第6章 住宅課 住宅課 1. 業 務 の 概 要 住宅課では、住宅供給の安定・向上を図るため、以下の公的賃貸住宅に関する業務を行っています。 ①市営住宅、特定公共賃貸住宅、地域特別賃貸住宅の新築、増改築、維持管理 ②特定優良賃貸住宅に対する家賃補助 ③サービス付き高齢者向け住宅に関する登録事務 また、平成23年度より、郊外型住宅団地における地域コミュニティの荒廃や住環境の悪化といった問題 への取り組みとしてふるさと団地の元気創造推進事業を実施し、郊外型住宅団地の活性化を図っています。 2. 施 策 の 方 向 (1) 住宅施策の方向 公営住宅は、昭和26年の制度創設以来、わが国の住宅対策における中心施策として、国民の生活環境 の確保・改善に大きな役割を担ってきました。住宅の供給においては、長らく住宅の「質」よりも「量」の確保 が優先されてきましたが、近年では少子高齢化の進展とともに人口減少社会を迎えることが社会問題化し ており、住宅施策も「量の確保」から「質の確保」への転換を求められるようになってきました。そのため、公 営住宅においても、バリアフリー化や耐震性の確保といった住宅の「質の向上」を目指すようになっています。 (2) 大分市における公営住宅供給の基本的な考え方 平成21年度に改定を行った「大分市住宅マスタープラン」及び平成22年度に策定した「大分市公営 住宅等長寿命化計画」により、次の方針に基づいて事業を推進します。 ①「大分市公営住宅等長寿命化計画」に基づき、計画的な改修を行い、安心かつ安全で快適な住まいの 提供に努めます。 ②人、自然、建築物、景観等に配慮する等、地域と調和した良好な団地づくりを行います。 ③多様な世帯が共にふれあい、地域住民も利用できる地域のコミュニティ形成の核となる共有空間の 創出を図ります。 ④高齢者世帯、障がい者世帯など居住の安定が必要な世帯を対象とする特定目的住宅の供給を推進 するとともに、子育て世帯にはゆとりある間取りの公営住宅の供給を促進します。 ⑤公営住宅に関する施策において、市民との連携を強化し、情報提供などを重点的に行います。 - 60 - 住宅課 3. 施 策 の 概 要 (1)市営住宅等の管理 本市内の既存の市営住宅等について、申込受付業務、家賃収納業務及び維持管理・修繕業務等を 行っています。 ①管理戸数の推移(H24.3.31現在) (単位:戸) 管 項目 年 度 21 種別 地区 大 分 鶴 崎 稙 田 大 南 大 在 坂 ノ 市 佐 賀 関 野 津 原 計 22 大 分 鶴 崎 稙 田 大 南 大 在 坂 ノ 市 佐 賀 関 野 津 原 計 23 大 分 鶴 崎 稙 田 大 南 大 在 坂 ノ 市 佐 賀 関 野 津 原 計 理 一般住宅 3種 1,818 922 1,629 76 63 141 361 149 5,159 1,818 922 1,577 76 63 141 361 149 5,107 1,818 922 1,577 76 60 141 361 149 5,104 改良 92 戸 数 特定 地域 公共 特別 54 9 10 9 92 92 6 18 78 54 10 6 10 6 92 92 6 18 78 54 10 6 10 6 92 6 18 78 10 - 61 - 建 計 1,964 922 1,638 86 63 141 367 167 5,348 1,964 922 1,583 86 63 141 367 167 5,293 1,964 922 1,583 86 60 141 367 167 5,290 設 一般住宅 3種 戸 改良 数 特定 地域 公共 特別 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 計 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 住宅課 ②構造及び用途別管理戸数(H24.3.31現在) (単位:戸) 種 別 構 造 一般住宅 3種 特定公共 地域特別賃 改良 合 計 木 造 平 屋 45 6 0 0 6 57 木 造 2 階 0 0 0 0 4 4 簡易耐火平屋 464 0 0 0 0 464 簡 易 耐 火 2 階 243 0 0 0 283 0 0 0 0 26 52 24 0 3,464 旭町 26 荒巻 14 耐 火 2 階 26 中 層 耐 火 3,388 高 層 耐 火 938 0 0 54 0 992 計 5,104 6 92 78 10 5,290 合 種別 構造 特 身 障 小原 4 花香 1 簡易耐火 小原 平 家 下芹 6 木造平家 母 簡易耐火 2 階 大石町 2 裏川 2 中層耐火 大空 2 東浜 4 高田 1 東明野 2 2 高層耐火 羽田 敷戸北 合 計 35 住 多 家 族 0 0 12 0 0 0 耐火2階 2 老人同居 0 0 上田町 目 子 1 0 旭町 小原 宅 老人世帯 低 家 賃 地域改善 4 0 0 0 0 小野鶴 0 0 0 0 栗山 0 0 0 0 高田 1 上田町 裏川 2 4 東明野 6 東明野 17 小原 1 0 高田 東明野 10 東明野 新川 (母子) 5 20 新加茂 0 合 計 0 9 70 89 4 4 0 0 18 59 0 48 6 7 35 10 - 62 - 10 20 92 209 住宅課 ③応募状況の推移 (単位:戸) 区 分 年 度 新 築 項目 募集戸数 応募戸数 入居戸数 種別 (B) (A) 補 応募戸数 入居戸数 差引 (B)-(C) (C) 充 (B) (C) 備 差引 (B)-(C) 一 般 住 宅 0 0 0 0 1,965 180 1,785 21 特 公 賃 年 度 地域特別賃 0 0 0 0 6 4 2 0 0 0 0 0 0 0 計 0 0 0 0 1,971 184 1,787 一 般 住 宅 11 85 11 74 1,819 173 1,646 22 特 公 賃 年 度 地域特別賃 0 0 0 0 12 8 4 0 0 0 0 10 1 9 計 11 85 11 74 1,841 182 1,659 一 般 住 宅 0 0 0 0 1,578 176 1,402 23 特 公 賃 年 度 地域特別賃 0 0 0 0 4 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1,582 180 1,402 計 考 (2)市営住宅の建設 住宅や住環境など に対する市民ニーズの高度化・多様化に対応するため 、計画的な公営住宅の 建設及び大分市公営住宅長寿命化計画に基づく立て替えなどを推進し、ゆとりある優れた住環境の整備を 図っています。 【5ヵ年の建設状況】 項 目 年 度 住 宅 名 種 別 戸 数 公営 特定 地域 住宅 公共 特別 18 敷戸北H19 46 19 たけなかの里 10 20 敷戸北H19 48 24 敷戸南H23 70 46 所 在 地 構 造 戸当り床面積 (㎡) 備 考 大分市敷戸北町 高層6F 105.58 大分市大字竹中 木 造 1F 、 2F 82.22 48 大分市敷戸北町 高 層 6 F 89.44 増築 70 大分市敷戸南町 高 層 7 F 98.61 仮称 10 - 63 - 住宅課 (3)大分市営住宅入居者選考委員会 市営住宅・特定公共賃貸住宅の現状を把握し、入居者選考の制度や基準について協議を行う委員会で す。市議会議員5名及び学識経験者5名で構成されます(任期:平成23年4月1日~平成25年3月31日)。 区 分 市会議員 学識経験者 氏 名 委 員 長 篠 田 良 行 社 副委員長 仲 家 孝 治 新 委 員 河 野 広 子 日 本 共 産 党 委 員 倉 掛 賢 裕 自 由 民 主 党 委 員 佐 藤 和 彦 公 委 員 荒 金 一 義 大 分 市 自 治 委 員 連 絡 協 議 会 委 員 鹿 島 秀 和 連 合 大 分 大 分 地 域 協 議 会 委 員 馬 場 和 子 大分市民生委員児童委員協議会 委 員 一ノ宮 サヨ子 大 分 市 地 域 婦 人 団 体 連 合 会 委 員 伊 東 昇 摘 会 要 民 市 主 民 ク ク 明 ラ ラ ブ ブ 党 小池原二自治委員(市営小池原住宅)、市営住宅管理人 (H24.4.1現在) (4)特定優良賃貸住宅に対する家賃補助制度 特定優良賃貸住宅とは、市が認定した中堅所得者向けの良質な民間住宅で、現在市内には6住宅あり、 申込受付や住宅の管理は管理会社が行っています。入居するには一定の条件を満たす必要がありますが、 国と市が家賃の一部を補助するため、入居者の家賃負担が軽減されます。 (5)サービス付き高齢者向け住宅に関する登録事務 バリアフリー構造等を有し、介護・医療が連携して高齢者の生活を支援するサービスを提供する住宅の うち、基準を満たすものを「サービス付き高齢者向け住宅」として登録しています。市内では、平成24年3月 末現在で7住宅が登録されています。 (6)ふるさと団地の元気創造推進事業 高度経済成長期に開発された郊外型住宅団地は、少子高齢化が深刻化しており、空き家の増加や 撤退などの問題を抱え、団地の荒廃が危惧されています。昭和40年代に開発が始まった富士見が丘団地 も商店の高齢化が進み、校区内の児童数も大幅に減少しています。そこで、本市では当該団地をモデル団 地に指定し、団地の活性化を目的とした様々な取り組みを始めています。 - 64 - 住宅課 4. 主 要 事 業 (1)市営住宅の管理 ①指定管理者制度の導入 市が管理している全市営住宅の約半分、11団地2,524戸(明磧、裏川、大空、小池原、小原、敷戸、寒 田、畑中、畑中第二、東明野、明治北)について、平成23年4月より指定管理者制度を導入し、指定管理者 には、長年にわたり県営住宅を管理運営してきた実績のある、大分県住宅供給公社が選定されました。 平成26年3月末までの3年間、指定管理の対象となる団地の入居申込の受付、苦情処理、修繕等の維持 管理、家賃収納等の管理運営全般を行うこととなります。 ②大津波を想定した市営住宅入居者の避難経路設定と防災訓練 東日本大震災では津波による被害が甚大であったことを受け、市営住宅においても、津波を想定した防災 体制を確立することが急務となっています。そこで、平成23年度には5市営住宅で、管理人や自治委員と 協議しながら大津波を想定した避難経路マップを作成・配布し、防災訓練を実施しました。 平成24年度には さらに沿岸部等の6市営住宅について 津波を想定した入居者の避難経路の確認と 平成24年度には、さらに沿岸部等の6市営住宅について、津波を想定した入居者の避難経路の確認と 防災訓練を実施します。また、実施にあたっては地元自治会や自主防災組織とも連携を図りながら、より 意義のある取り組みとします。 平成23年度の避難訓練の様子 ③高齢者等にとっての安全な避難通路の確保 近い将来に予想される東南海・南海地震等の大規模な災害が発生した際に、市営住宅敷地内で迅速な 移動ができるよう、全78団地を対象に安全点検を行うとともに、危険箇所については管理人等とも協議の うえ、スロープや手すりの設置等に順次取組む中で、安全な避難経路の確保を図ります。 (2)市営住宅の建設 敷戸南S51住宅について、老朽化や耐震強度等の問題が生じていたことから、平成23年度から25年度 に かけて、建て替え事業を実施しています。新たに建設する住宅は、多様な家族世帯に配慮したユニバー サルデザインを目指し、1DKから4Kまでの多様な世帯構成に対応した間取りとなっています。 - 65 - 住宅課 (3) ふるさと団地の元気創造推進事業 ふるさと団地の元気創造推進事業に係る具体的な取り組みとして、平成23年度には下記の事業を実施 しました。平成24年度には、モデル団地での事業の成果を踏まえ、地域活性化を推進する組織のあり方や 今後の事業への取り組みについて、さらに検討を進めていきます。 ①公園の芝生化 地域コミュニティ作りの一環として、地域住民主体による芝生化した広場作りに取り組んでおり、平成23年 8月7日には、子どもから高齢者まで多数の地元住民が参加して、富士見が丘団地中央公園の芝植えを 行いました。 芝植え作業中 芝植え作業中の光景 景 芝成長中 芝生育後 ②子育て世帯の住み替え支援家賃補助 若い世帯を呼び込むことで団地の活性化を図るため、富士見が丘団地の一戸建ての住宅に住み替える 子育て世帯(18歳未満の子供がいる世帯)に対し、家賃の3分の2(月額4万円ほど)を補助する取り組みを 行いました。10世帯の募集に対し114世帯の応募があり、7世帯25人の方が実際に富士見が丘団地での 生活を始めています。 ③自宅開放・ギャラリー 富士見が丘団地の魅力を発信しようと、平成23年11月12、13日に地元の主催で、富士見が丘団地在住 の作家ら7人の自宅をギャラリ-として開放するイベント「自宅開放・ギャラリー」が行われ、団地内外から多数 の方が訪問し、団地内を散策しながら芸術にふれていました。 自宅が美術館に 訪れた人に水墨画を手ほどき - 66 - 作家と交流しながら鑑賞
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