31E06-am04S Curcumin による Caco-2 細胞増殖抑制機構の解明 1 1 ◯丸山 ちさと 1 ,佐久間 覚 1 ,孝田 哲也 1 ,藤本 陽子( 大阪薬大・環境分子生理) 【目的】生薬ならびに食品中に含まれる Curcumin は抗酸化作用や抗炎症作用を有 することが明らかになっている。以前当研究室では、Curcumin が大腸癌細胞 Caco-2 の増殖抑制作用を示すことを報告している。本研究では、Curcumin による Caco-2 細胞の増殖抑制機構の解明を試みた。 【方法】Caco-2細胞を播種し、24時間後に各種試薬を添加した。反応は37℃、炭 酸培養器にて3∼72時間インキュベートすることにより行った。細胞増殖はMTT法 を、タンパク質発現量はWestern blot法を、mRNA発現量はReal-time RT-PCR法を、 アポトーシスはTUNEL染色およびCaspase-3/7活性測定法を、細胞周期はPropidium iodide染色を施した後、Flow cytometry法を用いて評価した。 【結果および考察】Curcuminはシクロオキシゲナーゼ-2のタンパク質発現量にほと んど変化を与えなかったが、DNAの断片化を引き起こすとともに、Caspase-3/7活 性を有意に促進することが示された。また、CurcuminはBaxのmRNA発現量を増加 させ、Bcl-2のmRNA発現量を減少させた。さらにCurcuminはMitogen-activated protein kinase(MAPK)であるJNKおよびp38MAPKのリン酸化を促進し、ERK1/2 のリン酸化を抑制し、細胞周期の中でG2/M arrestを引き起こした。以上の結果より、 Curcuminの細胞増殖抑制機構にはBax/Bcl-2ならびにMAPK経路を介する細胞周期 の阻害に引き続いて生じるアポトーシスの誘導が関与していることが示唆された。
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