総合情報環構想 2010 3. 利用者の環 熊本大学の ICT サービスの対象となる利用者は、現在のところ、 学生、教職員に限られる。卒業後の学生との関係の継続、共同研究 等外部関係者との協力、学生の保護者や大学の支援者(例えば、寄 付者)、地域社会等へのサービス向上等を考え、生涯その利用者専 用の熊本大学 ID を付与し、個々の利用者の立場ごとに特化したポ ータル上で必要なサービスを提供する。 卒業生 卒業生 在学生 在学生 共同研究 共同研究 利用者の環 保護者 保護者 熊本大学ID SSO+ポータル 支援者 支援者 地域社会 地域社会 教職員 教職員 熊本大学 熊本大学 3.1. 熊本大学 ID(生涯サポート)の導入と熊本大学ポータルの拡充 熊本大学に入学した時点で、生涯利用可能な「熊本大学 ID」と「熊本大学ポータル」を提供する( 図 2, 図 3)。 個人が本学に入学、就職等といった関係を持った時点で、その個人に「 熊本大学 ID」を付与し、各々の立場で活用 可能な「熊本大学ポータル」を提供し、一生涯継続可能な関係を目指す。 例えば、卒業生等との継続的なつながりによ り、在学生にとっては進路設計や就職活動、卒業生にとっては情報交換、リクルート活動、再学習の機会( 生涯学習ポ ートフォリオ)、本学にとっては卒業生からの人的、資金的支援等といった win-win-win な関係を築くことを目的とする。 • 熊本大学 ID の導入 ° 大学入学時、就職時、異動時等、熊本大学と初めて関わりを持ったときに、その個人を特定する ID を発行し、基 本的に永久に消滅しないものとする。 ° 利用者(ID 付与)の範囲は、学生、卒業生、教職員、寄附等貢献者、共同研究者、保護者、地域社会との連携等 である。 学務情報 学務情報 在学生 在学生 熊本大学ID 熊本大学ID 入学時等に発行し、卒業後も半永久的に継続(生涯ID) 入学時等に発行し、卒業後も半永久的に継続(生涯ID) 保護者、地域社会、共同研究者、支援者等にも立場に応じて付与 保護者、地域社会、共同研究者、支援者等にも立場に応じて付与 熊本大学統合認証(SSO)、 熊本大学統合認証(SSO)、大学ポータル、入退室と連携 大学ポータル、入退室と連携 学生、卒業生、教職員等のロールに応じたサービス 学生、卒業生、教職員等のロールに応じたサービス コミュニティ、eポートフォリオの生涯活用 コミュニティ、eポートフォリオの生涯活用 入学 卒業 就職 卒業生 卒業生 教職員 教職員 保護者 保護者 (同窓会) 支援者 支援者 在学生 在学生 保護者 保護者 SSO+ポータル 卒業生 卒業生 情報提供 コミュニティ ポートフォリオ … 共同研究者 共同研究者 支援者・ 支援者・ 共同研究 共同研究 地域社会 地域社会 熊本大学 熊本大学 教職員 教職員 地域社会 地域社会 熊 本 大 学 ポ ー タ ル データ共有 データ共有 eラーニング eラーニング eポートフォリオ eポートフォリオ 電子図書館 電子図書館 証明書発行 証明書発行 基金・支援 基金・支援 図 3:熊本大学ポータル -4- コミュニティ コミュニティ その他 その他 熊本大学ID による認証 図 2:熊本大学 ID 成績情報 成績情報 総合情報環構想 2010 ° ° ° ° 本 ID を熊本大学統合認証(シングルサインオン1)に用い、全てのサービスのプライマリキーとする。 ID そのものからは、個人の同定を含む個人情報は一切得られないものとする(学生番号、職員番号とは無関係)。 学生、卒業生、教職員等といったロール(立場・役割)に応じたサービスを提供する。 既に卒業等で熊本大学を離れている人に関しては順次発行する。 • 熊本大学ポータルの拡充 ° 熊本大学 ID によるログイン(シングルサインオン)を実現する。 ° ロールに応じた情報やサービスを提供する。 ° コミュニティ機能を提供する。 ━ 学部・研究科、学科・専攻、同窓会、同支部、研究室、サークル等を想定する。 ━ 重複登録を可能とし、グループの新規作成の申請を可能とする。 ° 学習ポータル、研究ポータル、業務ポータルといった機能を分化する。 ━ タブによる項目毎の整理を行い、利便性の向上を図る。 ° パーソナライズ機能を提供する。 ━ その個人と熊本大学の関係(ロール、立場)において、予めある程度適応したポータルを提供する。 ━ 個々人によって利用可能なサービスの重要度・優先度が異なる可能性もあるため、個人による設定変更を可能 とし、順番の入れ替えや非表示設定を可能とする。 3.2. 「利用者の環」を支えるサービス、データベース、インフラ等との連携 • サービスとの連携 ° 上記に示したように、熊本大学 ID によるシングルサインオンと熊本大学ポータルが基本となる。 ° 生涯学習や研究を通して熊本大学との関係を継続する側面から、eポートフォリオシステムや e ラーニングシステ ム が重要な役割を演ずる。 ° 卒業後まで含めたコミュニティ維持や、共同研究促進の立場から、 コミュニティ、データ共有、グループウェアとい ったサービスも重要になる。 ° 永青文庫等の貴重資料の公開や検索エンジンの提供による知的・文化的サービスを提供する。 • データベースとの連携 ° 熊本大学 ID と利用者のロールは、Human Resource DB によって提供される。 ° ポータル上の利用者向け各サービスは、統合情報データベースを主に参照する。 ° 永青文庫等の貴重資料のデジタル化やデータベース化を行う。 • インフラ基盤との関係 ° 学外との接続の増加が予想され、学内 LAN と一般のインターネット間に十分な帯域幅が必要になる。 ° IC 化 ID カードとの連携により、ラーニング・コモンズの利用や建物の入退室管理等が可能となる。 ° 利用者の拡大に伴い、これまで以上に高いセキュリティの確保が重要となる。 • 組織的・人的サポートとの連携 ° 利用者層の広がりに応じて、窓口の一本化、総合的サポートが必要になる。 1 シングルサインオン(Single Sign-On, SSO)とは、一度の認証処理によって複数のサービスが利用可能になる認証機能。 熊本大学ポータルの例では、最初にポータルにログインすると、それそれ別のサーバで提供されている、 SOSEKI、eラー ニングシステム、TSUBAKI、WEB 給与明細システム等が、個別にログインすることなく利用できる。 -5-
© Copyright 2024 ExpyDoc