なんでこの心電計、生理検査システムとオンライン接続できないの?!

なんでこの心電計、生理検査システムとオンライン接続できないの?!
----生理検査システムの謎---◎井口 健1)、岡田 裕善2)、山田 修3)
大阪医科大学 購買・物流部1)、アイテック阪急阪神(株)2)、岡崎市民病院 臨床検査室3)
皆様の中にも、演題名のような経験をなされた方々
超音波、サーモグラフィ、眼底カメラ
が多いのではないでしょうか?検体検査では、どこの
・波形情報
メーカーの機器でも、検体検査システムにオンライン
心電図、脳波、筋電図、呼吸機能、ホルター
接続できるのは当たり前なのに、生理検査では、心電
図、脳波計、筋電図装置など思うように生理検査シス
☆検体検査と生理検査でのシステム構成で比較
テムとオンライン接続ができないことが多いのが現状
検体検査のシステムが、一つのパッケージシステム
ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ
です。
になっている場合が多いのに比較して、生理検査のシ
いったいなぜなのか?また、検体検査システムと生
ステムでは、受付、進捗管理、実施、などをつかさど
理検査システムとの違いは何なのか?皆様と一緒に検
る、RIS のような生理検査情報管理システム、画像系
討し、現状の問題点の打開策を考えていきたいと思い
データを管理する画像管理システム、波形データを管
ます。
理する波形管理システム、レポート作成を支援するシ
ステム、このほか、ビューワーなどがあります。これ
☆検体検査システム・検査内容の特徴
らシステムがオールインのパッケージになっているシ
1、ほとんどの部門で、
“患者の一部”である血液など
ステムも有りますが、多くの場合単独、もしくは数個
が検査対象。
が一つになって、それが組み合わさり、生理検査シス
2. 扱うデータは“数字”や“文字”が大部分。一部
テムを構成されている場合が多いのが特徴です。超音
簡単な JPG 画像などのデータはありますが。基本的は
波機器に関しては、画像の標準規格である DICOM を
文字や数字データです。
使用しているので、生理検査の中でも比較的どこのメ
3. 基本的にどこのシステムでもどこの分析機器とも
ーカーの機器でもシステムと接続が可能となっている
接続(通信)可能・・・インターフェースが開示され
場合が多い状況です。波形データでは、標準規格
ている。
(MFER)があるのですが、普及しているとは言い難
近年では、HL7,IHE などのシステムにおける標準規
い状況です。
格やガイドラインも徐々に採用されてきています。
☆まとめ
☆生理検査のシステム・検査内容の特徴
医療システムの標準化は、医療安全や地域連携の観
1. 検体検査系と異なり“患者さま自身”が検査対象。
点から、厚生労働省を中心として国策としても推進さ
2. 扱うデータは“数字”や“文字”もあるが主とな
れています。機器メーカーも標準化には興味を持って
るのは“画像”や“波形”である。
対応しているが、競合メーカーが少ないため、経営的
・・・種類が多く、複雑である。
観点からシェア獲得(囲い込み)に邁進しているよう
あああああああああああああああああああああああああああああああああああ
3. データフォーマット、インターフェースが開示さ
に私には思えます(自社の機器が入れば、自然とシス
れていないものが多い、各社独自フォーマット
テムは自社システム採用となり、その後の機器も自社
・・・自由にシステムと接続できない。
の機器が採用される。他社製品ではシステム接続でき
機器により採用・接続できるシステムが決まってしま
ない)
。
う場合が多い現状です。結果データの種類としても、
この状況を打開する為には、臨床現場のユーザーであ
検体検査系のテキスト情報だけでなく大きく 3 種類は
る臨床検査技師が、
情報システムに関する知識を学び、
あります。
現状を理解し、システム構築時に、ユーザーの立場で
・テキスト情報(数字、文字)
現場のニーズを機器メーカーやシステムベンダーへ的
予約情報、依頼情報、患者情報、実施情報
確に要望していく“ユーザーの声”が重要であると考
・画像情報(静止画、動画)
えます。