(80.阿武火山群) あ ぶ か ざ ん ぐ ん 80.阿武火山群 Abu Volcanoes 北緯 34°26′58″ 東経 131°24′07″ 標高 112m (笠山)(三角点) 阿武火山群 鍋山 2008 年 1 月 28 日 気象庁撮影 概要 阿武火 山群 は、山口 県 北西部 の萩 市、阿武 町 、山 口市 に 分布す る 40 あま りの 火山体 から 構 成され てい る。阿武 火 山群の 活動 は、約 200 万~150 万 年前の 前期 と約 80 万 年前以 降の 後 期 に区 分さ れ る。 前期 の 活動 は溶 岩 台地 を形 成 した アル カ リ玄 武岩 の 活動 であ る 。後 期の活動 で は 、 ア ル カ リ 玄 武 岩 の 溶 岩 台 地 、 川 を 流 れ 下 っ た 溶 岩 流 、 ス コ リ ア 丘 を 形 成 し た 。 約 40 万年 前か ら はじ まっ た カル クア ル カリ 安山 岩 ~デ イサ イ トの 活動 は 、溶 岩台 地 (溶岩 平頂丘) を形成 した (角縁 ・永 尾, 1993)。構成 岩石 の SiO 2 量 は 47.0~61.6 wt.% で ある。 1142 (80.阿武火山群) 写真 萩沖島群 笠山 2008 年 1 月 28 日 気象庁撮影 2006 年 3 月 26 日 気 象 庁 撮 影 1143 (80.阿武火山群) 地形図 図 80-1 阿 武 火 山 群 の 地 形 図 . 国 土 地 理 院 発 行 の 5 万 分 の 1 地 形 図 (萩 、 徳 佐 中 、 相 島 、 須 佐 )及 び 数 値 地 図 50m メ ッ シ ュ (標 高 ) 1144 (80.阿武火山群) 火口分布図 図 80-2 阿 武 火 山 群 の 火 山 体 の 分 布 ( 堀 川 義 之 ・ 永 尾 隆 志 ( 原 図 )) . 図 80-3 阿 武 火 山 群 周 辺 の 海 底 地 形 (海 上 保 安 庁 海 洋 情 報 部 ). 1145 (80.阿武火山群) 噴火活動史 ・過去1万年間の噴火活動 笠山で は 、約 11000 年 前には 玄武 岩質安 山岩 の溶岩 台地 が形成 され 、最 新の 噴 火(8800 年 前)に はス トロン ボリ 式噴火 によ りスコ リア 丘が形 成さ れた。 (永 尾・半 田, 1985; 永 尾 ・ 他, 2001)。 噴火年代 噴火場所 噴火様式 主な現象・マグマ噴出量 4 2,3,5 2,3,4,5 11.4ka 笠山 マグマ噴火 溶岩流。 8.8ka 4,5 笠 山 2,3,5 マ グ マ 噴 火 2,3,4,5 スコリア丘形成。 ※ 年 代 、 噴 火 場 所 、 噴 火 様 式 、 噴 火 イ ベ ン ト 等 に つ い て は 、 (独 )産 業 技 術 総 合 研 究 所 の 活 火 山 デ ー タ ベ ー ス (工 藤・星 住 , 2006-)を 参 考 に 、文 献 の 追 記 を 行 っ た 。な お 、年 代 は 暦 年 代 で 示 す 。表 中 の「 ka」は「 1000 年 前 」 を 意 味 し 、 西 暦 2000 年 を 0 ka と し て 示 し た 。 【引用文献】 1.鷹 村 權 (1973) 中 国 地 方 新 生 代 玄 武 岩 類 の 岩 石 学 並 び に 岩 石 化 学 的 研 究 . 広 島 大 学 地 学 研 究 報 告 , 18, 1-167. 2. 永 尾 隆 志 ・ 半 田 正 敏 (1985) 萩 市 笠 山 周 辺 の 新 生 代 火 山 岩 類 . 日 本 地 質 学 会 第 92 年 学 術 大 会 見 学 旅 行 案 内 書 , 119-136. 3.角 縁 進 ・ 他 (1995) 山 口 の 新 生 代 火 山 岩 類 . 日 本 地 質 学 会 第 102 年 学 術 大 会 見 学 旅 行 案 内 書 , 157-170. 4.永 尾 隆 志・他 (2001) 阿 武 単 成 火 山 群 の 熱 ル ミ ネ ッ セ ン ス 年 代 -萩・笠 山 火 山 の ス コ リ ア 丘 は 3,000 年 前 に 噴 火 し た -. 日 本 火 山 学 会 講 演 予 稿 集 2001, 2, 75. 5.永 尾 隆 志 (2002) オ ー プ ン エ ア ・ ミ ュ ー ジ ア ム 山 口 の 火 山 -阿 武 単 成 火 山 群 と 青 野 火 山 群 -. 桜 プ リ ン ト 社 , 51p. ・有史以降の火山活動 現在は 、噴 気活動 は認 められ ない 。 噴火の前兆現象 現時点 では 噴火の 前兆 現象に 関す る明確 な知 見は得 られ ていな い。 1146 (80.阿武火山群) 近年の火山活動状況 図 80-4 広 域 地 震 観 測 網 に よ る 浅 部 の 地 震 活 動 (青 )及 び 深 部 低 周 波 地 震 活 動 (赤 ) (1997 年 10 月 1 日 ~ 2012 年 6 月 30 日 ). 防災に関する情報 ①火山 防災 協議会 なし ②避難 実績 及び入 山規 制等の 実績 なし 1147 (80.阿武火山群) 社会条件等 ①人口 (山口 県ホ ームペ ージ の人口 移動 統計調 査 山口市 196,464 名 萩市 52,835 名 阿武町 3,673 名 平成 23 年 10 月 1 日現 在) ②国立 ・国 定公園 ・登 山者数 等 北長門 海岸 国定公 園( 萩市、 阿武 町、他 (長 門市、 下関 市)) ③付近 の公 共機関 市町名 山口市 萩市 阿武町 機関名 山口市役所防災危機管理課 山口市役所阿東総合支所 萩市役所防災安全課 萩市役所川上総合事務所 萩市役所田万川総合事務所 萩市役所むつみ総合事務所 萩市役所須佐総合事務所 萩市役所旭総合事務所 萩市役所福栄総合事務所 阿武町役場総務課 住所 山 口 市 亀 山 町 2-1 山 口 市 阿 東 徳 佐 中 3417-2 萩 市 大 字 江 向 510 萩 市 川 上 4462-1 萩 市 大 字 下 田 万 1036 萩 市 大 字 吉 部 上 3191-1 萩 市 大 字 須 佐 4570-5 萩 市 大 字 明 木 3174 萩 市 大 字 福 井 下 4013-1 阿 武 郡 阿 武 町 大 字 奈 古 2636 電話番号 083-934-2723 083-956-0111 0838-25-1067 0838-54-2121 08387-2-0300 08388-6-0211 08387-6-2016 0838-55-0211 0838-52-0121 08388-2-3110 ④主要 交通 網 ・鉄道 JR 山 陰本 線 、JR 山口 線 ・路線 バス 会社 防長交 通( 株)、 JR バ ス、山 口市 営バス ・高速 道路 中国自 動車 道 ・国道 9 号線 、191 号線 、262 号線 、490 号線 ⑤関連 施設 ・萩博 物館 関係する主な気象官署 機関・部署名 福岡火山監視・情報センター 下関地方気象台 所在地 (福岡管区気象台)福岡県福岡市中央区大濠 1-2-36 山 口 県 下 関 市 竹 崎 町 4-6-1 下 関 地 方 合 同 庁 舎 1148 電話番号 092-725-3601 083-234-4005 (80.阿武火山群) 気象庁および大学等関係機関の観測網 広域 ※ 同一地点に複数の計器を設置している場合には、観測点の位置を●で示し、その周囲に設置している観測点の種類を示 している。 国 土 地 理 院 発 行 の 20 万 分 の 1 地 勢 図 (山 口 ) (気象庁) 震度計 (国土地理院) GPS 凡 例 (防災科学技術研究所) (自治体) Hi-net 震度計 K-NET KiK-net 1149 (80.阿武火山群) 引用文献 角縁 進・永尾隆 志 (1993) 阿武 単成火 山群 の K-Ar 年 代-マ ント ル・ダイ ア ピルの 寿命 . 日 本地質 学会 第 102 年学 術大会 講演 要旨集 , 252. 永尾隆 志・半田正 敏 (1985) 萩市 笠山周 辺の 新生代 火山 岩類. 日本 地質学 会 第 92 年 学術 大 会 見学旅 行案 内書, 119-136. 永尾隆 志・他 (2001) 阿武単 成火 山群の 熱ル ミネッ セン ス年代 -萩・笠山火 山の スコリ ア 丘 は 3,000 年前 に噴火 した . 火山 学会 講演予 稿集 , 75. 1150
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