科学技術振興調整費は予算を翌年度に繰り越して使用することが できます 1.繰越について 公募要領でもお知らせしておりますが、科学技術振興調整費は、平成16年度予算か ら繰越明許費(※)として予算に計上しており、事業を遂行していく過程で、交付決定時(契 約締結時)には予想し得なかった止むを得ない事由により年度内に事業が終わらない見 込みとなり、引き続き翌年度において事業を継続する必要がある場合、繰越手続きを行 い年度内に財務省の承認を受けることにより、翌年度に使用する事が可能です。 適切に繰越手続きをとることで、事業を効果的に遂行し、事業経費をより効率的に使 用することにつながります。 ※繰越明許費とは、国の歳出予算の経費のうち、その性質上又は予算成立後の事由に基づき年 度内にその支出を終わらない見込みのあるものについて、予め国会の議決を経て、翌年度に 繰り越して使用することができる経費のこと(財政法第14条の3)。 2.繰越しの対象となる事由 繰越しの対象となるのは、交付決定時(契約締結時)には予想し得なかった要因によ り、事業が年度内に終わらない場合で、翌年度内に完了する見込みがある場合です。 (以下①~⑤は、科学技術振興調整費の繰越事由具体例です。) ①事業の実施に際しての事前の調査又は事業の実施方式の決定の困難 ・事業計画遂行中の段階で当初予見し得なかった新たな知見が出現し、内外の関連 学会等の情報収集を行うことが必要となり、予想以上の日時を要する場合。また、 情報収集の後、現状、現象解明を詳細にわたって再調査するため、不測の日数を要 する場合等。 ②計画に関する諸条件 ・事業計画遂行中に、新技術・新材料及び新規条件の出現、招へい予定研究者の事 情急変、諸外国との共同研究状況、事業の進捗状況に応じた評価の実施や優秀な 研究者の適時確保の必要性など当初計画の変更を余儀なくされる場合。 ③気象の関係 ・屋外での調査研究で、台風、豪雨、豪雪等の天候により大きく影響されることと なり、調査研究の遅延を余儀なくされる場合。 ④資材の入手難 ・事業計画遂行上で必要となる研究用設備の納入の遅延、希少な素材や材料の入手 困難により、事業計画が遅延する場合。 3.繰越しに必要な手続き 繰越しを行うには、文部科学大臣が財務大臣と協議し、年度内(3月31日まで)に 承認を得る必要があります。 繰越しに関し、機関で用意する書類及び具体的な手続きについては、別添「繰越申請 に当たっての手続き等について(※)」等をご参照ください。 (※以下、補助金を前提に手続きを紹介しております。委託費の場合は別途御相談下さい) 4.繰越しにおける留意点 ・繰越しを検討する場合には、申請書類の提出の前に、必ず JST の課題担当者に相談し てください。 ・繰越しが認められた後に、年度内に完了する見込み、又は一部進捗する見込みとなっ た場合、必ずしも繰越しが認められた額の全てを繰越しを実施する必要はなく、繰越 しが認められた額の範囲内で必要になる額のみを繰越すことも可能です(ただし、繰 越しが認められた額と繰越額が異なる場合には、追加で概算払を3月中に完了させる 必要もあることから、至急ご連絡下さい。)一方、繰越しが認められた額以上を繰越 すことは出来ません。 ・繰越しを申請することは、翌年度への繰越し分に相当する経費をその年度には使用で きないと申し出ることになるので、繰越しの申請に伴い、当該経費は一時的に文部科 学省へ返還する必要があります(概算払を受けている場合)。間接経費の相当分(3 0%相当)についても基本的に同様に返還してください。このとき、仮に繰越しが認 められなかった場合は、返還分が再度交付されることはありません。 ・繰越しが認められた場合であっても、実際に繰越した経費が支払われる時期は、国の 予算の手続き上、翌年度の当初になるわけではありませんが、翌年度の当初から事業 を実施することについては妨げません。年度当初から実際に交付されるまでの間に経 費の支出が必要な場合には、各機関による独自の立て替えなど、必要な措置をとって 下さい。 ・翌年度に繰越しが認められた経費と、翌年度の経費は、別々の事業の経費であり、両 者を合算して使用することは出来ません。 ・また、繰越した分の事業は翌年度内に完了する必要があり、翌々年度に再度繰り越す ことは出来ません。 ・事業を行った結果、単に余った予算を翌年度に繰越すことは出来ません。余った予算 は不用なものと見なして、返還していただくこととなります。
© Copyright 2024 ExpyDoc