業62人、非製造業、88人、計150人の集計】
前年同月比
のDI値
売
上
全 産 業
製 造 業
非製造業
前年同月比
前年同月比
前年同月比
高
―57.3
―61.3
―54.5
在庫数量
―12.7
―19.4
―6.3
販売価格
―18.7
―17.7
―19.3
取引条件
―27.3
―25.8
―28.4
収益状況
―60.7
―66.1
―56.8
資 金 繰り
―41.3
―43.5
―39.8
設備操業度
―45.2
―45.2
雇用人員
―20.0
―16.1
―22.7
業界の景況
―63.3
―59.7
―65.9
―
※DI(Diffusion Index)値とは、
景気の動きをとらえるための指標です。
(ー100≦DI値≦100)
DIの計算方法…増加・好転と答えた企業の割合ー減少・悪化と答えた企業の割合
【例:調査数「20」のうち好転が「4」、
不変が「6」、
悪化が「10」とした場合…(4ー10)/20×100=ー30】
30以上
10以上
30未満
―10以上
10未満
中小企業だより
ー30以上
ー10未満
14
2011.6
ー50以上
ー30未満
ー51以下
年
23
成
平 月
4
業
界 の 声
製 造 業
集計上の
分類業種
食料品
具体的な業種
組合及び組合員の業況等
中華麺製造業
原材料価格の上昇を価格転嫁できない中で、売上数量そのものが減少するとい
う状況にある。
製粉業
ネクタイ製造業
帽子製造業
製粉業界は長時間操業であるため、節電対応には苦心させられている。
節電対策によりクールビズの実施期間が長期化することが予想され、今後のネ
クタイの売上見込みは非常に厳しい。
大震災の影響はさほど感じられず、西日本での売上は好調であった。
帆布製品製造業
前年比で売上は激減している。大震災の自粛ムードの広まりからイベント等の
中止が相次ぎ、テントシート等の売上に大きな影響を及ぼしている。
洋服製造業
大震災の影響からアパレルメーカーが廉価品以外の売上は伸びないと判断した
ため、受注量は減少した。また、福島第一原発周辺地域で製造された製品が風
評被害により納入できない事案も発生した。
木材・木製品
建具製造業
大震災の被災地で、合板等の資材の需要が増大しており、品不足が発生してい
る。仕事量については増加傾向にあるものの、収益にはつながっていない。
紙・紙加工品
紙製品製造業
大震災後の物流停止や計画停電、東北にある工場の被災等による影響は現在に
至っても続いている。
繊維・同製品
印刷加工業
印刷
化学ゴム
窯業・土石製品
印刷業
大震災以降、受注の減少が続いている。また、今夏に予想される電力供給不足に対
応するため、全国団体と協力して行動計画を作成し、組合員への周知を図っている。
プラスチック
製品製造業
ゴールデンウィーク向けの駆け込み需要や、防災関連商品の需要の高まりから、
売上は若干増加した。ただし、石油や原材料の価格高騰が懸念材料である。
ゴム製品製造業
自動車産業が大震災の影響を払拭できていない。このため自動車関連部品を製
造している組合員の売上が減少している。
コンクリート
製品製造業
計画停電による操業停止等の影響を受けた組合員がある一方、受注が増加した
組合員もある模様。
砕石製造業
缶製造業
ダイカスト
製品製造業
鋳物製造業
鉄鋼・金属
計画停電をはじめ大震災の具体的な影響はなかった。
大震災の影響による売上減少が顕著である。今後の回復を期待している。
大震災後の資材不足や計画停電の影響で生産活動が停滞したため、景況は悪化した。
大震災の影響により、生産活動が低下している。特に自動車関連部品の生産は通常
の 6 割程度にとどまっており、リーマンショック時よりも厳しい状況となっている。
新年度に入り、業種によっては多少、仕事量は増加しているが、経営実態は依
然として厳しい。
鍍金加工業
自動車関連の受注が大幅に減少している。原材料価格と人件費が高騰している。
金属熱処理業
大震災で混乱した生産体制も現在では、ほぼ正常に戻っている。しかしながら、
受注量は大幅に減少している。
建築金物製造業
大震災被災地の仮設住宅向けの動きがある一方、一般住宅の着工の遅れの影響
が懸念される。
金庫製造業
電気機器
配電盤製造業
輸送用機器
自動車部品製造業
一般機械
受注量は徐々に減少しつつある。
大震災で壊れた金庫の開扉依頼が増えている。
大震災の影響による部品の調達難が続いている。
原発事故による避難区域内の部品メーカーからの納入がストップしている。4
月の売上高は従来の 40%程度となっている。
写真製版機材製造業 大震災後、印刷業界全体で状況は悪化している。
中小企業だより
15
2011.6
一般機械
その他の製造
木工機械製造業
大震災前の商談がようやく具体化してきた。また、被災地域では中古木工機械
を中心とした取引が活発になっている。
スポーツ用品
製造業
アウトドア関連では、登山を趣味とする女性「山ガール」が牽引役となり、消
費者層が若返りつつある。
貴金属工芸品
製造業
貴金属等の価格が高騰して売上が伸び悩む中で、大震災がさらなる売上不振を
招くことを懸念している。
ガス圧接業
大震災後混乱していた状況がようやく収束しつつある。
電動式遊技機製造業 下請けの部品メーカーが、大震災で被災したため、部品調達に支障をきたしている。
ネームプレート製造業
大震災後、顔料や溶剤等、資材の不足と値上がりが続いている。
非 製 造 業
集計上の
分類業種
卸 売
具 体 的 な 業種
組合及び組合員の業況等
ニット製品卸売業
原発事故にともなう風評により、被災地域の製品の受け取り拒否やキャンセル
が発生している。
理容用品卸売業
大震災後に延期されていた各種イベントが再開され始め、販促活動は正常に戻
りつつある。
美容用品卸売業
大震災後の消費意欲の減退が全国に蔓延することを懸念している。全国展開し
ている販売店は東北地区よりも関西地区の売上減少を危惧している。
食肉卸売業
大震災以降、業務用を中心に食肉の売上は急減している。
青果卸売業
仕入価格は前年比の 7 割程度に下がっている。
紙卸売業
電設資材卸売業
小 売
大震災後、印刷用紙が不足したため、組合ブランドの印刷用紙を適正価格で販
売することができた。しかし、ユーザーである印刷・出版業者の状況は厳しい。
大震災の影響による商品不足が、売上減少の要因となっている。
玩具卸売業
大震災では多くの玩具店が被災し売上に大きな影響が現れているほか、花見等のイ
ベント自粛により、露天商が扱う安価な玩具の売上も見込めない状況となっている。
木材卸売業
大震災の被災地向けの合板需要が急増している。このため資材の調達ができず、
工事が遅延している。
電線卸売業
大震災の復興用に使用されるため不足していた電線の供給不足がやや緩和された。
再生資源卸売業
再生資源の市況には大震災の影響はさほど現れていない。ただし金属、古紙と
も先々価格が変動することが予想される。
食器卸売業
大震災以降の売上不振がいまだ回復していない。
木材小売業
大震災の影響で木材の入荷が止まり、売上は落ち込んだが、品不足から製品価
格は上昇傾向にある。
鶏肉・鶏卵小売業
大震災後、売上状況は 10 〜 20%悪化している。東北地域からの入荷が激減し、仕入価
格は高騰。収益率も悪化している。
米穀小売業
量販店の安売りに追従せず、対面販売の利点を生かして付加価値米の売上を伸ばして
いる組合員も多い。反面、年間多くの廃業組合員が発生しているのが実態である。大
震災と原発事故に関係して仕入価格が大幅に上昇している。
上部団体である全国組合は国の要請を受け、大震災被災地で二輪車を使用した
自動二輪車小売業 物資輸送等の様々な活動を行った。四輪車の入れない悪路でも機動力を発揮し
た二輪車の有用性を示すことができた。
豆腐小売業
脱退組合員の再加入計画を進めている。
包装材料小売業
大震災後から、紙器、化成品とも包装材料の生産が伸び悩んでいる。現在は在
庫で対応している状況である。
電器製品小売業
大震災の影響で一般家電品の需要は低迷している。また、節電気運の盛り上が
りから、太陽光発電や LED 照明の需要が高まることが予想される。組合員に
とって商品知識の習得や品揃えの確保といった対応が必要となっている。
中小企業だより
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2011.6
自転車小売業
大震災後、自転車売上は急激に増加し、供給が間に合わない状況にある。
大震災発生後、3 月の売上は減少していたが、4 月に入り一転して被災地での
中古自動車小売業 中古車需要の増加から、売上状況は好転している。しかしながら、在庫不足が
日を追うごとに深刻化している。
小 売
商 店 街
古書籍小売業
大震災後、事業の運営面で混乱をきたしたが、現在では落ち着きを取り戻しつつある。
衣料品小売業
衣料品の売上は大きく減少。大震災の影響により消費意欲が減退していると思われる。
化粧品小売業
大震災後、客数の減少が続いている。
文具小売業
大震災の影響による商品納入の遅延が発生している。
食品小売業
大震災直後は食品・飲料水等の売上が伸びたが、需要の先取りとなった結果、
4 月の売上は低調だった。
酒小売業
大震災による、お花見等、春のイベントの自粛のあおりを受け、酒類の売上は
減少している。
塗料小売業
大震災の影響により生産・流通の流れが寸断しており、一部商品の調達・供給
が困難となっている。
青果小売業
原発事故による風評被害が波及し、野菜類の売上が減少している。
銀 座
組合員の支店が大震災で被災した事例がある。銀座通りの LED 照明の街灯が
暗いとのクレームが多数寄せられている。
目 黒
大震災による、売り出しイベント等の自粛が売上に影響を及ぼしている。
赤 坂
大震災後、飲食店の来客は激減している。
秋 葉 原
大震災以降中止されていた歩行者天国が 4 月 17 日に再開された。しかしながら人
出は期待したほど伸びなかった。節電の関係で街全体が暗いイメージとなっている。
合 羽 橋
大震災後、客数は減少し、売上は落ち込んでいる。
クリーニング業
繁忙期に入り、かなりの需要があった。ただし、今後の節電対策でクールビズが進展し
カジュアル服での勤務が増えてワイシャツ等の需要が減少することを危惧している。
飲食業
大震災後、予約のキャンセルが相次いだが、現在に至っても客足は激減している。
公衆浴場業
サービス
廃棄物処理業
運 輸
大震災の影響により、本年度の入浴料金の改定作業が遅れている。
業者間の競争により、廃棄物処理価格が若干低下している。
複写業
今夏に計画停電が実施された場合、生産効率が大幅に低下するため、売上予測の
下方修正を行っている。
貨物自動車運送業
荷動きが少なく、運送効率が悪くなっている。車両 30 台程度の中規模企業の
経営が苦しくなっている。前年度の脱退組合員は 6 社に達した。
港湾運送業
輸出用コンテナについては放射線量を計測し、問題がない旨を記した証明書の
発行を荷主に求められている。
内装工事業
大震災後、仕事のキャンセルや延期が急増した。現在でも回復のめどが立たない。
管工事業
大震災後に建設資材の品不足と価格高騰が続いている。
�行政庁・中央会に対する主な要望事項
集計上の
分類業種
具体的な業種
主な要望事項
木材・木製品
木材製造業
大震災の復興は最優先事項ではあるが、国全体の景気対策も必要であるととも
に、増税は是非とも回避していただきたい。
維窯業・
土石製品
コンクリート
製品製造業
震災復興のため、被災地にコンクリート製品の輸送が円滑に行えるよう体制を
整えていただきたい。
鉄鋼・金属
鍍金加工業
サービス
複写業
計画停電だけは何としても回避していただきたい。
企業としては全力で節電に取り組む意向であるが、停電の実施だけは避けてほしい。
中小企業だより
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平成 22 年度中小企業組合検定試験
問題 と 解答 (1) 組合会計①
中小企業組合検定試験は、今年度も 9 月初旬に受験受付が開始され、12 月 4 日(日)に全国の主要都市
で実施される予定です。本誌では、昨年度実施された検定試験の「問題と解答」を 6・7 月号(組合会計)
、
8 月号(組合制度)
、9 月号(組合運営)に分けて掲載いたしますので、組合検定試験や中小企業組合士に
ついてご関心がある方は是非挑戦してみて下さい。
なお、中小企業組合検定試験受験用の参考図書も出版されていますので、本会のホームページをご覧くだ
さい。(http://www.tokyochuokai.or.jp/)
中小企業だより
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2011.6
中小企業だより
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2011.6
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2011.6
(7 月号に続く)
中小企業だより
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2011.6
経営 No. 215
Focus
中小企業の復旧連携協定を 嘉悦大学 教授 黒 瀬 直 宏
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に製作を頼まれたが、緊急時のことで設計図も打ち
ある中小企業経営者の提案
合わせもなく、現品から情報を引き出しての製作だっ
たのでとても苦労した。被災企業には復旧後もその
完成車メーカーは東日本大震災で寸断されたサプ
ライチェーン再構築のため、東北の自社工場のほか、
仕事は戻らなかったという。
取引先部品メーカーに対しても数十人のチームを派
その後、鈴木さんは名古屋の水害 (2000 年 )、新
遣し復旧を支援した。だが、それは主要部品メーカー
潟中越地震(2004 年)
、新潟中越沖地震 (2007 年 )、
が対象で、小零細の町工場には誰からの復旧支援も
岩手・宮城内陸地震 (2008 年 ) で被害にあった工場
ない。
主の話を丹念に聞く機会があった。水につかった機
復旧の見込みが立たない中小企業は廃業するしか
械を前に、機械はしょうがないが従業員の生活を何
ない。あるいはがんばっていても、従業員も経営者
とかしなくてはいけない。当分収入がないから自分
も被災者のため、皆疲れはて、廃業してしまことも
の預金を取り崩して生活費を支給するという工場主、
ある。東北沿岸部ではそういう企業が出た。また、
そうやって頑張っていた人も力尽きて工場を閉鎖す
復旧に時間がかかっている間に顧客が他の地域に転
るのを見て来た。
そのため、平時から、中小企業が知り合いになっ
注してしまい、工場を復旧させた後も取引を回復で
ておいて、災害勃発時には無事の方の企業が復旧に
きないことが多い。
必要なものを持って駆けつける。場合によってはそ
そのため、この大震災前から中小企業同士の連携
の企業の代わりに生産し、顧客への納期を死守する。
で災害に立ち向かおうというという動きが出ていた。
こういう仕組みを提案した。
その中心人物は東京都板橋区の松本精機の社長鈴
木敏文さんと長岡市の広井工機の社長廣井晃さん。
二人は、去年 12 月、北上市の中小企業の集まりで、
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中小企業同士の復旧連携を提案した。
岩手県北上市での復旧連携
松本精機は、阪神・淡路大震災の時 (1995 年 )、
これが岩手県北上市で役に立った。鈴木さん達の
神戸の鋳造工場からの素材供給を断たれ、大変困っ
提案から復旧連携の必要性を認めた北上市基盤技術
た。同時期、顧客から神戸で被災した企業の代わり
センターが、大震災勃発後すぐに行動を起こし、セ
中小企業だより
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2011.6
ンターが保有している測定治具の無料貸し出しに加
災し、海に沈んだ漁船の引き上げが続いている。だ
えて、復旧に必要な機器の貸し借りの仲介を始めた。
が、漁船を修理する造船所も壊滅状態。その中で、
ある企業は検査機が動かなくなってしまった。関
釜石市の釜石造船所は 5 月 2 日に修理業務を再開し
東地方から修理に来てもらわなくてはならないとこ
た。水道も電話も復旧していないのに再開できたの
ろ、地元で検査機を持っている企業があり、センター
は、神戸や横浜など県外の同業者が溶接機や発電機
の仲介でそれを無料で借りることができた。ある企
を運んでくれたからだ(
『朝日新聞』2011 年 5 月 7
業は地震で工作機械の位置がずれてしまった。とこ
日付)
。
ろが油圧ジャッキがないので元に戻せない。市内の
漁業者の連携も始まった。宮古市の重茂 ( おもえ )
企業から借りることができ、復旧できた。従業員 2
漁協(組合数約 580 人)では所属漁船 814 隻のう
~ 3 人の企業では人手も足りないため、センターの
ち 800 隻が被災。今回の津波で沖に逃げた漁船や、
スタッフが他企業から機器を借りて復旧に駆けつけ
修理すれば使えるようになる漁船など約 50 隻を集
ることもある。
めてすべて組合が所有。4 地区に漁船を振り分け、
センターではホームページに「復旧支援情報コー
収益は地区ごとに分け合うことにした。新たに購入
ナー」を設け、
「こんな物品がほしい」という情報と「こ
する漁船もすべて組合が所有する。全員に1隻行き
のような物品を貸し出せる」という情報を受け付け、
わたる数が確保できた後、個人に引き渡す。漁船の
企業と企業を結びつける。貸し出し情報には、
「いつ」
共同利用は宮古市の田老町漁協、大船渡市の越喜来
(今すぐにでも、電気が復旧次第、従業員が出勤でき
( おきらい ) 漁協でも計画されている(
『同』4 月 15
るようになり次第・・・)
、
「どこで」
(自社内、相手
日付)
。漁船シェアリング方式は水産加工場にも広ま
工場内)
、
「何を」
(物品、人員、修繕)が載っている。
ろうとしている。岩手県は水産加工場施設を共同で
新設するケースに補助金を出す方針を決めた(
『同』
センターは地元企業だけでなく、東京都板橋区の
共同受注グループのイタテック、新潟県長岡市の企
5 月 20 日付)
。造船→漁業→水産加工という復旧プ
業グループ、東京都大田区の産業振興協会からも足
ロセスが中小企業の連携を核に動き始めた。
りない機器を提供してもらうことになっている。同
一地域の企業同士だと同じ被災者なので、支援にも
▶▶▶━━
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限度がある。北上市のケースとは別だが、東京都墨
中小企業版「事業継続計画」を
田区の中小企業が茨城県日立市の中小企業に地震で
中小企業が復旧するには中小企業の助けが必要な
傾いた機械を水平にするため、水準器を送ったとい
ことが分かった。大規模災害などに備え、緊急時に
う広域連携の例もある。
事業を継続する方法や工場・設備の復旧手順を事前
に決めておくのが「事業継続計画(BCP)
」
。中小企
▶▶▶━━━
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━━
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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━
━
業の場合には、これを公的機関も加わる中小企業間
製造業だけではない
の復旧連携協定として作らねばならない。地域内だ
このように地域の公的機関が仲介役になって、復
けでなく、災害に一緒に遭わない異地域の中小企業
旧に向かって全く取引関係のなかった中小企業同士
との連携も必要だ。協定を通じお互いの技術や設備
の連携が行われている。復旧連携は製造業だけでは
を知りあえば、経営上の協力へと進むかもしれない。
ない。
大震災は中小企業に新たな連帯を必要とさせている。
東日本大震災で岩手県と宮城県の漁船の 9 割が被
中小企業だより
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2011.6
公認会計士 松 澤 修 489
No.
新規加入組合員から徴収すべき加入金 Q
事業協同組合である当組合の定款において、脱退組合員に対しては、組合財産に
対するその組合員の持分の全額を払い戻すことを規定しています。現在の組合の所
有する正味財産額は、組合員出資金を上回り、したがって組合員持分も出資額を超
過しています。このような財産状態である当組合に新規加入組合員を受け入れる場
合、出資金のみで組合加入を認めてもよいのでしょうか。 A
事業協同組合は、組合法に基づき設立される法人であって、それぞれの組合の定
款において、組合員たりうる資格要件が定められており、定款にうたわれた資格要
件を備える事業者でなければ、組合員となることはできない。このように、組合員
たり得る資格要件が定められていると、脱退組合員は組合に対する出資持分を自由
に譲渡できないこととなるから、加入脱退の自由をうたい、組合員の財産権の保全
を図るべき組合法は、会社法と異なり、脱退組合員に対し、その組合員の出資持分
に見合う組合財産を払い戻すこととしている。 この出資持分は、脱退した事業年度末における組合財産額を出資口数で均分して
求められる。脱退組合員に対し、このように出資持分を払戻すこととしている限り、
新規加入組合員があれば、加入時において、加入者の 1 口当たり持分額と、脱退者
の 1 口当たり持分額とを均衡させる必要がある。加入者からは、出資 1 口の出資金
のほかに、脱退者の 1 口当たり持分のうちの出資金を上回る金額を、1 口当たりの
加入金として、出資金とは別に徴収しておかなければならない。 本来、組合財産に対して組合員が有する持分額なるものは、出資口数に比例すべ
き財産であり、一方、加入金が新規加入組合員の持分額を調整する目的をもつもの
である以上、加入金は出資 1 口当たりの金額を定めなければならない。そして、こ
の加入金の金額が適正であるか否かは、在来組合員の持分額に影響を及ぼすことと
なるから、定款において、加入金の金額は、総会において議決することとしている。
ところが、組合の中には、定款によって脱退組合員に対する持分の払戻しについ
て出資額を限度とする規定を設けている組合がある。このような組合の定款規定は、
組合員脱退に当たり、計算された組合員持分が出資金額を上回る場合は、その出資
中小企業だより
24
2011.6
金額を、計算された組合員持分が出資金額を下回る場合には、計算された持分額
を払い戻すこととなり、常に払戻額が出資金を上回ることはないから、新規加入
者について、出資金以外特に組合員持分調整の必要はない。しかし、このような
組合にあっても、組合解散時にあっては、持分額の全額を払い戻すこととなり、
払戻額が出資金を上回る場合が生ずるが、定款上、解散を前提とする持分の調整
を認めず、脱退者に対する持分の払戻しを出資額に制限する組合は、加入金の徴
収を規定できないこととなっている。 組合定款において、払戻額に制約を加えるとしても、それが出資額を限度とす
る規定でなく、組合の簿価財産で計算した持分額を払戻すこととしている組合が
ある。このような組合は、脱退者に対し持分全額を払戻す組合と同様に、簿価財
産に基づく持分額により計算された加入金を徴収する手続きをとらなければなら
ず、新規加入者から加入金を徴収する旨の定款規定が置かれている。
■
持分払戻方式と加入金徴収の関係
持分払戻しの定款規定
全額払戻し
出資額限度
簿価限度
加入金に関する定款規定
あり
なし
あり
事業協同組合定款例
■
(加 入)
第 9 条 組合員たる資格を有する者は、本組合の承諾を得て、本組合に加入することができる。 2 本組合は、加入の申込みがあったときは、理事会においてその諾否を決する。 (加入者の出資払込み及び加入金)
第 10 条 前条第 2 項の承諾を得た者は、遅滞なく、その引き受けようとする出資の全額の払込みをしなけ
ればならない。ただし、持分の全部又は一部を承継することによる場合は、この限りではない。
2 前項本文の加入者からは、加入金を徴収することができる。 3 加入金の額は、総会において定める。 (注)脱退者に対する持分の払戻しについて、出資額を限度とする組合にあっては、第 10 条の見出しを(加
入者の出資払込み)と改め、第 2 項と第 3 項を削除する。このような組合にあっても、加入者から組合員
持分調整のための加入金は徴収できないが、加入手数料の徴収を妨げるものではない。 ■
加入金徴収に関する総会議事録
第○号議案 平成○○年度加入金額決定の件 議長は、本年度の新規加入者から徴収する加入金は、一口当たり金○○円としたい旨を述べ、この計算根
拠を詳細に説明し、この議決を議場にはかったところ、満場異議なく原案通り可決決定した。
中小企業だより
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平成23年度東京都受託事業
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中小企業連携で
ピンチをチャンスに
無料
サポート
専門家
グループ戦略策定支援特別対策事業
支援内容
支援対象となるグループ
中小企業団体及び中小企業グループに
対して中小企業診断士等の専門家を
10回を限度に無料で派遣し、傘下企
業の経営改善を図るとともにグループ
の事業計画又は経営改善計画の策定
を支援します。
(専門家の派遣以外の経費は自己負担
となります。
)
●構成する中小企業が2社以上であること
●国が指定する業況の悪化している業種に属する企業であること
(異業種グループは指定業種に属する企業が2分の1以上を占めていること)
●都内に主たる事業所を有する中小企業が2分の1以上を占めていること
●中小企業団体については都内に主たる事務所を有すること
支援対象数
50 グループ程度とします。
支援事業の概要図
①利用者の募集
中小企業グループ
中小企業団体
④支援
東京中央会
②利用申込
⑤計画書の提出
中小企業診断士等
中小企業だより
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③委嘱
グループ戦略策定支援特別対策事業
事業の目的
中小企業者が経済的・社会的環境の変化に対応するため、国が指定する業況の悪
化している業種に属する企業が、個々の経営努力だけでは克服できない課題について、
企業をグループ化することにより、個々の経営資源や技術力を活かした計画を策定
し、新たな製品や技術開発等への取り組みを行い、その成果を広く普及させ、全体
の経営力向上を図っていく事業です。
取組事例
● 組合・グループによる製品販路の拡大に向けた計画の作成
● 組合・グループによる新たなビジネスモデルの作成
● エコアクション21を活用したコスト削減につながる
環境経営システムの計画作成
● 組合既存事業の活性化や収益性の高い新規事業の構築に向けた
計画の作成 ● 組合で取り組む効率的な人材育成訓練計画の作成 ● 企業間連携による新製品・新技術の開発計画の作成
● 市場ニーズに対応した商品開発及びマーケティング戦略の構築
● 新たな経営資源や技術力を活かした共同事業計画の作成
支援内容の流れ
利 用 申 込
専門家の派遣(10 回を限度とします)
派遣内容
①専門家による経営状況の把握(必要に応じて企業診断を行う)
②専門家による助言・指導
③事業計画作成支援
事業計画の作成
計画書の提出・派遣の終了
お申込み・お問い合わせ先
東京都中小企業団体中央会 支援課
エコアクション21
認証・登録番号 0003381
〒104-0061 東京都中央区銀座2-10 -18 東京都中小企業会館内
電話 03(3542)0318(直) FAX 03(3545)2190
http://www.tokyochuokai.or.jp/
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建物の形や大きさは千差万別であり、外見の印象
も様々ですが、建物本来の価値を大きく左右するの
構築し、組合員はこれに則り品質保持に努めていま
す。この「自主的施工管理体制」は建設大臣官房官
は、人々が実際に生活を営む建物の内部空間のデ
ザインにあると言えます。特に大きな面積を占める
床や壁といった内装は、室内空間の印象を決定する
庁営繕部監修の「建築工事施工管理指針」にも取り
上げられ、業界全体に広く認められています。
また、工事の品質を確保するには施工管理体制の
要素であり、部屋の用途によって様々なバリエー
ションがあります。
今回ご紹介する関東建設インテリア事業協同組
整備だけではなく、現場で施工管理を担う管理者や
工事を実際に行う作業員に高い能力が要求される
のは言うまでもありません。このため、組合では施
合は内装仕上工事業を営む専門工事業者で組織さ
れた協同組合です。組合は床工事、壁・天井工事、窓
廻工事等の内装工事全般に対応するメンバーで構
成され、それぞれの組合員は超高層ビルから養護
施設、大規模商業施設や一般住宅まで、あらゆる建
物の内装工事の施工実績を有し、高い技術力が評
価されています。
このように、高い技術と実績を誇る組合員です
が、新しい競争の時代における「価格と品質の総合
競争」を実現していくうえで、品質確保に対する取り
組みが強く求められています。関東建設インテリア
事業協同組合は創立以来、組合員の品質確保の課
題に取り組んでおり、全国組織と連携して「自主的
施工管理体制」
という品質管理のための独自基準を
工管理者の教育を積極的に行い、床仕上工事に関
する品質、工程、原価管理、安全管理等の施工管理
業務を的確に行う者を、床仕上管理士として登録す
るとともに、作業員の能力向上についても、技能の
国家検定である技能士の養成も行うことで対応し
ています。さらに特筆すべきは作業員の能力に加
え、モチベーションの向上を目的とする取り組みが、
「ジェイシフ関東技能競技大会」です。
今年で24回目を数えるこの技能競技会は「施工
技術・技能を高め社会に提供することにより、業界へ
の信頼を高めるとともに、技能者の技能習得意欲を
増進し後継者の育成を図る」との趣旨でスタートし
ましたが、近年では全国から選手を募り、会場には
資材メーカーの関係者や選手の家族、職業訓練校
生徒や外国人技能実習生が熱心に観戦するなど活
況を呈しており、業界にとっての一大イベントに発
展しました。競技会は「プラスチック系床仕上工事作
業部門」
「カーペット系床仕上工事作業部門」
「壁装
第24回ジェイシフ関東技能競技大会
作業部門」の3部門で競技が行われますが、それぞ
れの企業でトップクラスの技能を有している技能者
が、企業の代表としての誇りと自らのプライドにか
けて、大会で全力を尽くす姿は感動を生むものであ
日 時 平成23年7月20日(水)
午前9時30分
場 所 東京都立産業貿易センター3F
第一展示場
り、業界全体のモチベーション向上に大きな成果を
上げています。競技会は一般公開も行っております
ので、皆様も是非会場に足をお運び下さい。
関東建設インテリア事業協同組合
東京都千代田区鍛冶町2-5-16
TEL:03-3254-1138
HP:http://www.jcif-kantou.or.jp/
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東京中央会では、事業協同組合等の事務局体制の整備・充実強化をより効果的なものにするため、
求人・求職の紹介・あっせんなどを行う「中央会無料職業紹介所」を開設しています。
求人(中小企業組合)及び求職者(中小企業組合士等)の利便性の向上、組合が必要とする労働
力の確保、雇用の安定に向け、以下のような業務を行っています。是非、ご活用ください。
1)求
人
情
報
の
収
集
2)求 職者への求人情報の提供等
なお、求人・求職の申込み手続きは、次のとおりです。
組合の理事長様へ
求人の申込みのときは
①当紹介所に備えた「求人票」に記入
当紹介所では、組合職員の求人
②求人票の提出(FAX・郵送
情報を収集しています。
可)
皆様からの求人情報の
求職の申込みのときは
ご提供をお待ちして
①本人が直接来会
おります。
②当紹介所に備えた「求職票」に記入
③求職票の提出(代理での申込み
求
不可)
職
(中小企業組合士の認定を受けた者又
求
は組合事務局において 5 年程度の実
試験・面接・採用
務経験を有する概ね 65 歳以下の者)
(雇用契約)
人
(本会の会員である中小企業組合)
求人申込
求職紹介
結果報告
求人紹介
求職申込
東京都中小企業団体中央会
(職業紹介機関 13-特-000002)
連
携
組合士協会
事務局長協会
※中小企業組合士とは、中小企業組合の事務局に従事する役職員等の方が、その職務の遂行に必要な知識に関する試験
を行い、合格者の中から一定の実務経験を持つ方に対し与えられる称号で、中小企業庁の後援も得て実施している制
度です。
申込み・問合せ 東京都中小企業団体中央会 労働課
東京都中央区銀座 2-10-18 中小企業会館8階
※当紹介所の利用は全て無料です。
(直通)03-3542-0388 (FAX)03-3545-2190
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東京都中小企業組合士協会理事
東日本衣料チェーン協同組合事務局長 石川 隆
●老舗の衣料品小売店主宰の協同組合
316
No.
ただ、地域密着型店舗であるため、従来のセ
当組合は昭和 43 年に東日本地域の中堅衣料
ルフ販売を止めて、接客主体に変更したところ
品小売店主宰で設立し、今年創立 44 年を迎え
コミュニケーションが取れて店内の滞留時間がか
た老舗の組合です。
なり長くなり、売上も伸びるようになりました。
その地域商店街に立地した1・2番店の総合
●跡を継げない後継者
衣料品(全ての衣料品を品揃え)小売店が、高
度成長期とバブル経済を経て、デフレ経済が到
組合員の店舗は、戦後昭和 20 年代〜 30 年
来し衣料品業界全体が縮小に向かう、景気の振
代の創業が多く現在の代表者(社長)は、初代
幅が大きい時代の推移を経験してきました。
創業者がほとんど引退し2代目—といっても年
齢は 60 歳から 70 歳代 — が引き継いでいる状
かつて経済産業省(旧通商産業省)が提唱し
た高度化資金による郊外型ショッピングストア
態です。
内に支店・出店しましたが、ほぼ全面的に撤収
3代目の後継問題は、長引くデフレ縮小によ
している状態です。
りバブル時代の蓄えが底を付き、会社の資産が
現在は、地元商店街の異業種店舗と協力し商
ほぼ枯渇している現状に驚き、現在の2代目代
店街の活性化を図っているところです。
表者(社長)が後継者を決めかねている状況で
あります。
●伸び悩む折込みチラシによる販売促進
したがって、3代目が後を継ぎたくても継げ
ないということですが、かといって他業種への
当初より新聞折込み等チラシによる販売促進
展開は極めて難しいと思われます。
を行なって来ましたが、ユニクロ・しまむら等
全国チェーン店舗競合による集客の減少と、少
●土台を支える組合士
子・高齢化時代に突入し来店頻度が下がりチラ
シ集客効果が大きく落ち込みました。
組合運営は、組合員相互扶助の精神の基に連
また、カタログ通信販売及びテレビショッピ
携し合うことが大原則なので組合員の自主性を
ングさらにインターネット販売等の無店舗商品
重んじながら、デフレ時代に合わせた組合員老
販売が時代の主流となり、商店街の路面店舗に
舗・名門意識改革を進めるべきと考えます。
よる商品陳列販売方式は旧式な販売促進となっ
東日本大震災による節電・節約励行の消費マ
てしまいました。
インドの落ち込みから来る売上減少の難局を克
しかしながら、折込みチラシに代わる新たな
服することに、全力を上げることが肝要です。
集客方法が見つからず、費用対効果が思わしく
組合士の資格を取得して 13 年経過しました
なくても従来通り、このチラシ集客に頼ってい
が、この経験を生かし組合の運営を土台から支
るのが現状です。
えたいと思います。
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お 詫 び
本誌5月号の掲載内容に誤りがありました。訂正させていただきますとともに謹んでお詫び申
し上げます。訂正箇所は以下のとおりです。
○8頁「東日本大震災中小企業復興支援金のお礼について」と題した記事、文中
誤 「支援金の総額は2,048万円となりました。」
正 「支援金の総額は2,061万円となりました。」
○14頁
誤
正
町田市資源協同組合様
1口
→
10口
東京都クリーニング商工業協同組合様
1口
→
5口
クールビズの実施について(お知らせ)
第63回中小企業団体全国大会(愛知大会)のご案内
本会では、「エコアクション21」の取り組み
第63回中小企業団体全国大会が愛知県名古屋市
の一環として、昨年度に引き続きクールビズを
熱田区「名古屋国際会議場」 で開催されます。
5 月16日より実施しております。
是非ともご参加下さいますよう、よろしくお願
それに伴い、事務所内での職員のクールビズ
い申し上げます。
を実施いたしますのでご理解のほどよろしくお
◆
開催日時 平成23年11月17日(木)
午後 2 時から 4 時30分
願いします。
◆
実施期間:平成23年 5 月16日(月)から
◆
場 所 「名古屋国際会議場 センチュリーホール」
平成23年 9 月30日(金)まで
愛知県名古屋市熱田区熱田西町1番1号
◆
参 加 料 1人 4,000円
∼クールビズ∼
◆
募集定員 本会会員組合 50名
クールビズとは、「涼しい」や「格好いい」とい
◆
お問い合わせは… 03-3542-0386(代表)
う意味のクール(Cool)と、仕事や職業の意味を表
全国大会担当:千葉・相川
(亮)
・石田
す「ビジネス(Business)」の短縮形ビズ(BIZ)
をあわせた造語です。
◎詳しいご案内は、後日、郵送いたします。なお、
今日的な省エネや環境に配慮した職場づくりのた
観光コースの設定は ございません。
めに、軽装での勤務を推奨するものです。
中小企業だより
中央会インフォメーション
6
TEL:03
(3542)
0386
(代) FAX:03
(3545)
2190
月号
http://www.tokyochuokai.or.jp/
2011年6月15日発行 No.
1723
発行所/東京都中小企業団体中央会 編集・発行人/大村功作 定 価/300円
(税込・送料別途)
〒104−0061 東京都中央区銀座2−10−18 会員の購読料は会費に含まれています。
本誌掲載の記事は無断転載を禁じます。
印刷所/株式会社ディグ ● ● 中小企業だより
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東京信用保証協会は中小企業の皆様が金融機関から事業資金を借入する際、
『保証人』となって
融資を容易にすることにより、金融の円滑化を図る役割を担う公的機関です。
○対
象
者
東日本大震災に対処するための特別の財政援助及び助成に関する法律(平成 23 年法律
第 40 号)第 128 条の規定により、震災で著しい被害を受けた中小業者等
○保証限度額
2 億 8,000 万円(組合4億 8,000 万円)
※ただし、経営安定関連保証及び災害関係保証と合算して 5 億 6,000 万円(組合 9 億 6,000 万円)
○保 証 期 間
10年以内(据置期間 2 年以内を含む)
○融 資 利 率
金融機関所定の利率
○保 証 料 率
0.4~0.7%以下
○必 要 書 類
通常の申込書類のほか、区市町村長等が発行する「罹災証明」または「認定書」
※該当要件により異なる。
(該当要件及び対象者の詳細については中小企業庁のホームページをご覧ください)
●本 店 保 証 部 03-3272-3151 ●池 袋 支 店 03-3987-5445
●新 宿 支 店 03-3344-2251 ●千 住 支 店 03-3888-7231
●葛 飾 支 店 03-5680-0801 ●大 田 支 店 03-5710-3610
●創業アシストプラザ 03-3272-2279(多摩分室 042-525-3101)
●五 反 田 支 店 03-3493-4991
●上 野 支 店 03-3847-3171
●立 川 支 店 042-525-6621
●錦 糸 町 支 店 03-5608-2011
●渋 谷 支 店 03-5468-0135
●八 王 子 支 店 042-646-2511
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役職員一括契約割引
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※上記割引は当制度全体の被保険者*が 1000 名
以上の場合です。1000 名未満の場合、保険料
が変更になります。
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※事業所の役職員全員を一括して付保する場合
に適用できる割引です。
1事業所の被保険者が5名~19名の場合は
割引率は 5%になります。
*被保険者とは保険の対象となる方です。
の特長
役員・従業員の皆様の就業中の事故に備え、政府労災とは別に独自の補償を行うプランです。
役員・従業員の皆様が安心して働ける職場づくりと、貴社のリスクマネジメントをサポートします。
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保険商品内容と加入手続きについてのお問い合わせ先
富士火災海上保険株式会社 東京第一支店
〒104-8122 東京都中央区銀座2-12-18
電話番号 03-5550-4575
制度についてのお問い合わせ先(制度運営団体)
東京都中小企業団体中央会
〒104-0061 東京都中央区銀座2-10-18
電話番号 03-3542-0317
※このチラシは東京都中小企業団体中央会経営安心補償制度におけるグループ傷害保険の概要を説明したものです。制度についての詳細は、「経営
安心補償制度のご案内」、保険商品内容についての詳細は「経営安心補償制度のご案内」および「グループ傷害保険パンフレット」をご覧ください。
なお、ご不明な点につきましては、上記の富士火災営業店までお問い合わせください。
※本書は、平成23年12月31日まで使用することができます。ただし、商品改定、保険料の改定等が発生し、本書の内容に変更が生じた場合は使用する
ことができません。
2011.02.29696.10-341S