防災 ・ 減 災 に 果たす建設業 の 役 割 防 災 ・ 減 災 - 山口県建設業協会

特集対談・聞く! 語る! 集 談
特 対
聞く!
語る!
■東日本大震災
災害発生についての
認識
会長/大変お忙しい中、お
時間をいただき、誠にあり
がとうございます。本日は、
防災・減災をテーマに、い
ろいろとお話を伺いたいと
思いますので、よろしくお
願いします。
東
日本大震災の被害は本当に
さて、一昨年の3 ・
甚大なものでしたが、まず
は、この大震災を、知事は
どのように受け止めておら
年3
日、私たちは
知事/平成
れるのかお聞かせいただけ
ますか。
月
この日を永遠に忘
れることはないで
しょう。
る社会や経済への影響は本当に深
刻です。
意識も大きく変わったように思い
この災害を契機に、国民の防災
ます。
け、多くの方が亡
が甚大な被害を受
とする東日本地域
規模災害が起こらないとは決して
れている山口県も、このような大
会長/比較的災害が少ないと言わ
防災・減災対策の考え方
■山口県の防災・減災対策
くなられ、さらに、
昨年8月には、南海トラフ地震
言えませんね。
一原子力発電所が
の被害想定が見直され、山口県で
も死傷者2千人、全壊家屋4千8
百戸という衝撃的な数値が発表さ
れました。また、近年、地球温暖
化により、局地的豪雨や台風の被
害も頻発し、県民の不安が高まっ
ているようです。
県内の防災・減災対策について
は、どのようにお考えでしょうか。
知事/ 私 は 、 災 害 に は 上 限 は な い
と思っていますので、大規模災害
域団体などにも参加をいただいて
います。こうした防災訓練は、官
と民、地域が危機意識を共有する
上で、大変有意義だと思いますの
で、今後も、継続して実施したい
と考えています。
■安心・安全を担う建設業
建設業の役割
会長/災害発生時には、私達の他
にも地域の消防団などの自主防災
組織も出動していますが、組織の
高齢化が進展しているため、今後、
地域の建設業の役割はますます高
まると考えています。
割については、どのようにお考え
災害発生時における建設業の役
知事/例えば巨大な津波に対して
機関だけでなく、協会
や市町などの防災関係
でしょうか。
県で連携を強化しているように、
規模災害時の協定により、協会と
ければなりません。このため、大
には、官と民が協力して対応しな
策を迅速かつ円滑に実施するため
ございます。まさに、災害応急対
知事/心強いお言葉、ありがとう
協力をしたいと考えています。
建設業界としても、できる限りの
一層効果的と思いますので、我々
官と民が連携して取り組めばより
会長/こうしたソフト対策には、
官民の連携
こととしています。
険性などについて、周知に努める
じめ、土砂災害、高潮や洪水の危
被災するなど、現
津波により福島第
島の三県をはじめ
岩手、宮城、福
在に至るまで、東日本大震災によ
防 災・減 災 に 果 た す 建 設 業 の 役 割
に対しては、何よ
り人命を第一とし
て、ハード・ソフ
ト施策を総動員し
た防災・減災対策
を進める必要があ
ると考えています。
ハード面の取組み
会長/それでは、
ハード対策につい
ては、どのように
取り組まれるので
しょうか。
知事/本県では、
これまで台風に伴
HIROSHI IMORI
( 社 ) 山口県建設業協会 会長
今いろんな関係団体と協力体制の
は、水際での構造物に頼る防御だ
SHIGETARO YAMAMOTO
山口県知事
う高潮によって、
確立に努めています。
ま た 、 昨 年8 月 に 実
施した広域的な総合防
取り組んでいく必要があります。
けでは限界があります。まずは命
災訓練においては、県
また、集中豪雨による洪水や土
を守ることが第一ですので、
﹁逃げ
山本 繁太郎
度々甚大な被害を
被っていますので、
防潮堤などの整備
による高潮対策に
石流による被害も、最近頻発して
る﹂こ と を 基 本 と し た 考 え 方 が 必
員をはじめ、住民や地
いますので、河川改修や砂防堰堤
要です。このため、防災情報の発
ます。
信などのソフト対策も重要となり
などの整備により、これらに備え
ておく必要があります。そのため、
さらには、地震に対しても備え
避難場所などの見直しや、津波ハ
ザードマップの策定、避難行動に
具体的には、住民の避難経路や
つながる訓練等を市町が効果的に
緊急輸送路上にある橋梁の耐震化
に進め、災害に強い社会インフラ
や、堤防の液状化対策なども着実
の構築に努めたいと考えています。
実施できるよう、全力でバック
用して、津波の特性や津波高をは
また、県のホームページ等を活
アップしていきます。
会長/ソフト対策については、
どの
ソフト面の取組み
ように取り組まれるのでしょうか。
井森 浩視
11
ることも重要です。
は、特に重点的に
23
1
2
11
特集対談・聞く! 語る! 中でも、
﹁安心・安全力の確
確 保 や 県 産 品 の 活 用 な ど、
﹁地 産
保﹂については、これまで国にお
会長/本日は、多くのお話をお聞
ます。
で、引き続き、よろしくお願いし
特に、災害発生時には、その役
からは県としても、防災対策をは
改めて認識されましたので、これ
機に、防災・減災対策の重要性が
夢あふれる山口
の持てる﹁輝く、
誰もが明日に希望
知事/私は、県民
取組みが進められていますので、本
事業の発注政策の改善など様々な
設産業の再生と発展のため、公共
また、国土交通省においては、建
全力﹄に取り組み、
保﹂など﹃5つの
心・安全力の確
力の増強﹂や﹁安
め、
﹁産業力・観光
県﹂を実現するた
年の防府・山口地区や平成
復旧の中心的役割を担っていただ
いて、防災対策に取り組んだ経験
も活かし、市町や防災関係機関、
地消﹂にも積極的に取り組んでい
そして民間との連携を一層緊密に
きます。
支え得る足腰の強い建設業の構築
私は、こうした取組みが、地域を
けることを期待しています。
担い手として、ご期待に添えるよ
会長/ 地 域 の 安 心 ・ 安 全 を 支 え る
う、これまで以上に頑張りたいと
し、本県の防災・減災対策の充実
会長/ありがとうございます。県
今年の決意
かせいただき、ありがとうござい
る建設業となるよ
割は重要です。テレビ等では、警
じめとした必要な公共事業費の確
めに道路の通行を確保している地
県でも、この新たな取組みを先駆的
成
に全力で取り組んでまいりますの
に繋がるものと考えています。
のご指導をいただきながら、我々
会長/ し か し な が ら 、 我 々 建 設 業
建設業の経営改善を
としましても、精一杯努力したい
思います。
は、近年、公共事業の削減等により、
う努力していきま
察、消防、自衛隊などの活動が報
保に努めてまいります。
域の建設業者のご活躍があるから
に取り入れて、適正な競争環境の
願いします。
道されますが、こうした活動は、い
年の県西部地区の豪雨災害等にお
これらを確実に成
こそだと思います。最近では、平
いても、ご活躍をいただきました。
し遂げていきたい
と考えています。
整備や技術労働者の処遇改善など
さらに、県内業者の受注機会の
に繋げていきたいと思っています。
今後とも、災害時の緊急対応や
いします。
大変厳しい経営環境にあります。
建 設 業 は、
﹁現 場 力﹂
﹁統 合 力﹂
ました。今後とも、よろしくお願
ど将来に対する不安も抱えていま
力を持っています。この能力を駆
﹁即 応 力 ﹂ と い っ た 面 で 固 有 の 能
と思います。
す。こうした状況の改善に向け、
また、若者の建設業離れが進むな
何か取組みをお考えでしょうか。
近年、国の公共事業費が大幅に
すので、どうぞよ
使して、安心・安
削減され、防災対策さえも思うよ
ろしくお願いしま
全の担い手として
知事/ 建 設 業 は 、 県 民 生 活 を 支 え
うに進んでいませんが、自然災害
す。
知事/ 建 設 業 が 大 変 厳 し い 経 営 環
る社会資本整備や施設の維持管理
に脆弱な日本においては、国土保
境にあることは、私も十分認識し
を担っており、県民の安心・安全
全の仕事を決しておろそかにして
地域に必要とされ
を確保する上で、欠かすことがで
ています。
きない重要な存在であると思って
はいけません。東日本大震災を契
ち早く現地へ行き、救急活動のた
最後に、一言お
います。
22
建設業の重要性が認識されました。
また、東日本大震災でも、改めて
21
3