第704号 平成20年9月1日 (1) 9 月号 第704号 平 成 20年9 月 1 日発 行 編 集 人、 発 行人 新潟県教育委員会 <今月号の記事> 1:中高一貫教育校の取組について 2:理数科とメディカルコースについて 3:学校現場の多忙感解消のための取組について P1∼4 P5∼6 P7∼8 中高一貫教育校の取組について 高等学校教育課 中高一貫教育校については、表1のとおり 全国的に設置が進んでいますが、新潟県の各 中高一貫教育校においても、それぞれの学校 で特色ある教育を実施しています。 本号では、平成20年4月現在の県立中高一 貫教育校の概要(表2)を紹介するとともに、 今春3月に初めて卒業生を送り出した県立村 上中等教育学校、阿賀黎明中学校・高等学校 のこれまでの取組と成果、4月に開校した佐 渡中等教育学校の運営方針を紹介します。 表1 全国の中高一貫教育校設置状況 (平成19年4月1日現在 文部科学省調査) 国立 公立 私立 合計 中等教育学校 3 17(5) 12(0) 32( 5) 併 設 型 1 55(1) 91(3) 147( 4) 連 携 型 0 77(0) 1(0) 78( 0) 257( 9) ( )内は本県中高一貫教育校数 表2 県立中高一貫教育校の概要(平成20年4月1日現在) ※阿賀黎明中学校・高等学校のみ併設型 校名 村上中等教育学校 阿賀黎明中学校・高等学校 柏崎翔洋中等教育学校 燕中等教育学校 津南中等教育学校 直江津中等教育学校 佐渡中等教育学校 設置年 H14 H14 H15 H17 H18 H19 H20 後期の学科 普通科 普通科 普通科 国際科学科 普通科 普通科 普通科 コース 国際・環境・教養 国際文化・自然科学・ 文系・理系・教養系 自己探求 募集 2学級(80) 中学 1学級 (40) 2学級(80) 2学級(80) 2学級(80) 3学級 2学級(80) 定員 高校 2学級 (80) あか Let’s try! 黎明るい未来へ 校是 挑戦・創造・貢献 チャレンジ 総 合 的 な 地域に根ざした人材育 地域の自然体験活動と 学習の時 成 国際理解教育 間 の 特 徴 「いわふね・村上学」 的なテ-マ チャレンジウォーク(44km)、 主な 粟島体験学習、 体験 小学生への英語授業、 活動 お 人 形 様 巡 り ボ ラ ン ティア 宿泊体験学習、年4回 実施(自然体験、イン グリッシュセミナー、 登山など)、麒麟山清 掃、レガッタ体験 Challenge Now! 今こそ、挑戦 地域に対する理解を深 める学習 (体験活動を取り入れ た学習) チャレンジウォーク(21km)、 マリンスポーツ体験、 ジュニアライフセービ ング教室 Be Glocal! 夢の実現 燕発 "光、力、英知" Dreams Come True 地域探求活動と海外事 未来創造学習(体験 情等の学習 活動を取り入れた生 き方学習) ロードレース・ウォーキング 自然体験、農業体験、 福祉体験、ボランティ ア体験 星空ウォーキング、苗場 山登山、宿泊研修、 ネイチャーワーク、 農業体験学習、立志 式 (120) Be an ACE! Catch the WAVES! 夢を叶える波をつか め! 地域の歴史・文化・ 地域の歴史・文化・ 自然を学ぶ体験学習 自然を学ぶ体験学習 スクール・カルチャ ー「能楽」 チャレンジウォーク(26km)、 ドンデン山登山、 自然体験教室、芸術 福祉体験、自然体験 教室、マラソン大会、 教室、ハイキング、 スキー合宿 ライフセービング、 能楽 (2) 第 704号 くしがたさんみゃく 【これまでの取組】 世界に通じる骨太の人間の育成を目指し、 「豊かな人間性の育成」と「確かな学力の向 上」を目標に掲げ、6年間のゆとりある教育 活動の中で、様々な体験活動等を行っていま す。 1 豊かな人間性の育成 体力的にも精神的にも、かなり厳しい行事 を実施して、易きに傾く自分と向き合い、そ の弱さを克服しようとする気概を涵養するこ とを目指し、6年間通して取り組んでいるチャ レンジウォークと学年別登山遠足を紹介しま す。 (1) 44kmチャレンジウォーク 開校当初から行われており、1年生から6 年生までの全校生徒が、朝7時に学校をスター トし、午後6時までの11時間、ただひたすら 歩くという体験活動です。 ■生徒の感想■ 6年間すべて完歩できましたが、楽にゴー ルできたことは一度もありませんでした。 体中が痛い中、ゴールした後はいつも清々 しい気持ちになれるんです。 それは困難な課題に立ち向かい、くじけ そうになる自分と戦い、全力を出し切って 克服したときに得られる達成感が大きかっ たからだと思います。…何か困難なことに 立ち向かう時に、必死に努力してうまくいっ た経験が、 今後支えに なると思い ます。 僕にとって チャレンジ ウォークは その一つです。 【チャレンジウォーク】 (2) 学年別登山遠足 周辺の豊かな自然環境を生かした行事です。 にほんこく お お り 1年生は大里峠(関川地区)、2年生は日本国 こ う さぎ さ ん (山北地区)、3年生は光兎山(関川地区)、4 わ し が す や ま 年生は鷲ヶ巣山(朝日地区)、5年生は 平 成 20年 9 月 1 日 がっさん 櫛形山脈(胎内市)、6年生は月山(山形県)に 挑戦し、自分の体力に合わせて、目標を設定 し、コースを選択することができます。 これらの体験活動は、保護者や地域の方々 など、多くの協力により、実施されています。 このような心や体を育む体験活動を大切に し、人との関わりを通して、豊かな人間性を 育成しようと取り組んでいます。 2 確かな学力の向上 確かな学力の向上を目指して、魅力ある授 業、わかる授業を心がけるとともに、個に応 じた指導の充実と、家庭学習の習慣化に取り 組んでいます。 前期課程では、朝読書から1日が始まり、 心を落ち着けて授業に臨みます。英検、数検、 漢検、模試等、短いスパンで目標を立て、モ チベーションを高めながら学習を進めます。 また、1日2時間の宅習課題に取り組み、基 礎学力の定着を図っています。 2年生では、福島県にある英語研修施設ブ リティッシュヒルズで3日間、4年生ではオー ストラリアで10日間の研修を行います。学習 した英語 を実際に 使うこと で、コミ ュニケー ション能 力を試す 良い機会 【オーストラリア研修】 であると、 生徒に好評の行事です。 【主な成果】 今年の3月に初めて卒業生を送り出しまし た。4年制大学をはじめ、短大、専門学校、 就職など、一人一人の進路希望を達成しまし た。就職希望者はすべて地元企業に就職する ことができました。 進路状況は次のとおりです。 第704号 平成20年9月1日 進路先 人数 主な進学先大学 国公立大学 29 新潟大、山形大、東北大、 私立大学 23 筑波大、千葉大、東京工業 短期大学 5 大、一橋大、大阪大、お茶 専門学校など 6 の水女子大、早稲田大、立 就職 4 教大 その他 6 また、試行錯誤の中、様々な体験的な活動 や学習指導に取り組んできました。 これからは、生徒の発達段階をこれまで以 上に考慮し、早期に明確な目標を確立させる など、いわゆる「中だるみ」に対処し、生徒 一人一人の将来の夢を実現できるように指導 していくことが課題です。 【これまでの取組】 平成14年度に県内で初めて設立された併設 型の中高一貫教育校で、 「知性に支えられた創 造力の育成」、「感性に支えられた表現力の育 成」及び「社会性や忍耐力に支えられた自己 管理能力の育成」を目標に掲げ、知・徳・体 の調和のとれた人格の形成を目指し、様々な 体験活動を行っています。 1 中学校での取組 21世紀をたくましく生きることのできる個 性的、魅力的人材の育成を目指し、スクール スポーツであ るレガッタの 体験等、特色 ある行事を実 施し、耐性、 感性、社会性、 知性を育んで います。 【中学校レガッタ体験の様子】 中学校では、3年間で延べ17泊、29日間に 及ぶ研修を実施します。自分の限界に挑戦さ ば んだいさん せることを目的とした「磐梯山登山」、英語漬 けの生活を体験する「イングリッシュセミ ナー」、森の役割を知り伐採を体験する「森林 体験」 、進路意識の啓発を目的にした「学習合 宿」、 水力発電等のエネルギーについて学ぶ「エ (3) ネルギー研修」等、様々な研修を実施し、豊 かな人間性を育んでいます。 2 高等学校での取組 進路希望の実現を目指し、大学進学を支援 する、「夏期学習合宿」、世界的視野を身に付 けるため「米国ユタ州での研修」、「中国修学 旅行」等の体 験学習を実施 しています。 また、地域の 行事への参加 やボランティ ア活動にも積 極的に取り組 【高等学校中国修学旅行での んでいます。 現地高校生との交流の様子】 3 学習指導 学習指導では、中学校段階から6年間を見 据え、計画的、組織的に、朝学習や週末課題、 習熟度別やコース別による少人数指導、進学 補習や学習合宿等毎日のきめ細かな指導や進 路意識の啓発活動を行っています。 【主な成果】 就職や進学など、生徒一人一人の進路希望 を達成しました。平成20年1月に行われた大 学入試センター試験では、他の進学校に比べ 遜色ない好結果を出しました。進路状況は以 下のとおりです。 進路先 人数 主な進学先大学 国公立大学 5 新潟大、山形大、駒澤大、 私立大学 14 東京経済大、日本大、創価 短期大学 3 大、城西大 専門学校など 19 就職 22 その他 1 医学部や難関大を受験する生徒が増えてい るほか、自己の将来の生き方や夢を考え、そ の実現に向け、高い意識を持って大学等への 進学を考える生徒が育ってきました。 また、高校から入学してくる外進生におい ても、2年生からの進学コース編入により、 (4) 第 704号 国立大に1名、私立大に7名が進学するなど、 昨年までの実績を大きく上回りました。 阿賀黎明中学校・高等学校は、地域の方々 の熱意により誕生した学校であり、学校に対 する地域の期待は大きいものがあります。 今後も、地域の教育の活性化に貢献すると ともに、良き伝統と良き校風を築き上げるべ く、誇りと情熱を持って諸活動に取り組んで いきます。 「佐渡の歴史と文化に誇りを持ち、豊かな 人間性と知性を身に付け、世界的視野で活躍 できる人材の育成」を目標とし、次の方針で 取り組んでいます。 1 運営方針 知 性 確かな学力の育成 人間性 豊かな人間性の 育成 郷土愛 平 成 20年 9 月 1 日 ンや学習ガイド等を通して、仲間作りと学習 の仕方を学びました。楽しかった、新しい友 達がたくさんできた、と生徒の間ではとても 好評でした。 (2) スクール・カルチャー「能楽」 「能楽」をスクール・カルチャーと位置付 け、6月から全校生徒が学んでいます。佐渡 の「能」の 歴史や面白 うたい さを知り、謡 の練習をし ています。 姿勢や礼儀 も含め、真 剣に取り組 んでいます。 【正座をしての能楽の授業】 佐渡中等教育学校では、今後とも、教職員、 保護者、地域の連携を図り、地域に根ざした 特色ある学校作りを推進し、魅力に満ちた学 校を築いていきます。 地域に貢献する 態度の育成 (1) 自己実現に向けた確かな学力の育成 6年間一貫した学習指導やキャリア教育に より、前期課程からしっかり学習習慣を身に 付け、学習意欲を継続させながら、学力を伸 ばします。 (2) 豊かな人間性と世界的視野の育成 異学年や海外異文化との交流や様々な体験 活動を通して、コミュニケーション能力や表 現力を高めます。 (3) 郷土を愛し、地域に貢献する態度、資質 の育成 佐渡の歴史・文化に触れるとともに、地域 の人々との体験を通して、地域への思いや貢 献する態度を育みます。 2 特色ある取組 (1) 妙高オリエンテェーション合宿 4月に、島内全域から集まった新入生が2 泊3日の合宿に参加しました。レクリエーショ 入学選考検査:平成21年1月10日(土) 合 格 者 発 表:平成21年1月18日(日) 中高一貫教育校では、6年間のゆとりある 教育活動の中で、教育課程の基準の特例など を活かし、充実した学習活動や様々な体験活 動を行うことで、生徒一人一人の個性や能力 の一層の伸長を図っています。村上中等教育 学校、阿賀黎明中学校・高等学校をはじめ、 県内の公立中高一貫教育校では、これまでの 取組を検証するとともに、特色ある学校作り をより一層進めてまいります。 各校の詳しい情報は、次のホームページ 「高等学校教育課:ハイスクールガイド」 にあるリンクからご覧下さい。 http://www.pref.niigata.lg.jp/kotogakko/ 1191947438069.html 第704号 平成20年9月1日 (5) 理数科とメ ディカルコー スについて 表1は厚生労働省の調査による平成18年12 月31日現在の都道府県別の医師数です。本県 の医師数は人口10万人あたり、185.2人で全国 平均の217.5人を大きく下回り、全国順位も39 位となっています。近県との比較からも、医 師不足の深刻さが明らかになっています。 図1は過去3年間の本県高等学校等卒業者 の医学部医学科への進学者数です。進学者数 は増加傾向にあるとはいうものの、現役進学 者の占める割合は、依然低い状況が続いてい ます。 表1 人口10万人あたりの医師数 県 名 医師数 順位 県 名 医師数 順位 北 海 道 219.7 23 滋 賀 202.3 32 青 森 180.0 41 京 都 292.1 1 岩 手 186.8 37 大 阪 250.5 14 宮 城 208.7 27 兵 庫 213.8 26 秋 田 200.9 33 奈 良 208.3 29 山 形 203.0 31 和 歌 山 257.5 10 福 島 183.5 40 鳥 取 281.0 4 茨 城 155.1 46 島 根 263.1 9 栃 木 204.7 30 岡 山 264.1 8 群 馬 208.6 28 広 島 234.4 19 埼 玉 141.6 47 山 口 241.9 15 千 葉 159.1 45 徳 島 291.9 2 東 京 282.0 3 香 川 250.8 13 神 奈 川 178.3 43 愛 媛 232.8 20 新 潟 185.2 39 高 知 275.8 6 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 238.3 254.3 215.9 199.1 198.9 179.9 177.2 192.1 186.2 18 11 25 34 35 42 44 36 38 福 岡 278.3 佐 賀 240.9 長 崎 271.3 熊 本 252.6 大 分 240.8 宮 崎 222.7 鹿 児 島 230.8 沖 縄 216.7 全 国 217.5 5 16 7 12 17 22 21 24 平成18年12月31日現在,厚生労働省調査 県教育委員会としても、県内の医師不足に 対応し、将来の医療を担う人材を育成してい くことが、県民のニーズや県の課題に応える 高等学校教育課 ものと考え、平成19年度から新潟高校及び長 岡高校の理数科を2学級募集とし、医歯薬コ ース(呼称はメディカルコース)を設置しま した。 医歯薬系を目指す生徒を1つのコースにま とめることにより、よりきめ細かい進路指導 や学習指導を行い、 ・医療に従事するという強固な意志 と高い倫理観の育成 ・本県医療を担うという使命感の育成 ・医歯薬学部に進学できる学力向上 をねらいとしています。 両校とも、1年生では、理数科として学習 を進め、2年でのコース選択のための進路講 演会や大学見学などが行われます。 2年生のコースには、メディカルコースの ほかにサイエンスコースがあり、コースの選 択は、生徒の希望によって決まります。今年 度の両校のコース選択者は次の表のとおりで す。 平成20年度 コース選択者 メディカルコース サイエンスコース 新潟 42 25 長岡 41 25 新潟高校理数科の特徴は1年生、2年生の 「理数特講」という科目にあります。この科 目は、夏休み期間中に行う特別授業で、観察 (6) 第 704号 や実習と事前・事後の学習を含めて、履修単 位は1単位となります。 また、1 年生から、 1年生 医師による では、科 講演会(6 学的な自 回)と病院 然観を育 実習(2回) 成するこ が行われ、 とを目的 2年生で に、日本 のコース 有数の高 層湿原で 【尾瀬ヶ原 ミズゴケの出すミズゴケ酸のPH測定】 平 成 20年 9 月 1 日 選択のた 【医療講演会 「ナイチンゲールに学ぶ看護の心」 講師 長岡赤十字病院看護師長 遠藤玲子さん】 めの準備となる学習を進めます。 さらに、 2年生のメディカルコースでは、 「メ ある尾瀬 で野外観察実習を行います。また、コース選 ディカル 択に備え、医師による講演会も行われ、生徒 コース・ の希望を踏まえ、2年生から各々のコースに スーパー 分かれます。 バイザー 2年生の、サイエンスコースでは、最先端 (医師・ の研究に触れ、科学研究の価値を理解するこ 看 護 師 とを目的に、筑波研究学園都市の研究施設等 等)」の指 で見学実習を行い、メディカルコースでは、 導のもと 医療従事者としての職業観を一層高めること に実施す を目的に、大学の医学部などを訪問し、実際 る医療現場の見学をはじめ、医療への興味と に実習を行います。 関心を一層高め、医療従事者としての心構え 【長岡赤十字病院見学・体験】 を持たせていく行事を多く取り入れています。 長岡高校理数科の特徴は、平成14年度から 平成16年度までの3年間に行われたSSH(スー 両校のメディカルコースは、医学部医学科 パーサイ への受験対応に特化したコースではありませ エンスハ ん。医師とはどのような職業なのかというこ イスクー とを生徒自身に考えさせ、医師になろうとい ル)の成 う高い志のある者が進むコースです。まさに 果を生か 人材育成を担うコースであり、新潟県の地域 した理科 医療を支える気概を芽吹かせ、新潟県の未来 特別実験 や 長岡技 【大腸菌の実験】 を築く人材の育成を図っています。メディ 術 科学大 カルコースに学ぶ生徒たちの伸長に期待しま 学での夏期研修にあります。 す。 第704号 平成20年9月1日 (7) 学校現場の多忙感解消のための取組について 総務課 近年、学校が対応しなければならない課題 がますます複雑化し多様化する中で、教職員 が日々の業務に追われ、児童生徒に向き合う 時間が十分取れない、授業準備の時間が勤務 時間内で不足するなど、学校現場の多忙感が 問題となっています。 教職員が児童生徒に向き合う時間を十分確 保しつつ、教育活動に専念できる環境を整え る必要があります。そのためには、各学校や 県・市町村教育委員会がそれぞれの立場で、 多忙感解消の取組を進める必要があります。 本号では、学校でできる取組を紹介するとと もに、県教育委員会としての取組を紹介しま すので、より良い教育環境の整備に努めてい ただきたいと思います。 県教育委員会では、学校現場の多忙感を解 消するため、これまでにも取組を行っており、 平成19年5月14日付け教義第345号(市町村教 育委員会を通じて市町村立学校へ送付)で、 多忙化解消対策のまとめを出しています。こ こでは、その中から、学校現場で実行できる ものを紹介します。 ・分掌業務の精選及び組織見直しによる業 務量削減、業務の簡素化・合理化、職員 間の業務量の平準化 ・部活動の適正化(位置付けの明確化、関 係者による申合せの徹底など)(平成17年 9月16日付け通知、教保第527号「適切な 運動部活動の運営について」も参考にし てください。) ・学校行事の精選、実施形態の簡素化、準 備業務のマニュアル化、対応する内容・ 時間・人数等の見直しと縮減 ・学校教育以外で参加する各種イベントの 精選 ・会議の縮減・省力化(回数・時間の制限、 会議目的の明確化、資料の簡素化等) ・個人で行っていた教材作成をグループで の共同作成、共有化 管理職がリーダーシップを発揮し、分掌等 の見直しを行っていただくとともに、教職員 一人一人も業務改善に取り組むという意識を 持ち、学校全体で組織的な対応をお願いしま す。 県教育委員会では、上記、多忙化対策のま とめのほか県として主体的に取り組める事項 として、以下の取組を行ってきています。 1 小中学校への調査・照会削減等の取組 (1) これまでの取組 多くの教職員が多忙感の主たる要因として 挙げるものに次の二つがあります。 ・学校に対する調査・照会事項が多い ・会議や事務的業務が多い そこで、県教育委員会では、学校に対する 調査・照会件数の削減や実施内容等の簡素化 の取組を進めてきました。 平成17年度には、県教育委員会の実施する 調査・照会件数の約2割を削減するとともに、 平成18年度以降も、引き続き見直しを進め、 表1のとおり平成17年には90件あった調査・ 照会件数をさらに2割以上削減し、69件とし たほか、18年度には21件、19年度には8件の 簡素化を行いました。 表1 調査・照会の削減状況の推移(小・中学校対象分) 区 分 調査・照会 削減件 簡素化 件数 数 件数 19年度取組後 69 3 8 18年度取組後 72 18 21 17年度取組後 90 注:小学校または中学校の全学校を対象として、 定例的に行われる調査・照会の件数。 (8) (2) 平成20年度の取組 県教育委員会が行う調査・照会の削減等の 取組により、多忙感の緩和に一定の効果はあっ たものの、解消までには至っていないことか ら、今年、さらなる調査・照会件数の削減等 に取り組みました。 ア 県教育委員会独自調査の削減等 69件の調査・照会件数のうち、県教育委員 会が独自に行う調査・照会30件(残りの39件 は国等実施のもの)について、徹底的な見直 しを図るとともに、学校に対する調査・照会 は、できる限り児童生徒の教育を直接担う教 員の負担とならないよう配慮することとし、 次の考え方で検討を行いました。 ・原則として廃止する方向で考える。 ・どうしても必要な調査・照会は、できる 限り教員の負担にならないよう考慮する。 その結果、表2のとおり、10件を廃止し、 10件の簡素化を行うこととしました。 表2 平成20年度の取組結果 区 分 調査・照 削減 簡素化 会件数 件数 件数 取組後 20 10 10 取組前 30 今回の取組で対象とした調査・照会の一覧 については、平成20年7月22日付け教義第693 号、市町村教育委員会教育長あて通知(各学 校へは各教育委員会から送付)をご覧ください。 イ 国への働きかけ 県教育委員会では、国に対しても、調査の 縮減について要望してきました。 こうした中、平成20年4月に国は、学校現 場の負担軽減のための取組について、検討の ●県立青少年研修センター オープンデー 県立青少年研修センターの役割を広く理解して いただくため、県民の皆様に施設を開放します。 様々な体験活動を用意しております。 ◇日 時 10月25日(土)10:00∼15:00 場 所 県立青少年研修センター 新潟市西蒲区越前浜5597-1 参加費 参加する体験活動の内容により、実費 がかかります。 第 704号 平 成 20年 9 月 1 日 とりまとめを発表し、教員が児童生徒に接す る時間を確保する方策の一つとして、国が行う 調査・照会の見直し等について方向性を示し ました。 県教育委員会では、本県のこれまでの削減 の取組について国へ情報提供を行ってきたと ころですが、今後とも国に対して、調査・照 会件数の削減について働きかけていきます。 ウ 市町村教育委員会への働きかけ 市町村教育委員会に対しては、学校現場の 多忙感解消に向けた取組を一層推進するよう、 平成17年9月、平成19年5月、平成20年7月 の各市町村教育委員会あて通知により、市町 村が独自に行う調査等の削減についても働き かけを行ってきました。 2 高等学校への調査・照会削減等の取組 学校現場の多忙感については、小・中学校 に限らず、高等学校においても聞かれること から、県教育委員会では、すべての高等学 校に対する調査・照会についても小・中学校 と同様に削減等の取組を行っています。 平成17年度から20年度の取組により、すべ ての県立高等学校を対象として定例的に行う 調査・照会件数の約3割を削減・簡素化しま した。 教職員がゆとりをもって児童・生徒の指導 に向き合えるよう、また、教材研究や授業準 備に十分な時間がかけられるよう、各学校に おいては、今回示した事項も参考にして、積 極的な取組をお願いします。 申込み 事前予約(10月10日(金)まで)が必要 な体験活動もあります。 ※詳細は、電話・ホームページで確認してください。 電 話 0256-77-2111 http://www.pref.niigata.lg.jp/seisyounen/ 発行所 所在地 電 話 E-mail 新潟県教育庁総務課 〒 950-8570 新潟市中央区新光町4番地1 025-280-5587 F A X 025-285-3766 [email protected] HP版 URL http://www.pref.niigata.lg.jp/kyoikusomu/ <無断転載を禁ず>
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