Title 相互作用平衡原理による電力系統の過渡安定度向上 (1) Author(s) 高橋, 参吉 Citation 大阪府立工業高等専門学校研究紀要, 1976, 10, p.25-32 Issue Date URL 1976-12-20 http://hdl.handle.net/10466/13076 Rights http://repository.osakafu-u.ac.jp/dspace/ 相互作用平衡原理による電力系統の過渡安定度向上(1) Improvement of Power System Transient Stabi1ity by The Interaction Balance Princip1e(I) 高 橋 参 吉* Sankichi TAKAHAsHI** (昭和5I年9月6日 受理) S皿mm8W In this paper the author deals with the application of a mu1tileveI contro1approach to the contro1probIem危r improving power system transicnt stability.The coordination pro− cedure of土he approach is based on the interaction balance pI−inciple. A suboptima1contro11aw by the interaction ba1ance princip1e which minimizes quadratic performance criteria is app1ied to damp the el㏄trom㏄hanicaI osc1nations in a power system. Numerical results of this m6thod on a mode1system of thre6machines are shown along with the re昌ults of the suboptimal controI law by the matrix Ri㏄ati cquation. 1. ま え が き 電力系統における事故などによる過渡動揺を除去し,過渡安定度を向上させる制御問題に, 近年最適制御理論の適用がなされている’)・2).しかしながら,電力系統の同期機のふるまいを 表わす動揺方程式は非線形であり,さらに大規模多機系統になると次元数も増え,その最適制 御問題を扱うには困難な点が多い.本論文は,電力系統の過渡安定度を向上させる制御問題 に,多レベル制御系の考え方を適用し,大規模多機系統に対しても十分有効となり得る制御方 式を提案している3). この考え方はシステムをいくつかのサブシステムに分解し,各サブシス テムの最適化と全体の統合を分担させて,全体のシステムの最適化を実現しようとするもので ある.本稿においては,動揺方程式の線形化を行ない定係数の線形微分方程式とし,二次形式 の評価関数を最小にする最適制御入力を求めるいわゆる最適レギュレーター問題として,この 制御問題を定式化している.この場合の最適制御はリカッチの行列微分方程式を解くことによ り求められる4).そこで本稿の相互作用平衡原理による準最適制御とリカッチ行列による準最 適制御を,3機例題系統に対して比較検討している.また本制御方式の特長,問題点について 言及している. 2 相互作用平衛原理 複雑で大規模なシステムの制御に対して,システムの分割とピラミッド形の制御系の構成が 考えられる.それが多レベル制御システムの考え方であり,基本的最小単位である写一レベル制 *電気工学科 **Depa・tment Of E1㏄t・ical E皿ginee・ing −25一 高 橋 参 吉 例システムを図一1に示す.ここに,インワィマル制御システムC{の目的は,各サブシステ ムS{における最適化問題を解くことにあり,シュープリマル制御システムC。の目的は,各 インワィマル制御システムの決定した解が全体の最適解となるように,調整を行なうことであ る.2レベル制御システムにおいては,この調整をいかに行なうかが一つの重要な問題であ り,本論文では,統合原理5)の応用によっている.統合原理はサブシステム間の相互作用を示 すインターフェイス入力の予測方法によりいくつかあるが,インワィマル制御システムがイン ターフェイス.入力の予測値を決定できる統合原理を相互作用平衡原理と呼び,次の命題で与え られる. 命題 (γr)(叩)(亙m){((m,”)=〆,”=K(m))⇒mr栃} ここに, 〆:統合入力rに基づく各インワィマル制御システムの解κ1『=(m!,〃)が最適 であるような対(m『,m『) 伽:全体の最適制御入力 K(m):サブシステムの相互作用関数(実際のサブシステム間の相互作用を示す) この命題が真のとき,この統合原理が可適用であり,統合条件m=K(m)を満足する統合入 力rが存在するとき可統合である.この相互作用平衡原理に基づき最適な統合入力を作り出す 実際的戦略となる第2レベルのフィードバックアプローチを図一2に示す.ここに,βは目標 統合入力であり,シュープリマル制御システムは,インワィマル評価関数の変更に関してのみ インワィマル制御システムに影響を与えるものとする. C。 11’ ㎜・ Cl Pγ州γ C‘ 21 ㎜1 C而 匂 伽ユ ㎜” 2冊 「 Sl S1 s皿 システムS 」 C‘:第{インワィマル制御システム γ:統合入力 β:目標統合入力 S’:第fサブシステム 伽j・:制御入力㎜の第城分 Co:シュープりマル制御システム 図一1 2レベル制御システム 1∼,㍉:フィードバック情報1r,2の第械分 ハ:出力}の第’成分 山1:∫1へのインターフェイス人力 図一2 第2レベルのフィードバックアプローチ 3 過渡安定度向上のための制御問題への適用 <3.1> 動揺方程式 電力系統の過渡安定度を論じる際には,種々の仮定のもとに同期機のふるまいを表現する動 揺方程式が導かれる拮).図一3に示される3機例題系統に対して,基準母線としそNo.3の 同期機を選ぶ(δ。=O)と,純リアクタンス3機系の動揺方程式は次式で与えられる. 一26一 相互作用平衡原理による電力系統の過渡安定度向上(I) 氏一綱一撃・H一オ㌦剛/ …(!) あ一 ](㌦一繁・・H一老失・1・あ) ここに, 易:同期機5の過渡リアクタンス背後の内部誘起電圧 δ。:同期機4の内部電圧の相差角 凪:同期機ξの慣性定数 P刎:同期機4の機械入力 ん:同期機4とゴ間の伝達リアクタンス また,制御装置miは開閉器付きの直列コンデンサであり,連続的に変化させることができる ものと仮定する. 互1ε・一δ一 〔U 亙,ε・1σ里 以蜆 (U ■j㎜1 一加, 以13 泌珊 F田山1t ∼ 五コε1δ11 図一33機例題系統 表一1系統定数 亙、 亙3 亙2 1・・(・・)」 X,2 …(・・)1 p舳 P冊2 1・・(・・)」…(・・) 1・1(・・)1 X13 X23 凪 1.5(Pu) 2.5(Pu) P㎜3 …(・・)1一…(・・) 〃。 3.O(sec) 3.O(5ec) 表一2故障前の条件 m2 ㎜1 O.5(Pu) O.5(Pu) 安定平衡点δ。 安定平衡点δ。 O.4146(rad) O.2370(閉d) 嚢一3故障除去後の条件 mlo 吻里。 O.5(Pu) O.5(Pu) 安定平衡点δi∫ O.4819(・ad) 一27一 安定平衡点δ紅 O.4146(rad) X朋 2.5(Pu) 高 橋 参 吉 図一3の例題系統の系統定数およびその他の条件を表一1∼表一3に示す.次に,No.2と No・3の同期機間に事故が起こり,故障線路を除去した後のリアクタンス石。の値が2.5 (Pu)に変化したものとする.このときの同期機No.1とNo.2の動揺は図一5,図一6の 皿の曲線で示される.そこで,この動揺を除去するために,リアクタンスm。,m。を変化させ てδ。∫,δ。∫の安定平衡点にすみやかに近づける制御方策を考える. <3.2> 動揺方程式の線形化 <3.3〉,<3.4>において,問題の取り扱いを容易にするために動揺方程式を基準値のまわ りで線形化する1(1)式の動揺方程式は状態変数を用いると次のように書ける. ツ1=ツ2 正一 ]トー繋・・(ハー必)一岩キ・・ハ) …… 夕。=仇 五一 i2) ]←一撃・(舳)一岩島・・北) ここに,ツ=[ツ、,ツ、,ツヨ,ツ、]’=[δ、,δユ,δ,,さ、]’刎=[m、,m、]’ただし,’は転置を示す. したがって,(2)式の微分方程式は,夕=F(ツ,m)のヘクトル微分方程式で表わされ,基準値 (〃,m∫)のまわりで線形化したものは次式となる. X=λX+8M ・………・・(3) ここに,X=ツー〃:4×1状態変数ベクトルX=[X・・X・,X・・X・]’ 〃=[〃,〃,ツ。∫,〃]’=[δ、∫,O,δ。∫,O]’ M’巴m−m∫:2×1制御変数ヘクトルM三[M。,M。]’ m∫=[m、。,m㎜]’ また,A,正行列の要素は ψ戸∂凧1麦m)1驚・戸∂凧暴ゴm)・・方i:1:三4 ∫ ㎜一㎜∫ から決定され,具体的には付録に示す. 〈3.3〉 最適制御問題としての定式化 事故による動揺を除去するための制御の基準として,次式で表わされる二次形式の評価関数 を設定する. ・(舳一1:1(〃児…榊 ・・……(・) ここに,R12x2 正定値の重み係数行列 Q:4×4 正学定値の重み係数行列 ポ制御開始時刻 ま∫:制御最終時刻 (3)式の線形システムで,(4)式の評価関数Gを最小にする制御入力Mは次式で与えら れる. ルー一R−18’KX ・……・・…(5) ここに,Kは4×4対称行列であって,次式のKに関するリカッチ行列微分方程式の解であ る. κ=一λ’K−Kλ十K服■ユ8’κ一ρ ・……・・…(6) したがって,システムの状態方程式(3)式と評価関数(4)式が与えられると,最適制御ルの 一28一 相互作用平衡原理による電力系統の過渡安定度向上(I) ゲイン係数は(6)式を解いて得られる.本稿において,リカッチ行列による制御として示した ものはこの方法によって求められたものである. <3.4> 相互作用平衡原理の適用 (3)式で表現された線形システムを次の2つのサブシステムに分解する(A,B行列の要素 は付録に与えられている). OlO 「O l.l O O X, ,、lO ”。、Olα。。O x。 十 ■一一一’■ P一一.一.・ O Ol O l 哀 克 局 一一(・) 一」_ O l O o。。O一σ。。O O Iろ。。 相互作用を示すインターフェイス入力吻,”・を用いて書きなおすと,サブシステム1は (8)式で,サブシステム2は(9)式で表わされる. 予=石 舳=凡 ! .(。) X2=σ21×1+”1+凸21ルrl X2(’o)=X加 .j 卒一兄 舳一九 ! .........1.1(。) 瓦=”43X;十”2+あ’2M2 X、(,。)=X,o ∫ ここに,サブシステム間の結合は”。=α。。X。,吻=α仙X。である. また,初期条件をX(f。)三Xo=[疋。,X酌,X。。,瓦。]’とする. 次に,(4)式で表現された評価関数Cを次の2つのインワィマル評価関数に分解する. ・・(舳舳)一1:1(洲・伽舳1+商舳一舳)必 ・(1O) ら・(舳舳一1:1(鮒如・1+・1・鮒脇一舳)必 ・(11) ここに,R,ρは対角行列とし,7“,g“はその対角要素である. また,9、=9.ro葦、>0,9。=9。。一端>0とする. このように評価関数を分解すると,すべての目標統合入力βに対して次式が成立する. G(M,X)=G.P(M1、,σ盟X。,X。,X。)十C。β(M。,”。、X、,X。,X。)…………(12) また,目標統合入力βが与えられると,第’インワィマル問題は。{βを最小にすることで ある.各目標統合入力β=(β・,β・)に対するインワィマル間題の最適解はポントリャーギンの 最大原理4〕を適用することにより一意的に求まる.すなわち,βが与えられたとき,インワィ マル問題の解は次のような対(Mξ,m与)である、 (M苧,”ξト(あ。、λ。/27。。.一1/2β、斗1/2λ。) (ハ4量,m豊)=(δ’2λ4/2722,_1/2β2+1/2λ4) ……・・・…(13) _._.....(14) ここに,λ。,λ。はそれぞれ(15)式,(16)式の2点境界値問題を満足する解である. 汽分ザ好/一 一29一 高 橋 参 吉 計算開始 Iリカッチ行列による制御 皿六方式による制御 皿制御なし O.7 系統定敷讐の 読み込み O.6 故障中,故障除去後 の動揺方程式の 計算 詣1」御開始:目標統合 格O.5 \r † 岨 洲 昂∫ 塁O.4 入力β等の初期値の 計算 O.3 動揺方程式の線形化 O ㌔ O.5 1.O ’∫ 1.5 一時間‘(馳0〕 βに基づく各イン ワィマル問題を解く 図一5 準最適制御を行なった場合の動揺曲線δ。(’) 〔2点境界僚間働 I リガ・ソチ行列による制御 各インワィマル制 御システムの解Mo 11本方式による制御 皿制御なし O.6 を最適詰1脚入カル とする 目標統合入力β の修正 O.5 制御入力痂をシステ ム1二加えたときの状 態の計算 ’’‘一一、 俗O.4 理 洲 ’=’十^ NO ’一、 A}’・一 。 \ 或.。 }O.3 O.2 l〉り YES 計算終了 図一4 相互作用平衡原理による準最適 制御の計算フローチャート O’o O.5 1.O’ノ 時間H56d 1.5 図一6 準最適制御を行なった場合の動揺曲線δ。(’) ㌶ト1舳・舳葦:1::1隻リ .、、、, 1:llll㍍㌘一㎞ 1:llllll/ インワィマル問題の解が求まることと(12)式より前述の命題の相互作用平衡原理が可適用で あり,さらに図一2の第2レベルのフィードバックアプローチを適用することにより最適な目 標統合入力βを求めることができる.すなわち,最適目標統合入力βヨ(β。,β。)は次式で与え られる. (β1,β2)=(271。ルf1/O里、一2α。3×3,27腕ハ4。ノわ42−2o.1】ζ) ・……・…・(17) ここに・Xはシステムに最適制御人払Mを辛1えたときの最適軌道である・ く3.3>における相互作用平衡原理による準最適制御を求める計算手順を図一4のフローチ ャートに示す1ここに,みは目標統合八カβを修正する時間間隔である. 一30一 相互作用平衡原理による電力系統の過渡安定度向上(工) 4.数値計算結果 図一3の3機例題系統に対して,表一1∼表一3の条件を用い,(4)式の評価関数におい て,灰=・diag[1010],Q=diag[5001050010],fo1O.15(sec),方=1.15(sec)としたときの 数値計算結果を図一5∼図一9に示す.図一5,図一6には,準最適制御を行なった場合の動 揺曲線を示す.本方式による制御はリカッチ行列による準最適制御ほど良好ではないが,十分 動揺を除去している.図一7には,準最適制御入力肌の値を示す.ここに,τ=i一’。であ る.また図一8には,次式で与えられる評価関数の時間経過を示す. ∫(1)一1;(〃・M・蜘加 …一(1・) したがって,C=∫(方一テ。)である. 図一9には,目標統合入力β・の値を示す.β・が最適目標統合入力であれば,(17)式より, ’→方のとき,β。→Oとなるが,さらによい解を得るにはβの改善が必要であることを示して いる. 一リカッチ行列による制御 一リカンチ行列による制御 一リカッチ行列による制御・一一本方式による制御 1.O ■一 {方式による制御 6 O,8 。・’ βの修正時間間隔 /’ ハ=O.1(sec) ■、 A 0.6 、、 ミ04 O.4 R 1( 、、 ’1 軸、 l1 匿 目 4 / ’ く02 彗 O 唯 一02 ・O.2 ・O.4 −04 這 只 < O.2 1!㌧藍 A’ 蓋2 、 I 、 ’ <口 墨 腿一1 皿 一2 \一ノ O ∩O.5 ∩R 1.O 1∩ 00 0.5 1.O 0 0.5 1.O 時間τ(畠eC〕 時間τ(SeO) 図一7 準最適制御入力”。 5、 む す 時間τ(SeC〕 図一8 評価関数の時間経過 図一9 目標統合入力β。 ぴ 電力系統の過渡安定度を向上させる制御問題をいわゆる最適レギュレーター間題として定式 化し,多レベル制御方式の一手法の適用について検討した.さらにより大規模系統に対する適 用は種々の工夫を必要とするが,電力系統の構造が階層的であることより,本制御方式は非常 に有効な手法といえる.また,最適制御問題はポントリャーギンの最大原理を適用することに より,解法の定式化は可能である.しかしながら,実際に数値解を得るには2点境界値問題を 解く必要があり,これは次元数が増せば増すほど計算時間,容量の点で解くことが困難であ る、さらに,一般にはその最適制御は開ループ系であり,実際面から考えると不都合である. 本制御方式はこれらの欠点を改善しようとするものであり次の特長を有している. i)システムを各サブシステムに分割しているので次元数は減少しており,2点境界値問題 は解き易い. ii)第2レベルのフィードバックアプローチを適用しているので,閉ループ制御系の特長を 有している. 一31} 高 橋 参 吉 しかしながら,いくら低次元になったとはいえインワィマル制御システムでは最大原理を適 用するかぎり2点境界値問題を解く必要がある.この点に関しては,インワィマル間題が最適 レギュレーター間題となるようにインワィマル評価関数の分解を工夫する.またはあらかじめ 統合入力に対する制御パターンを決めておき,全体の問題を電力系統向きの改善問題とするな ど考えられる.また動揺方程式を線形化しているが,大きな外乱に対しても有効な制御方式で あるためには,線形化についても考える必要がある.これらはまた検討を要するので今後の課 題としたい.最後に,平素ご指導頂いている大阪府立大学工学部木戸正夫教授をはじめ同研究 室の稲垣嘉雄,白尾嘉章,川畑洋昭各先生に感謝の意を表わす.なお,数値計算には本校電子 計算機FACOM230−25を使用したことを付記する. 参 考 文 献 1) N.Rama胞。,et aI.: IE11:E T胞m.Power Apparat㎜Sy畠しPAS−89,No,5,975(1970) 2) Y.N.Yu,et al.:IEEE T胞11s.Fower Apparat㎜Sy畠t.PAS−89,No.1,55(1970) 3) 高橋他:昭和吐9電気関係学会関西支部連合大会,G4−30 4) たとえば,S・h皿1t・&MeI舳(久対訳):状態関数と線形制御系,学献社(1970) 5) M.D.Mesarovic,et al、:“Theory ofHierarchical,Multi1ev61,Systems”,Academic Press(1970) 6) たとえば,関根:電力系統解析理論,p.325∼p.339,電気書院(19フ1) 付 録 (3)式の微分方程式の係数行列A,Bの要素は(付1)∼(付7)で与えられる・ 糾1箏小 ・(村1) 炉窒/喋…(Hl)一蒜加…あl! ・(付2) α盟一立・幽…(δ、∫一δ,∫) ・(付3) H. X、。 α、、一立.盟。。。(δ,∫一δ、∫) ・(付4) 肌 X、。 炸望/一撃…(あ1一あ1)一点幼…増1/ ・・ i付5) ト多・(鳶ω…∼ ・(付6) ト望・(石黒…牝1 ・(付7) 一32一
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