E4408B, N5183A 使用標準 【目的】 マイクロ波スペクトラムアナライザとマイクロ波信号発生器の基本的な扱い方を習得する。 【測定前の準備】 1-1.AC 電源ケーブルのアース接続 (1) 必ず天井から吊るされた アース端子付き 3 端子電源 を使用すること。机に付いている 2 端子電源や PC 用の端子変換コネクタ を使用すると、グランドが不安定になり感電と故障の原因になる。(図 1-1~図 1-3) 1-2.機械振動の注意 (1) 台車移動の際は測定器に 極力振動を与えない ように注意すること。内部回路は振動や落下によって容易に破損する。(図 2) アースされていない ので不可 アースされていない ので不可 図 1-1. AC 電源ケーブルの接続(NG 例) 図 1-2. AC 電源ケーブルの接続(NG 例) アース端子 段差での 振動注意 図 1-3. AC 電源ケーブルの接続(OK 例) 図 2. 段差での振動注意 1-3.最大定格電力の注意 (1) +30 dBm(1W)、0 VDC を守ること。直流を入力すると壊れる ので、直流成分を含む信号測定には DC ブロックを使用するなど 特に注意すること。(図 3-1) (2) +27 dBm(0.5W)以上の RF 反射波 が戻るもしくは 直流が加わると壊れる ので、アクティブ素子を含む回路の測定や反射が 大きい測定ではサーキュレータやアイソレータまたは DC ブロックを挿入すること。(図 3-2) 直流 不可 直流 不可 不使用 1 W以上の 入力がある と焼損する。 +27 dBm (0.5 W), 0 VDC MAX +30 dBm (1W), 0 VDC MAX 図 3-1. SPA 入力端子の最大入力電力 0.5 W以上の 反射波がある と焼損する。 図 3-2. SG 出力端子の最大反射電力 1-4.コネクタの取り扱い (1) 左手で RF ケーブルを固定し、右手の指先でコネクタ先端の ナットだけを回転 する。この際、測定器側に固定してあるコネクタ が回転しないように注意する。RF コネクタを回転させてしまうと、同軸線路の内導体とコネクタ内部の受け皿との回転摩擦によって コネクタを破損する。(図 4) (2) コネクタには幾つかの種類があるが、主要伝送モードである TEM モード以外の不要高次モードの影響により、使用上限周波数 が決められている。一般に上限周波数が上がるほど同軸線路の外径やコネクタ径が小さくなる。(表 1) 左手固定 (ケーブルは絶対まわさない) 測定器のコネクタは 絶対まわさない 段差での 右手でナットだけを回す 振動注意 図 4. コネクタ 名称 BNC RF ケーブルとコネクタの接続 表 1. 上限周波数 [GHz] 2 or 3 コネクタの種類 備考 TWIST LOCK 機構があ り、取り付けが容易。50 Ωと 75Ωがある。 N と接続するには変換コ ネクタが必要。 N / TYPE-N 18 SMA / OSM 18 or 22 (安いと 12) 3.5mm / APC-3.5mm SMA と接続するには変 換コネクタが必要。 3.5mm とメカニカルコン パチブル(接続可能) 内導体と外導体の間に 支持材のテフロンが入っ ている。 SMA とメカニカルコンパ チブル(接続可能) 33 内導体と外導体の間に 何も入っていない。 写真 1-5.電源投入と初期画面 (1) 始めにスペアナ(以降 SPA)の電源を ON にする。次に信号発生器(以降 SG)の電源を ON にする。(図 5) (2) 初期状態では、SPA 画面に複数の初期パラメータが表示される。(図 6 および表 2) (3) 同様に、SG 初期画面には 1.周波数[Hz]、2.出力レベル[dBm]、3.出力[ON/OFF] の 3 つのパラメータが表示される。(図 7) 1 Ref 2 Atten 1 ON 3 Log 9 Noise 10 W1 S2 S3 FC AA 2 ON 4 Center 6 RBW 図 5. 電源投入の順序 1 表示 Ref 0 dBm 2 Atten 10 dB 3 4 5 Log 10 dB/div Center Freq 13.25 GHz Span 26.5 GHz 6 Res BW 3 MHz 7 8 VBW 3 MHz Sweep 265 ms (401 pts) 9 10 Noise W1 S2 S3 FC AA 5 Span 7 VBW 図 6. 8 Sweep SPA 初期画面 表 2.SPA 初期パラメータ 一般名称 意味 リファレンス 測定可能な最大電力レベル。図 6 では 10×10 の格子マト リクスの上底ラインに相当する。 アッテネータ 内部減衰レベル。通常 Reference Level に合わせて自動 設定される。 1 ディビジョン 縦軸 1 マスあたりの信号変化。通常 10 dB で使用する。 中心周波数 測定画面中心の周波数 スパン 測定可能な周波数範囲。本測定器の最大測定周波数は 26.5 GHz なので、これを Full Span という。 RBW 横軸の周波数分解能。2 つの異なる周波数スペクトルが 3 MHz 以内に隣接して存在していても、見分けられない。 VBW 縦軸の表示分解能 スイープタイム 掃引時間 (表示データ数)。画面左端から右端までの周 波数スペクトルを測定するのに要する時間。この場合は 0.265 秒ごとに測定を繰り返している。 ノイズフロア 熱雑音などによる測定限界レベル。 トレース 1 黄色データがクリアライト(1 回の掃引ごとに測定信号スペ クトルを書き換えるモード) トレース 2 水色データがストアブランク(非表示モード) トレース 3 ピンク色データがストアブランク(非表示モード) トリガ/掃引 トリガモードが Free Run で、掃引モードが Continuous(繰 り返し)。 Auto Align すべてのパラメータが自動調整される。 3 出力 ON/OFF 1 周波数 図 7. 2 出力 SG 初期画面 【SPA 操作】 2-1.測定周波数範囲の変更 例 1) 周波数範囲を 8-12 GHz (X バンド)に設定する場合。 (1) CONTROL の FREQUENCY キーを押して、画面に表示された Start Freq 右横のボタンを押す。さらにテンキーで 8 を押し、 画面に表示された GHz を押す。 (2) 同様に、画面に表示された Stop Freq 右横のボタンを押す。さらにテンキーで 1 2 を押し、画面に表示された GHz を押す。 2-2.最大測定電力の変更 例) 最大測定電力を +10 dBm に設定する場合。 (1) CONTROL の AMPLITUDE キーを押して、画面に表示された Ref Level 右横のボタンを押す。さらにテンキーで 1 0 を押し、 画面に表示された dBm を押す。 2-3.測定電力の読み取り(周波数マーカーの表示) 例) 10.5 GHz にあるスペクトルの電力を読み取る場合。 (1) MARKER の Peak Search キーを押す。画面左中央に現れた周波数と電力を目視で読み取る。図の例では 10.5 GHz に-29.78 dBm の信号スペクトルがあることがわかる。(図 8) (2) 信号スペクトルを画面の中心に移動させて測定したい場合は、MARKER の Marker → キーを押して、画面に表示された Mkr → CF 右横のボタンを押す。(図 9) この際、Start と Stop 周波数が自動的に変更されるので注意する。 図 8. 周波数マーカーを使った測定電力の読み取り 図 9. 周波数マーカーを画面中央に移動して読み取る場合 2-5.トレース機能の利用 例) 10.5 GHz にあるスペクトル測定時に、トレース 1 をクリアライト、トレース 2 を Max Hold、トレース 3 を Min Hold にする場合。 (1) CONTROL の View/Trace キーを押して、画面に表示された Trace 右横のボタンを 1 回押す。番号 2 に下線が付いたら、画面 に表示された Max Hold を押す。(図 10) (2) 同様にして、画面に表示された Trace 右横のボタンをもう 1 回押す。番号 3 に下線が付いたら、画面に表示された Min Hold を 押す。(図 11) (3) トレースを消すときは、番号 2 または番号 3 に下線が付いているときに、画面に表示された Blank を押す。 図 10. Max Hold トレースによる最大値の表示 図 11. Min Hold トレースによる最小値の表示 【SG 操作】 3-1.発振周波数の変更 例 1) 発振周波数を 10.5 GHz に設定する場合。 (1) MENUS の FREQ キーを押して、テンキーで 1 0 . 5 を押し、画面に表示された GHz を押す。 (2) 次に、RF 出力端子の真上にある RF ON/OFF キーを押す。 3-2.発振出力の変更 例 1) 発振出力を -10 dBm に設定する場合。 (1) MENUS の AMPTD キーを押して、テンキーで - 1 0 を押し、画面に表示された dBm を押す。 【測定の終了】 4-1.電源 OFF (1) 始めに SG の RF 出力端子の真上にある RF ON/OFF キーを押して、RF 出力を OFF にする。(図 12) (2) SG の電源を OFF にする。 (3) 最後に SPA の電源を OFF にする。 3 OFF 2 OFF 図 12. 電源 OFF の順序 1 OFF 【付属品】 E4408B の付属品一覧 番号 1250-0780 8120-2682 9320-6692 E2094-60003 E4401-90508 9230-0333 5969-5819 5963-2969 E4401-90199 E4403-90053 ESA-L manual set 品目 同軸変換コネクタ F-BNC M-N BNC ケーブル 22cm RoHS addendum for Spectrum Analyzer Agilent Automation-Ready CD ESA Spectrum Analyzers Documentation Set CD Certificate of calibration CAUTION NOTE TIPS FOR PREVENTING SPECTRUM ANALYZER DAMAGE ユーザーズ・ガイド Agilent ESA スペクトラム・アナライザ User’s and Programmer’s Reference, Volume1 User’s and Programmer’s Reference, Volume2 Measurement Guide and Programming Examples Self Guided Demo Product Note 8590/ESA Conversion Guide ESA-L Series Specifications Guide Instrument Messages and Functional Tests Getting Started Guide 数 量 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 備考 10502A 黄色 A4 判 1 枚 CD-ROM CD-ROM 校正証明書 黄色 A4 判 1 枚 白色の A4 判 1 枚 日本語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル 英語マニュアル N5183A の付属品一覧 番号 5061-5311 9320-6692 E2094-60003 N5180-90007 9230-0333 N5180-90002 品目 同軸変換コネクタ 3.5mm FEM-FEM RoHS addendum for Signal Generator Agilent Automation-Ready CD MXG Signal Generators Documentation Set CD Certificate of calibration Signal Generators Installation Guide 数 量 1 1 1 1 1 1 備考 黄色 A4 判 1 枚 CD-ROM CD-ROM 校正証明書 英語マニュアル 改訂 v2.1 Jan.2009
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