財務分析 - 岡谷市民病院

岡谷市病院改革プラン
平成21年
岡
谷
3月
市
岡谷市病院事業
目 次
1.はじめに
… 1
(1)現状
(2)医療環境の概況
(3)病院改革プランの策定
2.病院を取り巻く環境
… 2
(1)人口動態予測
(2)疾病傾向
(3)受療傾向
(4)医療資源
(5)周辺の医療機関
3.これまでの取り組み
…12
(1)市立病院統合の経過
(2)統合の推進
(3)経営統合後に実施した経営改善の取り組み
4.財務分析
…15
(1)収益的収支及び資本的収支の状況
(2)経営指標
5.岡谷市病院事業の将来像
…17
(1)果たすべき役割
(2)目指すべき姿
6.改革プランの基本方針
…19
(1)改革の3つの視点に対する考え方
(2)病院統合の考え方
(3)一般会計における病院事業への経費負担の考え方
(4)改革プランの計画期間等
7.経営の効率化
(1)各年度の収支計画及び数値目標の設定
(2)目標達成のための具体的な取り組み
…21
8、再編・ネットワーク化の推進
…24
(1)岡谷市における医療の再編・ネットワーク化
(2)二次保健医療圏における医療の再編・ネットワーク化
(3)長野県における結核医療の再編・ネットワーク化
9.統合新病院建設に向けて
…25
(1)基本的な考え方
(2)新病院構想(案)の考察
(3)新病院の建設
10.経営形態の見直し
…26
(1)基本的な考え方
(2)経営形態の考察
11.改革プランの進行管理
…29
(1)改革プランの点検及び評価の体制
(2)改革プランの進捗及び達成状況の公表
■参考資料
岡谷市病院事業 新病院構想(案)の考察
…30
1.はじめに
(1)現状
市立病院を取り巻く環境は、国の医療費抑制政策による4期連続の診療報酬のマイナス改定
や全国的な医師不足の影響に加え、平成16年度から始まった医師の臨床研修制度の影響等に
よる医師不足により、医師確保が大変むずかしい状況となっている。
また、国の三位一体の改革に伴う地方交付税の大幅削減等により、病院事業を支える一般会
計においても歳入不足が懸念されるなど大変厳しい状況にある。
このような状況の中、市立岡谷病院、健康保険岡谷塩嶺病院の2つの公立病院を設置する岡
谷市では、両病院の統合方針を決定、平成18年度には地方公営企業法の全部適用病院として、
病院事業管理者を設置し両病院の経営を統合、経営改善を進めるとともに、診療科目の統合や
機能分担を行いながら、最終目標である新病院建設に向け、努力してきたところである。
しかしながら、医師不足に伴う診療体制の縮小や診療報酬のマイナス改定の影響を受け、平
成19年度は病院事業全体で約 2 億 2 千万円の赤字決算となり、このままの状態が続くと近
い将来、不良債務の発生が懸念される状態となっている。
今後、2つの病院の統合の進め方を含め、病院経営を抜本的に改革することにより、この難
局を乗り越えて行かなければならない。
(2)医療環境の概況
①岡谷市における医療環境の概況
一次保健医療圏である岡谷市内には、4つの病院と 36 の一般診療所、27 の歯科診療所があ
り、各々が連携を図りながら地域医療を担っている。
中でも市立岡谷病院及び健康保険岡谷塩嶺病院の2つの公立病院は地域の中核病院として
重要な役割を担っている。
【市立岡谷病院】
・一般の疾病に即応できる市民に密着した医療機関
・診療科目 29 科目
・病床数 292 床(許可病床数)
・一般病床(244 床 うち亜急性病床 24 床)療養病床(44 床)感染症病床(4 床)
・急性期から亜急性期、療養病床と幅広い医療提供体制を有する
・職員数 263 名
【健康保険岡谷塩嶺病院】
・心疾患及び結核診療に特化した機能を中心とした医療機関
・診療科目 17 科目
・病床数 259 床(許可病床数)
・一般病床(199 床)結核病床(60 床)
・県下全域の健診業務を担う
1
・緩和ケア病床をもつ
・社会保険庁設立。
(現在は独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構から経営受託)
・職員数 193 名
②二次保健医療圏における医療環境の概況
二次保健医療圏(諏訪医療圏)には 13 の病院があり、病床数は 2,356 床となっている。そ
のうち一般病床数は 1,617 床で、残りは療養病床 281 床、結核病床 60 床、感染病床 4 床、精
神病床 394 床となっている。
一般病床数は人口 10 万人あたり 766.7 床で県平均の 723.2 床及び全国平均の 713.0 床に比
べ、多いが、医師数は人口 10 万人あたり 180.1 人で県平均の 190.0 人及び全国平均の 206.3
人に比べ、少ない状況となっている。
医療提供の体制では、諏訪赤十字病院が地域医療支援病院として、他の病院は協力病院とい
う位置付けとなっている。救急医療については、三次救急は諏訪赤十字病院が、二次救急は岡
谷市の2病院を含む7病院において輪番制により担い、一次救急はかかりつけ医や休日診療所
が連携して対応している。
(3)病院改革プランの策定
公立病院は、国の医療制度改革や少子高齢化に伴う医療環境・医療ニーズの変化等医療を取
り巻く環境が大きく変化する中、地域における基幹的な医療機関として、地域医療の確保のた
め重要な役割を果たしてきているが、近年、多くの公立病院において、経営状況の悪化や診療
体制の縮小を余儀なくされるなど、経営環境や医療提供体制の維持がむずかしい状況になって
きている。
こうした中、
「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」において、平成20年度決算か
ら一般会計に病院事業会計も含めた企業会計等を連結して地方自治体全体の財政状況を把握
することになり、公立病院の健全化が強く求められることになったとともに、病院事業につい
ては、平成19年12月に「公立病院改革ガイドライン(以下「ガイドライン」という。)
」が
示され、全ての公立病院は平成20年度内に「公立病院改革プラン」を策定し、改革を推進す
るよう要請されたところである。
ガイドラインでは、公立病院が今後とも地域において必要な医療を安定的かつ継続的に提供
していくためには、抜本的な改革の実施が必要との認識の中、経営の効率化、再編・ネットワ
ーク化、経営形態の見直しが公立病院改革の3つの視点として掲げられているところである。
本市においても、このガイドラインの趣旨に則り、改革を通じ、市民にとって必要な医療提
供体制を確保するとともに、市民病院として持続可能な病院経営を目指し、
「岡谷市病院改革
プラン」を策定するものである。
2
2.病院を取り巻く環境
(1)人口動態予測
①長野県、諏訪医療圏及び岡谷市の人口推移
長野県及び諏訪医療圏の 2000 年から 2030 年の人口推移は、ほぼ同じ割合で年々減少すると
予測されています。一方、岡谷市では、2000 年から 2030 年にかけて、人口は 19.5%の減少が
予測されています。全国平均と比較して人口減少が顕著です。
■ 人口増減割合 対 2000 年
105%
100.6%
100.3%
100.0%
100%
100.4%
100.2%
97.3%
99.5%
97.8%
99.7%
99.4%
94.5%
95%
95.4%
98.2%
97.7%
96.0%
95.2%
91.5%
93.4%
92.6%
90.5%
88.8%
92.1%
90%
88.0%
85%
84.2%
岡谷市
80%
諏訪医療圏
長野県
80.5%
全国
75%
2000年
2005年
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
【国立社会保障・人口問題研究所(平成 15 年 12 月推計)】
諏訪医療圏全体でみると、2030 年までに 23,688 人の減少が見込まれています。このうち岡
谷市は 10,999 人の減少が予測されています。
■ 諏訪医療圏と岡谷市の人口推移 (単位:人)
250,000
211,624
212,090
諏訪医療圏
210,451
206,837
201,516
200,000
岡谷市
194,975
187,936
150,000
100,000
56,396
54,862
53,272
51,625
50,000
49,648
47,476
45,397
0
2000年
2005年
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
【国立社会保障・人口問題研究所(平成 15 年 12 月推計)】
3
②人口内訳の推移
岡谷市の年齢 3 区分別の人口動態の推移をみると、2000 年から 2030 年にかけて、年少人口
は 2,839 人の減少、生産年齢人口は 10,998 人の減少、老年人口は 2,838 人の増加となってい
ます。老年人口のうち、75 歳以上の人口は 4,360 人の増加が予測されています。
■ 岡谷市の年齢構成区分別人口推移(単位:人)
40,000
36,719
年少人口
34,161
35,000
生産年齢人口
老年人口
75歳以上人口
31,594
29,176
30,000
27,732
26,911
25,721
25,000
20,000
15,000
10,000
11,686
7,991
5,000
7,553
4,912
15,832
13,148
14,542
7,136
6,159
7,120
6,617
7,942
15,871
15,030
8,707
9,415
6,045
5,535
14,524
9,272
5,152
0
2000年
2005年
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
【国立社会保障・人口問題研究所(平成 15 年 12 月推計)】
岡谷市では全国平均に比べ2~4ポイント高い割合で高齢化が進み、2015 年には高齢化率
は 30%を超えるものと予想されます。
■
高齢化の状況
33%
30.7%
31%
30.4%
28.9%
29%
29.2%
27.3%
27%
27.8%
25%
23%
32.0%
24.0%
21.5%
23.2%
22.8%
27.8%
31.7%
32.0%
31.7%
30.6%
29.6%
31.0%
29.9%
28.7%
26.0%
25.7%
25.1%
22.5%
21%
岡谷市
19%
20.7%
20.4%
17%
17.4%
19.9%
諏訪医療圏
長野県
全国
15%
2000年
2005年
2010年
2015年
2020年
2025年
2030年
【国立社会保障・人口問題研究所(平成 15 年 12 月推計)】
4
(2)疾病傾向
諏訪医療圏の入院患者の疾病傾向(発生ベース)は、長野県平均と比べて新生物、妊娠分娩お
よび産褥、周産期に発生した疾病等の割合が低いという傾向が見られます。
■ ICD 受療率比較(退院・患者住所地)(単位:千人/日)
諏訪医療圏
総 数
Ⅰ 感染症及び寄生虫症
Ⅱ 新生物
Ⅲ 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害
Ⅳ 内分泌,栄養及び代謝疾患
Ⅴ 精神及び行動の障害
Ⅵ 神経系の疾患
Ⅶ 眼及び付属器の疾患
Ⅷ 耳及び乳様突起の疾患
Ⅸ 循環器系の疾患
Ⅹ 呼吸器系の疾患
ⅩⅠ 消化器系の疾患
ⅩⅡ 皮膚及び皮下組織の疾患
ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患
ⅩⅣ 尿路性器系の疾患
ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく
ⅩⅥ 周産期に発生した病態
ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常
ⅩⅧ 症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
ⅩⅨ 損傷,中毒及びその他の外因の影響
ⅩⅩⅠ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用
患者数
2.10
0.10
0.30
0.00
0.10
0.10
0.10
0.10
0.00
0.30
0.20
0.20
0.00
0.10
0.10
0.10
0.00
0.00
0.10
0.20
0.00
構成比
100.0%
4.8%
14.3%
0.0%
4.8%
4.8%
4.8%
4.8%
0.0%
14.3%
9.5%
9.5%
0.0%
4.8%
4.8%
4.8%
0.0%
0.0%
4.8%
9.5%
0.0%
長野県
患者数
22.40
0.70
4.20
0.10
0.50
0.70
0.80
0.60
0.10
3.20
2.00
2.10
0.20
1.00
1.00
1.30
0.30
0.10
0.70
1.90
1.00
構成比
100.0%
3.1%
18.8%
0.4%
2.2%
3.1%
3.6%
2.7%
0.4%
14.3%
8.9%
9.4%
0.9%
4.5%
4.5%
5.8%
1.3%
0.4%
3.1%
8.5%
4.5%
全国
患者数
1,123.50
38.00
221.10
6.40
35.80
36.40
33.40
36.60
7.80
153.40
100.80
111.70
12.10
47.10
57.50
55.70
12.70
7.10
34.90
96.20
18.80
構成比
100.0%
3.4%
19.7%
0.6%
3.2%
3.2%
3.0%
3.3%
0.7%
13.7%
9.0%
9.9%
1.1%
4.2%
5.1%
5.0%
1.1%
0.6%
3.1%
8.6%
1.7%
【引用:厚生労働省 「患者調査」平成 17 年度】
■ ICD 受療率比較(退院・施設所在地)(単位:千人/日)
諏訪医療圏
総 数
Ⅰ 感染症及び寄生虫症
Ⅱ 新生物
Ⅲ 血液及び造血器の疾患並びに免疫機構の障害
Ⅳ 内分泌,栄養及び代謝疾患
Ⅴ 精神及び行動の障害
Ⅵ 神経系の疾患
Ⅶ 眼及び付属器の疾患
Ⅷ 耳及び乳様突起の疾患
Ⅸ 循環器系の疾患
Ⅹ 呼吸器系の疾患
ⅩⅠ 消化器系の疾患
ⅩⅡ 皮膚及び皮下組織の疾患
ⅩⅢ 筋骨格系及び結合組織の疾患
ⅩⅣ 尿路性器系の疾患
ⅩⅤ 妊娠,分娩及び産じょく
ⅩⅥ 周産期に発生した病態
ⅩⅦ 先天奇形,変形及び染色体異常
ⅩⅧ 症状,徴候及び異常臨床所見・異常検査所見で他に分類されないもの
ⅩⅨ 損傷,中毒及びその他の外因の影響
ⅩⅩⅠ 健康状態に影響を及ぼす要因及び保健サービスの利用
患者数
2.20
0.10
0.40
0.00
0.10
0.10
0.10
0.10
0.00
0.30
0.20
0.20
0.00
0.10
0.10
0.20
0.00
0.00
0.10
0.20
0.00
構成比
100.0%
4.5%
18.2%
0.0%
4.5%
4.5%
4.5%
4.5%
0.0%
13.6%
9.1%
9.1%
0.0%
4.5%
4.5%
9.1%
0.0%
0.0%
4.5%
9.1%
0.0%
長野県
患者数
22.60
0.80
4.10
0.10
0.50
0.70
0.80
0.60
0.10
3.20
2.00
2.10
0.20
1.00
0.90
1.40
0.30
0.10
0.70
1.90
0.90
全国
構成比 患者数
100.0% 1,123.50
3.5%
38.00
18.1%
221.10
0.4%
6.40
2.2%
35.80
3.1%
36.40
3.5%
33.40
2.7%
36.60
0.4%
7.80
14.2%
153.40
8.8%
100.80
9.3%
111.70
0.9%
12.10
4.4%
47.10
4.0%
57.50
6.2%
55.70
1.3%
12.70
0.4%
7.10
3.1%
34.90
8.4%
96.20
4.0%
18.80
構成比
100.0%
3.4%
19.7%
0.6%
3.2%
3.2%
3.0%
3.3%
0.7%
13.7%
9.0%
9.9%
1.1%
4.2%
5.1%
5.0%
1.1%
0.6%
3.1%
8.6%
1.7%
【引用:厚生労働省 「患者調査」平成 17 年度】
5
(3)受療傾向
①諏訪医療圏の受療傾向(入院)
諏訪医療圏から流出した患者は、松本医療圏で受療する傾向が見られます。また別の医療圏
の患者では、上伊那医療圏の患者が諏訪医療圏で受療している傾向があります。
■二次保健医療圏の患者受療傾向(入院)
単位:人
佐久
佐久
上小
上小
諏訪
諏訪
上伊那
上伊那
飯伊
飯伊
木曽
木曽
松本
松本
大北
大北
長野
長野
北信
-
1,000
2,000
3,000
4,000
5,000
北信
【引用:厚生労働省 「患者調査」 平成 17 年度】
■二次保健医療圏の流入・流出患者割合(入院・外来)
単位:%
二次保健医療圏
推計流入患者割合
推計流出患者割合
長野県
16.6
16.8
佐久
19.5
13.4
上小
29.6
22.6
諏訪
18.4
21.0
上伊那
8.3
22.5
飯伊
6.0
9.6
木曽
8.7
52.1
松本
20.0
11.5
大北
21.1
36.9
長野
10.8
10.8
北信
17.6
28.4
【引用:厚生労働省 「患者調査」 平成 17 年度】
6
②岡谷市の受療傾向
岡谷市の国保患者データ(平成 20 年 6 月)をみると、市内で発生した患者が入院する場合、
市立2病院で 33.4%、他の市内病院及びその他で 66.6%、通院の場合は市立2病院で 17.9%、
他の市内病院及びその他で 82.1%の割合となっています。
■入院
患者数
病院名等
患者数
シェア率
医療費
合計シェア
市立岡谷病院
3,109
24.3%
岡谷塩嶺病院
1,160
9.1%
他の市内病院
4,169
32.6%
32.6%
その他
4,350
12,788
※1
合計
総医療費
シェア率
合計シェア
84,714,910
28.0%
41,098,740
13.6%
68,616,560
22.7%
22.7%
34.0%
34.0% 108,021,910
35.7%
35.7%
100.0%
100.0% 302,452,120
100.0%
100.0%
33.4%
41.6%
■外来
患者数
病院名等
患者数
5,075
13.6%
岡谷塩嶺病院
1,610
4.3%
他の市内病院
3,859
10.4%
26,689
37,233
その他
※1
合計
※1
シェア率
市立岡谷病院
医療費
合計シェア
総医療費
シェア率
合計シェア
43,110,260
14.7%
38,467,750
13.1%
10.7%
10.7%
71.7%
31,356,460
71.7% 181,069,470
61.5%
61.5%
100.0%
100.0% 294,003,940
100.0%
100.0%
17.9%
10.4%
その他…市内診療所、市外病院・診療所(診療所には歯科診療所を含む)
7
27.8%
(4)医療資源
①病床充足率
基準病床数に対する既存病床数の割合は 97.2%であり、53 床不足しています。
基準
病床数
保健医療圏名
諏訪
佐久
上小
上伊那
飯伊
木曽
松本
大北
長野
北信
既存
病床数
1,873
2,288
1,864
1,359
1,771
283
3,935
506
5,069
867
19,815
計
1,820
2,194
2,315
1,429
1,526
255
3,954
512
4,759
850
19,614
充足率
97.2%
95.9%
124.2%
105.2%
86.2%
90.1%
100.5%
101.2%
93.9%
98.0%
99.0%
【引用:長野県「第5次長野県保健医療計画」(平成 19 年度)】
②医療施設数及び病床数
諏訪医療圏には一般病院 12、精神病院1、合計 13 の病院があります。合計の病床数は 2,356
床となっており、1,617 床が一般病床です。
このうち岡谷市は 4 病院、942 床であり、圏内で最も多い施設数、病床数となっています。
■二次保健医療圏別医療施設数及び病床数
施設数
病床数
地域医療 救急告示
病院
療養病床 支援病院
(再掲)
を有する (再掲)
一般病院
精神科
病院
総数
長野県
結核
療養所
総数
総数
精神病床
病院
(再掲)
感染症
病床
結核病床
療養
病床
一般
病床
地域医療
支援病院
138
16
-
122
62
5
89
25,282
5,287
42
134
3,988
15,831
2,547
佐久
14
1
-
13
10
-
12
2,782
492
4
-
438
1,848
-
上小
18
3
-
15
9
1
12
2,859
575
-
-
1,111
1,173
420
諏訪
13
1
-
12
6
1
7
2,356
394
4
60
281
1,617
475
上伊那
13
4
-
9
4
-
4
1,853
486
4
-
301
1,062
-
飯伊
11
-
-
11
8
1
10
1,916
286
4
-
458
1,168
407
木曽
1
-
-
1
1
-
1
259
-
4
-
48
207
-
松本
27
4
-
23
9
1
18
5,138
1,188
6
50
518
3,376
471
大北
2
-
-
2
2
-
2
596
90
4
-
96
406
-
長野
36
3
-
33
13
1
21
6,456
1,546
8
24
737
4,141
774
北信
3
-
-
3
-
-
2
1,067
230
4
-
-
833
-
8
■諏訪医療圏における病院数・病床数
施設数
病床数
地域医療 救急告示
病院
療養病床 支援病院
(再掲)
を有する (再掲)
一般病院
精神科
病院
総数
諏訪
結核
療養所
総数
総数
精神病床
病院
(再掲)
感染症
病床
結核病床
療養
病床
地域医療
支援病院
一般
病床
13
1
-
12
6
1
7
2,356
394
4
60
281
1,617
岡谷市
4
-
-
4
2
-
3
942
267
4
60
97
514
475
-
諏訪市
4
1
-
3
2
1
1
648
127
-
-
96
425
475
茅野市
1
-
-
1
1
-
1
362
-
-
-
45
317
-
下諏訪町
3
-
-
3
1
-
1
259
-
-
-
43
216
-
富士見町
1
-
-
1
-
-
1
145
-
-
-
-
145
-
原村
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
【引用:厚生労働省 「医療施設調査」(平成 18 年度)】
また、諏訪医療圏における人口 10 万人あたりの一般病床数は 766.7 床で県平均の 723.2 床、全
国平均の 713 床と比べ高い数値となっています。
■都道府県別人口 10 万人対一般病床数(単位:施設)
1,200
962
1,000
767
800 713
600
400
200
岡 谷 市
9
沖 縄
【引用:厚生労働省 「医療施設調査」(平成 18 年度)】
諏 訪 医 療 圏
鹿 児 島
宮 崎
大 分
佐 賀
熊 本
長 崎
福 岡
高 知
愛 媛
徳 島
香 川
山 口
広 島
島 根
岡 山
鳥 取
和 歌 山
奈 良
京 都
兵 庫
大 阪
滋 賀
三 重
愛 知
岐 阜
静 岡
長 野
山 梨
福 井
石 川
富 山
神 奈 川
新 潟
東 京
千 葉
群 馬
埼 玉
栃 木
茨 城
福 島
宮 城
山 形
秋 田
岩 手
青 森
北 海 道
全 国
-
③医師数
諏訪医療圏における医師数は人口 10 万あたり 180.1 人で県平均の 190.0 人及び全国平均
の 206.3 人と比べ低い数値を示しています。
■ 人口 10 万対二次保健医療圏別医療従事者数(単位:人)
医療圏名
医師
歯科医師 薬剤師
保健師
看護職員
助産師 看護師 准看護師
諏訪
180.1
60.5
142.0
46.7
30.0
724.3
235.4
佐久
204.2
63.5
133.6
64.9
29.9
876.6
218.2
上小
141.9
63.4
153.5
45.5
17.4
604.2
393.6
上伊那
134.2
55.4
105.2
59.6
25.9
614.9
250.2
飯伊
164.8
53.4
122.3
59.7
21.2
665.6
345.7
木曽
132.2
51.1
99.1
105.2
33.0
597.9
168.3
松本
298.6
113.4
148.4
52.4
35.5
835.4
224.0
大北
158.6
50.3
126.6
71.7
24.4
727.6
215.1
長野
162.2
60.1
135.1
50.3
20.4
683.1
237.2
北信
158.2
49.3
129.5
75.0
30.8
795.3
213.7
県全体
190.0
69.4
135.3
55.5
26.3
726.2
254.4
全国
206.3
74.0
136.4
31.5
20.2
635.5
299.1
【引用:長野県保健医療計画(平成 20 年度)】
■人口 10 万対
医師数 (うち医療施設従事者)
300
250
206.3
200
190
150
100
50
沖
鹿
宮
大
熊
縄
児 島
崎
分
本
長 崎
佐 賀
媛
川
島
口
島
福 岡
高 知
愛
香
徳
山
広
岡 山
島 根
良
庫
阪
都
賀
鳥 取
和 歌 山
奈
兵
大
京
滋
三 重
愛 知
静 岡
岐 阜
川
山
潟
奈 川
京
葉
玉
長 野
山 梨
福 井
石
富
新
神
東
千
埼
群 馬
栃 木
茨 城
福 島
山 形
秋 田
宮 城
岩 手
青 森
北 海 道
全 国
0
【厚生労働省 「医師・歯科医師・薬剤師調査」平成 18 年度】
10
(5)周辺の医療機関
岡谷市役所を中心として、周辺 7.5km 圏内には 12 の病院が所在しており、50 床前後の病院
から 475 床の諏訪赤十字病院などの病院があります。周辺 15km 圏内でみると、21 の病院が所
在しています。
病床数
施設名称
診療科目
心
一般 療養 介護 精神 結核 感染 合計 内 内
4
神
呼心
産
呼 消 胃 循 リウ 小 外 整 形 脳
皮泌
耳 リハ 放 麻 眼
内
外外
婦
292
○
○○○○
259
○
○○
49
○
327
○○○○
0.0km
市立岡谷病院
244
1.9km
健康保険岡谷塩嶺病院
199
1.5km
祐愛病院
1.8km
2.8km
諏訪湖畔病院
信濃整肢療護園
信濃医療福祉センター
127
127
7.5kⅿ 3.1km
諏訪マタニティクリニック
33
33
○
3.3km
諏訪共立病院
56
99
○○
5.9km
諏訪赤十字病院
425
50
475
○
6.5km
上諏訪病院
77
77
○○○○
6.6km
諏訪城東病院
48
○○○
7.4km
両小野国保病院
35
○
7.5km
田中クリニック
42
42
○
9.0km
塩尻協立病院
42
57
99
○
10.0km
塩尻病院
40
40
○
10.2km
中村病院
56
44
100
○
11.6km
桔梗ヶ原病院
38
95
133
○
11.6km
町立辰野総合病院
130
130
○
12.9km
国立病院機構中信松本病院
280
330
○
14.3km
諏訪中央病院
317
362
○
14.3km
国立病院機構松本病院
303
303
○
14.9km
上條記念病院
57
151
○
圏内
44
精
距離
60
49
60
267
43
48
35
15kⅿ
圏内
50
45
94
○○○○○
○
○
○
○
○○○○
○○○
○○
○
○○○○
○○
○
○
○
○
○
○
○○○
○○○○○
○○○○
○○
○○○○○○○○○○○○○○○○○
○○
○
○
○
○
○
○
○○
○
○
○
○
○○
○
○○
○
○
○
○○
○
○○○
○○○
○○○
○
○
○
○
○○○
○○○○
○
○○
○
○
○○○
○○
○
○○○
○
○○○○○○○○
○○
○
○○○○○
○○○○○○○○○
○
○
○
○○○
【引用: 社会保険事務局 資料 (平成 19 年 4 月現在)】
※市立岡谷病院、健康保険岡谷塩嶺病院の病床数は最新の数字を記載
11
3.これまでの取り組み
(1)市立病院統合の検討
■平成15年度
①岡谷市病院運営会議設置(平成15年10月)
統合の時期、規模、診療科目等の検討、新たな病院建設に向けての計画づくり
②岡谷市病院懇話会設置(平成15年12月)
・岡谷市を取り巻く医療環境の状況
・岡谷市の医療行政の将来ビジョン
・岡谷市の公立病院のあり方(岡谷市公立病院の統合と機能分担の考え方)
■平成16年度
①岡谷市病院基本構想策定業務
・岡谷市を取り巻く医療環境の状況
・岡谷市の医療行政の将来ビジョンの検討
(医療需要の見通し、供給の検討、診療圏の医療需要の量と質 他)
・岡谷市の公立病院の在り方
の検討及び
※岡谷市病院懇話会からの提言(平成17年1月25日)
「岡谷市公立病院の統合と機能分担の推進を行うべき」
を受け、
公立病院の統合(新病院建設)と機能分担の推進(建設まで期間)の方針を決定した。
☆議会全員協議会への報告(平成17年2月16日)
・平成18年度を目標に経営統合する。
・平成17年度に経営統合から新病院建設までの機能分担を両病院で検討する。
・平成17年度に「岡谷市病院統合基本計画」を策定する。
■平成17年度
①岡谷市病院統合基本計画策定業務
・市民ニーズ・アンケート調査
・基本機能・規模策定業務
・事業計画と PFI 可能性研究
・統合に向けた課題の整理及び対応策の検討
により、
統合の進め方及び新病院建設につき、3つ候補地とガイドラインを作成した。
☆議会全員協議会への報告(平成17年10月25日)
・経営統合の時期は平成18年4月とする。
・2つの企業会計を1つの企業会計として統合する。
・地方公営企業法の全部適用病院として管理者を置く。
・医療法上は2つの病院であり、病院名はそのまま継続する。
②岡谷市病院統合準備部会設置(平成17年12月1日)
平成18年4月の経営統合に向けた準備を実施した。
12
☆議会全員協議会への報告(平成18年1月20日)
・統合病院の組織(平成18年4月以降の組織)
☆議会全員協議会への報告(平成18年3月20日)
・岡谷市病院統合基本計画の内容(統合の進め方及び新病院建設)
(2)統合の推進
①経営の統合(統合第1段階):平成18年4月1日
両病院を経営統合し、地方公営企業法の全部適用病院として病院事業管理者を設置
②診療科目の統合と機能分担の推進(統合第2段階)
一般外科を岡谷病院へ統合(平成18年6月)
健診部門を塩嶺病院へ統合(平成18年6月)
地域連携の推進を目的に地域医療連携室の設置(平成19年4月)
③新病院の建設(統合第3段階)
・統合の最終目標は施設面での統合であり、その方法は新病院建設とする。(目標)
☆議会全員協議会への報告(平成19年7月4日)
・新病院構想(案)を提示し、建設予定地を文化センター跡地とすることを報告
(3)経営統合後に実施した経営改善の取組み
①患者サービス、職員の融和、意識改革等
・病院事業及び各病院における意思決定、経営分析機関の設置、整理
・病院間における人事交流の推進
・病院広報紙「オーエン」の創刊
・各部署における勉強会、研修会の実施
・病院運営モニター会議の設置(岡谷病院)
・病院ボランティアの設置(岡谷病院)
・経営改善職員提案の実施
・標榜科目名の変更、整理(20.7)
・クレジットカード決済の導入(20.5)
②医師、診療体制の確保
・医師派遣大学への訪問
・医学生を対象とした臨床研修説明会への参加
・医師募集ホームページの充実
・医師紹介業者への情報登録
・看護学生病院実習夏季セミナーの開催(塩嶺病院)
③建物及び医療機器等の整備
・建物及び医療機器の整備の促進
・オーダリングシステムの導入(20.10 岡谷病院)
・検診システムの導入(21.3 塩嶺病院)
13
④病診連携等への取組
・特別初診料の徴収
・地域連携室の設置(その後、医療福祉相談室との一元化)
・診療所への院長訪問の実施
・地域医療連携室だよりの創刊
・諏訪地域病々連携実務担当者会議等による情報交換
・新CTシステム導入による病院間等における情報交換の簡素化
⑤収入確保と経費節減
・診療報酬算定精度向上への取組
・未収金等への対応に向けた嘱託徴収員の配置(岡谷病院)
・亜急性病床の増床(岡谷病院)
・一般病床数の見直し(20.6 塩嶺病院
210 床⇒199 床)
・循環器・呼吸器センターの設置(20.7 塩嶺病院)
・糖尿病センターの設置(21.1 岡谷病院)
・画像情報のフィルムレス化
・ボイラ燃料転換工事(岡谷病院)
・一括契約、共同購入の実施
⑥その他
・DPC調査協力病院としての参加
14
4.財務分析
(1)収益的収支及び資本的収支の状況
年 度 ・
・ 区 分
病院事業
市立岡谷病院
健康保険岡谷塩嶺病院
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
・
一
般
病
床
454
454
443
244
244
244
210
210
・
療
養
病
床
48
44
44
48
44
44
0
0
0
数 結
核
病
床
60
60
60
0
0
0
60
60
60
病
床
感
・
・
・
・
・
・
・
・
・
取 扱患 者数
患 者 数/ 1 日
診 療 単 価
・
床
4
4
4
4
4
0
0
0
562
551
296
292
292
270
270
259
院
患
者
数
132,400
126,895
122,491
92,291
92,366
87,607
40,109
34,529
34,884
外
来
患
者
数
223,988
209,767
194,521
167,262
157,569
143,291
56,726
52,198
51,230
1 日 入 院 患 者
358
347
336
248
252
240
110
94
96
1 日 外 来 患 者
839
776
724
628
584
535
211
193
189
入 院 診 療 単 価
32,517
33,308
33,852
28,070
27,961
28,930
42,751
47,609
46,212
外 来 診 療 単 価
10,511
10,915
11,427
6,877
7,218
7,442
21,226
22,078
22,571
456
456
456
258
259
263
198
197
数
193
(千円)
医
1.
業
(1) 料
収
金
収
収
医
入 2.
他
・
経
支
・
(4) 減
出
医
・
2.
・
経
3,703,717
3,183,618
3,058,617
3,030,632
3,600,937
2,918,748
2,796,306
2,768,365
益
4,305,267
4,226,557
4,146,564
2,590,568
2,582,664
2,534,500
1,714,699
1,643,893
1,612,064
益
2,354,376
2,289,708
2,222,738
1,150,327
1,137,295
1,066,437
1,204,049
1,152,413
1,156,301
他
395,091
361,131
365,047
130,221
98,820
102,780
264,870
262,311
262,267
益
805,731
720,039
705,668
462,979
469,277
438,251
342,752
250,762
267,417
外
収
負
担
収
費
員
給
(2) 材
(3) 経
3,818,779
3,719,959
収
業
・
3,871,116
3,740,895
収
計
(1) 職
6,734,349
6,369,302
来
業
医
1.
6,877,396
6,516,265
院
常
・
7,054,734
6,659,643
外
の
会
益
入
入
(2) そ
・
・
・
・
4
566
入
・
・
病
員
・
・
症
計
・
・
・ 職
・
・
染
199
与
料
価
業
償
却
外
常
費
費
金
696,000
583,000
577,000
393,000
363,000
355,000
303,000
220,000
222,000
益
7,860,465
7,597,435
7,440,017
4,334,095
4,288,056
4,141,968
3,526,370
3,309,379
3,298,049
用
7,578,676
7,439,039
7,455,749
4,023,149
4,012,336
4,033,914
3,555,527
3,426,703
3,421,835
費
4,187,442
4,172,104
4,236,715
2,441,530
2,474,872
2,527,242
1,745,912
1,697,232
1,709,473
費
2,069,572
1,988,801
1,921,255
784,844
769,153
730,033
1,284,728
1,219,648
1,191,222
費
867,368
832,524
856,777
493,908
487,657
503,508
373,460
344,867
353,269
費
413,870
404,723
404,980
281,035
258,801
250,228
132,835
145,922
154,752
用
367,046
375,235
347,105
245,722
230,349
218,061
121,324
144,886
129,044
用
7,945,722
7,814,274
7,802,854
4,268,871
4,242,685
4,251,975
3,676,851
3,571,589
3,550,879
-252,830
・ 経
常
損
益
-85,257
-216,839
-362,837
65,224
45,371
-110,007
-150,481
-262,210
・ 特
別
損
益
-3,259
-8,141
-12,096
-1,986
-5,978
-10,000
-1,273
-2,163
-2,096
益
-88,516
-224,980
-374,933
63,238
39,393
-120,007
-151,754
-264,373
-254,926
・ 累 積 剰 余 (- 欠 損 ) 金
・
常
収
支
比
率
Ⓐ 経
272
-226,708
-601,641
39,603
76,996
-43,011
-39,331
-303,704
-558,630
98.93
97.23
95.35
101.53
101.07
97.41
95.91
92.66
92.88
59.36
60.66
62.91
63.07
64.81
68.24
54.84
55.49
56.41
65.9
63.7
63.0
84.9
86.1
80.6
43.8
37.6
40.4
・ 純
損
Ⓑ 職 員 給 与 費対 医業 収益 比率
・
Ⓒ 一 般 病 床 利 用 率
・
業
債
・
○ 企
・
○
他
・
○
そ
・ 資
本
会
計
負
担
の
的
収
99,900
741,500
328,752
329,100
150,600
100,000
135,000
100,000
100,000
100,000
0
35,000
35,000
他
16,010
8,402
3,340
10,100
6,742
20
5,910
1,660
3,320
計
545,010
1,035,502
567,092
210,000
848,242
428,772
335,010
187,260
138,320
○
建
費
444,770
299,604
429,752
104,957
134,038
329,752
339,813
165,566
100,000
○
企
金
375,568
1,003,116
479,107
286,919
909,710
316,222
88,649
93,406
162,885
・
○
看 護 師 養 成 貸 付 金
36,450
37,450
32,950
15,150
19,200
18,000
21,300
18,250
14,950
・
○
そ
他
40,000
76,000
178,210
40,000
76,000
178,150
0
0
60
計
896,788
1,416,170
1,120,019
447,026
1,138,948
842,124
449,762
277,222
277,895
額
-351,778
-380,668
-552,927
-237,026
-290,706
-413,352
-114,752
-89,962
-139,575
・ 差
本
引
債
良
428,752
135,000
・
業
改
892,100
100,000
・
・ 資
設
入
429,000
金
償
還
の
的
支
不
出
足
15
(2)経営指標
収益的収支及び資本的収支の状況表(前頁)に示すとおり、市立岡谷病院、健康保険岡谷塩嶺
病院ともに平成18年度以降、収支状況が悪化している(前表Ⓐ参照)。
これは近年における患者動向が、我々の懸命の努力にもかかわらず減少し続けていることによ
り(前表Ⓒ参照)、患者数と職員数のバランスが大きく崩れてきていることが影響したものと考
える(前表Ⓑ参照)
。
また、これに伴い、平成20年度決算においては、「運営資金の枯渇化」が新たな課題として
浮上しており、特に資金不足は、病院経営の存続自体に大きな影響を与えるとともに、岡谷市財
政にも影響を及ぼすことから、早急な経営改善が求められている。
下表は、各年度の医業収益に対して、費用がどの位の割合を占めるかを示したものである。
市立岡谷病院、健康保険岡谷塩嶺病院、また両病院を合算した病院事業全体でも医業収益額が
年々減少している一方で、職員給与費、経費が増えつつある状況が表れている。
年 度 区 分
医
業
収
医業収益に対する費用の割合
業
費
1. 医
(1) 職
支
員
(2) 材
給
与
料
(3) 経
出
病院事業
市立岡谷病院
健康保険岡谷塩嶺病院
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
平成18年度 平成19年度 平成20年度
(実績)
(実績)
(見込)
益
7,054,734
6,877,396
6,734,349
3,871,116
3,818,779
3,703,717
3,183,618
3,058,617
3,030,632
用
107.43
108.17
110.71
103.93
105.07
108.92
111.68
112.03
112.91
費
59.36
60.66
62.91
63.07
64.81
68.24
54.84
55.49
56.41
費
29.34
28.92
28.53
22.60
20.14
19.71
40.35
39.88
39.31
費
12.29
12.11
12.72
12.76
12.77
13.59
11.73
11.28
11.66
(4) 減
価
償
却
費
5.87
5.88
6.01
7.26
6.78
6.76
4.17
4.77
5.11
(5) 資
産
減
耗
費
0.31
0.32
0.25
0.29
0.30
0.31
0.33
0.35
0.18
(7) 研
究
研
修
費
0.26
0.28
0.28
0.27
0.28
0.31
0.25
0.28
0.25
16
5.岡谷市病院事業の将来像
(1)果たすべき役割
岡谷市の2病院は、開設以来、地域における基幹病院、中核病院として、高度、特殊医療を
担うとともに市民に良質な医療を提供するため医療体制を維持してきた。
諏訪医療圏は、他の医療圏に比べて「病院」が少なく(施設数)、一般診療所が多い(施設
数)地域(人口10万人対施設数比率による)であることから、地域内において 1 次~3次
に至る医療提供体制を隙間無く構築していく上では、既存の「病院」が広い分野において2次
~3次医療を担うことを中心としながら、高度、特殊医療を継続実施するとともに、診療所等
において地域に不足している医療(分野)を担うことが必要である。
また、市民の様々な医療ニーズに対応すべく、地域連携を強化し、市民の健康を守る立場か
ら予防医療への役割を積極的に果たしていかなければならない。
(2)目指すべき姿
①役割
・糖尿病及び循環器・呼吸器疾患の専門病院としての役割を担うこと。
・市内医療機関における中核的な役割を果たすこと。
・地域内診療所等(1次医療)に対して後方支援機能(2次医療)を担うこと。
・地域において不足する診療分野を補完すること。
・予防医療を充実させ福祉・保健との連携を行うこと。
②機能
・がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の【4疾病】に係る診療を実施すること。
・救急、災害、へき地、小児、周産期医療の【5事業】のうち、へき地医療を除く「4事業」
に係る診療を実施すること。
・その他地域に密着した診療を実施すること。
・生活習慣病健康診断、人間ドック等を実施すること。
③役割に基づく診療科目
・循環器・呼吸器センター関係診療科(4科)
呼吸器内科、循環器内科、呼吸器外科、心臓血管外科
・糖尿病センター関係診療科(2科)
糖尿病内科、内分泌・代謝内科
・救急医療関係診療科(6科)
内科、神経内科、小児科、外科、整形外科、脳神経外科
・一般医療関係診療科(20科)
心療内科、精神科、消化器内科、腎臓内科、肝臓内科、感染症内科、疼痛緩和内科、人工
透析内科、アレルギー科、リウマチ科、消化器外科、乳腺・内分泌外科、肝臓・胆のう・
膵臓外科、胸部外科、皮膚科、泌尿器科、産婦人科、眼科、耳鼻いんこう科、リハビリテ
17
ーション科
・共通部門(3科)
麻酔科、放射線科、病理診断科
18