ニュース - 潤滑油協会

No.236
JALOS ニ ュ ー ス
Japan Lubricating Oil Society
2014
1 月号
平 成 26 年 新 年 賀 詞 交 換 会
平成 26 年 1 月 15 日(水)午前 11 時 30 分から、東京・アルカディア市ヶ谷において潤滑油協会、全
国石油工業協同組合、全国工作油剤工業組合、日本グリース協会及び全国オイルリサイクル協同組合の潤
滑剤関連五団体の共催による新年賀詞交換会を開催
致しました。
当日は、経済産業省資源エネルギー庁 資源・燃
料部の住田部長を始め多数のご来賓の臨席を賜り、
会員及び関係者総勢 490 余名の参加を得て、盛会の
うちに執り行われました。
主催者を代表して、当協会の武藤会長が次のよう
な内容の挨拶を致しました。
「皆様、新年明けましておめでとうございます。
雪も降るかもしれないという大変お寒い中、潤滑剤
関連五団体共催の賀詞交歓会に多数ご臨席を賜り誠
にありがとうございます。
目
左から武藤会長(潤滑油協会)、中野理事長(全国
工作油剤工業組合)、長谷川理事長(全国オイルリ
サイクル協同組合)、池田会長(日本グリース協
会)、石川理事長(全国石油工業協同組合)
次
1.
平成 26 年 新年賀詞交換会
5.
お知らせ
2.
「保安防災研修会」開催のご案内
6.
協会の動き
3.
潤滑油需給統計
7.
今後の予定
4.
JIS
K 2514 潤滑油−酸化安定度の求め方公示
一 般 社団 法 人 潤 滑 油 協 会
URL http ://www.ja los.or.jp /
JALOS ニュース
No.236 1 月号
昨年の今頃は安倍内閣が発足し、いろいろな策を打ち出
したこともあって 7 月の参議院選挙に自民党が勝利しまし
た。安倍内閣のアベノミクス政策の影響もあり我々業界も
7 月∼12 月にかけて良い方向に動いてきたと思います。10
月∼12 月の状況は 4 月の消費税率の引き上げを目前とした
駆け込み需要が早くも発生しつつあるようです。一方で 4
月以降の反動減が心配となっています。経団連等では消費
税率の引き上げによる反動はあるものの 7 月以降は回復す
るであろうと予測していますが、今の足元の好調さからみ
るとその反動はもっと大きいと考えております。
昨年の好調は、安倍内閣の政策の影響が表れてきたもの
一般社団法人潤滑油協会 武藤会長
と思いますが、その背景は円安の影響も大きいと思っており、これから先も景気の上昇を牽引してくれる
のかが気になっております。
国際経常収支統計を見ますと 2012 年 11 月から 2013 年 1 月までの赤字から、2 月以降は円安のメリッ
トにより黒字に変わりましたが、2013 年 10 月からまた赤字となっております。一方、貿易・サービス
収支では 2011 年度より赤字が続いており、その赤字の幅が最近急速に拡大してきております。これまで
長年続いた円高の影響で生産の海外移転が進められ、輸出の規模が少なくなっているため、円安のメリッ
トを受ける部分が小さくなってきているように感じております。一方、円安により輸入単価が円ベースで
上がっているため、潤滑油の原材料の高騰によるデメリットが非常に大きくなってきており、今後の円安
の国内景気に与える影響を考えると安閑としていられないという気がします。
このような中で安倍内閣は賃上げを要請しておりますが、企業にとって事業収益が向上することが絶対
的な条件となります。大企業は価格競争力や市場形成力がありますので円安のデメリットを価格に転嫁し
ていける状況にありますが、日本経済の中核であり就業人員数が最も多い中小企業ではそういった力がな
いため、収益が上がらず賃上げする余力がない状況にあると思っています。円安による価格上昇、本年 4
月からの消費税率の引き上げにより、国内物価のインフレ率 2%は達成できると思いますが、収益の増え
ない中での物価上昇は、数量が減少していく状況になると思いますので、7 月以降も需要の反動減は回復
するには至らないと考えます。
東日本大震災によって、自然災害に対するサプライチェーンの確保、企業活動の維持や短期間での再開
を担保とする BCP(事業継続計画)策定の必要性が潤滑油業界にも投げかけられております。潤滑剤関
連五団体も今年のテーマとして会員企業の BCP 作成を経済産業省並びに関係省庁と連携しながら取り組
みを進めていきたいと思っています。
環境的にはあまり楽観できないと思いますが、最後にこの新年が皆様方のご活躍とご繁栄の年となりま
すように祈念致しますとともに、私ども五団体に対しこれまで以上の積極的なご鞭撻、ご支援を賜ります
よう心よりお願い申し上げ、年頭の御挨拶とさせて頂きます。」
続いて、資源エネルギー庁資源・燃料部の住田部長より、次の内容のご祝辞を頂きました。
−2−
JALOS ニュース
No.236 1 月号
「皆様、明けましておめでとうございます。資源エネルギー庁資源・燃料部長の住田です。本日はお招
きいただきましてどうもありがとうございます。五団体の新年の賀詞交換会にあたりまして一言ご挨拶を
申し上げます。
只今武藤会長からお話がありましたようにアベノミク
スということで、昨年の今頃は経済が良い方向に向かう
ものと期待し、その効果がかなり出てきたということが
昨年の一年だったと思います。特に株価につきまして 5
割以上上がるようなこともありました。ご案内のとおり
産業競争力強化法が先の臨時国会で成立したところです
が、今後は本法律を使いながらアベノミクスの効果を全
国に広げていきたいと考えております。
一方、貿易赤字が懸念材料であるとのお話もありまし
た。円安による燃料費の高騰が貿易赤字の大きな要因と
資源エネルギー庁 資源・燃料部
住田部長
なっており、特に電力の分野だけでも燃料費の負担が 2∼3 年前と比較して年間で 3.6 兆円増えておりま
す。これは国民一人当たり約 3 万円の国富の流出に相当します。私どもとして燃料調達のコストを下げる
努力をしているところです。現在策定中のエネルギー基本計画においても、これからのエネルギーの方向
性を明確にすることを通じて、エネルギーの安定供給及びコストの低減等につなげていきたいと思ってお
ります。産業界の皆様にとりましてエネルギーが大きなコスト要因の一部ですから、この部分を是正して
いくことが国富の流出の縮小ということだけではなく産業界におけるコストの低減につながると思います
ので、引き続き力を入れていきたいと思います
潤滑剤の分野は、環境面でのメリット、資源効率の向上といった点で欠かせない存在であり、日本にと
って経済全体に貢献する重要な産業であると思います。私どもも潤滑剤が抱えている社会的な使命あるい
は経済的な価値に着目し、環境負荷の低減等の面で支援をさせていただいております。潤滑剤は見えない
ところで経済の隅々まで大きな役割を果たしており、産業界の発展に対する役割は大きいものと考えてお
ります。
BCP の問題につきましても一緒に考えていき、我が国の経済に対する潤滑油の安定的な供給を確保し
ていくということをこれからも果たしていただきたいと思っておりますので、この面でも大いに協力させ
ていただきたいと考えております。
消費税率の引き上げも含めて慎重に見なければいけない面も多々ありますが、本日お集まりの皆様も今
年 1 年に期待を持ち、合理的な範囲での希望を持って進んでいただけたらと思います。
今年は午年でありまして、午の刻というのは一番日の高い時間帯であります。この日の高い時間帯に我
が国の経済が大きく飛躍ができるように祈念しまして新年のご挨拶に代えさせて頂きます。本日は本当に
おめでとうございます。」
その後、全国石油工業協同組合の石川理事長の音頭で乾杯、歓談後、全国工作油剤工業組合の中野理事
長による中締めで午後 1 時過ぎに盛況のうちに閉会しました。
−3−
JALOS ニュース
◆
No.236 1 月号
「保安防災研修会」開催のご案内
◆
先月号でもお知らせしましたが、当協会では潤滑油製造業近代化事業における人材育成事業の一環とし
て、平成 25 年度「保安防災研修会」を開催いたします。
定員に若干の余裕がありますので、奮ってご参加下さいますようお願い申し上げます。また当協会ホー
ムページにも、申込み用紙付の開催要領を PDF ファイルにてご用意しておりますので御利用下さい。
日
時:平成 26 年 2 月 13 日(木) (受付 9:30∼)
場
所:
講
演;ウインクあいち(愛知県産業労働センター)名古屋市中村区名駅 4-4-38
見
学;株式会社ジェイテクト 刈谷工場(刈谷市朝日町 1-1)
スケジュール:
9:30∼ 9:55
受付
ウインク愛知(愛知県産業労働センター)1204 会議室
9:55∼10:00 開会挨拶
10:00∼11:00 講演 1「首都圏被災時の遠隔地とのお互い様 BC 連携の取組み(仮題)」
イッツ・コミュニケーションズ株式会社 BC 推進プロジェクトチーム
アシスタントマネージャー(防災士、事業継続管理者)
真城 源学
様
11:00∼12:00 講演 2「中小企業における事業継続計画(BCP)構築のポイント(仮題)
」
ニュートン・コンサルティング株式会社 コンサルタント
永峯 登喜子 様
13:00∼14:00 見学先へバス移動
14:00∼15:30 見学 株式会社ジェイテクト 刈谷工場
15:30∼16:30 バス移動 解散
なお、研修会及び見学会への募集人員は 50 名迄とさせて頂き、どちらか一方の申し込みは出来ませ
んので、申し込みの際ご注意下さるようお願いいたします。また、見学先と同業他社及びその関連企業
にお勤めの方の参加はお断りいたします。
申込締切:平成 26 年 2 月 7 日(金)
参 加 費:無料(事前登録制)
協
賛:全国オイルリサイクル協同組合、
全国工作油剤工業組合、
全国石油工業協同組合、
日本グリース協会
(五十音順)
【受講申込み先および問合せ先】
一般社団法人潤滑油協会
保安防災分科会事務局
TEL:047-433-5181 FAX:047-431-9579
−4−
JALOS ニュース
No.236 1 月号
潤滑油需給統計
11 月の生産量は 184 千 kL で前年同月比で 2.2%上回り、販売量は 179 千 kL で 49.2%上回った。
(%)
(千kL)
1,200
160
生産・前年同月比
1,100
150
1,000
140
900
130
販売量・前年同月比
800
120
700
110
600
100
500
90
400
80
輸出
輸入
300
70
生産
225
200
184
100
190
120
販売量
217
192
139
121
月末在庫
201
191
185
202
141
131
120
109
276
60
193
136
184
140
179
50
115
96
0
40
12 平成 1 平成 2
月 24年 月 25年 月
3
月
4
月
5
月
6
月
7
月
8
月
9
月
10
月
11
月
出典:経済産業省 資源・エネルギー統計月報(注:棒グラフ上段の数字は生産量、下段の数字は販売量)
−5−
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No.236 1 月号
潤滑油需給統計(時系列表)
国内向販売
年
月
生産
輸入
Production
Import
販売部門
生産部門 (製造業者・輸入業者)
Sale section
Export Inventory Production
division (Manufacturers and
importers)
輸出
Domestic
sales
( 単 位 :kL)
在庫
2,537,485 110,609
1,756,400 753,598 346,089
182,877
163,212
23
2,578,127 120,595
1,710,348 816,536 363,370
205,288
158,082
24
2,379,407 119,156
1,594,020 737,458 375,104
205,545
169,559
平成23年度
2,480,911 114,388
1,694,714 806,749 362,173
208,251
153,922
24
2,339,475 118,480
1,527,266 764,447 378,830
196,711
182,119
平成22年
548,389
23,439
394,778 141,917 375,267
207,810
167,457
547,562
29,592
364,586 163,351 375,104
205,545
169,559
607,018
29,885
368,503 231,653 378,830
196,711
182,119
4∼6
609,493
16,498
346,923 237,323 386,480
203,376
183,104
7∼9
579,130
22,129
390,829 198,179 369,083
188,829
180,254
170,673
5,382
135,604
34,347 375,267
207,810
167,457
10
183,241
13,246
123,996
51,003 367,998
197,102
170,896
11
179,990
4,730
119,818
45,037 377,252
206,596
170,656
12
184,331
11,616
120,772
67,311 375,104
205,545
169,559
平成25年 1月
189,817
12,269
119,670
60,802 387,681
207,503
180,178
2月
191,823
12,172
109,370
81,205 388,290
209,887
178,403
3月
225,378
5,444
139,463
89,646 378,830
196,711
182,119
4月
217,251
8,345
131,127
67,207 395,452
214,146
181,306
5月
201,468
4,456
96,068
99,348 392,189
206,032
186,157
6月
190,774
3,697
119,728
70,768 386,480
203,376
183,104
7月
184,621
6,559
140,701
47,452 378,664
199,457
179,207
8月
201,786
8,409
114,573
81,318 383,264
199,226
184,038
9月
192,723
7,161
135,555
69,409 369,083
188,829
180,254
10月
276,281
11,185
139,880
58,039 445,909
271,176
174,733
11月
183,896
15,360
178,737
75,062 380,710
201,617
179,093
102.2
324.7
149.2
97.6
104.9
平成24年7∼9月
10∼12
平成25年1∼3月
平成24年 9月
前年同月比(%)
166.7
100.9
出典:経済産業省 資源・エネルギー統計月報
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JALOS ニュース
JIS
No.236 1 月号
K 2514 潤 滑 油 − 酸 化 安 定 度 の 求 め 方 公 示
当協会の酸化安定度 TF(主査:JX 日鉱日石エネルギー㈱ 中野 幸弘 氏)が中心となり「JIS K 2514
潤滑油−酸化安定度の求め方」の改定作業を進め、平成 25 年 3 月に経済産業省に規格の制定を申し出て
おりましたが、その後の日本工業標準調査会の調査審議を経て、同規格の制定が承認され 12 月 20 日付
で官報公示となりましたのでお知らせいたします。なお同規格は以下の 3 規格に枝番号化されました。
・JIS K 2514-1 潤滑油−酸化安定度の求め方−第 1 部:内燃機関用潤滑油酸化安定度
・JIS K 2514-2 潤滑油−酸化安定度の求め方−第 2 部:タービン油酸化安定度
・JIS K 2514-3 潤滑油−酸化安定度の求め方−第 3 部:回転圧力容器式酸化安定度
お知らせ
○入会会員(賛助会員)
トライボテックス株式会社
事業内容:産業用生産設備の潤滑管理及びトライボロジーを活用した潤滑診断、石油製品及び
石油製品添加剤の販売並びに石油製品の分析、工業用生産設備の保全工事、他
○2012 年度(平成 24 年度)の温室効果ガス排出量(速報値)について
この度、環境省より 2012 年度(平成 24 年度)の温室効果ガス排出量(速報値)がとりまとめまら
れましたのでお知らせいたします。
2012 年度の温室効果ガスの総排出量(速報値)は、13 億 4,100 万トンでした。これは、京都議定書
の規定による基準年(CO2、CH4、N2O は 1990 年度、HFCs、PFCs、SF6 は 1995 年度)の総排出量
と比べると、6.3%(7,980 万トン)の増加となっています。2011 年度の総排出量(13 億 780 万トン)
と比べると、火力発電に伴う二酸化炭素排出量が増加したことなどにより、2.5%(3,320 万トン)増加
しています。その要因としては、製造業の生産量が減少するとともに、各部門で節電が幅広く実施され
る一方で、東日本大震災以降の火力発電の増加によって化石燃料消費量が増加したことなどが挙げられ
ます。詳細は以下の URL(環境省ホームページ)をご覧ください。
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/ghg/index.html?sess=6859d4604dc5a737fcea355de0202dd2
協会の動き
○第 2 回 高分子材料のトライボロジー研究会に参画
12 月 24 日(火)に工学院大学で開催された、一般社団法人 日本トライボロジー学会 第三種研究会
主催による「第 2 回 高分子材料のトライボロジー研究会」に参画しました。
−7−
JALOS ニュース
No.236 1 月号
○標準試料委員会に参画
12 月 26 日(木)に開催された、公益社団法人 石油学会主催による「標準試料委員会」に参画しました。
○ISO 機械状態監視技術者資格委員会に参画
1 月 10 日(金)に関西大学東京オフィスで開催された、一般社団法人 日本機械学会主催による
「ISO 機械状態監視技術者資格委員会」に参画しました。
○賀詞交換会
1 月 15 日(水)にアルカディア市ヶ谷において、当協会と全国オイルリサイクル協同組合, 全国工
作油剤工業組合, 全国石油工業協同組合及び日本グリース協会合同による「平成 26 年 賀詞交換会」を
開催しました。詳細は前掲。
○標準試料委員会に参画
1 月 16 日(木)に開催された、公益社団法人 石油学会主催による「標準試料委員会」に参画しました。
○第 3 回 工業用油分科会
1 月 17 日(金)に航空会館において、第 3 回 工業用油分科会(主査:ユシロ化学工業㈱ 小野 肇
氏)を開催しました。議事内容は次のとおりです。
(1)調査内容取りまとめについて
(2)その他
○試験分析分科会に参画
1 月 17 日(金)に開催された、公益社団法人 石油学会主催による「試験分析分科会」に参画しました。
○ISO・JIS 試験法分科会に参画
1 月 23 日(木)に開催された、石油連盟主催による「ISO・JIS 試験法分科会」に参画し、ISO・
JIS 原案について審議しました。
今後の予定
○保安防災研修会
2 月 13 日 前掲
禁無断転載
発行日 平成 26 年 1 月 24 日
○企画委員会
発行所 一般社団法人 潤滑油協会
3 月 25 日 航空会館
〒273-0015
千葉県船橋市日の出 2-16-1
○理事会
TEL 047-433-5181(代表)
3 月 26 日 アルカディア市ケ谷
FAX 047-431-9579
印刷所 株式会社みつわ
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