プールの残留塩素濃度自動計測システム に関する - 香川高等専門学校

プールの残留塩素濃度自動計測システム
に関する研究
香川高等専門学校 情報通信工学科
三崎 友樹
指導教員 真鍋 克也
研究の目的
プールにおける塩素濃度の管理をより効率よく行うシステムを確立
する
研究内容
◆ 無線 LAN シリアルアダプタの設定
◆ Samba, Web サーバの移行
◆ 計測コンピュータの移行
◆ 水温,塩素濃度の測定結果の見易いグラフ化
◆ 計測における機能の追加,塩素注入装置のプログラムの追加
システムの全体構成図
過去,現在のデータを確認しながら塩素注入装置を AUTO/OFF 制御
第一学科棟屋上
無線LAN設備
無指向性
アンテナ
無線LAN
アダプタ
イーサネット
コンバータ
自動測定
プログラム
ポータブル
残留塩素計
RC-24P
PICNIC
スイッチ
ON/OFF
PC
Power
Control
塩素注入装置
処理の要求
結果の表示
データ共有
WWW
サーバー
処理の要求
結果の表示
プール
図1
ソーラパネル
システムの全体構成図
クライアント
WWW
ブラウザ
携帯
電話
無線 LAN シリアルアダプタ
無線 LAN シリアルアダプタ (FX-DS540-COM) が故障
⇓
新しい無線 LAN シリアルアダプタ (FX-DS540-COM2) を購入
⇓
設定
ノート PC を残留塩素測定装置に直接接続して測定
図2
無線 LAN シリアルアダプタ
Samba, Web サーバの移行
DELL Dimention 8300HT (poisson)
⇓
DELL Dimention 9150 3.2GHz (coulomb)
計測コンピュータの移行
ノート PC (Windows 2000)
⇓
デスクトップ PC (Windows XP)
PC が非常に古く,動作が遅いため
グラフ描画
昨年度までは,グラフ描画に GD-Graph-XY というツールを使用
今年度からは,RRDtool というツールを使用
図3
GD-Graph-XY によるグラフ
図 4 RRDtool によるグラフ
プール管理システムの運用
卒業研究の時間に,毎回残留塩素濃度の測定結果をグラフで確認
⇓
測定結果に応じて塩素注入装置のスイッチを遠隔制御
⇓
問題点の発見と対策,システムの有効性の確認
図5
塩素注入装置遠隔制御画面
図6
残留塩素濃度が高値を示すグラフ
問題と対策(測定プログラム)
問題
◆ 塩素濃度が 2.0mg/ と高値になることがある
◆ スタート信号がうまく送れない時,前回の測定値と同じ測定値が
出力される
◆ シリアル通信がうまくできない時,測定値 0 で出力される
対策
◆ 残留塩素濃度が 2.0mg/ をこえたら塩素注入装置を off にするプ
ログラムの追加 (perl のプログラム)
◆ 前回と同じ測定値を得ると,再試行する機能の追加
◆ 測定結果が 0 の場合は,記録しない機能の追加
システムの有効性の確認
◆ 図の 08 時 30 分頃では,塩素濃度が 0.4mg/ を下回ったため
自動制御により制御スイッチが AUTO(自動;check.pl)
◆ 図の 15 時 30 分頃では,塩素濃度が 2.0mg/ を上回ったため
自動制御により制御スイッチが OFF(自動;check.pl)
図7
残留塩素濃度のグラフと塩素遠隔制御 Web ページ
残留塩素濃度測定プログラム
Visual Basic6.0 言語を用いて機能を追加
⇓
システムを実行することに成功
測定結果が常時反映されるよう 10 分毎に自動更新
図8
塩素濃度と水温の測定結果表示画面
むすび
◆ 無線 LAN シリアルアダプタの設定 → 安定した通信が可能
◆ Samba, Web サーバの移行
◆ 計測コンピュータの移行
◆ RRDtool の利用 → Web 上での見易いグラフ作成
◆ perl 言語,Visual Basic6.0 言語を用いた機能の追加
プールの管理システム及び測定は,昨年より自動化に近づいた。
今後の課題
◆ ポータブル残留塩素計の取り替え
◆ プールに新しく設置された AC 電源を利用して,塩素計の運用
◆ プログラムを汎用性の高いものに書き換える
◆ プログラムの公開
⇓
プールの残留塩素自動計測システムは完成する
発表は以上です。
ご静聴ありがとうございました。
用語集
シリアル通信
一般にコンピュータ機器を接続する方法の一つで,1 本の信号線を使っ
てデータを送る方式である。
ラウンドロビンデータベース
最初から扱うデータ数が決められていて,新しいデータを追加する際
には古いデータを順次上書きして保存するようなデータベースのこと。
仮想 COM ドライバ
2 つの仮想 COM ポートをクロスケーブルで接続したように見せかけ
て,片方の仮想 COM ポートからもう片方のポートへ通信するドライバ
のこと。