那覇市の蝶制定に関して

説明資料
那覇市の蝶制定に関して
平成 26 年 3 月
那覇市総務課
作成
1 那覇市の蝶を制定するにあたって
本市では、都市化の進展に伴い、市街地を中心に緑豊かな場所が減少してお
り、街中で蝶をはじめ多くの生物を見ることが難しくなっております。
今回、蝶制定に対する市民機運の高まりや市の蝶制定を求める市議会陳情が
全会一致で採択されたことなどを受け、昨年、那覇市の附属機関として「那覇
市の蝶選定委員会」を設置し調査・審議を行ったところです。
今回、自然環境の保全・再生に関する市民等の関心を高め、環境共生都市と
してのイメージアップや、観光産業の振興、子どもの情操教育に寄与すること
などを目的に市の蝶「オオゴマダラ」を制定いたします。
2 本市における蝶に関する状況について
(1)
ちょうちょガーデンの開設
チョウの舞う街づくりの機運の高まりを受
け、平成 14 年度にチョウの舞う街づくり推進
事業をスタートさせ、漫湖公園内に「ちょう
ちょガーデン」を建設しております。約 250
平方メートルの面積に、チョウの食草や蜜源
となるホウライカガミ、トウワタのほか、色
鮮やかなブーゲンビレアや樹木・草花 60 種類
余が植栽されております。現在は市から委託
【ちょうちょガーデンの場所】
された団体により管理・運営をおこなってお
ります。なお、園内では「オオゴマダラ」を 250 頭ほど飼育、そのほかに
も「リュウキュウアサギマダラ」や「カバマダラ」なども飼育しておりま
す。
(2)
議会における質問等
本市市議会では平成 19 年 6 月定例会において唐真弘安議員から「那覇市
の蝶」に関する議会質問があって以降、今年 6 月定例会まで関連の質問等
がございました。(※別紙参照)
- 1 -
3 那覇市の蝶選定委員会の審議内容・答申
本市では平成 25 年 6 月に那覇市の「蝶」選定を行うため、那覇市附属機関の
設置に関する条例の一部改正を行い、
「那覇市の蝶選定委員会」を新たに設置い
たしました。
その後、平成 25 年 9 月には市長から選定委員会に対し「市の蝶」選定につい
て諮問され、調査・審議が行われました。
(1)
那覇市の蝶選定委員会委員(5 人)
会 長:宮城 邦治
副会長:上原 辰夫
委 員:福治 貞子
委 員:大山
正
委 員:佐久本 武
氏(沖縄国際大学教授)
氏(沖縄環境経済研究所取締役社長)
氏(那覇市自治会長会連合会会長)
氏(那覇市 PTA 連合会会長)
氏(那覇市観光協会会長)
(2) 審議状況(概要)
① 第1回会議(平成 25 年 9 月 24 日・市役所 5 階会議室)
第1回の会議では会長・副会長の選出、諮問内容の説明及び審議等が行な
われました。
会議では、沖縄県内で見られる蝶の中から、特に市内において容易に見る
ことができるか、成蝶や幼虫、そして食草等の入手のしやすさや育てやすさ
はどうか、蝶のインパクトや観光面におけるアピール度、子供らの情操教育
に寄与できるものといった多くの視点から活発な議論がなされました。
これらの議論を踏まえ、選定委員会では年中飼育できる育てやすさや黄金
色のさなぎの物珍しさ、沖縄諸島が生息の北限であり県外の観光客には珍し
く、観光面でも南国らしさをアピールできるなどの理由から「オオゴマダラ」
を市の蝶として内定いたしました。
また会議では、「市の蝶」制定後の PR 方法について意見交換がなされ、観
光土産品への蝶の活用や市役所ロビー等での展示、クルーズ船の歓迎行事に
おける放蝶などの意見が委員からございました。
② 第2回会議(平成 25 年 11 月 6 日・市役所 5 階会議室)
第1回会議での議論内容を会議録等により委員全員で再確認し、選定委員
会として「オオゴマダラ」を市の蝶として選定し、市長へ答申することにつ
いて決定いたしました。
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(3) 選定委員会答申(平成 25 年 11 月 25 日)
選定委員会における調査・審議の結果、市の蝶として「オオゴマダラ」を
選定し、市長へ答申しております。
答申では選定理由等、下記内容を市長へ報告しております。
【答申の詳細】
1 答申内容…市の蝶として「オオゴマダラ」を選定
2 選定理由…① 市内で年中、容易に見ることができ、学校等でも自然
学習の一環として飼育され親しまれている。
②
③
④
⑤
3
制定効果…①
日本最大の蝶であり、優雅に舞う姿や黄金の蛹などイ
ンパクトが強い。
沖縄本島が棲息の北限で「南国」を象徴するような蝶
であり、知名度が高い。
成蝶や幼虫、食草等の入手が容易であり、また飼育も
しやすい。
市議会にて市の蝶として「オオゴマダラ」の選定を要
望する陳情が全会一致で採択されている。
南国的雰囲気を観光客にアピールでき、新規観光客の
誘客等、観光振興に寄与することができる。また、蝶
を使った土産物等の商品開発等への波及効果も期待さ
れる。
② 市民が身近な自然に関心を持つきっかけになり「環境
共生都市・那覇」のイメージアップにもつながる。
③ 理科教材としてのさらなる活用が期待され、子供らに
自然や命を育む感性の醸成に寄与することができる。
【久高將光副市長と選定委員会委員】
【答申を行う宮城邦治会長】
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4 市の蝶制定に関するパブリック・コメント
那覇市の蝶選定委員会の答申を受け、市民の皆様方のご意見を伺うため、平
成 26 年 1 月 6 日(月曜日)から 2 月 5 日(水曜日)までパブリック・コメント
(市民意見聴取)を実施いたしました。
実施期間中、市民から 2 件のご意見をいただいております。
その概要等については下記のとおりとなっております。
ご意見の概要
市の考え方
●ぜひとも「オオゴマダラ」を市の
「オオゴマダラ」が貴婦人のよう
蝶に制定していただきたい。
に優雅に飛ぶ姿は南国的な情緒を醸
首里地域の民家の庭先で優雅に飛
ぶ姿を見て感動した。その時の感動
を首里から那覇市全体に広げていた
だきたい。
し、多くの人に感動や癒しを与える
と考えております。今回の制定を機
に、市民だけでなく那覇を訪れる観
光客等へもアピールしていきたいと
考えております。
●オオゴマダラがすぐには思い浮か
「オオゴマダラ」は沖縄本島を北
ばず親しみがない。他にすぐ思い浮 限として生息する南国を象徴する蝶
かぶ蝶はないのか、再考をお願いし
たい。
観賞用よりも有益なニホンミツバ
チが実のなるものにとって必要であ
る。
であり、本市でも観光施設や学校等
でも観察することが出来ます。また
最近では市内でも自然に舞う姿が見
られるようになり、親しみを持つ市
民も多数おられます。
今後、さらに市民に親しみをお持
ちいただくよう市の蝶の PR 活動等
を積極的に行うとともに、他市の事
例や市民意識の高まり等も踏まえ、
蝶以外の動植物についても検討した
いと考えております。
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5 那覇市の蝶制定・今後の予定
本市では選定委員会の答申、市民の皆様からの意見聴取などを経て平成 26 年
3 月 1 日付けで市の蝶を「オオゴマダラ」と制定いたしました。
(1)
制定の詳細
那覇市の蝶 制定日…平成 26 年3月1日
制定した蝶…「オオゴマダラ」
(2)
①
今後の予定
平成 26 年 3 月 9 日に首里城下にチョウを翔ばそう会との共催による那
覇市の蝶制定記念式典・講演会を開催いたします。講演会では翁長雄志
市長が蝶制定を踏まえ講演いたします。
②
「歴史散歩道関連整備事業」において、下水道のカラーマンホール蓋
の図柄に市の蝶をデザインしたものを採用いたします。
【マンホールデザイン案】
③ 市観光協会へ「市の蝶・オオゴマダラ」を活用した観光施策の展開等につ
いて依頼を行っております。
上記以外にも、市の関連イベント等での放蝶など、那覇市の蝶をさまざまな
機会を通じ PR することを検討しております。
今回の制定を通して、蝶が舞う緑豊かな自然を感じられるまちづくりに役立
てるとともに、市民の皆さまが心豊かに「楽しい暮らし」を実感できることを
願っております。
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