(技術名)宮古地域におけるサトウキビ農林 15 号(Ni15)の最適な栽培法 (要約)宮古地域におけるサトウキビ農林 15 号(Ni15)の夏植栽培は、8 月植付、栽植密度 2400 本/10a、最終施肥高培土 2 月の条件で行うと高収量になる。 沖縄県農業研究センター宮古島支所・作物園芸班 部会名 普及対象地域 作物 専門 栽培 対象 連絡先 電話 0980-72-3148 サトウキビ 分類 普及 宮古地域 [背景・ねらい] サトウキビ奨励品種農林 15 号(Ni15)は宮古島で広く普及している品種である。しかしなが ら、Ni15 の適正な栽培条件は明らかにされていない。そこで本研究では、宮古地域における Ni15 の高品質、多収技術確立を目的として、植付時期と栽植密度、施肥高培土時期について検討す る。 [成果の内容・特徴] 1.植付時期別試験 植付時期について 8 月、9 月、10 月で比較検討した結果、8 月植えで一茎重が重く、収量 および可製糖量が多かった(表 1)。 2.栽植密度試験 裁植密度について 2000 ∼ 3200 本/10a で比較検討した結果、栽植密度 2400 本/10a で収量 と可製糖量が多かった(表 2)。 3.最終施肥高培土時期別試験 最終施肥高培土の処理時期について 2 月と 12 月で比較検討した結果、2 月処理が 12 月処 理と比較して収量が多く、甘蔗糖度も高かった(表 3)。 [成果の活用面・留意点] 宮古地域における Ni15 の夏植え栽培の参考資料として用いる。 [具体的データ] 表1 時期別植付試験 収量調査(2作平均) 植付時期 茎長 (cm) 8月 9月 10月 313±32 272±32 266±19 茎径 節数 一茎重 (cm) (節) (g) 2.08 2.02 1.97 41 32 28 1218 1014 1015 茎数 (本/10a) 収量 (t/10a) 8830(100)±911 9150(104)±930 8735( 99)±591 10.84(100)±0.96 9.41( 87)±1.33 8.85( 82)±0.49 甘蔗糖度 可製糖量 (%) (Kg/10a) 14.8 15.6 15.5 1490(100) 1360( 91) 1270( 85) 茎数、収量、可製糖量については8月植付区を100%とした比率を算出した。±以下は標準偏差。 表2 栽植密度試験収量調査(2作平均) 茎長 茎径 節数 一茎重 茎数 収量 甘蔗糖度 可製糖量 (cm) (cm) (節) (g) (本/10a) (t/10a) (%) (Kg/10a) 42 1636 6880(100)±910 11.34(100)±2.02 15.0 1545(100) 2000本 307±47 2.34 43 1563 7900(115)±551 12.32(109)±0.90 15.3 1680(109) 2400本 326±37 2.34 42 1515 6985(102)±677 10.47( 92)±0.52 15.0 1445( 94) 2800本 320±34 2.30 43 1558 7350(107)±1115 11.45(101)±1.52 14.5 1510( 98) 3200本 318±32 2.34 茎数、収量、可製糖量については2000本/10a区を100%とした比率を算出した。±以下は標準偏差. 栽植密度 表3 最終施肥高培土試験 収量調査 茎長 (cm) 2月施肥高培土(慣行) 330±44 12月施肥高培土 305±32* 最終培土時期 茎径 節数 一茎重 茎数 (cm) (節) (g) (本/10a) 2.02 42 1375 7830(100)±386 1.98* 40 1094 8700(111)±245 収量 甘蔗糖度 可製糖量 (t/10a) (%) (Kg/10a) 10.73(100)±0.35 15.7 1570(100) 9.49( 88)±1.03 14.9 1330( 85) 茎数、収量、可製糖量については2月施肥高培土区を100%とした比率を算出した。±以下は標準偏差。*は5%水準で有意 [その他] 研究課題名:宮古地域に適応したサトウキビ新奨励品種栽培試験 予 算 区 分 :県単 研 究 期 間 :2005 ∼ 2007 年度 研究担当者:平良正彦、知念潤、砂川正幸、上地克美、手登根正 発表論文等:無
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