平成21年度 政策評価書(総合評価) 担当部局:大臣官房企画評価課 実施時期:平成21年10月~平成22年1月 1 施策等名 2 政策体系 : 政策体系番号 7-4 3 地方における防衛行政の強化(地方防衛局への組織改編) 施策名 組織・定員 施策の目的 施策の目標 備 考 新たな安全保障環境の下、防衛行 防衛行政を担う組織の充実・強化 政を担う組織として、真にふさわし を図るため、幅広い観点からの防衛 い国家安全保障における防衛機能を 大臣の補佐体制の確立や防衛戦力・ 果たしうる体制を整備する。 政策立案を機動的に対応できる体制 を構築する。また、防災や国民保護 等のため、平素から地方自治体と緊 密な関係を確保できる体制を構築 し、地方における防衛行政を推進す る。 施策等の概要 (1) 概要と必要性 米軍再編や多様な事態への対応など、新たな時代の政策課題に適切に対応するためには、防衛行政に対する地方公共団体や地 域住民等の理解と協力が必要不可欠であり、地方との緊密な関係を維持することは益々重要となっている。 防衛省としては、平成19年9月、地方との関係を重視した体制を構築するため、防衛本省に、地方公共団体等の理解と協力 を確保するための事務(以下「地方協力確保事務」という。)に係る企画立案を行う地方協力局を、また、全国8箇所(札幌市、 仙台市、さいたま市、横浜市、大阪市、広島市、福岡市及び那覇市(現在は沖縄県嘉手納町))に、防衛行政全般の地方におけ る拠点として地方防衛局を、それぞれ設置したところである。 現在、地方防衛局は、防衛行政全般の地方における拠点として、旧防衛施設局や旧装備本部地方支部が実施してきた基地周辺 対策事業や装備品等の検査等の役割も担いつつ、①広く防衛政策についての理解を得るために実施する施策、②各種事態への実 効的な対処を行うために実施する施策、③各種事業を円滑に実施するための地元調整に係る施策、④自衛隊等が関わる事件・事 故への対応に係る施策といった地方協力確保事務を実施し、地方との関係強化を図っている。 (2) 実現しようとする目標 防衛本省に地方協力確保事務に係る企画立案を行う地方協力局を、また、全国8箇所に防衛行政全般の地方における拠点とし ての地方防衛局をそれぞれ設置することで、防衛省の様々な施策や基地問題などについて国民の意見等をしっかりと受け止める とともに、当該施策等についてのきめ細やかな説明等を実施できる体制を構築し、防衛省と地方との関係を強化して防衛行政を 適切かつ円滑に推進する。 (3) 目標を達成する手段・方法 地方協力局を中心とする防衛本省において、防衛省の各種施策について地方協力確保事務として実施する施策を企画立案し、 これに基づき、地方防衛局において、防衛問題セミナーの開催、防衛白書の地方公共団体等への説明、部隊行事等における来場 者に対する防衛省の施策等の説明、地方公共団体が主催する防災訓練等への参加、米軍再編や自衛隊の部隊改編及び各種装備品 の配備に係る地元調整等を実施する。 4 評価 (1) 施策等の効果 地方防衛局が、防衛行政全般の地方における拠点として、旧防衛施設局等において実施してきた基地周辺対策事業等のみなら ず、防衛行政全般の施策に係る防衛問題セミナーの各地での開催、防衛白書の地方公共団体等への説明、地方公共団体等が主催 する防災訓練等への参加、米軍再編や自衛隊の部隊改編及び各種装備品の配備に係る地元調整等を実施することにより、防衛省 と地方との関係強化を図ることができた。 (2) 効果等の検証 地方協力局においては、地方協力確保事務として実施する施策の企画立案に精力的に取り組み、また、地方防衛局においては、 防衛問題セミナーの開催、防衛白書の地方公共団体等への説明、部隊行事等における来場者に対する防衛省の施策等の説明、地 方公共団体等が主催する訓練等への参加、米軍再編や自衛隊の部隊改編及び各種装備品の配備に係る地元調整等を実施した。 防 衛 問 題 セ ミ ナ ー 等 実 施 状 況 実 施 項 目 平成19年度 平成20年度 防衛問題セミナーの開催件数 29 39 地方公共団体等に対する防衛白書の説明件数 1,955 1,935 地方公共団体主催の防災訓練等への参加件数 24 43 ※ 防衛問題セミナーは、「テロに立ち向かう自衛隊」、「自衛隊の災害派遣と国民保護について」等をテーマとして実施。 ※ 地方公共団体等に対する防衛白書の説明は、地方防衛局、地方協力本部及び部隊等が実施。 このうち、例えば、防衛問題セミナーについては、セミナー開催時のアンケート結果によれば、以下のように、内容をよく理 解できた又は理解できた人は平成19年度で89%、平成20年度で93%、今後もセミナーの開催を希望する人が平成19年 度で83%、平成20年度で74%となっており、参加者の多くから好評を得ているところである。 防衛白書の地方公共団体等への説明、部隊行事等における来場者に対する防衛省の施策等の説明、地方公共団体が主催する訓 練等への参加、米軍再編や自衛隊の部隊改編及び各種装備品の配備に係る地元調整等については、これらを各方面に亘り広範囲 に実施したことで、より多くの地方公共団体等と様々な面で関わりを持つことができ、当該地方公共団体等との協力体制の構築 及び強化を図ることができた。 これらのことから、地方防衛局が防衛行政全般の地方拠点としての役割を担い、地方との関係を強化するという当初目的は概 ね達成できているものと思われる。 (3) 施策等の有効性 防衛問題セミナーの開催、防衛白書の地方公共団体等への説明、部隊行事等における来場者に対する防衛省の施策等の説明、 地方公共団体等が主催する訓練等への参加、米軍再編や自衛隊の部隊改編及び各種装備品の配備に係る地元調整等を実施してき たことは、防衛省の各種施策に対する地方公共団体や地域住民等の理解の一助となっているほか、防衛省・自衛隊等そのものに 対する地域住民等の心理的距離感を縮め、より身近なものとして理解してもらう一助ともなっており、そのことが各種施策のよ り一層の円滑な推進に寄与していると思われる。 (4) 方策等の検討 引き続き、地方協力局を中心とする防衛本省において地方協力確保事務として実施する施策を企画立案し、地方防衛局が当該 事務を適切に実施することにより、防衛省の各種施策に対する地方公共団体や地域住民の理解と協力を得、地方との更なる関係 強化を図っていくこととする。 5 今後の対応 地方における地方公共団体や地域住民等との関係の強化については重視しているところであり、平成21年度においては、地方 協力確保事務のより効果的な推進のため、地方防衛局における実施体制の強化を図ったところであるが、今後とも防衛省全体の組 織の合理化を念頭に置きつつ、更なる実施体制の強化に努める。 ○ その他の参考情報 別紙「防衛問題セミナーの開催実績について(平成19年9月~平成20年12月)」
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