るうてる12月号を公開しました - 恵泉幼稚園

2012 年 12 月号(通算 376 号)
るうてる
箱崎群教会共同体版
-月報 メッセージと証し-
発 行 日本福音ルーテル箱崎教会
代表者 牧師 和田 憲明
〒812-0053 福岡市東区箱崎 3-32-3
TEL(092)641-5440
FAX(092)641-5480
メールアドレス [email protected]
箱崎教会・恵泉幼稚園 http://www.jelc.or.jp/hakozaki
奈多愛育園
http://nata.aiikuen.net/
すると、正しい人たちが王に答える。『主よ、いつわたしたちは、飢えておられるのを見て食べ物を差
し上げ、のどが渇いておられるのを見て飲み物を差し上げたでしょうか。いつ、旅をしておられるのを
見てお宿を貸し、裸でおられるのを見てお着せしたでしょうか。いつ、病気をなさったり、牢におられ
たりするのを見て、お訪ねしたでしょうか。』そこで、王は答える。『はっきり言っておく。わたしの
兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。』
(『聖書』マタイによる福音書25章37-40節/P51)
「もう一人の博士」によせて
この話の主人公は「もう一人の博士」アルタバン。彼は事情により、イエス誕生の祝いへ出掛ける三
人の博士と一緒に出発できなくなった。彼らと事前に待ち合わせ場所を決め、数日後、アルタバンは一
人ラクダに乗り、昼間は灼熱の暑さ、夜は底冷えのする砂漠を進む。途中、遠くに人影が見え、近づい
てみると傷を負った旅人がいた。約束の時間に間に合うように先を急ぐアルタバンは、通り過ぎること
もできたが、しかし彼はラクダを下りる。そして病人に近づき、自分の持っていた水筒から水を与え、
傷口に油を注ぎ、看病した。
一方、三人の博士は待ち合わせ場所にアルタバンが現れないため、ついにしびれを切らせて、先に出発す
る。そして星に導かれてベツレヘムの村に着き、幼子イエスを拝して黄金、乳香、没薬を献げ、ヘロデ王
を避けて東の国へ帰って行った。追いかけるようにアルタバンはやっとベツレヘムに到着するも、時すで
に遅し。ヘロデ王は、自分の王位を奪う可能性のある赤ん坊が生まれたことを恐れ、ベツレヘムの二歳以
下の男子の命を奪った直後だった。アルタバンは村中の阿鼻叫喚の光景に涙する。他方、幼子イエスとマ
リアとヨセフたちは、夢のお告げを受けてエジプトへ避難、難を逃れていた・・・。
やがて 30 年の時が過ぎ、救い主としてイエスは巷で人々に神の福音を宣べ伝
える。しかしやがてイエスは権力者たちの妬みを買い、捕らえられ、ユダヤの
群衆の要求によって十字架の刑に処せられることになる。このうわさを耳にし
たアルタバンは、イエスのお姿を一目だけでも仰ぎたいとゴルゴダの丘に急い
だ。ところが、一人の少女が奴隷に売られていく場面に遭遇する。アルタバン
はイエスに捧げるために長年大切に持っていた真珠を売人に渡し、少女を救っ
た。彼が息を切らせ、やっとその丘に登り着いたのはイエスが息を引き取った
直後だった。大地震が起こり、都の壁が崩れ、アルタバンはその下敷きになり
半死の状態になる。しかしその時、アルタバンの耳にははっきりと冒頭の聖書
のみ言葉が聴こえてきた。彼の命は聖書のたとえの中の「王」、神さまの御許へと召されていった――。
別名、「アルタバン物語」「四人目の賢者」といわれる作家ヘンリ・ヴァン・ダイクの物語。それは、私
たちのどんなに小さな思いやりや愛であっても、神さまが必ず受け手(「わたしにしてくれたこと」)と
なってくださるという約束が描かれている。そしてクリスマス[クリス⇒キリスト、マス⇒ミサ・礼拝の意味]
は、どんな時も、この神さまがあなたと共におられるというメッセージである。だから今年も、「本当」
のクリスマスへ駆けつけ、祈りを共に合わせ、声高らかにキャロルを歌いたい。「もう一人の博士」の代
わりにはなれないけれど。
「箱崎教会 80 周年を迎えて」
緒方
庸人
81 才になった私としては、80 周年とは長いような短いような奇妙な感じがします。
妻の通った幼稚園、教会の縁でバプテスト東福岡教会から転会したのですが、いろいろな思
い出があります。
バプテスト教会で結婚式をあげた時、箱崎教会の三宅先生に仲人になって頂き、澄川先生に
もお世話になりました。聖歌隊の方々にも来て頂きました。昨日のような気がします。
箱崎教会の会員になって、木造の教会が、白川先生の時、現在の教会に建てかえられて再出
発の感じがしました。
現在の箱崎教会は、多方面にわたる女性の会の御努力で仲良く一つにまとまっているような
気がします。そのせいか、ともすれば小さく固まってしまいがちな聖書の知識や信仰心が例
会や聖書研究会で出される意見を柔らかく受けとめる心の広さが感じられます。
律法主義的な拒絶反応や差別が時として民族間の戦いとなっ
たことを思えば、異なる意見にも耳を傾ける優しさこそイエ
ス様の教えのように思います。
箱崎教会と幼稚園が地域の人々の信頼と親しみを得て大きく
なっていくことを祈ります。
クリスマス2012
★12 月 24 日(月・祝)クリスマス・イヴ礼拝(箱崎・聖ペテロ教会合同礼拝)
18 時 00 分~19 時 00 分(燭火礼拝・キャンドルサービス/礼拝堂)
※賛美:恵泉幼稚園コーラスサークル(友情出演)
祝会 19 時 00 分~20 時 00 分(予約不要、参加費無料/集会室)
<「本当」のクリスマスへ
ご招待いたします>
★2013 年 1 月 1 日(火・祝)主の命名日(新年)聖餐礼拝
(箱崎・聖ペテロ教会合同礼拝)11 時 00 分~12 時 15 分
<新年は礼拝からはじめませんか どなたも歓迎いたします>
☆教会のクリスマスの期間は、12 月 25 日(クリスマス)から 1 月 6 日(顕現日)までです。
☆礼拝堂の見える暖房・音響完備の和室「母子室」もご自由にお使いください。
「箱崎教会創立 80 周年を迎えて」
永久
明子
箱崎教会創立 80 周年という節目の時を教会の皆様と共に迎えられる喜びを感じます時に、
改めて私達家族が恵泉幼稚園と箱崎教会、そしてそこで出逢った方々にどれ程支えて頂いた
か、言葉にかえようとすると思いがあふれてきてしまいます。
20 年前、長男を近くの幼稚園に入園させてから、「これでいいのだろうか・・・」
と色々な場面で疑問を感じていた頃、恵泉幼稚園の前を通りかかったある日、腕白盛りの長
男と次男はいつものように子犬がじゃれあうように遊びだしてしまいました。
そこに白川光世先生が来られて、「2 人の坊やたちのいい顔をしていること!あなたはいい
子育てをしているのね」と優しい笑顔で言ってくださいました。こんな風に褒もらったのは
初めてで、私は嬉しくて嬉しくて、その帰り道、
「私はいいお母さんなのだ」と胸を張って、
きっと子どものように顔を輝かせていたのではないかと思います。御言葉の種が蒔かれると
聞きますが、この時私の心に光世先生を通して神様からの種が蒔かれたのだと思います。
それから次男が“なかよしグループ”の一期生となり、長男は日曜学校に入れて頂き、私達
家族は教会へと導かれました。子ども達が日曜礼拝の時間には白川牧師先生から聖書入門講
座でたくさん聖書のお話を聞く機会に恵まれました。
園長先生としての坂根先生との突然のお別れ、涙で歌えなかったコーラスサークルの春の歌。
そして長女の誕生。成長と共に発達の遅れが分かり始めた頃、今にして思えば私達夫婦は娘
の障害の前にそれを受け入れる事ができずに立ち尽くしていました。2 歳でやっと歩き出し、
オムツもまだ取れないままで入園を迷っていましたら、どうぞオムツをつけたままでお預か
りしますよ、との言葉にありがたく申し訳ない思いでしたが入園させていただきました。娘
が幼稚園で発作を起こした時も伊藤先生が救急車に一緒に乗って来てくださいました。病院
でずっと、娘と私のそばにいてくださった伊藤先生がかけてくださった言葉は今でも忘れら
れません。
私の父が亡くなった時に母のために祈ってくださった、早川牧師先生。
その後しばらく、忙しさなどで教会から遠のきクリスマスだけは家族で教会に行くという生
活を続けているうちに、色々な事の節目が同時に押し寄せてきた頃、私は心の病気になって
しまいました。生きている事がたまらなく苦しくなってしまった時に訪れた、和田牧師先生
のテゼの礼拝。苦しくて教会の椅子から立ち上がれずに、いつまでも見つめていたロウソク
の灯。何一つできないような思いの中で和田先生に導いて頂
き受けた 3 年前の洗礼式。
そして今、クリスマスを迎える季節に喜びに満ちた気持ちを
確かに感じながら、あふれる程の神様の恵みを感じずにはい
られません。
箱崎教会の 80 年の歩みの上に感謝とお喜びを申し上げます。