ChromatoDAQ クロマトダックの概要 株式会社アルバック 1. クロマトダックの概要 1) 概要 クロマトダックは、クロマト分析用検出器からの電圧出力を取りこみ、RS-232C シリアル通信回線を通じてパソ コンにデータを送る装置です。 接続できる検出器は、UV 検出器、蛍光分析器など電圧出力を持っている機器であれば全て接続可能です。 例えばインテグレータ用の 1V 出力、レコーダー用の 1V あるいは 10mV 出力等がこれにあたります。またクロマ ト分析用検出器のみならず、様々の計測機器からの電圧出力を取込むことも可能です。 電圧入力範囲は±1.25V、A/D(アナログ/デジタル)変換の分解能は 24 ビット、16,777,216 階調を持っており、 1 デジタル当り 0.14901µV という高分解能を有しています。 パソコンとは RS-232C シリアル通信回線で接続。RS-232C,USB を有するパソコンであればディスクトップ型、 ノート型を問わず接続可能です。 データ取得間隔 付属のソフトウェア[Excel-モニタリング]使用時 2ch 使用 100msec または 400msec 付属のソフトウェア[モニタリングソフト]使用時 1ch 時 50msec∼99.99sec 2ch 時 100msec∼99.99sec データ取得可能数 付属のソフトウェア[Excel-モニタリング]使用時 32,000 データ、データ取得時間最長 213 分間。 付属のソフトウェア[モニタリングソフト]使用時 パソコンのハードディスクの空き容量まで、時間制限無し。 2) 外観及び各部の名称 (寸法単位:mm) 付属品 データ取得用ソフトウェア RS-232C ストレートケーブル BNC-Y 端子シールドケーブル [Excel-モニタリング] [モニタリングソフト] 1本 (パソコン-クロマトダック接続用) 2本 (分析機器-クロマトダック接続用) 3) データを取得する方法 データを取得するには、 ① 付属の[Excel-モニタリング]を使用する方法 ② 付属の[モニタリングソフト]を使用する方法 ③ ご自身でクロマトダックのコマンドを個別に使用する方法 の 3 つがあります。それぞれの使い勝手、長所、短所をお知りになった上で、最も良い方法でクロマトダックをご 使用ください。 総合評価 インストール データ取得 保存 解析 長所 短所 Excel-モニタリングソフト ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 非常に簡単に使える 取得データ数に制限あり モニタリングソフト ○ ○ ◎ ◎ − 取得データ数に制限なし 解析機能なし コマンドを使用 △ − △ △ − コマンド単体での使用なら容易 利用の際はプログラミング知識が必要 記号例 ◎ 非常に簡単にできる ○ 簡単にできる △ 手間がかかる - 本機単体ではその機能はない ①[Excel-モニタリング]を使用する [Excel-モニタリング]を使用するのは最も簡単な方法です。データ取得とデータ解析機能が Excel ファイルとし て提供されますので、パソコン上で Excel ファイルを開くだけでデータの取得、解析、編集まで行えます。 [Excel−モニタリング]を使用してデータを取得した場合、取得データは mV(ミリボルト)単位、小数点第 3 位の 1µV(マイクロボルト)までの電圧数値で表示、接続パソコンのファイルに格納されます。小数点第 4 位以下の値 は四捨五入されます。また取得データはリアルタイムでパソコンの画面にグラフ表示されます。 データ取得後そのまま解析をおこなえます。解析機能にはピークの検出、ピークの開始時間、終了時間、面積、 面積比 、ピーク高さ、理論段数、ピーク対 称性の計算等があります。(2001 年 6 月 1 日現在) これらの計算では自動演算と手動演算とを 選択することができ、自動演算でも演算開始 時間、最小ピーク幅、ピーク検出微分値、最 小ピーク高さ、ピーク検出移動平均個数を 指定して自動演算がおこなえます。 さらに手動演算を選択した場合は、 [自動演算パラメータ入力画面] [手動演算パラメータ入力画面] 解析グラフ上から任意のピークを自分で選択し、ピークの開始時間、終了時間等の時間範囲、電圧範囲を選択 して演算させることができます。また[データ OFFSET]機能を使えば、ベースラインを自由に上下させることがで きます。 OFFSET 値が加算されたライン 元のライン (実際は 表示されません) [データ OFFSET 例] こうして取得したデータ、データグラフ、演算結果を Excel の多彩な機能をそのまま使用して自由に編集するこ とが出来ます。 必要条件 OS-Windows98 以上(Windows98,Me,2000,XP)で Excel2000,2002)が搭載されているパソコン。(Excel は 付属していません。) 長所 ソフトウェアのインストールといった面倒な操作が必要ありません。 Excel 上で全ての操作、データ取得、解析、編集、保存等が行えます。 短所 取得可能な総データ数に制限があります。各々のチャンネル当り 32,000 データまで取得できます。データ取 得間隔は、100msec または 400msec に固定されておりデータ取得時間は最長 213 分までです。 ②[モニタリングソフト]を使用する方法 [モニタリングソフト]はデータの取得を目的としたソフトウェアです。大量のデータを長時間取得する場合に適し ています。また、データの解析は使いなれた専用のソフトウェアを使うのでデータを取得するだけでよいといった 場合に適しています。[モニタリングソフト]を使用してデータを取得した場合 mV(ミリボルト)単位、小数点第 3 位 の 1µV(マイクロボルト)までの電圧数値で表示、接続パソコンのファイルに格納されます。小数点第 4 位以下の 値は四捨五入されます。 また取得データはリアルタイムでパソコンの画面にグラフ表示されます。 必要条件 OS-Windows98 以上(Windows98,Me,2000,XP)(Excel は必要ありません) 長所 取得可能な総データ数に制限がありません。取得したデータはパソコンのハードディスクに格納されますので、 取得可能なデータ数はパソコンのハードディスクの空き容量一杯まで可能です。 データは CSV 形式(カンマで区切られた汎用の数値データ)で格納されますので、様々なソフトウェア(クロマト 専用の解析ソフト、表計算ソフト、グラフ作成ソフト等)での利用が可能です。 短所 このソウトウェアは、データの取得のみを目的としており、解析機能はありません。 ③ご自身でクロマトダックのコマンドを個別に使用する方法 [クロマトダック]は添付されているプログラムを使用しなくても、データを取得することができます。パソコンとクロ マトダックは RS-232C シリアル通信回線で接続しますので、シリアル通信回線を介しコマンドを直接クロマトダッ クに送信、パソコンにデータを取得することができます。この場合、クロマトダックから送られてくるデータはデジタ ルデータですので、取得後ご自分でアナログデータに変換してください。 パソコン通信ソフト等を使用すれば簡単にデータを取得することができます。また、自作のプログラムの中にク ロマトダックのコマンドを入れることにより、パソコンのキーを一つ押すだけで、データの取得、解析、レポートの 作成までを行うといったことも可能となります。 この場合は Windows パソコンのみならず、マッキントッシュのパソコンにクロマトダックを接続しデータを取得す ることも可能となります。 必要条件 ご自分でプログラムを作ろうという意思と必要な知識さえあれば可能です。使用するパソコンはおろか何一つ 制限はありません。 4) データを取得するための作業の 流れ いずれの方法を取るにしても操作の 流れは次のようになります。 ① パソコンとクロマトダックを接続。 付属の RS-232C ケ-ブルをパソコン の RS-232C コネクタ(COM ポート)に 接続する。 ② クロマト分析用検出器とクロマトダ ックを接続。 クロマト分析用検出器からの出力を 付属の接続ケーブルを使いクロマトダ ックに接続する。 ③ 付属の[Excel-モニタリング]を使 用する場合は Excel ファイルをパソコ ンにコピー。 付属の[モニタリングソフト]を使用す る場合は、ソフトウェアをパソコンにイ ンストールする。 ④ Excel を起動し[Excel-モニタリン グ]を起動。 または[モニタリングソフト]を起動。 ⑤ データを取得。 [Excel-モニタリング]を使用する場合は Excel 上でデータを取得。 [モニタリングソフト]を使用してデータ取得を開始、クロマト分析用検出器のデータを取得します。 ⑥取得したデータを解析、分析。 [Excel-モニタリング]を使用する場合は Excel 上でデータを解析、分析可能です。 2. 接続方法 1) パソコンとの接続方法 クロマトダックとパソコンとの接続は、クロマトダック背面に装備されている RS-232C とパソコンの RS-232C コネ クタを、付属の RS-232C ストレートケーブルで接続します。 2) 分析機器との接続方法 クロマト分析器の電圧信号出力端子とクロマトダックの入力端子を附属の BNC-Y 端子ケーブルで接続します。 電圧信号出力端子(アナログ出力)とは電圧での信号出力端子のことです。いわゆるインテグレーター出力のこと ですが、XY レコーダーやペンレコーダーへの信号出力といったものもこれに含まれます。 よく見られるのは、「インテグレータ出力 1V」あるいは「レコーダー出力 10mV」といった電圧出力端子です。こ のような出力端子があればそこからの出力をクロマトダックの入力に接続します。クロマトダックの電圧入力範囲 は-1.25V∼+1.25V です。 またクロマト分析機器類に限らず、そのほかの計測器でも電圧の出力端子が付いていれば、そこからの出力を クロマトダックに接続しパソコンにデータを取得することができます。様々な計測機器とは pH 計、振動計、電流 計、電圧計、引っ張り試験機、分光計、歪計、圧力計等々です。あるいは電極等でも基本的に電圧の出力がつ いていれば接続可能です。 計測機器からの電圧出力が±1.25V を超える場合には、電圧変換器を使用し、また計測機器からの出力が電 流の場合には、電流-電圧変換器を使用することにより接続が可能となります。 3) 電圧出力がない計測機器には使用できません。 最近のシステム機器に見られるのですが、計測機器からの出力が RS-232C、シリアル、セントロニクス、パラレ ルといった物しかない場合、クロマトダックを接続することは出来ません。これらのものは全てデジタル出力で、ク ロマトダックのようなアナログ−デジタル変換器(A/D 変換器)を必要とすることなく、パソコンにそのまま接続する ようになっているからです。(もちろん専用のハードウェアやソフトウェアが必要な場合もあります。) ※Microsoft,Excel は米国マイクロソフト社の米国及びその他の国における登録商標です。 ※その他記載されている会社及び商品は各社の商標です。 ※記載された内容は、性能向上のため予告なく変更される場合があります。 26. January.2005 Ver1.2
© Copyright 2025 ExpyDoc