ビジネスリポート Pick Up ハローワークの有効活用⑥ <最終回> 抱える余裕はありません。そのため、会社が望む人材からの応募があれば、見逃すことなく採用し、定着させなければなりません。そして、末永く会社のワンランク上の採用面接と裏技 10 N.M. 2010.07 前回の当コラムでは、採用面接のポイントとして、採用面接の目的業績アップに貢献してもらい、ひいてはそれが、会の確認と実際の採用面接のあり方、面接でやってはいけないことな社の成長へつながっていくのです。どについて押さえました。最終回の今回は、入社後の定着までを考先日、ベンチャー企業の立ち上げのための中核社慮した面接方法の更なる工夫と、ハローワークのあまり知られてい員の採用を支援しました。創業時でもあり、採用コない活用方法を紹介します。ストを掛けることが難しく、ハローワークだけで募（採用コンサルタント　橋本哲史）集しました。給与面や条件面では十分な待遇を示せなかったため、良い人材が応募してくれるかどうか、非常に不安な状況でした。そこで、求人票には工夫を凝らし、面接では条件面での不利をカバーするた ●ハローワークでの求人を成功させるポイントハローワークは公の機関なので、企業側でハローワークのシステムに合わせた工夫をする必要がある。 ①採用したい人材の明確化企業理念や経営方針などを、誰にでも分かるように、行動に変換して整理する。 ②求職者を引き付ける求人票貴社のアピールポイント、職務内容などを、採用したい人材を具体的に想定して、記載する。 ③応募者が入社したくなる採用面接採用面接方法として、以下の 7 点が重要だと前回 ③職場見学を面接に組み込む。面接時に職場の見め、今後の事業計画を丹念に説明し、応募者が企業述べました。①面接官だけが一方的に話さない②応学を組み込むことによって、応募者の会社への理解側に求めるものを十分に聞き出すことに努めました。募者の発言には十分に耳を傾ける③会社の現状を素を深めることができます。また、採用後の上司にな結果、20 代、30 代の大手企業やコンサル会社出身直に伝える④採用基準に沿う具体的な質問を事前にる社員と話す機会を設ければ、職場にうまく定着で者を、数名採用する事ができました。用意する⑤面接評価表を作成する⑥面接官は複数人きるかという視点からの評価もできます。また、面このコラムで検討してきたように、欲しい人材ので⑦面接官も事前練習する。接室を出ることによって、応募者の緊張がほぐれ、明確化、求人票の工夫、採用面接の工夫を行うこと確率が高くなります。応募者に直接アピールできる違った側面を確認できることもあります。によって、ハローワークからでも必要としている人数少ない機会です。また、書類選考や応募受付など ■採用後の定着まで見据えた面接の手法 ④実技試験を行う。職務において一定以上のスキ材を採用することが可能となるのです。の事務処理の手間を省くこともできます。前述のような方法だけでも良い人材を採用できるルが必要な場合だけでなく、パソコンの能力や電話可能性は高まりますが、さらにその上で、応募者のの応対などの実技試験を実施してみるのもいいで ■ハローワーク活用の裏技開求人というシステムがあることをご存知でしょう資質を見極めるための工夫を加えるとよいでしょう。しょう。既述の通り、面接官と応募者の間には、職最後に、ハローワークを活用する上での裏技を幾か。これは、ハローワークの窓口にいる職業相談員 ①応募者の意表を突く質問をする。応募者は、自務能力に対する認識のずれが必ず存在します。つかご紹介します。が、窓口に来所する求職者の中からこの人ならと己 PR や志望動機など面接の練習を行って本番に望 ⑤最終決定をする前に、アルバイトに来てもらう。 ①求人票は何度でも書き換えられる。ハローワー思った人に声を掛け、求人への応募を勧めてくれるみます。事前に準備された受け答えでも、面接官と実技試験をさらに発展させて、アルバイトに来てもクの求人票は、掲載期間の最中であっても、何度でという仕組みです。つまり、ハローワークが選抜しの間で活発にコミュニケーションができれば問題あらうのもいいでしょう。短期間でも、応募者との認も書き換えられます。そのため、応募者の反応を見た求職者を、貴社に推薦してくれるのです。ただしりませんが、さらに深く応募者を理解するために、識のずれは大幅に解消され、入社後すぐに辞めてしながら内容を書き換えることが可能です。複数人採この制度を活用するためには、会社側も労働法の遵意表を突く質問をしてみてください。そのような状まうなどのトラブルを事前に避けられます。その際、用する場合には、既に採用が決まった方の特性や能守などで優良な企業として認知されている必要があ況での受け答えから、応募者の柔軟性や臨機応変さ、気を付けなければならないのは、応募者が他社も受力を見ながら、異なった人にアピールするように書ります。またその態度や表情から、見えなかったその人の本験している場合です。最終確認としてアルバイトにき換えることもできます。これらの制度については、各ハローワークの規模質を確認できることもあります。具体的には、最初来ている時点で、入社の意思は非常に高いと考えら ②求人開拓員を活用する。通常、ハローワークでや状況などによって、実施してない場合もあります。に自己 PR をしてもらい、その内容を受けて最後にれますが、最終決定は遅れることになりますので、求人を行うためには、地元のハローワークに出向く詳細につきましては、地元のハローワークにご相談もう一度質問したり、抽象的な表現をした部分につ応募者は非常に不安です。そういった面で十分に配必要があります。実は、ハローワーク側から出向いください。いて質問を重ねるなどの方法があります。慮する必要があります。てもらうこともできるのです。ハローワークの求人ここまで 6 回に渡り、ハローワークの有効活用に ②事前に課題を与えておく。面接に十分な時間をこのように、採用面接でさらに一工夫を加えるこ部門には、求人開拓員という職員がいます。彼らは、ついて見てきました。ハローワークは、誰もが無料割けないことも多いと思います。その場合、応募者とにより、良い人材を見抜き、高い確率で採用でき求人や助成金を案内するために、企業を回っていまで使えます。そのシステムの特徴を理解した上で活に事前に課題を与え、面接でそれについて質疑応答るようになります。応募者側から見ても、しっかりす。求人を出したいので相談に来て欲しいと依頼す用することにより、採用業務の効率化を図ることがする方法が有効です。例えば、実際の店舗を見てきとした面接に対して悪い印象を抱くことはありませれば、求人開拓員を派遣してもらえます。可能です。また、今回検討した求人票の作成や採用てもらいその感想を面接で述べるという具合です。ん。逆にしっかりとした会社であるという良い印象 ③面接会に参加する。多くのハローワークで、地面接の方法は、ハローワーク以外の求人募集においその回答から、観察力や提案力などを量れますし、を与えることができます。元企業を集めた面接会を、随時企画しています。面ても活用できるものです。ぜひこれらを実行してい応募者に会社の実態を伝えることもできます。中小企業は少数精鋭なことが多く、無駄な人材を接会に参加することによって、求職者の目に留まるただき、最良の人材と巡り合ってください。応募者の特性を十分に引き出し、その上で貴社との相互理解が進むよう、インタビュー式で面接する。 ④非公開求人を活用する。ハローワークに、非公 1 N.M. 2010.07 11